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「新しい封建制」とも呼ぶべき階級社会 二極化・格差社会の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/363655
2024/11/19 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
寂しく、貧しすぎる世の中のなかで…(C)日刊ゲンダイ
1人暮らしの世帯が激増している。2050年には国内合計5260万7000世帯の44.3%、東京都に限ると792万8000世帯の54.1%、つまり過半数がそうなる見込みなのだという。
国立社会保障・人口問題研究所が先に発表した将来推計は恐ろしい。もちろん家族の形は多様だ。誰がどんな生き方を選ぶのかは自由だが、おそらくは意思に反して未婚のまま年を取り、子どもも授からない人が多数派になりかねない社会がすぐそこまで来ているらしい現実には、うそ寒さを覚えずにはいられなかった。
ついつい連想させられる。百田尚樹・日本保守党代表の「(女性は)25歳になったら結婚禁止、30を過ぎたら子宮を摘出することにしたら(焦って早く出産する)」だの、玉木雄一郎・国民民主党代表の「若い人の社会保障費負担を抑えるために尊厳死の法制化を」だのといった、他人の生命をあざ笑うがごとき暴言・妄言のたぐいを、である。
この手の人でなし政治屋が後から後から湧いてくる原因も、「少子高齢化」だけでは説明不能だ。前記研究所の推計で可視化された、寂しく、貧しすぎる世の中と、無関係だとは思えない。
婚活の奨励や子育て支援の充実でどうにかなりそうな段階は、とっくに過ぎた。人間というものの本質が、いつの間にか根底から変えられてしまった気がする。まるで戦前、戦中と戦後ほどの、いや、もしかしたらそれ以上に大きく、激しく、著しい隔たりをもって。
──誰に? 何のために?
今や世界を覆い尽くすに至った新自由主義イデオロギーとITとのコンビネーションに。人間社会が生み出した富のことごとくを一握りの階層の金儲けに収斂させていくために。「新しい封建制」とでも呼ばれるべき階級社会を、世の中の構成員ほとんど全員で甘受し、むしろ喜んで支持している奇怪な構図。
そんなものが「普遍的価値」などと称されるようになって、もう結構な歳月が流れた。2050年以降はどうなるのだろう。いつの日か人間は、「普遍的価値」とやらを打倒して、少しは血の通った精神を取り戻すことができるだろうか。それとも新自由主義による支配の深化に順応した挙げ句、ただ金を生む資源として操られるだけの存在へと堕していくのか。
論理の飛躍だと嗤わば嗤え。私はただ、夢も希望も失った人間ばかりが街をさまよっているような光景を、もうこれ以上は見たくないのである。
斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。
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