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<泉房穂の直言!> モンスターお殿様に不信任を 兵庫県知事の告発問題、個人のキャラの問題ではない
2024年9月11日 12時00分
有料会員限定記事
https://www.tokyo-np.co.jp/article/353232?rct=izumifusaho
有料記事のため、省略
石破さん、国民のためにもう1回「手のひら返し」を 本当の「リーダーシップ」とは〈泉房穂の直言!〉
2024年10月9日 12時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/359134?rct=izumifusaho
兵庫県明石市の前市長で衆院議員の経験もある泉房穂さんに、「庶民的な立場からの本音トーク」で、政界に直言していただきます。
今回は自民党総裁選で勝利して新政権を発足させ、衆院総選挙に臨む石破茂さんの話です。論点はどこを向いて政治をしているのか、リーダーシップの在り方という二つです。
◆なぜ、石破さんの国民人気は高かったのか
国民は政治家に対し、お金をくれる企業・団体といった人たちを見るのではなく、国民の方を向いて国民のための政治をしてほしいと願っています。その願いに対する裏切りの象徴が金権政治です。自民党の派閥裏金事件に対する国民の怒りが収まらないのは、国民の生活が苦しいこととつながっています。国民は働いても働いても手元の金が増えないのに、なぜ国民の代表である政治家が国民のことを考えずに、お金をくれる人を向いて偏った政策を考え、私腹を肥やすのかと怒っている。
なぜ石破さんの国民人気が高かったかというと永田町ではなく、国民の方を見ている政治家だと期待されたからです。
◆総裁になった途端、発言がぶれた
自民党総裁選は4階建ての構造です。1階は国民全体、2階は自民党支持層、3階は党員、4階は国会議員。ボリュームは1階から順に10、5、2、1ぐらいのイメージ。上に行くほど左が欠け、極端に右に偏った建物です。
石破さんは最初、1階の国民に向けてしゃべっていて、途中から2階の自民党支持層を相手にしていたけれど、党員向けに一気にかじを切ったために発言がぶれました。総裁に当選した瞬間に4階の国会議員しか見なくなり、手のひら返しと批判を浴びています。
◆ひどすぎる早期解散 永田町を向いた閣僚人事
石破さんが手のひら返しをした(1)衆院の早期解散(2)自民党役員と内閣人事(3)裏金議員の衆院選公認ーの3点について考えます。
石破さんは総裁選の討論会などで、全閣僚出席の予算委員会を開き、国民に判断材料を提供してから解散するのが妥当だと発言していました。それが予算委なしで解散ですからひどすぎる。首相になっていない段階で解散日程を明かしたのもルール違反です。解散権は首相にしかありません。
閣僚人事も国民を見ていない。女性閣僚は岸田政権の5人から2人に減った。初入閣が13人というけれど平均年齢は上がってしまった。要は自分を支持してくれた党内の陣営に配慮した「在庫一掃」です。民間登用もありませんでした。私もひそかに期待していましたが、スマホは鳴りませんでした(笑)。子ども担当相に指名されたらできる自信はありましたが。明らかに永田町を向いた人事で、国民のための仕事をする内閣ではない。
◆裏金議員の公認、だんだんと緩んでいった
裏金議員の公認問題について、石破さんは総裁選のスタート段階では一番毅然(きぜん)とした発言をしていた。それが原則公認と報じられるなど、だんだんと緩んでいった。国民世論が反発した結果、微修正したけれどもう遅い。
筋論で言うと、裏金問題を不問に付さないというのであれば、非公認でお茶を濁すのではなく、2005年の郵政選挙のように、裏金議員に自民党の公認候補を対抗馬として立てるべきです。無所属で当選したらみそぎが済んだという古い政治は間違っています。
次にリーダーシップ論です。首相や首長などのリーダーには方針決定権と予算編成権、人事権がある。公認権は人事権の最たるものだから、リーダーが覚悟を決めれば裏金議員を非公認にすることができます。強大な人事権を行使すれば、国民の方を向いた内閣をつくることもできます。
◆石破さん、まだ道は残っていますよ
自分の兵庫県明石市長時代を振り返ると、最初が肝心です。石破さんは首相になる前に人事や解散の問題でリーダーシップがないことを露呈してしまった。リーダーにはトップダウン型と調整型があります。石破さんはそもそも党内調整に向いていないのだから、慣れないことをしても無理。だからちゃんと国民の方を向いてリーダーシップを発揮してほしかった。
ただ、石破さんにはまだ道は残っています。石破さんは若いころから政治改革を掲げてきているし、言葉や政策を大事にし国民を向いた政治家として評価されて首相になれた。慣れていない永田町政治に染まろうとしても無理なのだから、原点に戻り、国民の方に振り向いてほしい。1回手のひら返しをしたんだから、手のひらをもう1回返して元に戻したらいいんですよ。
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泉房穂(いずみ・ふさほ) 1963年生まれ。兵庫県出身。NHKディレクターなどを経て司法試験合格。2003年衆院選で当選。2011年から明石市長を12年務め、中学生の給食費など「5つの無料化」を市独自で実現した。
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「数合わせ」から「政策合わせ」の政治へ わくわくする衆院選結果 注目すべき点は…〈泉房穂の直言!〉(東京新聞)
2024年11月13日 12時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/366359?rct=izumifusaho
◆与党の過半数割れの状況を前向きに
今回は衆院選を受けた話です。キーワードは「新しい政治の始まり」。与党の過半数割れは「数合わせ」の政治から、国民を向いた政策を実現する「政策合わせ」の政治に転換するチャンスだと思っています。
衆院は2012年以降ずっと自民党の単独過半数。政策は国民の見えないところで自民党が決めれば決まってしまう状況でした。
予算案や法案を可決するには過半数が必要です。与党が過半数に達しなかった以上、予算案や法案ごとに各党と内容を擦り合わせることが不可欠になります。まさに数合わせから政策合わせへの転換点を迎えたのだと、今の状況を前向きにとらえています。
◆熟議を尽くす環境が整った
与党が調整をする相手は今のところ国民民主党と言われていますが、選択肢は幅広い。論点は単なる数合わせでやるか、政策合わせをするかです。国民民主は今後の選挙を考えると自公に擦り寄りすぎるのは難しい状況なので、個々の政策ごとに対応する可能性が高い。政策をオープンな場で国民に分かる形で議論するのが望ましい。選挙後に政策の議論が始まるのは政治の新しい風景です。
衆院の委員長ポストの割り振りで、立憲が予算委員長と憲法審査会長を手に入れたのも意味が大きい。もう予算などの強行採決はできません。その代わり、野党側も責任を負う形になりますから、審議を引き延ばしたり、批判だけしたりするような無責任なこともできなくなる。熟議を尽くす環境が整ったと思います。
◆各党の支持傾向は…
次に個々の政党の状況です。議席数に関する報道が目立ちますが、私は比例代表の得票数に注目するべきだと思っています。小選挙区の特性から大政党は議席数で得をしますが、各党の支持傾向を見るには比例のほうがよいのです。
前回と比べて国民民主とれいわ新選組が大幅に増やし、立憲は横ばい。自公と維新、共産、社民は減らしました。これらの数字から3点読み取ることができます。一つは裏金に象徴される金まみれの政治はノーという民意。二つめは国民目線の政策を求める声。三つめは前記二つの問題にどの政党も答えていない現状を反映した低投票率です。
「裏金ノー」の国民の意思は自民、公明を直撃し、両党の得票数は激減しました。立憲は裏金批判はしましたが、国民を向いた政策をほとんど打ち出せなかったので横ばい。立憲は議席数は増やしましたが、得票を増やしていないので勝ったとは言えず、横ばいが正しいと思います。
◆「終わりの始まり」 反省なしの自民に未来はない
一方、国民を向いた政策を打ち出した国民民主とれいわが激増。ただ、自民、立憲の二大政党が国民を向いた政策を出せなかったので期待は高まらず、投票率は戦後3番目の低さにとどまりました。
裏金批判の世論は続いていますから、大政党が国民を向いた政策を展開して期待が高まれば投票率は上がる可能性がある。2005年の郵政選挙、2009年の民主党政権誕生時は投票率が上がりました。期待感が高まれば政治の風景は一瞬で変わるだろうと思います。
個別に見ると、自民は裏金ノーの民意を突きつけられたのに反省の色は見えません。こんなに負けて反省しない自民に未来はない。「終わりの始まり」だと思っています。政策を巡って割れていくのではないでしょうか。崩壊過程に入ったと思っています。
◆自公が躍進する時代はもう来ない
立憲は絶好の好機だったのに横ばいは実質的な負けに等しい。裏金批判しか言わず、国民に刺さる政策を打ち出せなかった。野党候補を一本化して大同団結する戦略にも欠けていた。厳しい言い方ですが、今のところ反省も方針転換する覚悟も見えない。
国民民主は今回ははねたけれど、この状況が続くか不透明です。与党に擦り寄りすぎれば参院選は勝てない。浮かれるのではなく、中長期の戦略が必要です。
公明は緩やかに力が弱まっていると感じます。自民と抜き差しならない関係になった状況で、ともに落ち込んでいますから、自公が躍進する時代はもう来ないと思います。
◆「永田町の人たちは新しい政治を」とのメッセージだ
自民、公明以上に負けたと言えるのが維新です。大阪の19小選挙区では勝ちましたが、比例は37%の減。大阪限定政党に戻り、かなり厳しい状況です。逆に言うと維新と立憲、国民民主が組める状況が生まれたとも言えます。維新、立憲、国民民主の3党で選挙区をすみ分けられれば、状況は相当変わる。
共産党は立憲に気を使わず候補者を立てたけれど比例は増えなかった。政策的には国民民主、れいわと共産が伸びてしかるべきだったけれど、歴史のある政党の宿命で、新鮮なメッセージとして届かなかった。
衆院では古い政治から新しい政治への模索が続くでしょう。2012年から止まっていた政治が動き出し、わくわくします。
衆院選の結果は「永田町の人たちは一回考え直して新しい政治をしなさい」という歴史のメッセージだと思います。今後の政治を数合わせではなく、政策合わせの目で見ていきたいですね。
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