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CIA対日政治工作の実態
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2024年12月27日 植草一秀の『知られざる真実』
米国コロンビア大学名誉教授のジェラルド・カーティス氏。
日経新聞の「私の履歴書」を執筆している。
ジェラルド・カーティス氏の名はCIAの上級オフィサーで2000年に没したロバート・クロウリーが残した協力者一覧「クロウリーファイル」に掲載されている。
CIAによる対日政治工作の姿が浮かび上がる。
12月26日付の同コラムにカーティス氏は2009年に発足した鳩山由紀夫政権について言及した。
カーティス氏は
「政権交代が視野に入った09年の衆院選前、私は鳩山氏に3点アドバイスをした」
と記述。
「第1に普天間基地に関し拙速な判断は避けること。
第2に米国を含まず反米に映り得る「東アジア共同体」に肩入れしすぎないこと。
第3に官僚機構をうまく活用する戦略を描き、決して彼らを敵として扱わないこと、
の3つだ。」
痛いほどの勘違い人物。
とはいえ、カーティス氏の発言はカーティス氏本人のものというよりCIAの意思ということだろう。
「伝書鳩」と理解すれば腑に落ちる。
カーティス氏は続ける。
「しかし首相に就いた彼は逆のことをした。
普天間基地の県外移設を唱え、東アジア共同体を支持し、官僚機構を支配した。
今年6月に会った彼は「先生の言うことをもっと聴けばよかったな」と話した。」
何様のつもりかとの反響が出るだろう。
しかし、背後にはCIAが君臨する。
「この紋所が目に入らぬか、控えおろう」
というところだろう。
彼らが日本の官僚機構を重視せよとサジェストする背後に別の事情がある。
米国は日本の政権の頭越しに日本の官僚機構を支配する手法を用いていた。
ウィキリークスが朝日新聞に提供したアメリカ政府の極秘公電により、米国と日本の官僚機構の癒着の実態が明らかにされた。
鳩山政権発足直後の2009年10月12日に行なわれた、カート・キャンベル米国務次官補と長島昭久・防衛政務官(当時)、外務・防衛高官との会談内容をまとめた公電には鳩山内閣下の高官、官僚の驚くべき実態が赤裸々に記述されている。
〈長島副大臣は、普天間移設についての防衛省の分析は、米国政府が導いた結論に近いと説明した。北沢防衛相については、移設問題の再検討に関わっている閣僚の中では、現行案を最も強く支持している「現実的な人間」だとも付け加えた。〉
〈高見沢将林防衛政策局長は、米国が日本政府の高官や政治家に、今なお現行案が有効性を保っていることを説明する際には、米軍の軍事能力や戦争計画、緊密化している米軍と自衛隊との連携(中略)も織り込んでほしいと提案した。彼はまた、日本国民に対して再編関連の問題を説明する際に、米国政府が日本政府と協力してほしいとも促した。〉
〈高見沢は、民主党政権が気に入るような形に最善案の「パッケージ」を修正することについて、米国側は拙速に柔軟な態度を示してしまわないよう警告した。〉
これらの人物は鳩山内閣の方針に従うのではなく、米国の意向を最優先として、米国に対して米国の意向を押し通すように米国に懇願している。
そして、その日本の官僚機構を米国は日米合同委員会を通じて掌握、指揮する立場にある。
鳩山内閣で国交相兼沖縄担当相を拝命した前原誠司氏はルース駐日大使との会談で驚くべき発言を示している。
この驚愕の事実もウィキリークスによって暴露された。
2009/12/10 区分:極秘〈ルース駐日米大使と前原国交相会談〉
と題する極秘公電である。
〈前原氏は、たとえ社民党や国民新党との連立政権が崩壊しても、民主党政権は4月下旬から5月上旬に普天間移設案で前進可能だとした。
前原氏は、岡田克也外相がこのメッセージをある時期に米政府に届ける、とも話した。〉
鳩山首相の県外・国外移設方針は米国による官僚機構との連携、鳩山内閣閣僚との共謀、エージェントによる働きかけ、などの「対日政治工作」によって破壊されていった。
歴史の事実を私たちは改めて確認する必要がある。
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