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※2025年2月7日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2025年2月7日 日刊ゲンダイ2面
トランプ暴挙に国際社会は猛烈批判、石破首相はニコニコ笑顔で握手を求めるのか(C)日刊ゲンダイ
訪米では従来通りの日米共同声明が用意されているらしいが、その一方で狂乱大統領がぶち上げたガザ所有。民族を追い出し、国を潰す暴挙に国際社会から猛烈な批判が上がっている中、石破首相はニコニコ握手を求めるのか。
◇ ◇ ◇
石破首相が6日午後、米ワシントンに向けて出発した。ホワイトハウスで現地時間7日午前(日本時間8日未明)、トランプ大統領と初の首脳会談に臨む。
「米国第一主義」を掲げるトランプに対し、首相は経済分野などで日本の貢献をアピール。首脳間の信頼関係構築を図りたい考えだ。
日米両政府は2021年4月、当時の菅首相とバイデン大統領の共同声明で、52年ぶりに「台湾海峡」を明記。日本側は、対中強硬派が多いトランプ政権とも台湾を巡る認識の共有を目指しているという。会談ではこのほか、日米同盟の抑止力・対処力強化を確認。覇権主義的な動きを強める中国への対処方針などを議論し、日本企業の対米投資についても協議する予定。人工知能(AI)や半導体といった先端技術を巡る連携強化についても話し合う方針だ。
石破、トランプ両首脳は会談後、共同声明の発出について調整しており、今のところ、米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約第5条の沖縄県・尖閣諸島への適用について再確認するほか、核・ミサイル開発を進め、ロシアと軍事協力を強める北朝鮮の情勢にも触れる見込み。外務・防衛担当閣僚による安保協議委員会(2プラス2)の開催や、トランプの早期訪日についても盛り込みたい考えという。
住民を強制的に移住させれば国際法違反
首脳会談のもう一つの焦点は、トランプが日本側の警戒する防衛費や関税にどう言及するかだ。
石破は防衛費を国内総生産(GDP)比2%に倍増する政府方針や、日本企業が過去5年間で最大の対米投資を行っていることなどを説明。ディール(取引)外交を前面に打ち出すトランプに対して日本政府の立場や姿勢について理解を求める考えという。
石破は昨年11月に南米を歴訪した際、帰途に米国に立ち寄り、トランプと会談しようと模索したものの失敗。民間人である安倍元首相の妻・昭恵氏に先を越され、今回、ようやく首脳会談に至ったわけだが、今回の訪米は石破にとって最悪のタイミングではないのか。
4日、トランプが突然、パレスチナ自治区ガザの住民を近隣諸国に移住させる一方、米国がガザを「所有」して経済復興を進めるという構想をぶち上げたからだ。
世界各国から「無差別大量虐殺(ジェノサイド)」と非難の声が上がったイスラエル軍によるガザ地区の攻撃。
1月19日に停戦合意が発効されたものの、国連のまとめでは、1年3カ月に及んだイスラエル軍の攻撃によって、死者は4万7000人以上、家を追われた同地区住民は人口の9割に当たる最大190万人にも達し、今もなお1万人以上が瓦礫の下に埋まったままだとされている。
ガザの戦後計画としては、ブリンケン前米国務長官が1月に発表した構想がある。パレスチナ自治政府とガザの代表者からなる「暫定政権」を発足させ、国連高官の監督の下、国際社会の協力を得て復興に取り組む内容だ。
再建の主体はあくまでパレスチナ人であり、米国やイスラエルが主導することは想定していなかったはず。イスラエルとパレスチナの「2国家共存」にも反するわけで、トランプは何の権限があって「ガザ所有」を主張し始めたのか。全く言語道断だろう。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「中国やカナダ、メキシコに対する関税の問題と同様、圧力をかければ何とかなるといった発想でしょうが、実現性が極めて低く真意がよく分かりません。名前を挙げたヨルダンやエジプトに受け入れる余裕はないし、住民を強制的に移住させれば国際法違反です。常軌を逸しているとしか言いようがありません」
石破はトランプに「ガザ地区住民を追い出すな」と言えるか
追い出すな(C)ロイター
イスラエルの無差別攻撃で破壊し尽くされたガザの映像を見ると、先の大戦で負けた日本の終戦直後の様子と重なる。昼夜を問わない空爆やミサイル攻撃による死の恐怖に震え、ようやく停戦を迎えて安息の場を得たと思った住民を、今度はパレスチナ域外への強制退去を求めるかのような暴言。そんなトランプの姿勢はまさに「力による一方的な現状変更」そのものではないのか。
ガザ住民の多くは、1948年のイスラエル建国に伴い、現在のイスラエル領内にあった故郷を追われてガザに移り住んだ難民やその子孫だ。その民族を追い出し、国を潰す暴挙と言ってもいい言動に国際社会から猛烈な批判が上がるのも当然だろう。
アラブ諸国の盟主を自任するサウジアラビアは外務省声明で、パレスチナ国家樹立を目指すサウジの立場は「確固として揺るがない」と訴え、ガザ地区の住民移住についても「パレスチナ人の正当な権利の侵害を拒否する」と表明。パレスチナ解放機構(PLO)のフセイン・シェイフ事務局長も5日、「我々はここ(パレスチナ)で生まれ、生活し、これからも残る」と言い、イスラエルと交戦を繰り広げたイスラム組織ハマス幹部も「ばかげている」と一蹴していた。
エジプトのアブデルアティ外相とパレスチナのムスタファ首相はそろって「パレスチナ人がガザを離れることなく、復興計画を前進させることの重要性で合意した」とする声明を公表したばかりだ。
自国はダメだが他国に対しては住民を受け入れろ!の支離滅裂
「世界中から人が集まり住むだろう。パレスチナ人もだ」
トランプはイスラエルのネタニヤフ首相との共同記者会見で、ガザ地区を「中東のリビエラ」と表現。地中海沿岸の保養地のような名高い観光地に発展する可能性があると持論を展開していたから唖然呆然だ。「不動産王」だか、ビジネスマンだか知らないが、単なる土地取引の話ではないのは言うまでもないだろう。
そもそもトランプは当然のごとく、ガザ地区住民の受け入れを近隣諸国に求めているが、トランプ政権といえば、メキシコなどからの移民受け入れに厳しい姿勢で臨んでいるのではないのか。自国はダメだが、他国に対しては住民を受け入れろ! では支離滅裂。国際社会が納得するわけがない。
繰り返すが、今のトランプ政権の姿勢は「力による一方的な現状変更」そのものだ。日本政府や石破政権は、こうした力による現状変更を強く批判してきたはず。訪米を控えた石破首相も3日の衆院予算委員会で、中国を念頭に「法の支配と『自由で開かれた(インド)太平洋』という概念は日本と米国が共有する」「力による現状変更は認められないことを日米間で共有する」と答弁していたではないか。
にもかかわらず、石破は国際社会から批判の声が高まる「力による現状変更」を打ち出すトランプにはそれを認め、ニコニコと握手を求めるのだろうか。これぞダブルスタンダード、二枚舌というのだ。
前出の孫崎享氏は「トランプ政権というのは民主主義や自由主義という理念を掲げていた、かつての米政権とは全く異なり、とにかく自国の利益のみを重視する。少なくとも世界はそう見ているわけで、日本も毅然とした態度で外交に臨まないと単なる属国とみられてしまうでしょう」と懸念する。
また、沖縄国際大学大学院教授の前泊博盛氏はこうみる。
「トランプ大統領は思い付きで発言する場面も多く、日本政府、石破政権として、きちんとした情報に基づく、軸が必要でしょう。日米同盟だからと、何でも『はいはい』受け入れていると大変なことになります。日本政府として言うべきことは言う。その覚悟が石破首相に求められています」
果たして石破は首脳会談で、トランプに向かって「ガザ地区住民を追い出すな」と言えるだろうか。
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