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※紙面抜粋
※2025年1月6日 日刊ゲンダイ2面
もう野党は予算案賛成に含み…こんな調子だと参院選後は大連立
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/365845
2025/01/06 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
前代未聞の悪夢の展開(C)共同通信社
前代未聞の通常国会が始まろうとしている。与党は審議の前から修正に言及し、野党は過半数を押さえているのに勝負する気はさらさらなし。貯金がある自公は参院選で過半数割れはなし。悪夢の展開に有権者はどう出るべきか。
◇ ◇ ◇
昨秋の衆院選で少数与党に転落した石破政権は、いよいよ正念場を迎える。漂流の果てに引きずり降ろされて早期退陣か、あるいは大政翼賛会に突き進んで延命か。2025年度当初予算案を審議する通常国会は、24日に召集予定。野党におべんちゃらを言いまくって24年度補正予算をまとめた昨年末の臨時国会につづき、前代未聞の展開になりそうだ。
いわゆる「年収103万円の壁」の見直しなどを掲げる国民民主党との協議を手始めに、日本維新の会の看板政策である教育無償化をめぐる協議開始にもGOサイン。野党の協力なしでは予算案も法案も成立させられない自公は、臨時国会で抱き込みを連発した。補正予算案の衆院採決目前には、立憲民主党の主張を一部反映した修正案の提出でも合意。28年ぶりとなる国会提出後の予算案修正に永田町界隈がザワつく中、なんだかんだで決着をつけた。
綱渡りなりに着地できたことに味を占めたのか、石破首相は例の調子で野党に秋波を送っている。年末に出演した民放番組で、「あらゆることを念頭に置かなければならない。理屈の通ったものであり、国会の意思がそうであるならば膨大な作業になるが、当然やらなければならない」と予算案の修正に応じる可能性をにおわせた。
参院選「改選過半数割れ」の甘さ
年が明け、野党側は次々にアンサー。立憲民主の野田代表が「チェックすることがわれわれの役割だ」としながらも、「相当に与党が降りてわれわれの主張をたくさん認められるならば、想定としては(賛成を)否定するものではない」と言えば、維新の前原共同代表も「総合的に判断し、予算案に賛成する場合もあり得る」と含みを持たせる。
不倫醜聞で玉木代表が役職停止中の国民民主は、古川代表代行が「103万円の壁」の大幅引き上げに向けた譲歩を求めつつ、「予算案が衆院通過する前後、2月末から3月頭がデッドラインになる」と反応した。
おしなべてまんざらではない様子。自公は衆院で過半数を割り込んでいる。にもかかわらず、野党の寝ぼけた態度。野田にしろ、誰にしろ、一体何がしたいのか。
政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「25年度当初予算案の一般会計総額は、過去最大の115兆5415億円。防衛費増額の影響は言うまでもなく、自民党を支える財界向けのバラマキ事業をどんどん積み上げ、ベラボーに膨らませたあぶく予算案です。そのうち、借金の返済にあてる国債費は28兆2179億円。5年連続で過去最大を更新し、予算案の4分の1を占めるほどに膨張している。税収は過去最大といっても、78.4兆円に過ぎない。結局、新たな国債発行で穴埋めするマヤカシ予算案なのです。野党第1党の立憲民主党を中心に野党が結集し、多数を形成すれば、当初予算案は通らない。物価高に窮する国民生活に資する政策をブチ上げる絶好の機会でもある。予算案審議で政府・与党を立ち往生させ、夏の参院選で過半数割れに追い込めば、石破政権は退陣ですよ。そうした好機を前に、野党がてんでんばらばらなんて民意無視もいいところです」
7月20日投開票が想定される参院選をめぐり、野田は「少なくとも改選議席の与党の過半数割れは実現する。もっと大きな目標として(非改選を含め)過半数割れに勢いをつける」と言っている。控えめだ。どういうわけか目標が低い。
究極の大義「天命」で共鳴する与野党2トップ
あの参院選から間もなく3年(C)JMPA
共同通信社が衆院選比例代表で各党が得た票数を基に行った試算によれば、もっと攻められるはずだ。勝敗のカギを握る32の改選1人区で立憲民主、維新、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の6野党が立憲民主に一本化すると想定した場合、改選125議席(選挙区74、比例50、東京選挙区の欠員補充1を含む)のうち、与党が獲得できるのは44議席どまり。自民35議席、公明9議席で、非改選を合わせ119となり、定数248の過半数を割り込む。1人区が3勝29敗とボロボロになるためで、逆に6野党が独自候補を立てると29勝3敗にひっくり返る。
だからこそ、与党は審議前から予算案の修正に言及。にもかかわらず、衆院で過半数を押さえる野党は勝負する気はさらさらなし。現状では自公は計50議席を死守すれば過半数を維持できる。野党は77議席を獲得しなければ逆転できない。貯金がある自公は、参院選でちょっとやそっと負けても過半数割れはしない。こんな調子だと、参院選後の大連立が現実味を帯びてくる。
日経新聞(5日付朝刊)のコラム「風見鶏」が、ぞわっとするエピソードに触れていた。25年の政局展望を聞いた記者に、野田はこう話したという。
「僕と石破さんが同時期にトップになったのは天命だと思う。何か託されているものがあるんじゃないか」
石破は党総裁選に出馬表明する直前の昨年8月、新著を出版。タイトルはそのものズバリの「保守政治家 わが政策、わが天命」で、「もし私が首相になることがあるなら自民党や日本が大きく行き詰まったときではないか。天命が降りない限りあり得ないだろう」と書いていた。「天命」という究極の大義で共鳴する2人。ともに1957年生まれ、論客で鳴らし、共通点は少なくない。
「天動説」だから「自民党の壁」
与野党の主要政党による大連立をめぐっては、石破が元日放送のラジオ番組で「選択肢としてはある。ただ、『何のために』がない大連立は一歩間違うと大政翼賛会になってしまうので、そこは気をつけなければいけない」と発言。公明の斉藤代表も元日放送のラジオ番組で、「合意形成の要になって頑張っていきたい。結果的に大連立につながるような合意形成が図られる役割を先頭に立って果たしたい」と意欲を口にしていた。与党2トップの露骨な「この指と〜まれ」。野党側は「平時では考えていない」(野田)、「政策実現のために与党と話し合いをする」(前原)、「政策ごとに与党と協議し実現を目指していく」(古川)とさすがに言葉を濁しているが、いざとなれば分からない。「バスに乗り遅れるな」とばかりに豹変するのが政治の常だ。政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう指摘する。
「自公は少数与党になった。野党がまとまれば目玉政策の大半を実現できます。立憲民主党が『30年来の宿題』と意気込む選択的夫婦別姓の導入だってできる。それなのに、いまだに与党の小手先で踊らされている。立憲民主にしろ、維新にしろ、国民民主にしろ、自民党を軸とする考えが骨の髄まで染みこんでいるからでしょう。自民党は政権交代に怯え、野党時代を含め四半世紀も連立する公明党も『下駄の雪』でいつづけられるとは見ていない。当事者が焦燥に駆られている。それなのに、一部の野党は『腐っても自民党』と言わんばかりに、隙あらば手を組みたいとすり寄っている。自民党を中心にした天動説にとらわれているようなもので、ありもしない『自民党の壁』によって思考停止に陥っている。この期に及んでも政権奪取の気概が感じられないわけです」
もたげる悪夢に有権者はどう出るべきか。少なくともこのまま行けば、民意の受け皿はなくなる。
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