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※紙面抜粋
※2025年1月29日 日刊ゲンダイ
フジテレビ「驕りと勘違い」の裏に政治との癒着…日枝久と安倍晋三がその象徴だ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/366954
2025/01/29 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
ベッタリな2人はゴルフ仲間でもあった(安倍晋三元首相とフジテレビの日枝久氏=左)/(C)日刊ゲンダイ
10時間会見でわかったことは、最初から中居を守り、視聴率を維持し続け、事件を隠蔽することだった。
人権意識の欠落は社長報告が2カ月後、中居に何も聞かなかったことでも明白だが、この体質の原点はどこにあるのか。
会見トンズラのドンが支配したいびつな構造の裏に元首相。
◇ ◇ ◇
「港社長がこの女性の誰にも知られずに、というような気持ちとか、プライベートな領域でのことというものを盾にして情報隠蔽をしているんじゃないかということに尽きるんだと思います」
自社の報道担当社員が社長、会長らに厳しい質問を投げつけ、それを一切カットすることなく生中継し続ける。フジテレビ開局以来、初めてであろう前代未聞の異様な会見の様子は、間違いなく同局が求めてきた「楽しくなければテレビじゃない」を体現する場面だったに違いない。
芸能界引退を公表した元タレントの中居正広の女性トラブルを巡る問題で、同局が27日開いた会見のことだ。
昨年12月以来、「女性セブン」(小学館)や「週刊文春」(文芸春秋)などが中居と女性のトラブルにフジの幹部社員が関与した疑いがあると報道。フジ側は会見で「社員は関与していないと判断している」との認識を改めて示す一方、港社長と嘉納会長の辞任のほか、第三者委員会による調査を通して信頼回復につなげたい意向を示した。
「人権意識の不足で十分なケアができなかった」(嘉納会長)、「(新設された)第三者委員会の調査に協力し、再発防止や企業風土の刷新に尽力していく」(港社長)……。会見の冒頭、港社長らは反省の言葉を口にしたものの、中居と女性のトラブルを把握しながらなぜ、1年半もの間、中居の出演番組を継続し、特番までも放送したのか。コンプライアンス担当にも知らせず、一握りの経営幹部だけで情報共有したのはなぜかという具体的な理由は分からないままだった。
人権意識などクソくらえという虚飾まみれの世界
「週刊文春」などが報じた当初、「女性の人権への配慮から伏せていた」と言いながら、問題が周知され、フジの対応に批判が高まるとみるや、それを逆手に取り、「女性の人権に配慮し公表は控える」などととぼけているのだから何をかいわんやではないか。
フジの報道担当社員が指摘していた通り、「プライベートな領域」という言葉を「盾」にして「情報隠蔽」していると疑念を抱かれるのも当然だろう。
港社長は中居に対して「怒りを感じる」とも言っていたが、本気で怒りを感じていたのであれば、問題を把握した時点で中居の即時降板や、女性の人権を守り、配慮した上で民事、刑事などあらゆる手段を使って中居の責任を追及することはできたはず。それなのに何もせず、今ごろになって「怒りを感じる」とはへそで茶を沸かす話というのか、「掩耳盗鐘」という言葉がぴったりだ。
結局、フジが掲げていた「楽しくなければテレビじゃない」の意味とは、その場の「ノリ」と「勢い」でムリヤリ押し通すということ。とにかく、その場が楽しければ他者を踏みつけても構わない。人権意識などクソくらえという虚飾まみれの世界。10時間24分にも及ぶ異例の長時間会見であらためて分かったことは、最初から中居を守り、視聴率を維持し続け、事件を隠蔽することだったのではないのか。
企業コンプライアンスに詳しい元東京地検特捜検事の郷原信郎弁護士がこう言う。
「フジが信頼を回復するための会見だったはずで、そうであれば目玉というのか、今後のきちんとした方向性を明確に示すべきでした。具体的には第三者委員会の設置を決めたのであれば、第三者委の責任者に引き継ぎ、公平、中立な立場で調査をすること、期限を区切り、公表することなどを映像で見せる必要があったでしょう。テレビ局なのだから最低限、そういった映像を示せばいいのに何もなし。ネットでは『フジ、かわいそう』との声もあるが、だからといって信頼回復はしません」
モラルや倫理観は失われ、「楽しいこと」「視聴率を稼ぐこと」だけを重視
異例の「やり直し」会見も大失敗(C)日刊ゲンダイ
フジの人権意識の欠落は、問題の社長報告が2カ月後であり、中居に何も聞かなかったと指摘せざるを得ないようなお粗末な聴取で済ませようとしたことをみても明々白々だが、この体質の原点はどこにあるのだろうか。
カギを握るのが、フジ・メディアHDの金光社長が会見で、「企業風土の礎をつくっていることは間違いない」と認めた、日枝フジサンケイグループ代表兼フジテレビとフジ・メディアHDの相談役の存在だろう。
会見の場に姿を見せなかった日枝相談役について、納得しない報道陣からは責任を問う声が殺到。質問に立った記者が、「日枝さん、この会見をご覧になっているんですよね」と、語気を強めて呼び掛ける場面もあった。
《フジテレビの問題点が次々と明るみに出ている。若い頃お世話になったTV局だが、近年の堕落は酷い》《時の権力者と癒着し、番組を使って利権を求める体質のトップが去らない限り、明日はない。報道局の体をなしていない。放送免許の取り消しも視野に入る》──。
国際政治学者の舛添要一・前東京都知事は、自身のX(旧ツイッター)にこう投稿。名指しされていないものの、「時の権力者と癒着し、番組を使って利権を求める体質のトップ」とは日枝相談役を指しているとみられる。そんな日枝相談役が近しい関係にあったのが故・安倍晋三首相だった。
権力の監視役としても自覚が感じられないフジ
安倍は日枝相談役が悲願として掲げていた「お台場カジノ構想」を後押しし、そろって安倍の山梨の別荘に泊まり、ゴルフを楽しむ姿が度々見られた。安倍政権下の2013年には旭日大綬章を受章。古賀茂明氏や古舘伊知郎氏、国谷裕子氏らといった安倍政権に批判的なキャスターたちが番組を次々と降板させられる中、安倍ベッタリの日枝相談役率いるフジでは、よしもと芸人が安倍をひたすら持ち上げ、安倍も番組で言いたい放題。
モリカケ問題に対しても鋭いツッコミや厳しい姿勢は見られず、権力の監視役としての自覚はほとんど感じられなかったのがフジだった。
メディアが権力と癒着し、権力側に緊張感がなくなれば、権力の暴走は避けられない。それが自民党の政治資金パーティーを巡る裏金事件につながるのだが、詰まるところ、安倍政権のお先棒を担いだフジが、その後の強権的な支配体制と権力の私物化を招くきっかけをつくったメディアと指摘されても仕方がないだろう。
なるほど、よくよく見れば安倍政権とフジの企業体質は似ている。安倍政権では「何が正しいか」ではなく、政権にとって「何が都合がいいのか」ばかりを探してすり寄るヒラメ官僚ばかりが出世。モラルや倫理観は失われ、盾突いて正論を言えば左遷された。
だから長期政権は交代させる必要があるのだが、40年も取締役を務めている日枝独裁体制のフジもまた、モノを言える雰囲気になかったのだろう。組織にモラルや倫理観は失われ、「楽しいこと」「視聴率を稼ぐこと」だけを重視、優先される企業風土になっていたのかもしれない。驕りと勘違い──。会見トンズラのドンが支配したいびつな構造の裏に安倍元首相の影がちらつくのも無理はないのだ。
ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「フジが最初の会見で、カメラなし、人数制限して週刊誌やフリー記者を排除するという手法は安倍政権でも同じ。独裁体制であれば、こうした傲慢な手法は許されると考えたのでしょう。安倍=日枝ラインで受け継がれた悪しき慣習と言ってもいい」
盛者必衰の理をあらわす。
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