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総選挙核心は安倍政治の一掃
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2024年10月25 植草一秀の『知られざる真実』
衆院総選挙の投票日は10月27日。
選挙活動は残り1日になった。
裏金事件に対する風圧がすさまじい。
この影響で自公の議席が大幅に減少する見込みであると報じられている。
自公が過半数を割り込めば石破首相に対して責任を問う声が上がる可能性はある。
石破氏は追加公認等の手法により政権維持を目指すと考えられる。
場合によっては連立内閣の対象を広げることも考えられる。
ただし、石破氏が簡単に政権を投げ出すことは考えにくい。
自公の議席減の最大の原因は裏金事件。
巨大な組織犯罪。
警察・検察は厳正な摘発を実行しなかったが、れっきとした重大犯罪行為である。
犯罪が存在するのに無罪放免にする裁量権。
その一方で犯罪が存在しないのに無実の市民を犯罪者に仕立て上げて刑罰を科す裁量権が警察・検察に付与されている。
日本の警察・検察には不正で歪んだ巨大すぎる裁量権が付与されている。
国民には1円単位での納税を強要しながら政治家に対しては1000万円単位の脱税を容認する。
国民の怒りが爆発している。
この組織犯罪の震源地は自民党旧安倍派。
自民党旧安倍派の問題は裏金事件にとどまらない。
統一協会との癒着の中心も自民党旧安倍派である。
アベノミクスの10年間で日本経済はまったく成長できなかった。
労働者実質賃金は減少し続けた。
消費税率は5%から10%へと2倍に引き上げられた。
旧安倍派の問題はこれにとどまらない。
もり・かけ・さくらの犯罪事案はすべて安倍元首相に関わる問題。
警察・検察が権力側の犯罪を厳正に摘発しないから刑事事件として権力側の人間が検挙されなかっただけで、適正捜査が行われていれば重大な犯罪として刑事責任が問われていたはずの事案。
こうした問題が積み重なって総選挙での自公大敗という現実がもたらされる。
石破内閣の最大の使命が「安倍政治からの脱却」であると考えれば、旧安倍派を中心とする議席の大幅減少は順当である。
2009年とは異なり、政権交代の受け皿は整備されていない。
野党は議席を大幅に増大させるが、これは積極的に成果を挙げて手にする得点ではなく、敵失によって棚からぼたもちで手にすることになる得点だ。
野党は乱立しており、政権の枠組みも定まらない。
この意味で自公敗北は混迷政局の開幕をもたらす契機になる公算が高い。
しかしながら、自民党旧安倍派勢力が大幅に縮小し、安倍政治からの脱却が進展することは歓迎するべきこと。
改めて「政治とカネ」問題に抜本的に取り組むことが求められる。
同時に、統一協会との関係を根絶するための調査が徹底的に行われることも必要になる。
「政治とカネ」問題では「裏金問題」と並んで重要なのが「政策活動費」。
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でもこの問題を大きく取り上げた。
政治資金規正法第21条の2の2項を削除する必要がある。
21条の2は政治家個人への寄附を禁止しているが2項で政党が行う寄附を禁止対象から除外している。
政党が行う政治家個人への寄附を容認しているのだ。
自民党では幹事長に毎年10億円もの寄附が行われ、この使途が一切明らかにされていない。
維新や国民民主党も政党から政治家個人への巨額の寄附を実行して、その資金が飲食・遊興費等に投下されてきたと見られる。
裏金を根絶するとともに21条の2の2項を削除して「政策活動費」を廃止することが求められる。
通常国会で法改正を断行すべきだったが自公政権はザル法改正しか実行しなかった。
総選挙後の国会でまずは政治資金規正法の抜本改正を実行するべきだ。
政治家個人の連座制適用も法改正に盛り込む必要がある。
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