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危機感のないネット・SNS利用には陰謀論やデマが介入する 古谷経衡 猫と保守と憂国
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/364774
2024/12/11 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
古谷経衡氏(提供写真)
オーストラリア議会は先月、16歳未満のSNS利用を制限する法案を可決した。SNSが世界的に普及するなか、同様の立法は米フロリダ州で14歳未満のSNS利用を禁ずるなど、広がりを見せている。
SNSを介した危険かつ違法な情報への接触、例えばポルノや薬物売買、学校グループでのいじめに至るまで、SNSの弊害はもはや日本だけの社会問題ではない。このような類似法案が日本で近々に可決される見通しは低いものの、SNS規制の動きは確実に我が国へと波及しよう。では法によるSNS規制に効果はあるのだろうか。
あまりない、というのが筆者の個人的な直感である。なぜなら特に未成年は法が禁忌とした最新ツールに対し、ますます好奇心を募らせるというのは、万国共通の性だろうからだ。筆者は1990年代のネット黎明期にITの洗礼を受けた世代だ。1クラス40人のうち、自宅でインターネット接続可能な環境にあるのは、せいぜい5、6人という時代だった。当時からすでにネットには違法・危険情報が瀰漫し、形式的には「18歳未満閲覧禁止」とあっても、平然とのぞくのが楽しみであった。またIPを隠して接続するという「裏技」も日常的であった。
ただし、若年時代にそのようなネットの暗部に触れた私たちの世代の一部は、「ネットに書いてあることの9割は嘘」と斜に構えるリテラシーが形成され、以降も簡単にネット情報を信用することはなく社会人になった。だからむしろ極端な例を除いて、ネットの危険と安全の狭間を実体験させることは、その人間のネット免疫を高めることになるかもしれない。
日本ではむしろ、中高年のネットリテラシーが極端に低く、問題と思う。先般の兵庫県知事選挙もそうだが、ネットに接触した時期が遅く、せいぜい10年前くらいからしかSNSに触れていないものであればあるほど、「デマ」を真実と誤認しやすい傾向があるように思う。なぜなら、筆者のような90年代の「アングラなネット空間」を経験していない後発ユーザーの多くは、ネットは危うく、玉石混交の「石が9割」の世界であるという身体的実感が伴わず、21世紀に入って飛躍的に整備された「高速で快適」なネット空間しか知らないからである。このようなユーザーは、日本においてごく初期のSNS「mixi」の何たるかにも無知であろう。危機感を抱くことなくネットやSNSを使えば、そこに必ず陰謀論やデマが介入する。
筆者の世代はスマホで快適に動画を見る、ということすら技術的に不可能であった。ネット利用には予備知識と工夫が必要で、常に緊張感があった。法や教育で、SNSを禁止してもかえって興味を煽るだけである。転倒を繰り返して子供が自転車に乗れるようになるのと同じでネットやSNSリテラシーは他者からの指示で涵養されるような類いのものではない。
唯一の方法はSNSを利用して自らが危険な目に遭遇して学習することだ。もちろん軽微な危険や大事に至らぬ未遂などが望ましいものの、筆者が予想するに、目下その「危険な目」には破滅の予感が含意されている。
古谷経衡 作家
1982年生まれ。立命館大学文学部史学科卒。令和政治社会問題研究所所長。「左翼も右翼もウソばかり」「日本を蝕む『極論』の正体」「毒親と絶縁する」「敗軍の名将」「シニア右翼」など著書多数。
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