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※2024年12月13日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2024年12月13日 日刊ゲンダイ2面
財源の詰めもないままに、素人幹事長同氏が「目指す」決着の笑止千万(C)日刊ゲンダイ
103万円の壁とやらは財源の詰めもないまま、素人の幹事長同士が「目指す」決着の大笑い。最初から握っていたのに猿芝居のバカバカしさ。
一方、立憲も「政治とカネ」の正体を知りながら、ヨタヨタ政権をアシストする意味不明。「成果」を豪語するとは仰天だ。
◇ ◇ ◇
石破内閣が初めて提出した補正予算案が、12日、あっさり衆院を通過した。参院は与党が多数を占めているから成立は確実だ。
衆院で過半数割れしている石破政権は、「予算を成立させられない」などといわれていたが、なんのことはない、始まってみれば、野党の維新と国民民主が補正予算案に賛成し、スケジュール通り衆院を通過である。
それもこれも、多数を握っているはずの野党が、まんまと自民党に手玉に取られているためだ。
少数与党に転じた自民と公明は、野党の協力がなければ予算案を可決できない。当初、連携相手として照準を合わせたのが国民民主だった。しかし、国民民主が要求している、いわゆる「103万円の壁の178万円への引き上げ」と「ガソリン暫定税率廃止」をめぐって協議が難航し、国民民主の榛葉幹事長が「納得できない中身なら、補正予算に賛成できない」とゴネ始めた。
すると自民党は、国民民主に見せつけるように、野党第1党の立憲民主に急接近。自民党の森山幹事長は、これ見よがしに立憲民主の国対委員長経験者に接触する念の入れようだった。公明党からも「国民民主にこだわる必要はない」の声が噴出。政界では「立憲民主が補正予算案の賛成に回る可能性がある」との観測まで飛び交った。
「立憲民主に賛成されたら埋没する」と焦った国民民主が、中身も詰めずに<103万円の壁とガソリン暫定税率廃止>について、自民、公明と慌てて「合意書」を結び、「合意」したことを理由に補正予算案への賛成を表明したというのが実情である。
その一方、自民党は維新とも接触。維新の看板政策「教育無償化」に関し、年内に実務者協議を開始することで合意し、補正予算案への賛成をとりつけている。
本来、窮地に陥っておかしくない少数政権が、立憲民主、維新、国民民主、それぞれにアプローチし野党を分断、翻弄している格好である。
補正予算の成立が確実となった石破首相は、今頃「野党はちょろい」とニンマリしているに違いない。
自民に高値で売ろうとする野党
早くも自民にスリ寄り(日本維新の会の前原共同代表と岩谷幹事長=右)/(C)日刊ゲンダイ
しかし、これでは、自公政権を過半数割れに追い込んだ10.27衆院選は一体、なんだったのか、ということになるのではないか。多くの有権者は、国会の風景が大きく変わると期待したはずだ。なのに、フタを開けてみれば、以前と同じく、なにもかも自民党ペースで進んでいる。
どうかしているのは、維新も国民民主も、たいした見返りもないのに、補正予算案に賛成していることだ。
国民民主の榛葉は「この合意書をもって補正予算に賛成したい」と満足げだったが、自、公と結んだ「合意書」には、具体的なことはなにも書かれていない。103万円の壁については「178万円を目指して来年から引き上げる」とあるが、具体的な引き上げ幅の記述はなく、ガソリン暫定税率も「廃止する」となっているが、時期が書かれていない。「具体的な実施方法」は「引き続き関係者間で誠実に協議を進める」と記されているだけだ。
よく国民民主は、この内容で補正予算案に賛成したものだ。もし、この先「野党第2党」の維新が自公政権に積極的に協力するようになったら、「野党第3党」の国民民主は用済みとなり、「合意」も反故にされるのは目に見えているのではないか。
維新にしたって、自、公との合意は、「教育無償化」に関して3党の実務者で制度設計の議論を開始する--とあるだけだ。教育無償化が実現する担保はどこにもない。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「もともと、維新と国民民主は『第2自民党』と揶揄されている政党だけに、自民党をアシストすることに抵抗も違和感もないのでしょう。維新の前原共同代表は『野党がなんでも反対では国政は動かない』と明言しています。恐らく、維新も国民民主も、最初から補正予算に賛成するつもりだったのだと思う。自民党サイドも、維新と国民民主は、多少“手柄”を与えれば、取り込めると考えているのではないか。心配なのは立憲民主党です。補正予算案には反対したが、立憲民主が提出していた修正案の一部を石破政権が受け入れると、『28年ぶりに予算案の修正を勝ち得た。与野党逆転の成果だ』と、勝ち誇っていた。この先、自民党から多少の譲歩を勝ち取るだけで満足していたら、ますます維新と国民民主を、自民党から譲歩を引き出す『手柄争い』に走らせ、結果的に自民党を助けることになりかねません」
この国の野党が「55年体制」の昔から自民党と裏で通じていることは公然の秘密だ。自公政権が過半数を割ったことで、野党の一部は「高値」で自民党に売ろうとしている始末だ。
野党の協力で石破政権は安泰
野党がこの調子では、来年の通常国会も石破政権は安泰、本予算も予定通り成立する可能性が高いのではないか。
自民党政権は、この臨時国会をモデルケースにすれば、通常国会も乗り切れると自信を持ちはじめているらしい。とくに、維新が補正予算に賛成したことが大きいという。これまでは「カードは国民民主1枚」だけだったが、カードが2枚になれば、政権運営は一気にラクになるからだ。
「教育無償化」に関して、自、公と協議開始で合意した維新の前原は、早くも「われわれの考え方を具体的に提案したい。政策実現に向けて行動で示す」と、石破政権を動かすと宣言している。
自、公と<103万円の壁と、ガソリン暫定税率廃止>で合意した国民民主も、政策を実現させるためには、もはや石破政権と決裂できないのではないか。
維新と国民民主を抱き込めば、石破政権は安泰である。しかし、たとえ政策実現のためだろうが、石破政権の延命に手を貸したら、ロクなことにはならない。
法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
「過半数割れしている石破政権は、来年度予算を成立させるまでは、低姿勢に徹するはずです。野党の訴えにも、それなりに応じるでしょう。しかし、予算と必要な法案が成立したら、“衆参ダブル選挙”を狙って、会期末の6月、一気に解散総選挙に打って出てくる可能性が高いと思う。どうせ、今でも自公政権は、衆院で過半数割れしています。衆参ダブル選挙となったら、野党は選挙協力をするのも難しくなる。衆参で過半数を確保したら、石破政権は選挙のない“黄金の3年間”を手に入れることになります。そうなったら、“政治とカネ”の問題もなかったことにされるでしょう。元の木阿弥です。今から野党は、自民党政権と厳しく対峙すべきです。自民党から多少の譲歩を得るために甘い態度を取って延命に手を貸していたら、いずれ痛手を負いますよ」
衆院選で自公を過半数割れに追い込んだ有権者は、政治が大きく変わることを期待したはずだ。なのに、野党が自民党にすり寄っているために、変わらないのでは、これほどの裏切りはない。
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