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政治資金規正法の抜け穴許すな
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2024年12月13日 植草一秀の『知られざる真実』
政治資金規正法は
政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、
政治資金の収支の公開並びに政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、
政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを
目的とするもの。
「政治資金の収支の公開」および「政治資金の授受の規正」が
「講じられる措置」の核心。
ところが、自民党安倍派は政治資金の収支を隠ぺいし「裏金」としていた。
また、同法21条の2の2項が
政治家個人への寄附について政党が行う寄附を除外した。
この条項を用いて巨額の資金が政党から政治家個人に寄附され、その使途が公開されてこなかった。
自民党では年間約10億円の資金が党幹事長に寄附され、その資金使途が闇に葬られてきた。
これでは「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」、「政治資金の収支の公開」等の措置により「政治活動の公明と公正を確保し」、「民主政治の健全な発達に寄与すること」は不可能だ。
「政治資金の収支の公開」が政治資金規正法の根幹。
そこで、「政策活動費」の廃止が検討されている。
具体的には21条の2の2項を削除すればよい。
政党が政治家個人に対して行う寄附も禁止にすればよい。
政治家の資金管理団体、政治団体、さらに政党などは同法により収支公開を義務付けられている。
「政治資金の収支の公開」により政治活動を国民の不断の監視と批判の下に置かねばならない。
ところが自民党は新たに別の例外を設ける提案をしている。
「公開方法工夫支出」という名称の支出を設け、政党からの支出先などを非公開にできるとした。
巨額の使途不明金を生み出してきた「政策活動費」を作り変えるものだ。
要するに「使途不明の闇金」を温存したいということだと思われる。
衆議院で過半数議席を保有する非自公勢力は断固としてこの提案を拒絶する必要がある。
「政治とカネ」問題で新たに確立しなければならない課題が四つある。
第一は政策活動費の廃止。
政治資金の収支を例外なく公開すること。
第二は連座制の適用。
政治資金不正が明らかになった場合、議員の責任を問う制度が正式に導入される必要がある。
第三は旧文通費の使途公開と残金の国庫返納の義務付け。
これも「政治資金の収支公開」の一環だ。
第四は企業団体献金の禁止。
資金力に勝る企業の献金を認めれば政治が企業に支配される。
主権者である国民ではなく資本力の大きい巨大企業が政治の主役になる。
1970年の八幡製鉄献金事件で最高裁が献金を合憲としたことが企業献金を是認する根拠とされるが、1993年11月2日の衆院政治改革特別委員会で岡原昌男・元最高裁長官は、
自民党の中で「(判決の)一部だけを読んで企業献金差し支えない、何ぼでもいい、こう解釈しておりますが、あれは違います。」
判決当時、企業・団体献金が行き渡っており、最高裁としては企業献金が違憲とは言えないので、「あれは助けた判決」
だと述べた。
また、同最高裁判決は金権政治、政治腐敗の醸成といった弊害を認め、「弊害に対処する方途は、さしあたり、立法政策にまつべきこと」とした。
つまり、企業・団体献金を禁止する立法措置を否定していない。
企業献金があるために政治が金の力で歪められている。
企業は巨額の献金を行い、政権与党は企業に利益を供与するという「合法の賄賂政治」がまかり通る状況を生み出している。
非自公勢力が「企業団体献金全面禁止」で足並みを揃えれば、これを規定する法改正案を衆議院で可決できる。
ところが、この四つの改革が実現する見通しが立っていない。
その根因は一部の野党が企業献金の存続を求めているからだ。
「隠れ与党」=「ゆ党」を明らかにし、「ゆ党」を排除することが必要だ。
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