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※2024年10月7日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し
※紙面抜粋
※2024年10月7日 日刊ゲンダイ2面
早くもブレブレ、変節、言行不一致(石破茂首相)/(C)共同通信社
スカスカ所信表明、裏金公認を巡るドタバタ。それ以外にも二枚舌や嘘ばかりで、「期待」が高かった分、国民の失望と怒りは倍加している。それもこれも早期解散で「臭いものに蓋」をしたいから。
◇ ◇ ◇
首相に就任した途端に手のひら返しの連続では、国民の「納得と共感」を得られるわけがない。やることなすこと、二枚舌や嘘ばかりではないか。
5日、1月の能登半島地震と9月の能登豪雨で被災した輪島市、珠洲市を訪問した石破首相。避難所などを視察し、被災状況を確認。「心が折れてしまいそうな人に、もう一度頑張ろうという気持ちを持ってもらえるように取り組む」「絶望の淵におられる方々に、できる限り最大限の支援をしたい」などと話した。
そう言うのなら、一刻も早く予算委員会を開いて、被災者に少しでも安心してもらえるような補正予算をしっかり成立させるのが筋だろう。
ところが、石破は補正予算審議を総選挙後に先送りし、9日に衆議院を解散しようとしているのだからメチャクチャだ。能登の被災対応は予備費の追加措置でお茶を濁す方針だが、このままでは補正予算の成立は12月になってしまう。能登の人々は安心して年を越すこともできない。
「能登では被災者も行政も突然の国政選挙に対応できる状況ではないことは、一目瞭然でしょう。いったい何のための視察なのか。いま能登で大型選挙をやれば、現場に大混乱をもたらすだけですよ。形だけの視察で、能登の復興支援より自民党の復興を優先するわけです。能登を見捨てて解散に突っ走るのは、国会審議でボロが出る前に選挙をやって、『臭いものに蓋』をしてしまいたいという保身でしかない。そもそも石破首相自身が、総裁選では『予算委員会を開くべきだ』と言っていたのに、変わり身の早さに唖然とします」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
いったい何を問う選挙なのか
変節、保身でいえば4日の所信表明演説もひどかった。総裁選で意欲を示していた選択的夫婦別姓や金融所得課税、日米地位協定の改定など、党内で意見が分かれそうなテーマはことごとく封印。原稿がなくても自分の言葉で語れることが石破のウリだったはずなのに、当たり障りない言葉を並べた原稿を棒読みしていた。総裁選であれだけ熱っぽく語っていたのは何だったのか。
野党から「まれに見るスカスカの所信表明」(立憲民主党の野田代表)、「薄っぺらい、パッションもない、ないないづくし」(日本維新の会の馬場代表)、「これまで聞いた中で最も空虚な内容」(国民民主党の玉木代表)、「ここまで自民政治が劣化しているのかという中身のなさ」(共産党の田村委員長)などと酷評されるのも当然だ。
立憲の野田は、所信表明を聞いて「ますます(総選挙で)何を問うのかが本当に分からなくなった」と言っていたが、まったくだ。問われるのは石破の信任なのか、自民党政治の是非なのか。
まるで有権者に判断材料を与えることを避けるかのように、7日から2日間の代表質問と短時間の党首討論をやっただけで解散・総選挙に突入するのである。
自民党は、野党が求めていた予算委の審議を行わない代わりに、本来は45分の党首討論の時間を60分にするとか言っているが、たった15分の延長にどれほどの意味があるのか。9日解散という日程ありきですべてが組み立てられ、進行していく。
総裁選で予算委をスッ飛ばしての早期解散を主張した小泉進次郎に対し、「本当のやりとりは予算委員会だ」と諭したのは石破だった。その石破が言を翻して速攻解散に突き進む倒錯。首相就任から8日後の早期解散、26日後の投開票はいずれも戦後最短だ。
裏金問題に対する世論の厳しい目を見誤った愚鈍
衆院政倫審で質問に立った立憲民主の野田佳彦代表(C)共同通信社
国民的人気が高かった石破は、「選挙の顔」に適任のはずだった。ところが、共同通信が今月1〜2日に実施した世論調査では、石破内閣の支持率は50.7%と振るわなかった。総選挙で裏金議員を公認することを「理解できない」とする回答も75.6%に上ったが、ここ数日、裏金議員も原則公認とし、比例との重複も可能とする執行部の方針が外堀を埋めるように報じられてきた。
改革への期待感は急速にしぼみ、世論よりも党内事情を優先する石破の裏切りに国民の失望は高まるばかり──。
そうしたら、6日になって一転、旧安倍派の幹部らを非公認とし、裏金議員は比例代表での重複立候補を認めない方針が発表されたのだ。
6日午後、党本部で森山幹事長や小泉選対委員長らと対応を協議した後、石破本人が記者団に説明した。「国民の不信、怒りに対して自民党として、きちんと対応することが必要だ」というのである。
「この週末に自民党が選挙情勢調査をかけたところ、50〜60議席減という衝撃的な結果だった。裏金議員の処遇に対して、想像以上に世論は厳しいことが分かり、これはマズイと慌てて方針転換したのでしょう」(自民党関係者)
石破が示した方針は、
@4月の党の処分で「選挙における非公認」より重い処分の者を非公認とする。
A「選挙における非公認」より軽い処分でも、現時点で処分が継続していて国会の政治倫理審査会で説明責任を果たしていない者は非公認。
Bその他の議員で、説明責任を十分に果たさず、地元の理解が十分に進んでいないと判断される者は非公認というもの。
さらに、その他の裏金議員については選挙区での公認は認めるが、比例代表での重複立候補は認めない。覚悟を見せるために、石破と党4役も重複立候補はしないという。
右顧左眄で後手後手の対応
有権者からすれば、小選挙区で裏金議員を落としたつもりが比例復活で当選し、それで「禊は済んだ」なんて涼しい顔で言われたら、たまったもんじゃない。比例重複ナシは当然の措置だ。それ以前に、やらかした議員は自分から辞退するのが筋ってもんじゃないのか。
「党員資格停止の処分を受けた下村博文氏、西村康稔氏や、党の役職停止処分中で政倫審に出席していない萩生田光一氏ら少なくとも6人が非公認となる見通しですが、甘すぎます。世論の批判をかわすために、わずか数人を人身御供にするだけでは到底、納得は得られない。国民感情からすれば、裏金議員は全員非公認が当たり前です。立法府にいながら法を犯し、脱税していた疑いがある彼らには、国会議員になる資格などありません」(五十嵐仁氏=前出)
最終的に何人が対象になるのかはまだハッキリしないが、右顧左眄で後手後手の印象は否めない。政治ジャーナリストの山田厚俊氏もこう言う。
「石破首相は最初から厳しく対処する姿勢を貫いていればよかったのに、せっかく裏金議員に厳しい世論に向き合った対応に舵を切っても、ブレている印象を与えてしまえば逆効果ではないか。この間のドタバタを見ていると、自民党が変わったようにはとても感じられません。それに、今回の決定について裏金議員からの反発はすさまじく、また党内がガタガタすれば、ますます支持率は下がっていくでしょう。それに、50議席減も囁かれている時にあえて公認候補を減らすのは世論対策ですが、郵政選挙の時のように“刺客”を立てるわけではないから、自民党はかなりの議席を減らしそうです。自公の過半数割れが現実味を帯びてきました」
党内野党として正論を吐いてきた石破は、自分で言っていた通り国会審議を通じて政治姿勢を国民に説明し、納得と共感を得られるように、じっくり時間をかけた方が自身の持ち味を生かせたのではないか。期待が高かった分、国民の落胆も大きい。新政権のご祝儀相場もなく、「自民党のための政治」を選択した変節ぶりは世論を味方につけることもできない。このまま自爆解散に突き進むだけだ。
石破が自民党の腐敗堕落にのみ込まれるのを目の当たりにした国民は、誰が首相になっても自民党であるかぎりダメだと痛感したことだろう。裏金議員に投票することはあり得ないだろうが、それだけでなく、自民党政治にどういう審判を下すのか。来たる総選挙では有権者の良識が問われる。
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