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自民「政策活動費」廃止は“やってる感”のエセ政治改革 裏金の“入り口”「企業・団体献金」には手をつけず
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/363770
2024/11/21 日刊ゲンダイ
別の名目で非公表の“使途不明金”は温存(C)共同通信社
同本部事務局長を務める小泉氏は「廃止の方向性を出すべきだ」と言うものの…(C)日刊ゲンダイ
本気の政治改革ができるのか(自民党本部)(C)日刊ゲンダイ
「自民 政策活動費廃止へ」──。メディアが一斉にこう報じた。政党から政治家個人に支出され、使途公開義務のない「政策活動費」について、自民党の政治改革本部が19日、「廃止」を打ち出す方針を確認。政治資金規正法再改正の自民案として、21日の全体会合で決定した。
使途を明かさなくていい政策活動費は政治家への“掴み金”であり、事実上の「裏金」だと批判されてきた。
19日に外交日程を終えた石破首相もブラジルで行った記者会見で、政策活動費の廃止について「国民の信頼確保に資するよう早急に結論を得る」と強調していたが、廃止は当然とはいえ、「おっ、自民党も衆院選惨敗で少数与党になったから心を入れ替えたか」と思ったら大間違いだ。
自民案では「政策活動費を法律上廃止し、党の支出の透明化を進める」とする一方で、「外交上の秘密やプライバシーなど公表に配慮が必要な支出は、第三者による監査を行う」としている。法律上廃止する政策活動費とは別に、非公表の支出も温存するのだ。政治資金を監視する第三者機関の設置も議論されているが、それで裏金がつくれなくなるのかどうか。
実態が不透明な政策活動費は、「幹事長の軍資金」や「選挙の陣中見舞い」に使われていると言われる。党勢拡大の名の下、支援者との飲食代などに支出されているという話もある。いまだ裏金事件の実態解明に後ろ向きで、裏金政治にどっぷり漬かった自民党が、本気の政治改革などできるのか。
「『廃止しました!』とアピールする姑息なやり方」
12日、党政治改革本部の会合が開かれた(C)日刊ゲンダイ
政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏はこう言う。
「政策活動費を廃止しても『調査費』など別の名目にすれば“使途不明金”をつくることはできる。政党や政党支部から公職の候補者(国会議員など)への寄付は禁じられているのに、『使途は党や支部が決めているので個人への寄付ではない』と強弁して、政策活動費を議員個人に支出してきたのが自民党です。その“解釈”を改めない限り、抜け道は残る。それに、政策活動費という『支出』の裏金は廃止しても、政治資金パーティーや企業・団体献金という『入り口』の裏金には手をつける気がまったくないわけです。政策活動費に論点を向けさせ、自分たちの都合のいい形で決着させて、『廃止しました!』とアピールする姑息なやり方です」
自民党は、政策活動費の廃止、第三者機関の設置、調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開の「3点セット」で“やってる感”を出そうとしている。だが、政治改革の肝は、立憲民主党などが主張する「企業・団体献金の廃止」だ。そこまでやらなきゃ「エセ改革」のそしりを免れない。
◇ ◇ ◇
1週間前に自民からは「個人献金の税制優遇」という改革案が浮上していた。当然ながらSNSでは大フーイングで……関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。
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