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※2024年12月17日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2024年12月17日 日刊ゲンダイ2面
踏み込まず、はぐらかし、「石破論法」/(C)日刊ゲンダイ
臨時国会は会期末、補正予算も通るが、相変わらずの石破政権支持率低迷は当然だろう。ペラペラしゃべるが言い訳ばかり、政治とカネは後ろ向き、経済対策は103万円頼み。
分断が進み、凶悪事件が相次ぐやりきれない世相に、何もできない、やらない政治のままでいいのか。
◇ ◇ ◇
石破政権にとって初めての予算編成となる2024年度補正予算案は17日、自公与党が多数を占める参院で可決され、成立する見通しだ。自公が惨敗した総選挙の第一声で石破首相が「昨年(約13.2兆円)を上回る大きな補正予算を」とブチ上げ、物価高対応と称した総合経済対策で歓心を買おうとしただけあって、規模はバカでかい。コロナ禍から正常化して1年7カ月も経つのに、約13.9兆円と巨額。住民税非課税世帯向けの給付金や電気・ガス料金、ガソリン代の補助などに3兆3897億円を計上したにもかかわらず、評価はさっぱりだ。
読売新聞の世論調査(13〜15日実施)では経済対策を「評価する」と回答したのは46%で、「評価しない」の44%と横並び。内閣支持率は前月比4ポイント減の39%に下落し、不支持率は6ポイント増の48%に上昇した。不人気はすっかり定着し、朝日新聞(14、15日実施)でも支持率は36%、毎日新聞(14、15日実施)では30%だった。
臨時国会の会期末が21日に迫る中、衆院で過半数を割った自公はいわゆる「103万円の壁」の解消を訴える国民民主党を抱き込み、埋没を恐れる日本維新の会を手なずけ、ほぼスケジュール通りに補正予算をまとめるわけだが、低迷した支持率は微動だにしない。石破に対する失望の大きさを物語っている。
うだうだ答弁に国対政治
法大大学院教授の白鳥浩氏(現代政治分析)は、こう言う。
「石破首相の豹変ぶりに、少なくない国民が拍子抜けしています。党内野党として放っていた存在感は、首相になった途端に消え失せ、従来の自民党首相と代わり映えしない。要するに、国民の感覚から乖離しているのです。少数与党に転落して『熟議の国会』と口では言うものの、実際は旧態依然の国対政治に頼っている。首相への期待が下がりっぱなしなのは当然で、透明性のなさもガッカリに拍車をかけている。『石破論法』だとか『石破構文』だとか言われていますが、答弁がうだうだと長く、しまいには何を言っているのか分からなくなっているのも、大きなマイナスでしょう」
ぺらぺらペラペラしゃべるが、言い訳ばっかり。裏金事件で再燃した「政治とカネ」の問題をめぐる対応なんか、後ろ向きどころか最悪だ。
総選挙で有権者に鉄槌を下された途端、石破は政治資金規正法の再改正を言い出したものの、「抜け穴」の維持に固執。立憲民主党や日本維新の会など野党7党が国会に共同提出した政策活動費の全面廃止法案に難癖をつけ、支出先を非公開にできる「要配慮支出」を新設し、ブラックボックスを温存しようとした。その後、「公開方法工夫支出」に名称変更して押し込もうとしたが、時間切れで断念。17日の衆院政治改革特別委員会で野党の廃止法案、公明と国民民主が出した政治団体の政治資金を幅広く監査する第三者機関設置法案などが採決され、衆院を通過して今国会中に成立する見通しとなった。
それで腑に落ちないのが、企業・団体献金の取り扱いだ。自民の宿痾である金権腐敗の温床で、政治改革の本丸。自民と立憲が16日の協議で政活費廃止で合意した際、立憲が提出した企業・団体献金禁止法案について、来年3月末までに結論を得ると申し合わせた。立憲の野田代表が期限を切ったとはいうものの、どうもスッキリしない。
野党にも詭弁が潜む企業・団体献金の禁止
塾帰りの中学生が標的に…(C)共同通信社
政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう指摘する。
「立憲の企業・団体献金禁止法案は、対象から政治団体を除外している。本気度がまったく足りません。自民が指摘している通り、支援組織の労働組合関係の政治団体から引き続き献金を受け続けたいからではないのか。そう勘繰られても仕方がない。3月は来年度予算案の年度内成立を左右する敏感な時期。予算案を人質に駆け引きに臨む構図にも見えますが、ポーズだけじゃないのか。『政治とカネ』をめぐっては、野党にも詭弁が潜んでいる。見極めなければいけません」
そうでなくても、自民は企業・団体献金を死守しようとしている。石破は言うに事欠いて「企業も表現の自由は有していて、自然人だろうと法人だろうと問わない。企業・団体献金を禁じることは(表現の自由を保障する)憲法21条に抵触する」とトンデモ答弁を繰り出し、物議を醸した。その後、「違反するとまでは言わない」と修正したが、「法律上議論されなければいけない」と一歩も引かない。16日の衆院政治改革特別委でも自民議員は「禁止は慎重さを欠いた判断だ」と強弁を重ねていた。
「企業・団体献金の禁止はポッと出の政治テーマなんかではありません。若かりし頃の石破首相も熱を上げた『平成の政治改革』の積み残し。血税が原資の政党助成金(政党交付金)の導入と引き換えに禁じる取り決めだった。一体いつまで二重取りを続けるつもりなのか。今国会の2大テーマである『政治とカネ』をめぐる問題も、『103万円の壁』の解消も中途半端です。少数与党の上、党内で孤立。前門の虎、後門の狼状態に置かれているとはいえ、石破首相はリーダーシップを圧倒的に欠いている」(白鳥浩氏=前出)
党最優先の「民主主義」
自公が補正予算案の衆院通過とのバーターで国民民主と〈178万円を目指して、来年から引き上げる〉ことで合意したのは、報道各社の世論調査でおおむね評価が高い。支持率に少なからず貢献しているのは明らかなのに、自公は123万円への引き上げを提示。案の定の展開だ。
「石破首相はいつ本気を出すのか。期待を持って見ていましたが、どうやらすでに出していたようです。歴代政権は苦労していたんだな、などと思いを致しているフシがある。選択的夫婦別姓の導入をめぐる国会でのやりとりには耳を疑いました。16日の参院予算委で友党の公明党議員から『導入を決断し、閣法(政府提出法案)の提出を』と求められ、『政党の事前了承が必要なので、現段階で閣法を優先する考えはない』と逃げた。要するに、党内をまとめられないということ。『党内で議論しながら、政府の政策として提案をするのが民主主義政党』とご託を並べていますが、主権者は党に劣後するのか。世論の声を反映せずに、何が民主主義だという話です」(角谷浩一氏=前出)
富める者をさらに潤すアベノミクスが格差拡大を助長し、社会の分断は切ないほど深まっている。
高額報酬につられた闇バイトが横行。あの東京五輪の誘致で「落とした財布はほぼ確実に戻ってくる」とプレゼンするほど治安の良さを誇っていたのに、戸建て住まいの老夫婦は「招かれざる客」に脅えて暮らすようになった。塾帰りにマクドナルドで腹ごしらえしようとした中学生2人が刃物で襲撃され、女子生徒が命を落とす惨劇まで起きた。凶悪事件が相次ぐやりきれない世相に何もできない政治、やらない政治のままでいいのか。漂流する石破政権は閉塞の時代にそぐわない。この年の瀬も暗澹としている。
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