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※週刊ポスト 2024年10月18・25日号 誌面クリック拡大
※紙面抜粋
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【10.27総選挙289全選挙区緊急予測】自民党が「53議席減」、自公でも過半数割れの衝撃シミュレーション結果 新閣僚3人も落選危機
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2024.10.07 06:57 週刊ポスト NEWSポストセブン
石破茂・首相の短期決戦の賭けはどんな結果となるか(時事通信フォト)
国会論戦をすっ飛ばして一気に解散・総選挙へと突き進む石破茂・首相。総裁選で党の“顔”を代え、ボロが出ないうちに選挙を乗り切ろうという腹だが、有権者はそう甘くはない。永田町で50年以上にわたり政治取材を続け、数々の選挙で当落予測を的中させてきた野上忠興氏(政治ジャーナリスト)が、全289小選挙区の最新情勢を詳細分析。その結果は衝撃的なものとなった。【全3回の第1回】
石破首相が選挙を急ぐ理由
前代未聞の解散だ。石破首相は国会召集前日、まだ首班指名前で組閣もしないうちに「10月27日に総選挙を行ないたい」と衆院解散を表明した。
総裁選では「予算委員会を開いて野党の方々と論戦を交わした上で国民に判断いただく」と語っていたが、その予算委員会さえ開かない。
そればかりか、解散を決めてから霞が関に経済対策、すなわち選挙向けのバラマキの検討を指示するというチグハグぶりなのだ。
首相がそこまでして選挙を急ぐ最大の理由は、「野党の選挙協力」がまとまるのを恐れているからにほかならない。
立憲民主党の野田佳彦・代表は、野党各党に自民党の裏金議員への対立候補一本化を呼びかけている。日本維新の会の吉村洋文・共同代表も「裏金議員のところは一本化して勝負をかけていくというのは筋が通っている」と前向きだ。
実現すれば、自民党が大苦戦を強いられるのは間違いない。選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。
「立憲、維新、共産党など野党各党はバラバラで候補者擁立を進めてきたから、多くの小選挙区は候補者乱立状態です。一本化されれば自民党には脅威だが、そのためには野党間で話し合ってどの選挙区にどの党の候補者を出すかを調整し、すでに立候補が決まっている候補者を説得して降りてもらわなければならないから時間がかかる。
石破首相は野党にその候補者調整の時間を与えないために、いきなり解散を選んだ。野党候補が乱立して潰し合ってもらったほうが、自民が有利になると考えたわけです」
裏金議員に野党統一候補という「刺客」を送らせないためになりふり構わず解散に走ったのだ。
しかし、「正論」を売りにしてきた石破氏が予算委員会で野党と論戦を交わして国民に政権の考え方を示すことより、党利党略を優先したことでメッキが剥がれた。
石破首相の短期決戦の賭けはどんな結果が出るのか。
10.27解散総選挙「予想獲得議席数」
本誌は野上氏の協力で全選挙区の情勢を緊急調査し、当落を予測した。結論は、野党の候補者調整ができない場合でも、自民党は「53議席減」の202議席。公明党も25議席へと減らし、自公合わせて「227議席」で過半数割れという衝撃的なものだった。
「総理が交代しても、有権者の裏金問題や旧統一教会問題への批判は消えていません。自民党の裏金議員たちは小選挙区で厳しい審判を受けることになる。自民党支持層が自民離れを起こしているため、自公両党ともに比例代表でも票を大きく減らすことが予想されます」(野上氏)
さらに野党の選挙協力がなされ、自民党への対立候補が一本化されれば野党が逆転勝利可能な選挙区が53あり、自民大惨敗となる。
では、注目選挙区の情勢を具体的に見ていこう。
初入閣から即落選危機、早くも崖っぷちの新閣僚が3人も
石破首相は新内閣の組閣で裏金議員を排除し、13人を初入閣させて“クリーンイメージ”をアピールした。
だが、不祥事で批判された議員がいないわけではない。
大物議員2世の小里泰弘・農水相(鹿児島3区)は前回総選挙前、会員制ラウンジの女子大生と愛人契約関係にあったことを報じられ、批判を浴びて小選挙区では大差で落選。比例代表でなんとか復活当選した経緯がある。
「大臣になったとはいえ、有権者はスキャンダルを忘れていない。逆風は免れず、劣勢の戦いです」(以下、「 」内は野上氏)
北海道〜埼玉の選挙区「当選予想」
牧原秀樹・法相(埼玉5区)も厳しい。
過去6回の選挙で連続して立憲民主党の枝野幸男・元代表に敗れ、小選挙区で勝ったことがない(比例復活で5回当選)。
旧統一教会が2021年にさいたま市で開いた「祝福結婚と希望前進大会」で挨拶していたことが報じられたが、自民党の調査には回答を拒否したことから、公表された教団と接点のあった議員には名前が記載されていないなど、法相としての資質が疑問視されている。
もう1人が坂井学・国家公安委員長(神奈川5区)だ。
菅義偉・元首相の側近として知られ、念願の初入閣を果たした。しかし、NTTの接待問題では坂井氏も総務副大臣時代に同社から接待を受けていたことが発覚し、国会で釈明に追われた。旧統一教会との接点があった政治家の1人でもある。
「神奈川5区は立憲の現職と維新の新人が出馬し、野党が票を食い合うため情勢は現職大臣の坂井氏がやや有利だが、野党が候補を一本化すれば形勢逆転する可能性が高い」
せっかく初入閣を果たしたのに、落選すれば「大臣在任27日間」という超短命に終わるケースが出てきそうだ。
(第2回に続く)
【プロフィール】
野上忠興(のがみ・ただおき)/1940年、東京生まれ。政治ジャーナリスト。1964年に早稲田大学を卒業後、共同通信社に入社。1972年より政治部、自民党福田派・安倍派(清和政策研究会)の番記者を長く務めた。自民党キャップ、政治部次長などを歴任後、2000年に退職し、フリーに。『安倍晋三 沈黙の仮面: その血脈と生い立ちの秘密』(小社刊)など著書多数。
※週刊ポスト2024年10月18・25日号
訂正/当初、表中で茨城7区の中村勇太氏を立憲からの出馬と表記していましたが、無所属で出馬予定の誤りであり、表中の表記を修正しました。(2024年10月7日16:00)
埼玉〜神奈川の選挙区「当選予想」
神奈川〜石川の選挙区「当選予想」
福井〜京都の選挙区「当選予想」
大阪〜広島の選挙区「当選予想」
山口〜沖縄の選挙区「当選予想」
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【10.27総選挙289全選挙区緊急予測】最大の焦点は“裏金議員”への審判 統一教会問題と併せてW逆風に晒される萩生田光一・元政調会長、立民は有田芳生氏が刺客候補に
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2024.10.07 06:58 週刊ポスト NEWSポストセブン
裏金&旧統一教会問題で話題になった下村博文氏(左)と萩生田光一氏(時事通信フォト)
国会論戦をすっ飛ばして一気に解散・総選挙へと突き進む石破茂・首相。総裁選で党の“顔”を代え、ボロが出ないうちに選挙を乗り切ろうという腹だが、有権者はそう甘くはない。永田町で50年以上にわたり政治取材を続け、数々の選挙で当落予測を的中させてきた野上忠興氏(政治ジャーナリスト)が、全289小選挙区の最新情勢を詳細分析。その結果は衝撃的なものとなった。【全3回の第2回。第1回から読む】
萩生田、下村、丸川…大苦戦の裏金議員たち
最大の焦点は裏金議員への審判だろう。なかでも注目されるのは旧安倍派幹部たちの情勢だ。
裏金問題で「1年間の党員資格停止」処分を受け、旧統一教会問題とも接点があった下村博文・元文科相(東京11区)は無所属での出馬となるが、大逆風を受けて苦戦。
「東京11区は立憲と維新から候補者が出馬を予定しているが、候補者一本化ができなくても下村氏は厳しい。無所属で比例代表への重複立候補ができないため、小選挙区で敗北すれば議席を失うことになる」
同じく裏金と旧統一教会問題のW逆風にさらされているのが萩生田光一・元政調会長(東京24区)だ。
「高市早苗氏を幹事長にすべきだった」と石破人事を批判しているが、自分の足元ではもっと大きな有権者の批判の火が燃えさかっている。
萩生田氏は参院選で新人候補を旧統一教会の施設に連れて行くなど、「教団の代理人」的な行動が批判された。裏金問題でも2728万円もの裏金を「事務所の机の引き出し」に現金で保管していたなどと釈明したにもかかわらず、「役職停止1年」という比較的軽い処分で逃れた。前回の総選挙では東京24区での候補擁立を見送った立憲民主が、今回は萩生田氏を標的に旧統一教会問題追及で知られる元職の有田芳生氏という“刺客候補”を送り込んだ。
「今年1月に行なわれた地元の八王子市長選では萩生田氏が擁立した自公推薦の新人が裏金批判のあおりを受けて大苦戦に陥った。あの頃よりさらに批判は強まっている。市長選は小池百合子・都知事の支援で自公推薦候補がなんとか当選したが、総選挙で小池知事が萩生田氏を応援するとは思えない。公明党・創価学会も、旧統一教会との結びつきが発覚した萩生田氏から離れている。当選は容易でないでしょう」
一方、下村氏と同様に「1年間の党員資格停止」となって無所属で出馬する西村康稔・元経産相(兵庫9区)は、地元に張り付いて“お詫び行脚”を続け、やや有利な情勢に持ち直している。
旧安倍派5人衆のなかで公認が微妙なのが裏金問題で「党員資格停止6か月」の処分を受けた高木毅・元国対委員長(福井2区)だ。
解散日の10月9日には4月4日の処分から6か月が過ぎている。順当なら党員資格が回復されて自民党公認で出馬できるはずだが、石破首相は裏金議員の公認見直しを行なっている。高木氏が公認されずに無所属出馬になれば一層厳しい状況に追い込まれる。
参院から衆院東京7区に鞍替え出馬する丸川珠代・元五輪相は立憲の前職・松尾明弘氏と横一線で並んでいる。同選挙区には維新の現職・小野泰輔氏も出馬して三つ巴の戦いだが、丸川氏は裏金問題で「戒告」処分を受けており、立憲と維新が候補を一本化すれば丸川氏は一気に劣勢に立たされそうだ。
(第3回に続く。第1回から読む)
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【10.27総選挙289全選挙区緊急予測】自民党“裏金議員”45人のうち20人以上が落選の可能性 選挙後に旧派閥の勢力図が大きく変わり、安倍派の政治支配終焉か
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2024.10.07 06:59 週刊ポスト NEWSポストセブン
二階伸康氏ら世襲議員も続々と出馬するが…(写真/共同通信社)
国会論戦をすっ飛ばして一気に解散・総選挙へと突き進む石破茂・首相。総裁選で党の“顔”を代え、ボロが出ないうちに選挙を乗り切ろうという腹だが、有権者はそう甘くはない。永田町で50年以上にわたり政治取材を続け、数々の選挙で当落予測を的中させてきた野上忠興氏(政治ジャーナリスト)が、全289小選挙区の最新情勢を詳細分析。その結果は衝撃的なものとなった。【全3回の第3回。第1回から読む】
旧安倍派がW逆風で大惨敗
全国を見渡すと、中根一幸氏(埼玉6区)、小田原潔(東京21区)、高鳥修一氏(新潟5区)、田畑裕明氏(富山1区)、若林健太氏(長野1区)、青山周平氏(愛知12区)、宗清皇一氏(大阪13区)、谷川とむ氏(大阪19区)など、裏金問題と旧統一教会問題の双方で名前が挙がった旧安倍派の若手議員は軒並み苦しい戦い。
小選挙区に出馬する自民党の裏金議員45人のうち20人以上が敗北する可能性がある。
旧統一教会と関係があった議員も厳しい審判を受ける。
「教団のイベントに参加したり、教団の活動を支援したりしてきた議員には選挙に弱い人が多い。1票でも欲しいから、選挙で教団に依存して関係が深まった。そうした議員は今回、有権者の批判にさらされるだけでなく、教団の支援もない。公明党支持者の協力も得にくいでしょう。小選挙区での当選どころか、比例復活も難しくなりそうな議員が多い」
旧統一教会の韓鶴子総裁を「マザームーン」と呼んだ山本朋広氏(神奈川4区)、ビデオメッセージで韓総裁に「真のお母様」と呼びかけた土井亨氏(宮城1区)をはじめ、山際大志郎・元経済再生相(神奈川18区)らが旧統一教会批判で追い詰められている。
自民党総裁選の決選投票では、旧派閥の議員たちが再結集する動きが見られた。
だが、野上氏は、総選挙後は旧派閥の勢力図が大きく変わることが予想されると指摘する。
「旧統一教会との関係も裏金問題も、中心になったのは最大派閥の旧安倍派であり、同派の多くの議員が関与していた。総選挙で最も情勢が厳しいのも同派の議員たちです。解散前には100人を超えていた旧安倍派ですが、大幹部をはじめ議員の落選が相次ぎ、選挙後には勢力が大きく減るでしょう。この総選挙は安倍派の政治支配の終焉をもたらすのではないか」
世襲にNO、和歌山「二階王国」も崩壊の瀬戸際
“裏金議員対決”になるのが「二階王国」と呼ばれた和歌山2区だ。
引退する二階俊博・元幹事長の後継者で秘書を務める三男の伸康氏が自民党から出馬するが、そこに裏金問題で自民党を離党勧告処分となった世耕弘成・元参院幹事長が参院から鞍替えして無所属で出馬する意向を固めた。いわば二階王国に“殴り込み”をかける。
野上氏は情勢をこう分析する。
「二階氏にすれば息子に地盤を継がせるために負けられない戦い。世耕氏は和歌山選出の参院議員で系列の地方議員も多い。自民党県連や地元企業を二分する激しい選挙戦が予想されるが、二階氏が持つ中央官庁や業界団体への影響力を新人の息子がそのまま引き継げるわけではない。地元では引退する二階氏より、離党しても依然として自民党参院議員の間に大きな発言力を持つ世耕氏に期待する声が大きい。世耕氏が一歩リードです」
だが世耕氏は裏金問題で離党、二階氏も引退表明で処分は免れたとは言え、裏金問題で元秘書の有罪が確定している。
有権者にすれば、野党統一候補など第3の候補が出なければ、一票の行使で裏金問題への審判を下す選択肢がないことになる。
自民の比例票を削る「日本保守党」
新たな流れも出てきた。
地方政党・減税日本を率いる河村たかし・名古屋市長が、作家の百田尚樹氏らが結成した「日本保守党」から愛知1区で総選挙に出馬すると表明した。
日本保守党は総選挙に少なくとも候補者5人を擁立し、国政政党を目指すとしている。
「前回の参院選では参政党が比例代表で約176万票を得て1議席獲得した。日本保守党はそれ以上の集票力を持つ可能性がある。これは自民党にとってマイナスに働く。保守派の新党が増えるほど、岩盤保守層の票を奪われるため、自民党の比例代表での集票力がさらに下がると予想されます」(野上氏)
福岡9区のように自民党本部と県連の候補者調整が難航している選挙区もある。本稿締切時点で、大家敏志・参院議員、三原朝利・北九州市議のいずれが公認候補となるか確定しておらず、2人とも出馬して潰し合いになる可能性もある。
自民党議員たちは新首相誕生の「ご祝儀票」を期待しているのだろうが、現実はマイナス材料ばかりの選挙戦だ。
ウソつき解散を仕掛けた石破首相には、総選挙後に茨の道が待ち受けている。
(了。第1回から読む)
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