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※2024年10月16日 日刊ゲンダイ2面
鬼気迫る第一声(石破首相)/(C)日刊ゲンダイ
何から何まで誤算続きの石破新政権だが、なかでも最大の失敗は大義なき早期解散の薄汚さが完全に見透かされたことだろう。裏金みそぎという邪な思惑、野党分断の党利党略、閣僚醜聞からの逃げ、新首相の公約破りと生煮え政策の破綻を恐れた国民愚弄の自業自得。
◇ ◇ ◇
政権選択選挙の衆院選が15日、公示された。全289小選挙区と11ブロックの比例代表の計465議席を争い、9党などから1344人が立候補。安倍元首相の横死につながった自民党と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との癒着が露呈し、旧安倍派を中心とする裏金事件がはじけてから初めての国政選挙だ。権力維持に役立つ反日カルト集団にお墨付きを与え、金権腐敗にどっぷり漬かった自民党政治に審判を下す選挙であることは言うまでもない。
総裁選で高まった世間の期待を裏切り、ブレる石破首相に対する有権者の怒りは増幅している。1億総ガッカリだ。だからこそ、石破は数々の前言を撤回し、超早期解散に踏み切った。政権発足から8日後の解散は戦後最短だ。
東大教授の宇野重規氏(政治学)が東京新聞(13日付朝刊)に寄稿し、石破の思惑をこう喝破していた。
〈石破首相は「日本創生解散」を掲げるが、まさに「急ぎすぎ解散」であり、当然のことながら、なぜそのように急ぐのか、何かを隠そうとしているのではないかと疑われてもやむを得ない〉
〈おそらく石破首相は取るものもとりあえず、まずは新内閣発足の勢いが落ちる前に選挙による信任を得たいのが本音であろう。政策プログラムをじっくりと練るのはそれからだと考えているのかもしれない〉
石破をしても戦力の逐次投入
福島県いわき市の小名浜港で第一声を上げた石破は、裏金事件について「深い反省の下に、自民党は新しい日本をつくっていく」と強調。「被災地を中心として新しい日本の経済をつくる。能登とともに日本の再生にかけていきたい」「国費13兆円、事業総額37兆円が昨年の補正予算だった。きちんとした積み上げのもと、それを上回る大きな補正予算を成立させたい」などと訴えたが、被災者の置かれた苦しい状況を考えれば総選挙を先送りし、補正予算成立を優先する選択肢もあった。
石破自民の薄汚いおためごかしは完全に見透かされ何から何まで誤算続き。目下の情勢ではすべてが裏目だ。それ見たことか、という展開である。
とりわけ見苦しいのが、裏金議員をめぐる泥縄対応だ。当初は裏金問題を蒸し返さないという党執行部の意向を追認。総裁選での発言を後退させ、裏金議員も「原則公認」で調整していたが、世論の反発などを受けて軌道修正し、解散3日前に12人の非公認と34人の比例重複を認めない決定をした。それとて、判明分だけで総額5億7949万円の裏金をつくった85人の一部に過ぎない。
領収書不要で使途の報告義務のないブラックボックスである政策活動費の使用をめぐっても、二転三転した。大半が選挙戦に投じられると指摘され、総裁選では廃止が俎上に載るほど問題あるカネなのに、石破は「使うということは可能性として否定しない」「違法な使い方は一切しない」などとゴマカシ。野党から追い込まれ、公示目前に「選挙に使うことはいたしません」と明言するに至った。戦力の逐次投入は負け戦の始まりだ。国防に一家言を持つ石破をしてもこのありさまだから、遠心力は増す一方である。
公約は参院選とほぼ同じ、大義なき最速解散
「裏金隠し解散」で攻める立憲民主党(C)日刊ゲンダイ
NHKの世論調査(12〜14日実施)によると、内閣支持率は44%で、不支持率は32%。解散時期については「妥当ではなかった」が49%を占め、「妥当だった」の37%を上回った。投票先を選ぶにあたって最も重視するのは「景気・物価高対策」が最多の34%。異次元緩和のアベノミクス継続が長引かせる円安物価高に暮らしは疲弊している。
だが、「日本を守る。成長を力に。」と題した自民の公約は、岸田政権下で実施された2022年の参院選のそれとほぼ同じ。7本柱が6本柱になり、新型コロナウイルス対策が政治改革に入れ替わったくらいの違いしかない。石破が総裁選で口にした格差を拡大する金融所得課税の強化、法人増税や所得増税への言及もなし。岸田前首相を追いやって石破を担ぎ、最速解散に突っ込んだ大義は全くない。「ボロが出ないうちに解散」がミエミエなのだ。
「国民の審判を仰いだ」という自民の常套句で、裏金議員の禊を済ませたことにする邪な思惑。準備不足の野党の共闘を阻み、分断の隙を突く党利党略。統一教会から選挙支援を受けるなど、ズブズブの関係だったことをヒタ隠しにし、初入閣した大臣の醜聞エスケープ。選択的夫婦別姓制度の導入から後ずさりするなど新首相の公約破り連発。生煮え政策の破綻を恐れ、国民愚弄の自業自得が石破を襲っている。
公明党は裏金議員をほぼ推薦
政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「公示前勢力は自民党247議席、公明党32議席。石破首相は勝敗ラインを自公与党で過半数(233議席)の確保としていますが、野党が分裂している選挙戦にもかかわらず、割り込む公算が大きくなっています。裏金議員の処遇をめぐる自民党のドタバタもひどいものでしたが、公明党は非公認候補2人と比例重複ナシの33人を推薦した。石井代表は『公認されないということは自民党から推薦の要請もないと思う。推薦することにはならない』と言っていたのに、3日で豹変。要するに、比例代表から鞍替えするわが身かわいさで、裏金議員の選挙協力は欠かせない。選挙区に擁立した11人の全勝が最優先事項でもある。支持母体の創価学会員ですら理解に苦しむハチャメチャをやっているのですから、集票に難儀するのは必至です」
比例重複が認められなかった裏金議員のうち、15日の段階で公明党が推薦を出さなかったのは東京7区に鞍替えした丸川珠代前参院議員だけだ。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう指摘した。
「石破首相が土壇場で裏金議員にペナルティーを科したのは、創価学会票を回すカラクリをつくったからでしょう。命綱をつけたとはいえ、裏金議員は死に物狂いで戦いますから、自民党は盛り返す可能性がある。森山幹事長は当選すれば追加公認し、役職に起用することも示唆している。そうなれば、日本の政治は現状と何ら変わらないどころか、民主主義から軍国主義への転換が決定づけられてしまいます。裏金事件は重要な争点のひとつですが、第2次石破政権が発足すれば、首相は持論の軍拡路線を突き進み、憲法改正に全力を挙げるでしょう。政権にNOを突きつける民主主義の武器を今こそ使わなければ、取り返しがつかない事態を招いてしまいます」
自民党が30年にわたって棚上げしている政治改革を実現し、国民軽視の政治を正す最良の処方箋は、政権交代だ。期日前投票は16日からできる。投票率が引き上がるだけでも、永田町の風景は変えられる。
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