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※2024年10月15日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2024年10月15日 日刊ゲンダイ2面
騙されてはいけない(福島県・小名浜港で第一声をあげる石破首相=15日午前)/(C)日刊ゲンダイ
衆議院選が公示されるが、表紙を替えて「ご祝儀逃げ切り選挙」の悪だくみを許していいのか。石破首相の豹変でわかったことは、この組織の構造腐敗だ。いつものパターンで自公政権を存続させたら、裏金議員は大手を振って戻り、アベノミクスへの断罪もなく、庶民愚弄のモラルなき政治が続くだけ。
◇ ◇ ◇
石破政権の大義なき解散を受けて、15日、衆院選挙が公示になる。27日の投開票に向けて、決戦の火蓋が切られるわけだが、有権者は今からもう、手ぐすねではないか。
先月27日の総裁選出以降、これほど短期間に馬脚を現し、有権者の期待を裏切った首相は前代未聞だからだ。
週刊現代、フライデーの編集長を歴任した元木昌彦氏は本紙のコラム「週刊誌から見たニッポンの後退」で<総裁選に出た9人の中で一番選んではいけなかったのは石破茂だった>と書いた。当初、石破は小泉進次郎の早期解散論に反駁していたくせに、あろうことか、最短の早期解散に踏み切った。それも総裁選で口にしていたことは、ことごとく、封印したり、変節したうえで、だ。つまり、有権者は判断のよりどころを失ったうえで、選挙ということになる。
元木氏は<同じ人間が一夜にしてあれほど変われるものだろうか>と驚き、石破の過去のインタビュー記事も取り上げ、その豹変ぶりを断罪した。
石破は猫なで声で正論風なことを言い、「誠心誠意」などと軽々に口にするが、騙されたらダメだ。
この間、見せつけられたように、その多くは「その場しのぎ」の言いっ放し。善人ヅラだと疑って見た方がいい。と思っていたら、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞するやいなや、またまた「善人ヅラ」である。代表委員の田中熙巳さんにお祝いの電話をかけ、祝意を述べ、NHKの番組では日本が頑なに拒んできた核兵器禁止条約のオブザーバー参加を「等閑視するつもりはない。真剣に考える」などと言ってみせた。石破と言えば、総裁選の最中、米シンクタンクに「日本も核の共有や持ち込みを具体的に検討すべきだ」と寄稿したばかりだ。田中氏は「論外」と怒り心頭だったが、石破は平然と思わせぶりなことを言う。
そんな新首相がこれまた猫なで声で「ルールを守る」「国民を守る」などとほざいたところで、誰が信用するものか。それが公示を受けた国民の偽らざる気持ちというものだ。
自民党はすでに全身に毒が回っている
もっとも、有権者が今度の選挙に手ぐすね引いているのは、石破の人間性に呆れたからだけではない。ピンチになると、シャッポをすげ替え、国民をケムに巻いて生き延びてきた自民党政治の姑息と、そうせざるを得ない自民党という組織の「構造腐敗」を今度ばかりはまざまざと見せつけられたからだ。最後の役者が薄っぺらだったからだけではなく、有権者は「正体見たり、自民党」なのである。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「今度の選挙の争点は言うまでもなく、政治とカネですが、自民党が“政治改革”と言って何年になりますか? 小選挙区制の議論から数えれば、30年以上です。それなのに、何も変わらず、同じことの繰り返し。なぜかというと、自民党には持病があって、それが治るどころか、全身に毒が回っているからなんですよ。その毒とは金権・利権政治であり、世襲政治であり、憲法を無視する右傾化など、複数ある。そもそもパーティー券を買ってくれる財界の方を向いて、自らの利権を温存、世襲する政治を続けているから、毒を断ち切る気などないのです。だから、総裁を代えても一時的な目くらましにしかならず、気が付くと、元に戻っている。岸田前首相も就任の時にはアベノミクスを否定し、分配重視の新しい資本主義や金融所得課税にも踏み込んだが、潰された。石破さんも同じです。自民党という組織に属する限り、その宿痾から逃れられない。それが国民の前にもハッキリしたのが、裏金問題への後ろ向きな対応なのです」
国民支持の石破をして「この結末」
石破は裏金議員の公認について、総裁選では「徹底的に議論する」などと言っていたのに、「原則公認、比例もOK」に変節。世論の批判を浴びると、10人程度の非公認、重複立候補なしで「やってるふり」を演出した。が、よくよく聞いてみると、刺客を立てるわけでもなく、同僚議員の応援もよしとし、当選すれば、追加公認。役職にも就かせるというのだから、のけぞるような話だ。
企業・団体献金には手をつけず、政策活動費も「将来的な廃止」と曖昧にし、この期に及んで、「政治改革ごっこ」を繰り返している。
有権者にしてみれば、「反省ゼロ」に見えるが、そうではない。これが自民党そのものだということだ。だから、誰が総裁になっても変わりようがない。変わったフリをして、繕うだけだ。
一応、国民の支持を得ていた石破をして「この結末」が何よりの証左だろう。裏金議員の非公認が10人程度で収まった裏もイロイロ解説されているが単純だ。
「厳しくやれば、安倍派、二階派だけでなく、岸田派も麻生派も石破の水月会も、という話に広がっていく。収拾がつかなくなるから、2桁に乗せたところで切っただけです」(自民党関係者)
要するに、自民党という組織の構造腐敗なのである。それが全有権者の知るところとなった。10.27総選挙は、歴史的ターニングポイントになってしかるべきだ。
国民は野党乱立を嘆く前に戦略的投票を
有権者として、自民党政権に「NO!」を突き付ける(C)共同通信社
そのうえで、有権者はどんな選択をするべきなのか。前出の五十嵐仁氏はこう言った。
「今度の選挙で有権者が自民党政権にNOを突きつけなければ、有権者の資格が問われる事態だと思います。そのために選挙があり、野党の存在意義があるのですから。もちろん、野党にも有権者の選択肢を真正面から受け止める覚悟と義務があります。今、野党は乱立していて、それを大メディアは批判していますが、これぞ、自民党が早期解散を仕掛けた動機です。共闘できないうちにやれば自民有利という党利党略以外のなにものでもない。ここで票が分散すれば、自民党が漁夫の利を得る。彼らの思うツボになってしまいます」
五十嵐氏は「戦略的投票」を呼びかけている。比例は好きな政党に入れて、小選挙区は勝てそうな野党候補に票を集中させる戦略だ。今後、本紙や週刊誌などで盛んに流れるであろう、情勢報道を見れば、誰と誰が競っているのかがわかる。それを参考にした投票行動の呼びかけだ。
イタリアでは政党乱立でも政権交代
1996年、旧民主党の結党に政策面で関与し、長く日本の野党の歴史をウオッチしてきたジャーナリストの高野孟氏は「野党乱立でも政権交代は起きる」とこう言った。
「イタリアでは日本と同じように政治とカネのスキャンダルから1990年代の初頭に小選挙区制が導入されました。その後、政党が乱立していますが、日本と違って、しょっちゅう、政権交代が起きています。選挙のたびに連立の相手をクルクル替えて、保守とリベラルが政権交代をしているのです。なぜ、そんなことができるかというと、連立が組める政策を緊急性のある2つか3つに絞り、任期中の2、3年間にこれだけはやる、これをやらせて欲しい、と有権者に審判を仰ぐからです。日本の野党は共産党の天皇制や日米安保への姿勢を問題視して、“あそことは組めない”などとやっていますが、衆院の任期4年で天皇制を見直せるわけがない。大きな綱領で組む必要はなく、政治改革や経済、教育で組んで連立政権を目指せばいいのです。そうやって、小党同士の連立政権を繰り返していると、政党が淘汰され、2大政党制に収斂していく傾向もあるのです」
多様性の時代に、何から何まで一致する連立政権なんて夢のまた夢だ。フランスの国民議会投票では小選挙区で過半数を得た候補者がいないと上位の候補者で2回目の投票になる。これも死票を出さないための民主主義の知恵だろう。
そもそも、野合している自公の政策など水と油だし、その公明は自民党の裏金非公認議員にも、続々と推薦を出している。
西村康稔元経産相(兵庫9区)や三ツ林裕巳元内閣府副大臣(埼玉13区)も推薦しているのだから政治改革が聞いて呆れる。
国民は多少の混乱は覚悟のうえで、歴史の審判を下す必要がある。
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