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※2025年2月5日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2025年2月5日 日刊ゲンダイ2面
嫌われないように恐る恐る、「気が合う」なんて甘いことを言って場合じゃない(C)日刊ゲンダイ
どこから聞いてきたのか、トランプが相手の言うことをよく聞くという情報に、「自分と似ている」などと思っているらしいお気楽首相。仲良くなる以前に、あなたは支離滅裂のトランプ流を是認するのか。腰が定まらず、嫌われないように恐る恐るの石破官邸は飛んで火に入る夏の虫。
◇ ◇ ◇
「はぁ?」と思った国民も多かったのではないか。
7日に米国のトランプ大統領との初会談に臨む石破首相。3日の衆院予算委員会で「ひょっとしたら(トランプと)ケミストリーが合うかもしれない」と発言したのだ。
質問に立った公明党の岡本三成政調会長は、米ゴールドマン・サックス証券に勤めていた2000年代、トランプ本人や部下たちと共に仕事をした経験がある。政界きっての「トランプ通」に「総理とトランプ大統領はケミストリーが合う、馬が合うんじゃないかと思っている」と水を向けられたことに気をよくしたのかもしれないが、あまりに能天気すぎるだろう。
1期目のトランプにスリ寄って蜜月関係を築いた安倍元首相を念頭に、「トランプ大統領は意外と他人の意見をよく聞くと聞いている。安倍さんとの会合でも7、8割は安倍さんの話を聞いたというんですね」とも言っていたほどだ。
しかし、そんな希望的観測をお気楽にのたまっていられる場合ではないはずだ。トランプは不法移民や合成麻薬対策の不備を理由に、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税をかけると決定したかと思いきや、1カ月の延期を発表。一方で、中国からの輸入品への10%の追加関税は予告通りに発動した。
中国財政省は「米国による一方的な関税賦課は世界貿易機関(WTO)ルールの重大な違反だ」とした上で、「問題自体の解決に役立たないだけでなく、中国と米国の正常な経済・貿易協力を損ねる」と非難。早速、報復関税を打ち出した。米国原産の石炭と液化天然ガス(LNG)に15%、原油、農業機械、ピックアップトラックに10%の追加関税を課す。発動は10日からとしている。
防衛費増を求めてくるのは必至
トランプは近く、中国の習近平国家主席と関税措置などを巡って電話協議するが、下手をすれば「貿易戦争」に発展しかねない状況だ。
そんなさなかに、トランプと会談する危険性を分かっているのか。下手をすれば、“シゲル、日本もタリフ(関税)だ”と突きつけられてもおかしくない。「ケミストリーが合うかも」なんて甘いことを言っていられないはずだ。
何とかしてご機嫌をとりたいのだろう、3日の予算委では、トランプとの関係構築について「5年間で日本が対米投資額の世界1位であることなどを示す」と発言。“日本は米国の役に立っていますよ”と強調して、トランプに取り入ろうというわけだが、果たしてうまくいくのか。
上智大教授の前嶋和弘氏(現代米国政治)が言う。
「対米投資額については、第1次トランプ政権時に安倍首相がアピールしていたことです。今さら、石破首相がその点を訴えてもトランプ氏には響かないでしょう。しかし、だからといって、トランプ氏は石破首相をぞんざいに扱うようなことはしない。どうすれば日本から実を取れるかという点を冷静に見定めると思います。まず、間違いなく防衛費増は求めてくるはずです。また、米国の物をもっと買うよう要求してくることも考えられる。その要求に応えない場合、『関税』に言及する可能性もある。石破首相は、そうした展開を食い止める材料として、米国産の液化天然ガスの輸入拡大を提示するとみられます」
「休日返上」でトランプ対策の滑稽
トランプ米大統領と蜜月関係だった(C)J MPA
防衛費増に加え、円安で輸入物価が高騰する中、LNGの“爆買い”まで強いられかねないというわけか。腰が定まらず、トランプに嫌われないように恐る恐るの石破官邸は、まるで飛んで火に入る夏の虫。対応に右往左往しているのだから情けない。
折しも、4日の朝日新聞に、その様子が克明に記されていた。
記事によれば、今回の会談に向けた調整は、大統領選直後の昨年11月と、安倍昭恵夫人が面会した同12月中旬に続き、3回目だった。土日だった今月1、2日は休日返上で石破や林官房長官以下、政権幹部、外務・防衛・経済産業官僚らが集まり「トランプ対策会議」を開催。日米首脳会談でのトランプとのやりとりを想定した資料には、日米間における貿易のメリット、防衛費のさらなる増額を求められた場合の対応が列挙されていたという。
「とにかく話を単純化して示していくべきです」「日本との関係が安全保障でどれだけ大事かを伝えるべきです」といった具合だったそうで、石破本人は「(トランプには)難しい話をすればするほどマイナスになることがよくわかった」とつぶやいたという。
何とか取り入ろうと必死になっているわけだが、ここまで振り付けしてもらわないと、石破は話もできないということなのか。
「滑稽ですね」と言うのは、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)だ。
「既に、ソフトバンクグループなどが米国内のAIインフラ整備のために巨額の投資計画を発表しています。ある意味、経済界がトランプ氏との会談前に“露払い”してくれており、石破首相は強気に出ることも可能な状況です。関税をチラつかせられたら、『それなら中国との関係を優先する』といったことを示唆し、トランプ氏にディールを仕掛けるくらいの力量が必要。従来通りの米国ベッタリでは、何も得られないでしょう」
自民党内からも異論
「外交下手」の石破には、自民党内からも懐疑的な声が上がる。
「自民党内には、いまだにトランプ大統領と親密関係を築いた安倍元首相を評価する声が多い。『安倍さんは冗談を交えてトランプとうまく付き合った』といった具合です。一方、石破総理に対しては『小難しい彼はトランプと渡り合えるのか』と懐疑的な意見が飛んでいる。そんな状況ですから、トランプとの会談で大失敗すれば、一気に『石破おろし』に発展する可能性がある。目下、前回の自民党総裁選に出馬した小林鷹之議員や茂木前幹事長らが仲間づくりにいそしんでいますからね」(官邸事情通)
そんな声を抑えるために、あえて「ケミストリーが合うかも」と言ったのか。党内政局を見据えた発言だとしたら、国民不在のフザけた話である。
こんな調子でトランプと対峙できるのか。国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう言う。
「トランプ氏にとって、中国やメキシコ、カナダに比べて日本の優先順位は低い。日本が何を求め、何を問題視しているか、よく理解していないはずです。だから、石破首相は過度に怖がる必要はなく、強気で交渉に臨めばいい。仮に防衛費増を求めてきても、既に日本は、国民に負担を強いる形で防衛費倍増を決めているのですから、突っぱねるべきでしょう。恐らく、石破首相はトランプ氏とケミストリーは合わないと思いますが、取り入るのがうまかった安倍元首相の真似をする必要はない。是々非々で臨むべきです」
よもや、支離滅裂のトランプ流を是認するなど許されない。石破さん、あなたのお気楽に国民は絶句だ。
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