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斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/363991
2024/11/26 日刊ゲンダイ
固い表情を浮かべ…(C)日刊ゲンダイ
PR会社の株式会社merchu(メルチュ)折田楓代表取締役(右の青い服)=2024年11月17日(C)日刊ゲンダイ
兵庫県知事選で再選を果たした斎藤元彦知事=2024年11月17日(C)日刊ゲンダイ
百条委員会から逃亡し、意気揚々と「奇跡の復活」を遂げた姿を主要メディアに披露するはずが、集中砲火を浴びるとは──。誤算だったに違いない。再選を果たした兵庫県知事選を巡り、公職選挙法違反疑惑に揺れる斎藤元彦知事。25日、都内で行われた全国知事会に出席した。
◇ ◇ ◇
この日はパワハラ疑惑などを調査する百条委が開かれ、斎藤知事の証人尋問が予定されていたが、知事会への出席を優先し欠席。昨年と一昨年は副知事などに代理出席させたのに、今回わざわざ出張ってきたのは「百条委から逃げたかったから」(県政関係者)ともっぱらだ。
ところが、飛んで火に入るナントやら。兵庫県内にあるPR会社「merchu」の折田楓代表が、知事選における斎藤陣営のSNS戦略などを喜々としてネットに公開。公選法違反疑惑が浮上したタイミングと知事会が重なった。終了後、約15分間にわたって報道陣に対応したが、すっかり針のムシロだった。
ポイントは「広報全般を任せていただいていた」という折田氏側に、斎藤知事が報酬を支払ったか否か。ポスター印刷といった単純労務でなく、SNSなどを駆使した広報戦略を主体的に企画立案した者に報酬を支払えば、公選法違反の「運動買収」に当たり得る。
それを念頭に報道陣は「広報全般を折田氏に任せたのではないか」「報酬を払えば公選法違反だ」と矢継ぎ早に追及。斎藤知事は「merchu社にお願いしたのはポスター制作などで費用は約70万円」「折田さんはボランティアとして個人で参加した」とし、「公選法違反となるような事実はない」と繰り返すばかり。
選挙中にPR会社の表彰決定
集中砲火(C)日刊ゲンダイ
一方で斎藤の代理人弁護士によると、merchu社との間で正式な契約書を交わしていなかったという。ポスター制作費などの請求書があるとして、近く弁護士が会見を開くそうだ。なぜ斎藤と折田氏は会見しないのか。
公選法に詳しい元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が言う。
「斎藤氏はmerchuにポスター制作費約70万円を支払ったと明かしましたが、広報戦略全体の費用はもっと巨額なはずです。また、斎藤氏は『折田さんはボランティアだった』とも発言。事実ならmerchuは斎藤氏側にかなりの額に相当する労務を無償提供したことになり、サービスの『寄付』に当たる。仮に斎藤氏が“自分が当選した暁にあなたに便宜を図りますから”と持ちかけて、merchu側に無償提供を求めていたら、『事前収賄罪』に問われる可能性があります。考えられるのは、斎藤氏が折田氏に見返りとして、県が設置した組織の委員のポストを用意するパターンです。実際、折田氏はすでに複数の有識者会議のメンバーに選ばれていますから、あり得ない話ではないでしょう」
選挙中の今月5日、兵庫県は多様な働き方の導入など、先進的な取り組みを実施している企業・団体を表彰する「ひょうご仕事と生活のバランス企業表彰」の今年度の受賞企業を決定。ナント、選ばれた15社の中にmerchuが入っているのだ。
表彰式は今週29日。斎藤本人が表彰者の一人に名を連ねてもいる。まさか見返りではあるまい。やましい関係がなければ、折田氏は晴れの舞台に現れ、再び斎藤知事の横に立つはずだが……。
◇ ◇ ◇
斎藤元彦知事(47)に浮上した公職選挙法違反疑惑。過去の公選法違反事件の例をみると、捜査機関は金額の多寡に限らず、「買収」に対しては厳しい姿勢で臨む傾向がみられる。今後、兵庫県警や検察は果たして動くのか。●【関連記事】『「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は』で取り上げている。
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