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衆院選で自公が過半数割れも…野党は「本当の勝利」ではない 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/362666
2024/10/29 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し
自民党が自らこけたのであって、野党の本当の“勝利”ではない(C)JMPA
10月27日の総選挙で、自公の過半数割れになった。一方、立憲民主党と国民民主党が大幅に議席を増やした。与野党伯仲の政治になる。まずは与党も野党も首相指名をめぐって活発な駆け引きを行っている。だが、野党は政党間の数合わせに夢中になっても足をすくわれるだけだろう。
今回の総選挙の投票率は53.84%と前回より2ポイントも低かった。立憲が政権交代のブームをつくり出したというより、自民党が自らこけてしまったのだ。石破首相は、前言を翻して早期解散で選挙に突入したために、政権は政策が空っぽになり、かえって裏金問題が最大の争点に浮き上がってしまったのである。
しかも、石破は発言が裏金議員の公認、非公認の問題で右往左往したうえに、総選挙中に非公認候補の政党支部に2000万円支給したことが発覚したため、裏金問題への処分の不徹底さが浮き立った。もし、予算委できちんと議論し、総裁選で言っていた選択的夫婦別姓や既存の保険証廃止の延期などを決めていれば、国民は「石破は国民の声を聞くんだ」という印象を持ったに違いない。裏金問題の印象も薄れて、これほどまでに落ち込むことはなかっただろう。
では、一方の立憲はどうだったか。議席は伸ばしたけれど、本当の意味で勝利したのだろうか。政権交代あるいは比較第1党を公約に掲げていた立憲はそれを達成できなかった。原因はある意味で自民党と同じだ。立憲も裏金問題と政権交代以外、政策が詰められていなかった。
これから与野党間で政策をすり合わせる機会も増え、政策力量が試されるようになる。だが、立憲も国民民主も心もとない。立憲は民主党政権時の失敗を反省していない。
かつて民主党はマニフェストで政権交代を実現したが、結局、影の内閣の大臣は誰一人入閣しなかった。そして政権交代後には、小沢一郎は子ども手当倍増、菅直人や野田佳彦はTPP、消費税と勝手なことを言い出して、結局、政権は自壊していった。その結果、誰も真面目に政策を作る者がいなくなった。そのために、「政権交代」と保険証廃止の延期以外に、財源論なしの教育費無償化や給付付き税額控除以外に何をするのかが不鮮明だ。
国民民主はもっと無責任なバラマキだ。消費税減税、トリガー条項発動、基礎控除引き上げ、教育費無償化など、これらを実行すれば、巨額の赤字でたちまち円も国債も投げ売りになるだろう。かえってひどいインフレをもたらす。
野党は浮かれていられない。来夏の参議院選挙に向けてしっかりした政策づくりを急がなければ、有権者に見限られるのも早い。
金子勝 淑徳大客員教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。
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