<■2013行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 石破政権短命危機=u早く解散しないとボロが…」 現実を無視した理想論吹聴→困難とわかると「豹変」 党内には早くも反乱の気配 2024.10/4 15:30 https://www.zakzak.co.jp/article/20241004-GXJZSACMKNMY7JQIUQHCUBM4AY/ 石破茂首相は4日、衆参両院本会議で初の所信表明演説に臨み、 「経済対策の策定」 など、当面の政治課題への政府方針を表明する。 9日解散、27日投開票の衆院選を間近に控え、経済回復の道筋を示す狙いのようだ。 報道各社の世論調査では、石破内閣の支持率は50%前後と伸び悩んでいる。 「論功行賞」 「リベラル重用・保守派外し」 という色彩が強いうえ、安倍晋三元首相を 「国賊」 と罵倒した村上誠一郎氏を総務相に抜擢した影響なのか。 ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、現実を無視した理想論を吹聴して困難と分かると豹変する 「石破首相の本質」 を喝破し、 「短命内閣の危険性」 を指摘した。 ◇ 石破政権が誕生した。石破首相は9日の衆院解散を表明したが、早くも自民党総裁選での発言をひっくり返した形だ。 新内閣は挙党一致のドリーム・チームにもならなかった。 野党はもちろん、自民党内の反・石破勢力は倒閣に動くだろう。 発足当初から、これほど不人気な政権も珍しい。 石破総裁誕生が伝えられると、株式市場は暴落で反応した。 それも当然だ。 石破氏は 「金融所得課税の強化」 をはじめ、 「法人税や所得税の増税」 を滲ませ、岸田文雄政権がぶち上げた防衛増税1兆円の構想も引き継ぐ考えを示した。 日銀の利上げにも肯定的だ。 これで株価が上がるわけがない。 いずれ実体経済に波及し、下手をすれば、デフレに逆戻りする可能性もある。 解散表明にも驚かされた。 総裁選では 「国民に判断材料を与えないまま、解散はしない」 と言っていたのに、突如、豹変した。 しかも、国会で内閣総理大臣の指名を受け、皇居での首相任命式を終える前の解散表明である。 「選挙準備のためだ」 などと理由を語ったが、 「憲政の核心」 に関わる話なのに、言い訳にもなっていない。 これは 「石破首相の本質」 を物語っている。 彼はいつも一見もっともらしい建前論を語るが、実現可能かどうか、しっかり検討した上での話ではない。 単に理想を語っただけだ。 現実の壁に直面して、困難と分かると、たちまち豹変するのである。 解散は森山裕幹事長の進言を受けたからだった。 「早く解散しないとボロが出て、支持率が落ちるぞ」 と諭されたに違いない。 そこで初めて 「現実の厳しさ」 に気が付いたのだ。 他の重要課題はどうか。 例えば、 「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」 である。 NATOは加盟国に集団的自衛権に基づく相互防衛義務を課している。 だが、専守防衛を旨とする日本は、他国防衛のために軍事力を行使できない。 したがって、憲法改正が不可欠になる。 ■党内には早くも反乱の気配 「日米地位協定の改定」 も同じだ。 米国には日本防衛義務があるが、日本には米国防衛義務がない。 だからこそ、かつてドナルド・トランプ前大統領は 「日本は米国が攻撃されても、ソニーのテレビを見ていられる」 と不満を漏らした。 米国は 「地位協定を改定したいなら、まず片務的な条約を改めたらどうだ」 と反論するのではないか。 途中のハードルをどう越えるか、を考えずに、いきなり理想論に走る。 これが石破氏の発想である。 一言で言えば 「書生論」 だ。 だから、誰かから現実の壁を指摘されると、途端に腰砕けになってしまう。 このパターンは今度も繰り返されるに違いない。 石破首相は、いわゆる 「裏金議員」 の公認問題について、 「公認権者である自分が説明責任を果たす」 と言明した。 甘い対応をするようなら、批判を招く。 逆に、裏金議員を公認しないようなら、反・石破陣営は黙っていないだろう。 最高顧問に就任した麻生太郎元首相は、記念撮影への同席を拒否した。 党内には、早くも反乱の気配が漂っている。 石破政権は短命に終わるのではないか。スパイ防止法に反対した村上誠一郎氏 昭和61年初当選当時「現行法の手直しで十分」 2024/10/4 10:59 https://www.sankei.com/article/20241004-OROBZLT4CFDYLBBW7LV4RHDNEU/ 石破茂内閣で再入閣した村上誠一郎総務相は、衆院議員に初当選した昭和61年当時、自民党が制定を目指していたスパイ防止法について 「現時点においては不必要」 と党内で反対していた。 スパイ防止法を巡る動きを振り返ってみた。 ■「スパイ天国」返上目指した自民 戦後、日本はソ連や北朝鮮によるスパイ活動を厳しく取り締まる法律がなく、 「スパイ天国」 と呼ばれてきた。 昭和53年10月の参院予算委員会で福田赳夫首相は 「スパイ天国と言われる状態を放置しておいていいのかどうか」 と述べ、将来はスパイ防止法が必要との認識を示した。 翌54年には保守系の学者や文化人が発起人となって 「スパイ防止法制定促進国民会議」 が発足した。 昭和55年に陸上自衛隊の陸将補がソ連に情報を流したとして逮捕されたが、自衛隊法の守秘義務違反で懲役1年に問われただけだったことから、制定の機運が高まり、地方議会での推進意見書可決が相次いだ。 昭和57年に就任した中曽根康弘首相も積極的な姿勢を見せ、昭和59年には 「スパイ防止のための法律制定促進議員・有識者懇談会」 が発足し、政界を引退した岸信介元首相が会長に就任した。 現在文化庁長官を務める作曲家、都倉俊一氏も発起人に名を連ねた。 ■谷垣、鳩山氏らと意見書提出 自民党は昭和60年、 「国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案」 を議員立法で提出した。 外交・防衛上の国家秘密を外国に漏らした場合、最高刑を死刑とした。 この動きに対し、社会党や共産党などは 「国民の権利を制限する」 などと反対した。 スパイ防止法制定促進国民会議の事務局が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)系の政治団体 「国際勝共連合」 だったこともあり、社共を中心とした勢力の反対運動は激しく、実質審議に入らないまま廃案となった。 昭和61年、中曽根首相は法案の再提出に意欲を示し、党内の特別委員会が最高刑を無期懲役に引き下げるなどした修正案をまとめた。 村上氏はこの年昭和61年の7月、衆院旧愛媛2区で初当選。 昭和61年11月に、法案に反対する自民党の中堅・若手議員12人の意見書に名を連ねた。 他の11人は次の通り(敬称略、カッコ内は後の役職)。 大島理森(衆院議長)、太田誠一(農林水産相)、熊谷弘(通商産業相)、熊川次男、白川勝彦(自治相)、杉浦正健(法相)、谷垣禎一(自民総裁)、鳩山由紀夫(首相)、谷津義男(農水相)、石井一二、佐藤栄佐久(福島県知事) 村上氏は「中央公論」昭和62年4月号の 「われら自民党議員『スパイ防止法案』に反対する」 と題した特集で、 「自衛隊法、国家公務員法、刑法等の手直しで十分対処することができよう」 などと論じた。 その後、法案は再提出されず、岸氏の死去や中曽根内閣の退陣で制定の機運はしぼんだ。 共産などにとっては、村上氏ら自民内の反対論は心強かったに違いない。(渡辺浩、肩書は当時) <主張>中国の海外闇警察 「スパイ天国」でいいのか 社説 2024/3/16 5:00 https://www.sankei.com/article/20240316-H4BDHEZJSJMAJPA4WOC6PFTEAA/ 左右の過激派や外国勢力を捜査対象として治安を守る警視庁公安部が、なぜ詐欺事件を摘発したのか。 それは日本に、直接スパイ活動を摘発する法律がないからである。 公安部は2024年2月、風俗店を整体院と称して新型コロナウイルス対策の持続化給付金100万円を詐取した疑いで、中国籍の女を書類送検した。 2023年5月には、女が一時幹部を務めた東京・秋葉原の一般社団法人を、同容疑で家宅捜索していた。 一般社団法人が入居するビルは、スペインのNGO「セーフガード・ディフェンダーズ」が2022年、中国の非公然警察署の拠点であると指摘していた。 当時の林芳正外相は 「(日本の主権を侵害しているなら)断じて認められない旨の申し入れを行っている」 と述べた。 同NGOによれば、海外闇警察とも言われる中国の非公然警察署は世界50カ国、100カ所以上にあり、 「国外の中国人の政治活動の監視」 や 「帰国の説得」 などを任務としている。 2023年4月には米ニューヨークで、非公然警察署の開設や運営に関与したとして中国系米国人2人が逮捕された。 警視庁による摘発は、非公然警察署の実態把握の過程で犯罪容疑が浮かんだとみられる。 平成24年にはスパイ活動を行った疑惑のある在日中国大使館の元1等書記官を、外国人登録法違反容疑で送検した。 2023年は研究データを中国企業に漏洩したとして、不正競争防止法違反容疑で国立研究開発法人 「産業技術総合研究所」 の中国籍の研究員を逮捕した。 その容疑名に捜査当局の苦心が窺える。 日本が 「スパイ天国」 と称されるのは、諸外国にはあるスパイ活動を防止する法律がなく、同法を根拠とする本格的な防諜機関もないためである。 加えて給付金詐欺容疑で送検された女は、自民党の松下新平参院議員の事務所に一時期 「外交顧問兼外交秘書」 として出入りしていた。 外国工作員はあの手この手で政権中枢への接触を図る。 受け入れる側の無自覚ぶりには目を覆いたくなる。 「スパイ防止法案」 は昭和60年に議員立法で提出されたが、昭和60年に廃案となった。 その後、特定秘密保護法などが成立したが、まだ不完全だ。 スパイ天国を解消すべく、防止法と防諜機関の創設を急ぐべきである。 スパイ防止法 諜報活動野放し、摘発へ法整備を 立命館大教授・上久保誠人 明解説 2024/3/2 10:00 https://www.sankei.com/article/20240302-B2AHWG5YAVPIBCAUVHT7EUPR6E/ 日本では諸外国のスパイが暗躍しているとされる。 法整備を進める政府は2024年2月27日、経済安全保障上の機密情報へのアクセスを官民の有資格者に限る 「セキュリティー・クリアランス(SC、適格性評価)」 制度を創設する 「重要経済安保情報保護・活用法案」 を閣議決定し、衆院に提出した。 それで機密情報の漏洩を防げるのか。 中国人留学生を指導する立命館大の上久保誠人教授は、スパイ防止法の制定を訴えている。 ◇ ■日本だけ制度なく SC制度は、日本の企業、役所、またそのスタッフ、職員について、漏洩すると国の安全保障に支障を与える恐れがある情報を扱うに足る組織や人物、身分かを確認し、海外に情報を流す違反をした場合に罰則を設けるということだが、現行法を含め肝心の外国からのスパイ自体をきちんと取り締まる部分がない。 それは、先進7カ国(G7)の中で日本だけで、まるでスパイ天国だとされる。 諜報活動をする外国人は基本的には犯罪行為を起こさないよう注意を払っており、法の網にかかりにくい。 公安関連組織がスパイらしい人物を捕まえる時は、スパイ摘発と直接関係のない現行法を何とか運用しているのが現実だ。 例えば、東京・池袋のパスポートセンターで中国人職員が個人情報を入手して逮捕された事件が2023年あったが、窃盗罪が適用された。 私が勤務するような学校は、最前線の1つかもしれない。 学校に映画に出てくるようなスパイがいるわけではない。 しかし、留学生が本国にスパイ活動をさせられていると言われており、緊張感があることは否めないからだ。 ■中国人は協力義務 中国には国家情報法があり、国家安全部(省)の指示で海外の留学生や在住者は中国共産党の情報活動に協力しなければならない。 同法は、最先端技術などの情報を政府や企業、大学から取り、政府に渡すことを義務付けている。 拒めば、実家が脅されかねない。 大学教育は、そんな中で行われている。 理系はもちろん最前線だが、私のような文系でも民主主義や民主政治を語っていると、それ自体が中国人を教育している行為に当たる。 普通に日本に政治を学びにきた留学生でも、中国当局からの指示で教官がどんな思想信条で家族構成はどうなっているか、朝から夜までどんな日常生活を送っているかといった情報を取っているとの不安は拭えない。 外国から情報を盗みに来る、あるいはそれに加担させられる人を摘発することができる法律として、スパイ防止法が必要である。 それは、逆説的に感じる人もいるだろうが、言論や思想信条、学問の自由を守ることにもなる。 大学で、私は目の前の留学生に民主主義を説く。 それを不安なくやるには、スパイを摘発する制度がきっちりと整っていなければならない。 そのため、ある日突然、私の学生が拘束されて消えることがあっても構わない。 安心して活動できるために法律を整備してほしい。 ■留学生や人材守る 日本は少子高齢化で若者が少ない。 政府は対策を取っているとはいえ、政策効果が出るのは30年後だ。 だから、ある意味で移民と言える優秀な人材を受け入れざるを得ない。 外国人を受け入れつつ国家の安全を守るために、厳しいチェックと管理ができる法律が必要なのはG7の国であれば常識ではないか。 そう思う理由の1つに、私の英国での留学経験がある。 空港でもロンドン市内でも自動小銃を持っているような人はおらず、オープンな雰囲気に見えたが実は英国は強力な監視国家で、私を含む留学生が完全に情報機関に生活を把握されていた。 当時、当局の要注意リストに外国人3000人が掲載され300人が監視下にあったと聞いていた。 ある大学で、留学生が集会をしようとした瞬間に当局が全員検挙したという事例があった。 それほど普段から留学生や外国人の動向を把握しているということだ。 テロやスパイ活動を防止するため、事前に全てを把握する体制があり、スパイ防止の法律が存在していた。 一方で、市民は当局の監視の息苦しさを日常的に感じることはなかった。 いわゆるリベラル、左翼の考え方とは真逆の考え方だろうが、同様の制度が日本にほしい。 それが、良い留学生や優秀な人材を守ることにも繋がるはずだ。 ◇ 【用語解説】スパイ防止法 昭和55年1月の宮永幸久元陸将補らによる防衛庁スパイ事件をきっかけに昭和60年6月、通常国会に自民党から議員提案された。 野党側が ▽「国家の秘密」の範囲が曖昧 ▷国民の知る権利、言論と報道の自由など基本的人権を侵害する ▷最高刑を死刑とするなど重罰化が目立つ などと反対。 1度も審議に入らないまま、昭和60年末の臨時国会で廃案となった。 <主張>気象と防災の日 首相に制定を提案したい 社説 2024/10/4 5:00 https://www.sankei.com/article/20241004-REJPIIGFFFOFHIQ3QHRD7JXMME/ 石破茂首相は「防災庁」の創設を政策の柱の一つに掲げている。ただ、実現には一定の時間がかかる。 そうであるなら、手間をかけずに防災に資する方策も考えたい。「気象と防災の日」を制定してはどうか。 地球温暖化の影響とされる気象の激甚化で、多くの国民の命と暮らしを脅かす大規模水害が毎年起きている。豪雨や台風が多発する時季の前に、国民、地域、自治体、国が連携して大規模水害に備える機会が、必要であり不可欠だ。 国民的な防災の日である9月1日は、大規模地震を想定した訓練や啓発活動に重点が置かれてきた。豪雨や台風に備えるには9月では遅い。8月26日は「火山防災の日」、11月5日は「津波防災の日」(世界津波の日)であるが、最も発生頻度が高く、かつ全ての国民に関わる気象災害については、これに相当する日がない。 地震を想定した訓練を実施している地域や自治体は多いが、水害を想定した訓練はあまり行われていないのが現状だ。 「自然災害が多発する日本に、専門の省庁がない方が異常だ」と考えるのであれば、大規模水害を重点に気象災害に備える「防災の日」の必要性は明白だろう。 産経新聞は社説(主張)で、気象記念日である6月1日を「気象と防災の日」とすることを提唱してきた。大規模水害を想定した訓練を多くの自治体に普及、定着させるとともに、地球規模の気候変動について多くの国民が学ぶ契機とする、というのが提唱の趣旨である。 日付と名称にはこだわらないが、この趣旨には賛同が得られるはずだ。 東日本大震災、西日本豪雨などで、日頃の訓練が住民避難や安全確保に繫(つな)がった事例は多い。訓練の実施で直ちに救える命があり、訓練の定着で将来の命も救える。 「気象と防災の日」制定に多額の費用はかかるまい。考えられる施策としては、最も費用対効果が高いのではないか。 防災庁の創設を掲げている首相が、政府の災害対応力を大幅に向上させる必要があると認識していることに異論はない。ただし、役人と役所仕事を増やしても、それが必ずしも国民の命を守ることに直結しないことは銘記する必要がある。 地震の地割れから大量の土砂「人災」と批判も 能登水害、家も車も埋まった 2024/10/4 6:30 https://www.sankei.com/article/20241004-6CXKCYFYA5NPBF5JU2HBCR4RUM/ 9月21日に能登半島で発生した記録的豪雨で、石川県輪島市の市立輪島中グラウンドに元日の地震で生じた地割れから大量の土砂が流出し、周囲の家や車を埋め尽くした。地震後、地割れから水が染み出すなどの予兆もあり、市側は土囊(どのう)を置くといった対策を講じてきたが、豪雨には効果がなかった。市に繰り返し対策の強化を求めてきた住民からは「危険性は明らか」「人災だ」といった批判の声も上がる。 輪島市中心部の高台にある輪島中では、元日の地震で約1万6千平方メートルあるグラウンドに地割れが発生した。グラウンドを管理する輪島市教育委員会によると、地割れは最大で長さ約130メートルに及び、グラウンドの約半分が崩れ落ちた。 地震後、高台の下で暮らす住民は、雨が降るたびに恐怖を感じた。息子宅の前が土砂に埋まった服部陽子さん(65)は「大きく崩れた斜面から雨が降るたびに水が染み出したり、小石が落ちてきたりした」と振り返る。住民から対策を求める声もあり、市は斜面にブルーシートを張ったり、大型土囊を置いたりしたほか、雨水が斜面に流れないよう仮設の排水管も設置した。 しかし、今回の豪雨では対策の効果もなく地割れから大量の土砂が流出。高台から約300メートルにわたる坂道には、グラウンドの土砂を含む濁流が川のように流れた。仮設の排水管は十分に機能しないまま壊れ、最大で高さ1メートルほどの土砂が民家や道路、駐車中の車を覆った。服部さんは「しっかり補強していれば被害はもう少し抑えられたのでは」とため息を漏らす。 ■市教委「被害受けられた方におわび」 高台の土砂崩れの危険性を市に何度も訴えた住民もいる。輪島中が立つ高台のすぐ下に自宅がある女性(55)によると、地震後、雨が降るたびにグラウンドの砂が自宅前を流れたという。 土砂流出の危険性は目に見えていたため、女性は輪島中の周辺を土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に指定するよう市側に要望したが、「教育委員会との兼ね合いがある」などとして取り合ってもらえなかったと憤る。実際、輪島市が公開するハザードマップは令和元年度末から更新されておらず、土砂が流出した範囲は土砂災害警戒区域(イエローゾーン)からも外れたままだ。 女性宅は今回の土砂流出で床下まで泥水につかり、前の道路も地中の水道管やマンホールがむき出しになるなどした。複数の予兆があったにもかかわらず土砂流出を防げなかったことに、女性は「市の対応はあくまで応急処置に過ぎない。その後の対応はなく、人災と言っても過言ではない」と訴える。 これに対し、輪島中のグラウンドを管理する市教委は、地震後に一定の対策をとってきたとした上で、「被害を受けられた方におわびする。さらに被害が拡大しないように対策を講じる」と述べるにとどめた。 <主張>中東の戦火拡大 なぜNSCを開かぬのか 社説 2024/10/3 5:00 https://www.sankei.com/article/20241003-4YRNMLACHBI6FNK2GDIOJIQ5N4/ 石破茂首相に問いたい。 なぜ国家安全保障会議(NSC)を開催しないのか。 中東の戦火が拡大しているからである。 イスラエルがレバノンの首都ベイルートにある親イラン民兵組織ヒズボラの本部を空爆し指導者ナスララ師を殺害した。 ヒズボラの脅威を除こうとイスラエル軍はレバノン南部へ侵攻した。 ヒズボラの後ろ盾であるイランは報復と称しイスラエルに向けて大規模な弾道ミサイル攻撃を行った。 米英両軍などが協力して迎撃したが一部が着弾し、被害が出た。 イランの対イスラエル直接攻撃は4月以来だ。 どちらも中東有数の軍事大国だ。 双方に自制を求めたい。 ただし事態がエスカレートすれば 「第5次中東戦争」 になりかねない。 日本や世界のエネルギー供給にとっても、経済情勢にとっても、何より中東地域の邦人の安全にとっても、看過できない緊迫した状況である。 日本は一連の事態を遠い地域の出来事と見做すのではなく、自らの問題と捉え、対応しなければならない。 石破首相は2日、イランの弾道ミサイル攻撃を非難し 「全面戦争に拡大しないように(米国などと)連携を取りたい」 と述べた。 そうであるならば、石破首相は、NSCの4大臣会合などを開き、邦人保護や万一の際のエネルギー需給、イスラエル、イラン双方への働きかけについて協議すべきである。 国家安全保障局や外務省の幹部と面会したが、それだけでは足りない。 NSCを開催すれば、日本企業や現地の邦人に対応を促すシグナルにもなる。 石破首相が自民党総裁に当選した9月27日に、岸田文雄内閣の木原稔防衛相はレバノンからの邦人退避に備え、航空自衛隊のC2輸送機を近隣のヨルダンとギリシャへ派遣する命令を発した。 レバノンには約50人の邦人が滞在している。 政権末期でも邦人保護へ動いた岸田政権の対応は妥当だ。 退避では韓国との相互協力も進めたい。 ただし、レバノンからの邦人退避の備えは日本が為すべき対応の一部に過ぎない。 戦火が一気に拡大しかねない時代だ。 危機は政権交代の事情など勘案しない。 石破首相には内閣発足直後であろうと国民を守り抜いてほしい。 石破政権は北朝鮮に近く優しい? 拉致議連会長からの変節 阿比留瑠比の極言御免 2024/10/3 1:00 https://www.sankei.com/article/20241003-KRI3XHTSOZIS7BSKYCT3ZS5YKA/ 9月28日の本紙社会面記事で、拉致被害者の横田めぐみさんの母、早紀江さんが石破茂新首相と過去に会話をした経験について、こう述べていた。 「ほとんどない」 一読、何とも言えない寂しさを感じた。 なぜなら首相は平成14年4月から、9月に小泉純一郎内閣の防衛庁長官に抜擢されるまで、北朝鮮に毅然とした姿勢で対峙する 「北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟」(拉致議連) の会長を務めていたからである。 ■被害者家族と距離 にもかかわらず以後、首相は早紀江さんの言葉にあるように、拉致被害者家族との間に距離を置いたのだった。 家族らにすれば、見捨てられたに等しい。 この年平成14年4月、自民党政調副会長だった首相が拉致議連会長に内定した際に中川昭一元財務相から筆者に、嬉しそうな様子で掛かってきた電話が鮮明に記憶に残っている。 「(北に比較的融和的というイメージがある自民党の)橋本派の石破さんが受けてくれたのは大きいよ。インパクトがある」 筆者も早速、首相(石破氏)にインタビュー(平成14年4月24日朝刊掲載)すると、首相はこう語った。 「とにかく行動すること、北朝鮮に毅然たる姿勢で臨むことの2点に議連の意味がある」 「日本はこれまで、コメ支援や朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)への援助など、太陽政策的な措置をとってきた」 「それなのに北朝鮮は『行方不明者(拉致被害者)は捜索したがいなかった』と非常に不誠実な答えを繰り返し、ミサイルを撃ち、工作船を航行させるという行動に出ている」 「拉致容疑は人権問題でもあるが、それ以前に国家主権の侵害だ」 至極もっともな発言である。 ところが、その首相による現在の主張や今回の党役員と閣僚人事を見ると、過去との余りの差異に愕然とする。 首相は拉致議連から手を引く代わりに、北朝鮮に余りに融和的だと拉致被害者家族会が警戒する日朝国交正常化推進議員連盟の一員となった。 総裁選で首相が掲げた東京と平壌に連絡事務所を置いて拉致被害者について調査するという考えは、かねて日朝議連が主張してきたことである。 だが、北朝鮮当局は拉致被害者を厳しい監視下に置いており、どこにいるかは当然、把握している。 連絡事務所の設置とは、北朝鮮に都合のいい情報を受け取り、その意のままに動くことである。 首相はまた、拉致被害者家族会が絶対に譲れないと訴える 「全拉致被害者の即時一括帰国」 という方針にも疑問を示している。 ■なぜ変節したのか 党役員を見ても、要の森山裕幹事長と坂本哲志国対委員長は日朝議連に入っているとされる。 それどころか、石破内閣で安全保障問題を担う首相をはじめ岩屋毅外相も中谷元防衛相も日朝議連メンバーという極端な配置となっている。 まだ石破政権が発足したばかりだから今後どうなるか分からないが、人事から受ける印象は 「北朝鮮に近く優しい政権」 となろう。 政治家であろうと、歳月の中で考え方が変わっていくことはあるだろう。 とはいえ、かつては北朝鮮に対する太陽政策の無意味さを説き、毅然とした姿勢を強調していた者が、なぜここまで変節したのか。 自ら拉致被害者奪還運動に取り組みつつも、最後の場面では首相や政治家に頼らざるを得ない家族らの心境を思うと、やるせない思いが募るばかりである。 石破首相の原発ゼロ方針「今は訂正されていると承知」 武藤経産相、総裁選の発言巡り 2024/10/2 16:24 https://www.sankei.com/article/20241002-CV7OIQS64VLMXAWUKIN4VH2RGM/ 武藤容治経済産業相は2日、就任後初の記者会見を開き、石破茂首相が自民党総裁選で 「原発をゼロに近づける」 とした発言について、 「今は訂正されていると承知している」 との考えを示した。 原発については 「安全という前提で最大利用を進める」 と語った。 首相は総裁選への立候補を表明した8月の記者会見で原発をゼロに近づける考えを示した。 総裁選中は電力需要の増加を踏まえ 「必要な原発の稼働は進めていかねばならない」 とも語っていた。 武藤氏は総裁選の政策集で 「安全を大前提とした原発の利活用」 に言及されていると指摘。 原発利用などの方針について、 「首相と認識は共有している」 とも話した。 また武藤氏は、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)について 「地元の不安の声や地域振興を含めた要望を踏まえ、再稼働の理解が進むよう政府を挙げて取り組む」 との意向を示した。 柏崎刈羽原発の再稼働に向けては、地元同意を得ることが焦点となっている。 武藤氏は 「福島第一原発の事故を起こした東電への不安の声があり、(柏崎刈羽原発の)安全安心の取り組みも十分には浸透していない」 と指摘し、理解を得るよう努めるとした。 武藤氏はこの他、次世代半導体の量産を目指すラピダスの支援に関する法案に関し、 「出融資の活用拡大を含む必要な支援を行うための法案を早期に国会に提出すべく検討を進めないといけない」 と述べた。 2024.10.01 「あの男だけは、誰もが嫌っている」…石破茂新政権は長続きできるのか 「北京のランダム・ウォーカー」第749回・後編 https://gendai.media/articles/-/138394?imp=0 ■石破氏は還暦を過ぎて変わることができるのか さて後半は、石破新首相の 「政治家としての資質」 に立ち入ってみたい。 「前編」 の冒頭で述べた 「還暦を超えて人は変われるのか」 という命題である。 2024年9月27日の午後に行われた自民党総裁選挙の議事進行は、概ね前例を踏襲したが、いくつか細かい変更が行われた。 その1つが、決戦投票の前に、勝ち残った2人の候補者に、それぞれ5分間ずつ 「最終スピーチ」 の時間を設けるというものだった。 それは、1回目の投票で2位の候補者、1位の候補者の順で行われた。 つまり、1回目154票だった石破候補が、181票だった高市候補よりも、先に壇上に上がった。 石破候補にとっては、1回目の投票で敗退した7人の候補、及び7人の候補の支持者たちに 「直訴する」 最後のチャンスだった。 私も、石破候補が何を話すのかと、固唾を呑んで見守っていた。 すると、壇上の選挙管理委員会の面々に向かって、3度も丁寧にお辞儀した後、訥々と、こう切り出したのだった。 「私は、至らぬ者であります」 「議員生活38年になります」 「多くの足らざる所があり、多くの方々の気持ちを傷付けたり、色んな嫌な思いをされたりした方が多かったと思います」 「自らの至らぬ点を、心からお詫びを申し上げます……」 何とあのプライドの塊のような石破氏が、 「過去のお詫び」 から入ったのである。 NHKの生中継を見ていた人は、 「何のこっちゃ?」 と思われたかもしれない。 ■自民党議員の根強い「石破アレルギー」 だが実際に、自民党議員たちの 「石破アレルギー」 は相当なものがある。 私も少なからぬ議員たちから、様々なエピソードを聞いたものだ。 今回の自民党総裁選の間も、永田町界隈では、 「石破茂の裏切りの歴史」 なる文書が拡散されていたほどだ。 コロナ禍の前のことになるが、ある自民党本部の幹部職員が定年退職し、数名の記者で退職祝いをやった。 その中で、 「自民党職員たちから見て、総理総裁になってほしい政治家は誰ですか?」 と、記者の1人が質問した。 すると元幹部職員は、赤ら顔を和ませ、たちまち10人近くの名前を挙げて、 「我が党は人材の宝庫だ」 と胸を張った。 そこで私が、 「では逆に、自民党職員から見て、総理総裁になってほしくない政治家は?」 と水を向けた。 すると即座に、こう答えたのだ。 「石破茂! あの男だけは、党職員の誰もが嫌っている」 その後は、酔いも回ってか、呆れるようなエピソードを次々に披歴した。 重ねて言うが、酒席の話で裏を取ったわけではないので、事実かどうかは不明だ。 ■渡した名刺を投げ、せせら笑う石破氏 だが、実は私にも、苦い経験が1つある。 2012年9の自民党総裁選で、 「安倍vs石破」 の自民党史に残る対決となった時のことだ。 当時所属していた『週刊現代』で、 「強の誌面対決」 のページを作るべく、両者にインタビューを申し込んだ。 すると、両候補とも 「30分だけなら」 と快諾してくれ、同日に時間差でのインタビューとなった。 まずはカメラマンと2人で、国会議員会館の石破事務所を訪ねた。 少し早く着いて、応接間で待たされたが、書棚には重厚な本がぎっしり並んでいた。 失敬して何冊か取り出してみたら、どの本にも要所に赤鉛筆で波線が引かれ、文字の上の隙間には、本人の所感が書かれていた。 さすが政界一の勉強家と、尊敬の念を深くして待っていると、間もなく本人が現れた。 私とカメラマンは、立ち上がって名刺を差し出し、 「本日はよろしくお願いします」 と頭を下げた。 すると石破氏、 「言っとくけど、きっかり30分だよ」 と言って、我々の名刺を見もせずに、ポイと机上に投げ捨てた。 そのうち1枚が床に落ち、慌ててカメラマンが拾って机上に置いた。 「君たちが聞きたいのは、キャンディーズのことかい? でもそんなこと聞いてると、時間が経っちゃうよ」 そう言って、ヘラヘラ笑い出した。 そのうち、我々の名刺を、まるでルービックキューブでも遊ぶように、両手でクルクルと回し始めた。 そして5分経つごとに、 「ハイ、あと20分!」 などと言って、せせら笑う。 こちらは、当時問題になっていた中国との尖閣諸島の問題などを聞きたかったのだが、常に 「上から目線」 で、まるで初心者相手のように説くので、噛み合わなかった。 1度だけ、石破氏の回答が事実関係と異っていて突き詰めたら、キッとなった。 そして書棚に駆け寄り、関連関書を開いて 「そうだな、アンタの言う通りかもな」 と呟いた。 最後は、 「ほらほら、ラスト5分だよっ、キッキッ」 と冷笑した。 そしてほどなく、おもむろに立ち上がると、無言のまま離席してしまった。 27分が経ったところだった。 私はトイレにでも行ったのかと思い、しばし待ったが、ついぞ戻ってこなかった。 カメラマンが三脚を片付けて、事務所を出た。 石破氏の名刺は、受け取らずじまいだった。 ■出口まで見送りにきた安倍氏 続いてインタビューした安倍氏は、仏様のように映った。 「週刊現代には過去に、色んな事を書かれたけど、よく勉強させてもらっていますよ」 「今日は短い時間しか取れなくて、すみませんね」。 そう言って安倍氏は私とカメラマンに会釈しながら、自分の名刺を差し出した。 安倍事務所の応接室の書棚には、本が1冊もなく、代わりに世界の著名人と撮った写真ばかり飾り立ててあった。 それでも、熱意と誠意が感じられる30分のインタビューだった。 「これからの日中関係は、きっと厳しいものになると思いますよ」 などと、率直に語った。 終わると、わざわざ事務所の出口まで送りに来てくれて、 「下へ降りるエレベーターはあっちの方ですから」 と笑顔で言い添えた。 帰路、私とカメラマンの意見は一致した。 「どちらが賢いかと言えば、石破さんだろうが、もし自分が自民党議員で、どちらに投票するかとなれば、絶対に安倍さんだな」 かくして、1回目の投票では石破候補が首位だったが、議員票がものを言う決選投票で、安倍候補が逆転。 2012年12月に発足した第2期安倍政権は、7年9ヵ月続いて歴代最長政権となった。 反面、石破氏には 「長い冬の時代」 が続いたのである。 ■石破政権は「割りばし政権」? それで、 「還暦を超えて人は変われるのか」 という命題である。 「高市候補に投じた」 というある自民党議員に聞くと、石破新政権について、決して楽観視はしていなかった。 「どうせ来たる総選挙用の『割りばし政権』だろう」 「総選挙が終われば、また石破は例によって独りよがりになり、『裸の王様』と化し、周囲が離反していく」 「挙げ句、内閣支持率が低迷して、総辞職ではないか」 「割りばし」 とは、 「1回きりの使い捨て」 という意味だそうだ。 2024年9月27日の夕刻、自民党総裁選は、9人の候補者全員が壇上に上がり、連なって握手して万歳するシーンでお開きとなった。 互いの手を離すと、8人の敗者たちは、そのまま壇上を去ったが、石破氏だけは、向かって右奥の選挙管理委員会席に歩み寄っていった。 そして、逢沢一郎選挙管理委員長を始め、選挙管理委員を務めた議員たち1人1人と握手し、頭を下げて労を労ったのだった。 こうした行動は、 「人格が丸くなった」 ことを示す証左と言える。 だが週明けの2024年9月30日には、 「前編」 の冒頭で述べたように、 「天に唾する自民党総裁による解散宣言」 をやってのけ、国民を唖然とさせた。 1つ言えるのは、石破新首相は間違いなく、今世紀に入ってから首相を経験した12人の中で、最も頭脳明晰な首相であるということだ。 人間関係まで含めて、その 「賢明さ」 が前面に出たなら、長期政権の可能性もないとは言えない。 何と言っても、 「時の流れ」 を掴んでいるのだから。 だが同時に、 「時の流れ」 は移ろいやすいのも事実だ。 「平成の明智光秀」 は、果たして 「令和の徳川家康」 になれるのか。 新政権発足早々に総選挙を迎えて、日本の政治が、一段と面白くなってきたことは確かだ。(連載第749回) 2024.10.01 # 政治 石破新総理、総選挙後にありかも電撃訪中…中国ウォッチャーの風変わりな「石破茂論」 https://gendai.media/articles/-/138393?imp=0 「北京のランダム・ウォーカー」第749回・前編 近藤 大介『現代ビジネス』編集次長 ■石破茂氏が新総裁に 「新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行いたい」 「いま内閣総理大臣でないものがこのようなことを行うのは、かなり異例のことであると承知しております」 「これが不適切なものだと考えているわけではございません」 石破自民党新総裁が、9月30日15時から党本部で行った記者会見で、いきなりの 「解散爆弾」 をブチ上げた。 憲法第7条には、 「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ」 として、 「国事行為」 の3番目に 「衆議院を解散すること」 と記されている。 だが石破自民党総裁は、9月30日時点で、 「助言と承認をする内閣」 を築いていない。 そのため、これは 「異例」 であると同時に、 「不適切」 であるのは言うまでもない。 こんなことが許されるなら、自民党は中国共産党と同じになってしまう。 解散したければ、翌10月1日に、正式に総理に就任し、内閣を築いてから宣言すればよいだけのことだ。 たかが1日の違いだが、 「総理でない自民党総裁が解散を宣言する」 というのは、 「天に唾する行為」 である。 この 「石破流ゴーマニズム宣言」 によって、せっかく掴んだと思われていた 「時の流れ」 を、自ら早々に手放してしまうかもしれない−−。 時の流れを先週末に戻そう。 9月27日に東京・永田町にある狭苦しい自民党本部8階ホールで実施された、事実上の日本の最高権力者を決める総裁選挙は、劇的な結末を迎えた。 実に5回目の挑戦で、 「最後の戦い」 と背水の陣を張った石破茂候補(67歳)が、一発転劇によって他の8候補を打ち負かしたのだ。 この石破新総裁誕生については、既に多くの政治の専門家たちが多くのことを話し、書いているので、重複はしない。 私の心に湧き上がるのは、前にもこのコラムで綴った 「時の流れ」 ということと、 「還暦を超えて人は変われるのか」 という2点だ。 以下、中国ウォッチャーによる、やや風変わりな 「石破茂論」 を申し述べたい。 普段、 「中南海」(北京の最高幹部の職住地) の権力闘争を追っていると、ふと見えてくる 「永田町の風景」 もあるのだ。 まず、 「時の流れ」 に関しては、約1ヵ月前(9月3日)にアップした本コラム 「中国は『待ちハリ』…カマラ・ハリスは『反中でなく弱くて予測可能』な理想のリーダー」(連載第745回) で、私はこう述べた。 政治の世界には、 「時の流れ」 というものがある。 「時流」 を得た政治家は、まるで舟に乗って川下りをするが如く、スルスルと遊泳し、 「勝機」 を掴んでいく。 まさに 「勝ち将棋鬼の如し」 だ。 逆に、 「時流」 に乗れない政治家は、 「鮭(さけ)の川上り」 のような状態になる。 すなわち、いくら七転八倒しながら這い進んでも、結果が伴わない。 逆境に斃れてしまう。 こうしたことは、個々の政治家の実績や資質というよりは、 「時流」 が自分に来ているかどうかの問題である。 広い意味で 「運」 と呼んでもいい。 現在、周知のように、日本とアメリカで同時に、国の最高権力者を決める 「大一番」 が展開中である。 この自民党総裁選と米大統領選を見る時、私はどうしても 「どの候補に時流が来ているか」 という視点に立ってしまう。 日米に共通している今の 「時流」 を一言で言い表すなら、 「刷新感」 である。 日本は、2012年末から7年9ヵ月続いた安倍晋三政権と、その後の菅義偉政権、岸田文雄政権の残滓のような、自民党の裏金問題が勃発した。 そこからの脱却を図ろうと、総裁選史上最多の9人が、政策を競っている。 そのキーワードが、 「刷新感」 である。 この 「時流」 に一番うまく乗った候補が、最終的な勝者となる。(以下略) ■「刷新感」にうまく乗った石破氏 私の見立てでは、この 「刷新感」 という時流に、自民党総裁選で一番うまく乗ったのが、石破氏だったと言える。 当選12回の石破氏に、何が 「刷新感」 かと思われるかもしれないが、ここで言う 「刷新感」 とは、年齢や当選回数ではない。 「派閥」「裏金」(統一教会などとの)「癒着」といった、いわば 「平成的政治手法」 からの脱却という意味での 「刷新感」 である。 自民党安倍派の裏金問題が俎上に上る以前から、 「孤高の人」 石破氏に派閥はなかった。 かつて 「水月会」(石破派) という小派閥を擁していたが、令和3(2021)年の年末に、それまでの6年あまりの活動に終止符を打って解消してしまった。 当時の朝日新聞(2021年12月13日付)は、 「これが冷や飯を食らい続けた首相候補の末路なのか」 と、にべもない。 私も、 「水月会」 の政治資金パーティに顔を出したことがあるが、それは 「斜陽の中小企業の株主総会」 を見るかのようだった。 見栄を張って有名ホテルの大広間で催すのだが、参加者が少ないため、何とも寒々しい。 おまけに、会長の石破氏が、例の渋面で長広舌をぶつものだから、さらに場がしらけていく。 熱心に石破演説を聴いているのは、われわれ記者の一部くらいだ。 当時は首相派閥である 「清和会」(安倍派) の全盛期で、安倍晋三首相が 「太陽」 なら、石破氏は 「月」 だった。 野球で言うなら、安倍氏が 「長嶋茂雄」 で、石破氏は 「野村克也」。 誠に明暗甚だしかった。 だが、 「令和の政治」 は 「平成の政治」 とは大きく異なる。 日本の社会環境は、少子高齢化と地方の過疎化が進み、日本のGDPは2位からまもなく5位まで落ち、スマホ・ネイティブ世代が成人を迎えた。 平成の後半に栄華を極めた安倍氏は、周知のように2年前にテロに斃れた。 同時に安倍氏の 「盟友」 だった麻生太郎元首相(84歳)や二階俊博元幹事長(85歳)も、 「引き際」 を迎えている(麻生氏は9月30日に「自民党最高顧問」なる新奇な役職を与えられたが、党幹部一同の記念撮影にも応じず退出してしまった)。 反面、 「平成元禄に背を向けていた」 石破氏に、 「時の流れ」 が巡ってきたのである。 鳥取という日本の過疎化を象徴するような日本海側の地からやって来て、金銭欲もなく飾りもせず、正論を訥々と吐く変わり種が脚光を浴びる時代の到来である。 廃れていく地方は、そんな石破氏に一抹の希望を見出した。 同時に、1年1ヵ月以内に確実に選挙を迎える自民党の衆議院議員も、また2025年7月に半数が選挙を迎える参議院議員も、自民党に吹き荒れる逆風の中で、 「石破人気」 に縋(すが)るしかなかったのである。 関連記事 「あの男だけは、誰もが嫌っている」…石破茂新政権は長続きで… 党員票で躍進の高市氏背景には地方行脚とネット選挙 捲土重来へのカギは議員からの支持拡大 2024/10/2 6:00 https://www.sankei.com/article/20241002-6W56DR5QNNNY5NBDNIADQBL3NQ/ 過去最多となる9人が立候補した先の自民党総裁選では、高市早苗前経済安全保障担当相と石破茂首相が激しく競り合った。 高市氏は決選投票で敗れはしたが、1回目の投票では国会議員票と地方票のいずれも首相を上回る健闘を見せた。 令和3年の前回総裁選で高市氏を支えた安倍晋三元首相は死去した。 党内基盤が脆弱で、20人の推薦人の確保にも難儀した高市氏はなぜ躍進できたのか。 ■回った地域「数えようがないくらい」 「私自身の力不足だ」 「多くの方に助けていただきながら申し訳ない」 総裁選終了後の9月27日午後、党本部で記者団の取材に応じた高市氏はこう敗戦の弁を述べた。 目は赤く、表情には悔しさが滲んでいた。 1回目の投票で獲得した議員票は首相の46票を上回る72票。 また、地方票でも109票を獲得し、108票の首相を1票上回った。 決選投票では議員票で首相の後塵を拝したが、47都道府県の地方票のうち都市部を中心に21票を獲得した。 「予想以上だよ、想定外」。 高市氏を支援したベテラン議員は、地方票で首相を上回ったことに驚きを隠さなかった。 総裁選では安倍氏の支援を受け、4候補のうち2番目に多い議員票を獲得しながら、地方票が伸びず、決選投票に進めなかった。 その後、高市氏は政調会長に再任された。 直後の衆院選では他の議員の応援演説で全国を駆け回り、自身の選挙区に入ったのは 「数時間」(高市氏) だった。 「次」 を見据えた高市氏は地方行脚を続け、昨年10月のBS番組では 「また戦わせていただく」 と表明。 2024年8月に地元・奈良県で行った講演では、会場を埋め尽くした聴衆を前に 「(3年間で)回った地域は数えようがないくらい」 と振り返った。 今回の総裁選の結果について関係者は 「地方を回り続けてきたことが大きい」 と語る。 ■ネット上での話題「圧倒」 高市氏の地方票の獲得数を見ると、東京や大阪をはじめ都市部での強さが際立っている。 陣営幹部は 「ネット戦略がうまくいった」 と解説する。 高市氏の陣営には、7月の東京都知事選で2位に食い込んだ前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏の選対事務局長を務めた藤川晋之助氏も加わった。 石丸氏躍進の要因となったインターネットを活用した選挙活動を高市陣営でも展開。 総裁選期間中はSNS上に人柄を紹介する短い動画などを頻繁に投稿し、ネット上で話題に上る回数は他候補を圧倒した。 選挙戦が進むにつれ、大本命と言われた小泉進次郎選対委員長の 「討論力」 の低さが露呈し、報道各社の世論調査で高市氏が急浮上した。 中露軍機による相次ぐ領空侵犯や、中国広東省深圳で日本人男児が刺殺された事件を受け、中国に厳しい姿勢を示す高市氏が保守層を中心に期待を集めたとみられる。 高市氏が追い風を受ける中、伸び悩んでいた河野太郎前デジタル相を支援していた麻生派会長の麻生太郎最高顧問も動いた。 党内で唯一、派閥を維持する麻生氏は、小泉氏を支援した菅義偉副総裁、かつて自身に退陣を迫った首相のいずれとも関係が良好ではない。 麻生氏側は高市陣営との水面下での交渉を本格化。 選挙戦終盤になると高市陣営は 「麻生氏は高市を支援する」 と自信を見せ始めた。 ■リーフレット問題で包囲網 麻生氏の支援を取り付けたものの、高市氏は結果的に首相に勝つことはできなかった。 総裁選挙管理委員会が文書郵送の禁止を通知した後に、全国の党員らに高市氏の政策リーフレットが届いた問題が発覚したことも尾を引いた。 リーフレットが党員票の拡大に繋がるとの見方もあり、他陣営から 「不公平だ」 と批判を受けた。 陣営幹部は 「高市包囲網が出来てしまった」 と悔やむ。 「私を支援した入閣適齢期の議員の処遇を優先してほしい」。 総裁選後、高市氏は石破氏から総務会長就任の要請を受けたが、辞退した。 「党執行部に入れば自由に発言ができなくなる」 「全国行脚で地方固めを進めた方がいい」。 高市氏の関係者は 「無役」 でいることのメリットも説く。 高市氏が次の総裁選でリベンジを目指すならば、先の総裁選に省みる点もある。 首相が決選投票直前の演説で 「ルールを守る自民党…」 と繰り返したのは高市氏への当てこすりとの見方もあるが、一定の共感を呼んだのは間違いない。 高市氏の捲土重来へのカギは 「ルールを守らなかった」 という党内の誤解を解きつつ、苦手とされる仲間作りを克服して党内基盤を固めることだろう。 <主張>石破新内閣 危機感持ち日本守り抜け 挙党体制築かぬままの船出か 社説 2024/10/2 5:00 https://www.sankei.com/article/20241002-EUMWOOOJIFNPPNZIZVO6JOJL7M/ 衆参両院で自民党の石破茂総裁が第102代首相に指名され、宮中での親任式などを経て、内閣を発足させた。 石破首相は9日に衆院を解散し、衆院選を 「15日公示、27日投開票」 の日程で行う方針だ。臨時国会では所信表明演説と代表質問は行うが、予算委員会での十分な審議は行われない見通しである。 国民に信を問う上で判断材料を提供するのは首相の責務である。 論戦が不十分でよいのだろうか。 「国民に正面から向き合い誠心誠意語っていく」 「逃げずに実行する内閣にする」 と述べた。 にもかかわらず、実際には丁寧な質疑を避けようとしているのは残念である。 ◆改憲案作成へ動く時だ 首相には保守の矜持をしっかり持ってもらいたい。 党綱領は 「日本らしい日本の確立」 を謳い、自らを 「保守政党」 と位置付けている。 この理念を踏まえ国家国民を守り抜かねばならない。 岸田文雄前首相が語った 「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」 という危機感を共有し、安倍晋三元首相以降の外交安全保障政策を継承、発展させる必要がある。 アジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化には憲法問題があり、各国との交渉に大きなエネルギーも要する。 この構想は取り下げた方がよい。 今求められるのは、中国やロシア、北朝鮮といった現実の脅威に対処することだ。 日米同盟を盤石なものとし、抑止力と対処力の向上へ防衛力の抜本的強化を加速させることである。 日本に対する主権侵害などには、毅然とした対応を取ってもらいたい。 憲法改正は自民の党是である。 党は既に憲法に 「第9条の2」 の条文を新設して自衛隊を明記することや、緊急政令の根拠規定創設を盛り込んだ論点整理をまとめている。 これを前提に他党を説得し、改憲原案の条文を早期に完成させるべきだ。 目標とする憲法改正の時期も明らかにしてほしい。 安定的な皇位継承を巡っては男系(父系)継承を確実にしなければならない。 岸田内閣時の報告書の実現を求める。 国の根幹をなす課題であり、保守の真価が問われる。 北朝鮮による日本人拉致問題について首相は 「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」 と唱えてきたが、家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと反対している。 被害者と家族は高齢化している。 全員の早期救出に力を尽くさねばならない。 ◆経済の道筋を具体的に 経済は国力の基盤である。 物価高を上回る持続的な賃上げを確実にし、デフレからの完全脱却を果たすことは重要だ。 東京株式市場では一時、日経平均株価が大幅下落した。 石破首相の経済・財政政策に対する警戒感が広がったとの見方がある。 政策の方向性や道筋を具体的に示し、丁寧な政策運営をすることが肝要である。 「政治とカネ」 の問題では政治資金の透明性確保やパーティー収入不記載事件の再発防止策を着実に進め、政治への信頼を取り戻すことが求められる。 理解に苦しむのは石破政権が挙党体制になっていない点だ。 弱い党内基盤の強化が本来取るべき対応だった。 決選投票で僅差で敗れた高市早苗前経済安全保障担当相には党ナンバー2の幹事長への就任を求めず、総務会長を打診し固辞された。 決選投票で高市氏に投票したとされる茂木敏充前幹事長には重要ポストを提示した形跡はない。 総裁選の勝利に貢献した菅義偉副総裁や、菅氏の盟友である森山裕幹事長、そして首相自身に近い議員の登用が目立つ。 総務相に村上誠一郎元行政改革担当相を起用したのには驚いた。 村上氏は、安倍氏が暗殺された後、安倍氏を 「国賊」 と呼び、1年間の党役職停止処分を受けた人物だ。 党内対立を煽る人事と言わざるを得ない。 岩屋毅外相は総裁選で石破陣営の選対本部長だった。 防衛相当時、韓国軍による海上自衛隊機へのレーダー照射があった。岩屋氏は抗議をしつつも、韓国の国防相と笑顔で握手した人物である。 国益を踏まえた外交を展開してほしい。 必ずしも適材適所と言えない陣容で衆院選を乗り切り、政策を遂行するのは困難を伴う。 首相は日本を守り抜く政治を心掛けてほしい。 <産経抄>地図と現実の誤差、石破新政権を待つ難題 2024/10/2 5:00 https://www.sankei.com/article/20241002-BPWWXSQX3FPSVAC7G73M2WY4OY/ 「眠狂四郎」などの剣豪小説で知られる柴田錬三郎の元を、作家の吉行淳之介が訪ねてきた。 男女の性を通し人間の生を描き続ける吉行が、次は 「鼠小僧」 を書くという。 ついては時代物の急所について講義を願いたい、と。 ▼江戸を舞台にするのなら、江戸の町を頭の中で歩けるようにならなければ―。 「柴錬」 先生はそう助言した。 吉行は勧めに従って、鼠小僧のいた時代の古地図を買い求めたそうである。 作中で描いた街並みは、地図を忠実に再現したものだという。 ▼日本の針路を正しく示すべきこの人は、どんな地図をお持ちか。 第102代首相に選ばれ、新政権を発足させた石破茂氏である。 自民党では長く 「党内野党」 の立場にあり、時の内閣への直言も辞さなかった。 トップに立ち、眺める地図と現実の間には誤差≠烽るだろう。 ▼総裁選では、国民に判断材料を提供するのが首相の責任だと語っていた。 そこから一転し、 「27日投開票」 の衆院選を明言したのには驚かされた。 臨時国会は9日までと短く、十分な論戦は出来ないと言われている。 公約の反故になりはしないか。 ▼政治とカネを巡る国民の不信感を拭うのは容易なことではない。 デフレ克服を目指す経済政策はどうなる。 安全保障政策にしても、石破氏の掲げる 「アジア版NATO」 と実際のアジア情勢の間には、隔たりがある。 現実との誤差が余りに大きい地図では、使い物になるまい。 ▼古地図といえば立川談志さんも江戸の街並みを詳細に記憶し、落語の語りに生かした。 「そういう部分がなければ『江戸の風』は吹かない」と。 さて石破首相である。 新政権は追い風を受けるというのが政界の常識だが、世論の風が期待通りに吹くとは限らない。 安倍氏「国賊」発言「遺族に謝罪」と村上誠一郎新総務相 記者に「少しは考えて」とも注文 2024/10/1 17:50 https://www.sankei.com/article/20241001-PCBZXCZGRRMVDEHMYRMJNTY7KI/ 村上誠一郎新総務相は1日、安倍晋三元首相の死去後、安倍氏を 「国賊」 と呼んだことについて 「遺族に謝罪した」 「役職停止になった」 「もう終わりで」 と釈明した。 質問した記者に対しては 「少しは考えてください」 とも注文を付けた。 官邸で記者団の質問に答えた。 村上氏は安倍氏を 「国賊」 と呼んだ発言が問題視され、1年間の党役職停止処分を受けた。 先の自民党総裁選では石破茂首相の推薦人を務めた。 首相指名選挙、参院で高市早苗氏と茂木敏充氏に予想外の1票 N国2議員が投票予告 2024/10/1 16:26 https://www.sankei.com/article/20241001-3Z6G3Y5ZS5IX3A2UMTP4HFHYQA/ 参院で1日に行われた首相指名選挙で、自民党の高市早苗前経済安全保障担当相と、茂木敏充前幹事長が予想外の1票を得た。 浜田聡参院議員が同日、自身のX(旧ツイッター)で 「今回の首班指名は茂木敏充と書いて投票予定です」 と投稿していた他、齊藤健一郎参院議員が同日、自身のYouTubeチャンネルで高市氏に投票すると明かしていた。 浜田、齊藤両氏は参院の会派 「NHKから国民を守る党」 に所属している。 首相指名では自身の所属する政党や会派のトップに票を投じるのが一般的だ。 浜田氏は9月17日、自身のXに 「増税ゼロを推進する茂木さんを世間が後押しすることに期待しています」 と投稿。 斎藤氏はYouTubeチャンネルで 「高市氏は素晴らしい政策を掲げられている」 「決選投票で敗れたが、応援する声を届けることに意味はある」 と理由を述べた。 石破首相は「円安」を受け入れるのか 田村秀男 2024/10/1 12:00 https://www.sankei.com/article/20241001-YTW6L37I2JIXZJ6C4HJN66ZQWE/?147052 本日中には、石破茂新政権が発足する。 さっそく打ち出される 「イシバノミクス」 はいくら綺麗事を並べても30年間も続いた慢性デフレから脱出させられるわけではない」 「鍵は円安基調の維持にある」 生真面目な石破さんは円安を受け入れるだろうか。 2012年9月の自民党総裁選の数カ月前、筆者は石破さんに会い、脱デフレ策を提案したことがある。 ところが石破さんは、有権者は物価の下落を歓迎し、上昇にはノーだと、真剣だ。 デフレとは物価下落以上の幅で賃金が下がる、つまり実質賃金が下がるので、国民が困窮化するのだと説得を試みたが、石破さんは最後まで納得しなかった。 以来、石破さんは 「反アベノミクス」 を貫いてきた。 そして、2024年8月下旬。 筆者知り合いの石破さんのブレーンから突如、経済問題で助言を依頼された。 石破さんは本欄など拙論に目を通しているとも聞かされた。 ならば、とA4判で1枚程度のメモを送付した。 要は脱デフレ、財政出動、実質可処分所得の引き上げ、家計消費の拡大、税収増の民間への全面還元、日銀利上げの凍結である。 ブレーンからは 「石破さんはしっかりと読んでいます」 との返事があったが、当方は半信半疑だ。 すると石破さんは9月に入ると、 「財政出動なければ経済が持たない」 「税増収分の防衛費や少子化対策への充当」 「最低賃金の引き上げ」 と言い出した。 9月27日の総裁選勝利後の会見では 「デフレからの脱却を完全なものにする」 「物価上昇を上回る賃金上昇」 「海外の生産拠点の国内回帰」 を強調した。 8月7日出版の「保守政治家 わが政策、わが天命」(講談社)での反アベノミクス色は薄れた。 「君子豹変」、 大いに結構だ。 ただ、1点だけ引っかかる。 超低金利、円安への批判こそ口にしないが、 「日銀は政府の子会社だとは思っていない」 と出演したテレビ東京の番組で語った。 日銀の政府からの独立性という建前を尊重するというニュアンスだ。 ルール尊重の石破さんらしいが、日銀は国家経済の成長と安定を目指す政府の目的に沿うのが日銀法の本義だ。 植田和男総裁の日銀は追加利上げによる円高誘導に前のめりだ。 7月末の追加利上げは投機筋による急激な円買いと株売りを招き、日経平均株価の大暴落を引き起こした。 日銀は9月には更なる利上げを見送ったが、依然として 「デフレ」 にはほとんど言及せず、ひたすら円安に伴う物価上昇を警戒し、利上げ姿勢を崩さない。 そもそも、政権が脱デフレを完遂させようというのに、円安の是正を急ぐ必要があるのだろうか。 グラフは国内総生産(GDP)の名目および実質額と円ドル相場について、アベノミクスが本格化した2013年度以降の推移である。 一目瞭然、2020年度以降、円安と名目GDPは寄り添うように動いている。 「円安」 というと 「悪者」 のイメージは強い。 コスト上昇に苦しむ個別の事業者にとっては確かに円安は気がかりだ。 しかし、経済、産業全体としては円安と共に名目GDPが拡大基調に転じて以来、脱デフレのチャンスが到来しているもう1つの現実がある。 先の春闘では賃上げ率が連合ベースで5%台に乗り、今夏はボーナスを含め、勤労者収入上昇率が物価の値上がり率を上回った。 瞬間風速とはいえ、実質賃金が上昇に転じた。 2022年以降の急速な円安は輸出企業の収益を大きく増やすばかりではない。 円安分を含めた輸入コストの急激な上昇は業種も、大企業も、中小零細企業も問わず、産業界全体のデフレ心理を劇的に転換させ、コスト上昇分を販売価格に転嫁する機運を普及させた。 すると企業の売上高が増え、収益もかさ上げされる。 もとより、人手不足は深刻だが、産業界を覆うデフレ心理が賃上げを抑えてきた。 名目収入増の見通しが立つと、経営者は賃上げ要求に応じるようになったのだ。 それでも脱デフレが確実とは言い難い。 内閣府の試算でも、この4〜6月期でも需要が供給能力を下回る 「需給ギャップ」 がマイナス、つまり需要不足の状況にある。 従ってデフレ圧力は依然として根強いと見るべきだ。 需給ギャップを埋めるためには家計消費を促す大幅賃上げの継続が必要で、円高はそれに水を差す。 円安でもその分以上に売り上げ、名目所得が上がれば全く問題はない。 利上げによって円高、株安を招けば、全てぶち壊しになるだろう。 (編集委員) 石破茂氏のアジア版NATO構想は反米か媚中か? 島田洋一、月刊「正論」で批判 正論11月号 連載「アメリカの深層」 2024/10/1 7:00 https://www.sankei.com/article/20241001-VGN2D4JFRNAWBMZAG4IAQCOWKE/?outputType=theme_monthly-seiron 過去に防衛大臣などを歴任した石破茂氏が、自民党総裁選出馬にあたり発表した基本政策の中に、 「アジア版NATO」 創設があった。 候補者討論会で、他候補から 「集団的自衛権の全面行使と憲法の関係はどうなるのか」 「また具体的にどの国が入るのか」 と当然の質問が出ている。 これに対し、石破氏は次のように答えた。 「まさしくそれらの点を、これから議論を詰めたい」 「中国を最初から排除するということを念頭に置いているわけではない」 呆れた回答という他ない。 当然ながら同盟国アメリカからは不信の声が出た。 筆者の所にもいくつか届いている。 代表的なものは、民主党政権で鳩山由紀夫首相が唱えた 「東アジア共同体」 構想の焼き直しではないのか、という疑問である。 まず改めて鳩山プランを振り返っておこう。 鳩山氏は月刊誌『Voice』(2009年9月号)で、同構想について 「東アジア地域を、我が国が生きていく基本的な生活空間と捉え、この地域に安定した経済協力と恒久的な安全保障の枠組みを創出する」 と概要を説明している。 さらに2009年10月、北京で開かれた日中韓首脳会議の冒頭、 「今までややもすると米国に依存し過ぎていた」 「アジアの一員としてアジアをもっと重視する政策を作り上げていきたい」 と述べている。 岡田克也外相は会議を前に 「日本、中国、韓国、ASEAN、インド、オーストラリア、ニュージーランドの範囲で(東アジア共同体を)考えたい」 と具体的なメンバーを挙げていた。 アメリカは明示的に外されている。 物理的距離は理由にならない。 ニュージーランドとアメリカ本土は、日本からほぼ等距離である。 米領で軍事拠点でもあるハワイ、グアム、アラスカなどは、ニュージーランドより遥かに近い。 尚、朝鮮半島北部即ち北朝鮮もこの共同体から除かれているが、 「恒久的な安全保障の枠組み」 という以上、無視してよいはずがない。 北朝鮮は体制崩壊させて統一韓国に含める趣旨というなら分かるが、単に深く考えていなかっただけだろう。 拉致問題で協力的な友好国、モンゴルを外した理由も分からない。 少し考えても穴だらけの 「構想」 であり、絵に描いたような軽挙妄動であった。 当時、米オバマ政権の国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長だったジェフリー・ベイダー氏によれば、 「中国の対抗力たるアメリカを外し、中国を中心に東アジア機構を作るというこの危険な発想」 に対し、ベトナムが特に強い懸念を抱き、国家主席自ら積極的に潰しに掛かったという。 「他ならぬ(共産党一党独裁の)ベトナムがこうした提案の戦略的愚かさを理解する一方、アジアにおける最大の同盟国が理解していなかった事実はオバマ政権に衝撃を与えた」 とベイダー氏は皮肉まじりに総括している。 やはり当時のオバマ政権のブレーンだったハーバード大名誉教授のジョセフ・ナイ氏も 「米国は『外されている』と感じたなら報復に打って出る」 と露骨に不快感を示していた。 民主党穏健派の2人にしてこの反応。 後は推して知るべしだろう。 慌てた鳩山首相は、 「アメリカとアジアの架け橋になるのが、自分の意図」 と釈明したが、米側からは、 「架け橋など不要」 「アメリカは自らアジアとの関係をコントロールできる」 と一蹴された。 鳩山氏に限らず、自民党幹部からも過去に危ない言動が出ている。 2019年4月、習近平国家主席を表敬訪問した二階俊博幹事長(当時)は、会談後 「協力し合って一帯一路構想を進めていく」 「米国の顔色を窺って日中の問題を考えていくものではない」 と啖呵を切った。 戦略性皆無の媚中発言であった。 石破氏の 「アジア版NATO」 だが、米国ではこうした鳩山、二階路線と同類だと見られよう。 (福井県立大学名誉教授 島田洋一) (月刊「正論」11月号から) 岸田文雄が放送禁止用語で高市早苗を「猛口撃」!感情むき出しの敵意が「石破茂新総裁」を生んだ https://article.auone.jp/detail/1/1/1/42_1_r_20241001_1727729993907897 自民党・石破茂新総裁誕生の立役者となったのは、岸田文雄前総裁だった。 自ら派閥を解散しておきながら、会長だった旧宏池会票を石破氏支持でまとめたからだ。 岸田氏が石破氏を支持した要因はいくつかあるが、個人的に高市氏を毛嫌いしていたこともある。 高市氏が総裁になった場合、靖国神社参拝を公言しているため、自身が積み重ねてきた日米、日韓関係に亀裂が生じる。 それを懸念したというのが、高市氏を支持できない表向きの理由とされる。 ところが宏池会関係者によると、岸田氏は高市氏について、放送禁止用語を使って 「あの××××女」 と感情を剝き出しにしていたという。 岸田氏は当初、旧宏池会議員に対して 「党員票が多い候補に入れる」 との指示を出していた。 石破氏が党員票でトップになることを見越しての発言だった。 ところが高市氏が党員票で石破氏を逆転しそうな情勢になると 「高市氏以外で」 と変更した。 岸田氏がなりふり構わず高市氏を追い落とそうとする行動に出たのはなぜか。 「両者は抜き差しならない関係になっていた」 と宏池会関係者は証言する。 直接のきっかけは、能登半島地震だ。 高市氏は1月16日、復興を最優先にすべく、来年開催の大阪・関西万博を延期するよう、岸田氏に進言した。 万博は所管外だったが、高市氏の行動は 「政権に反旗を翻したか」 と党内外に波紋を広げた。 対応を迫られた岸田氏は、予定通り実施することを決めた。 ところが高市氏が岸田氏とのやり取りを動画投稿サイトで暴露したため、岸田氏は激怒。 高市氏は会見で 「首相を信頼してお任せしたい」 と発言を後退させた。 高市氏は2022年12月にも、岸田氏が防衛費を増額するための財源の一部を増税で賄う方針を示すと、SNSで 「賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません」 と批判した。 これを野党から追及されると、 「間違ったことを申し上げた、との考えはない」 「罷免されるなら仕方がないとの思いで申し上げた」 と言って開き直った。 こうしたことが積もり積もって、岸田氏とすれば高市氏にリベンジしたのだろうが、ある閣僚経験者は、 「個人的な感情を剝き出しに女性を攻撃するやり方は『ミスター・ジェントルマン』のすることではない」 と岸田氏を皮肉るのだった。 (田中紘二/政治ジャーナリスト) 「10・27投開票」石破新総裁の総選挙“前倒し”背景に「靖国神社に行かせない」驚きの“高市早苗つぶし”戦略 社会・政治FLASH編集部 記事投稿日:2024.09.30 18:11 最終更新日:2024.09.30 18:37 https://smart-flash.jp/sociopolitics/308911/1/1/ 永田町の秋は、あわただしいことになりそうだーー。 自民党の石破茂新総裁は10月1日に新内閣を発足、4日に衆参両院で所信表明演説を行った後、7日から各党の代表質問を行い、9日にも衆院を解散する方針を決めた。政治担当記者が解説する。 「当初は、10月29日公示、11月10日投開票という予定が有力でした」 「しかし、石破さんは“手のひら返し”で10月15日に公示、10月27日投開票という日程を選びました」 「一応表向きの理由としては、11月に投開票となると2024年度補正予算の成立が遅れ、2025年度の予算編成に日数的な影響が出る、という理由です」 「しかし実際は、参院岩手県選出議員の補選に合わせたようです」 「公設秘書の給与を騙し取った詐欺容疑で関係先を家宅捜索され辞任した、広瀬めぐみ元参院議員の補選が、同じ10月27日に投開票の予定です」 「岩手県の補選が、前哨戦的な扱いになっては困るというわけです」 元々、総裁選の“御祝儀相場”のうちに解散総選挙を打つ、というのが与党の方針だ。 その意味では既定路線とも言えるが、今回の“手のひら返し”にはもう1つの大きな理由があるのだという。 「総裁選で、ポスト石破の最右翼になった高市早苗さんの存在です」 と明かすのは、旧岸田派の中堅議員だ。 「総裁選で一瞬、全員が息を飲んだのが、第1回の投票結果が発表された瞬間です」 「高市さんが党員党友票で1位となり、石破さんですら顔が一瞬、真っ青になりました」 「結果的に、岸田文雄首相や菅義偉(よしひで)前首相の支持で勝つことができましたが、麻生太郎副総裁を後ろ盾とする“高市一派”は、今回の結果にブチギレ状態で、石破さんにとって自民党を分裂させかねない危険な存在です」 「総務会長のポストを拒否したところからも、党内の融和路線とはほど遠いことが分かります」 そのために、“高市一派”が目論んでいた、ある計画を潰す必要が出てきたのだ。 「実は10月17日から3日間、靖国神社の秋季例大祭が行われます」 「終戦記念日の公式参拝を総裁選の“公約”にしていた高市さんですが、この例大祭では、100人規模の超党派議員による参拝を計画していました」 「いわゆる旧安倍派を中心に、保守派の議員が集結するのは間違いありません」 「外交上の配慮はもちろんですが、石破さんとしては、これ以上、高市さんに目立ってほしくないところです」 「そこで、総選挙期間をぶつけたというわけです」 「さすがに選挙期間中となれば、参拝する議員は少ないはずですからね」 「いわば、危険なライバルとなった高石さんを『靖国神社に行かせない』という意味合いもあるというわけです」 (同前) 5度めのチャンスを掴んだ男は、やはりただ者ではない。 ( SmartFLASH ) <主張>石破氏の解散表明 掌返しで信を得られるか 社説 2024/10/1 5:00 https://www.sankei.com/article/20241001-ZTNJ4X45WVOOTCNYF2SENFZN4M/ 自民党の石破茂総裁が記者会見で、首相に就任後、衆院選を 「10月27日投開票」 の日程で行うと表明した。 衆院選は政権選択の選挙だ。 首相交代に合わせて実施すること自体は問題ないが、余りにも急ぎ過ぎてはいないか。 石破氏は党総裁選時には、国会で野党側と論戦を交わしてから衆院選を実施するのが望ましいという姿勢だった。 総裁になって言い出した 「10月27日投開票」 では、国会日程が極めて窮屈で、十分な論戦が出来るとは思われない。 これではまるで掌返しである。 石破氏は僅か半月前の日本記者クラブ主催の討論会で 「国民が判断する材料を提供するのは首相の責任だ」 「本当のやり取りは(国会の)予算委員会だ」 「すぐ解散するという言い方はしない」 と語っていた。 早期解散を唱えていた小泉進次郎候補と石破氏の考えは違う、と受け取った国民は多かったはずだ。 自民は1日召集の臨時国会の会期について 「9日まで」 とする日程を野党に提案した。 4日に首相の所信表明演説を行い、週明けの7日から衆参両院で代表質問を行う方向だ。 予算委や党首討論の開催が取り沙汰されているものの、9日までの日程では極めて短時間の開催しか望めまい。 立憲民主党からは早速反発の声が出ている。 石破氏は総裁就任時の会見で 「(自民は)謙虚な政党でなければならない」 と語った。 そうであるなら、予算委で野党側と堂々と論戦を交わすのが筋ではないだろうか。 政権発足の勢いに乗って衆院選を有利に進めたいのかもしれないが、言行が一致していないと見られれば期待感はしぼみかねない。 一方、石破氏を支える自民党4役が決まり、閣僚人事もほぼ固まったが、挙党態勢からは程遠い陣容となった。 決選投票で僅差だった高市早苗経済安全保障担当相に幹事長を打診しなかったのは理解に苦しむ。 平成24年の総裁選を制した安倍晋三元首相が、決選投票で敗れた石破氏を幹事長に起用したのとは対照的だ。 高市氏を支持した国会議員や党員・党友も包摂しなければ、党が結束して衆院選に臨むことは難しいだろう。 衆院選で各政党と全ての候補者は、日本の独立と繁栄を守る政策を有権者に提示し、競い合う必要がある。 石破茂総裁、初の衆院選は最短記録に 首相就任から26日後、衆院解散も異例の早さ 2024/9/30 19:58 https://www.sankei.com/article/20240930-KBXNYPMPMFK6ZL3XAQS2ZOQUUI/ 自民党の石破茂総裁が想定する衆院選日程の 「10月15日公示、27日投開票」 は、同1日の首相就任から26日後の衆院選で、現行憲法下では最短となる。 3年前の岸田文雄首相の最短記録を1日更新した。 9日の衆院解散も、首相就任8日後で最短。 いずれも異例の早さとなる。 岸田氏は2021年10月4日に就任し、10日後に衆院解散に踏み切り、27日後の31日に衆院選投開票に臨んだ。 当時は衆院議員の任期満了が10月21日に迫っていた。 一方、現在の衆院議員任期は満了まで1年程度残っている。 野党からは 「早期解散の大前提として、国民が判断できる材料を提供すべきだ」(立憲民主党の笠浩史国対委員長) との批判が出ている。 首相就任から100日未満で実施された衆院選は、現行憲法下で岸田氏のケースを含めて3回ある。 1954年12月に就任した鳩山一郎首相は79日後で、2000年4月に就いた森喜朗首相は81日後だった。 10月9日解散意向の石破茂総裁 「7条解散」否定の持論と整合性に立民・野田氏が疑問視 2024/9/30 15:32 https://www.sankei.com/article/20240930-ZWN35A2JTNACRC6V7TKDOMJYFU/ 自民党の石破茂新総裁は30日、次期首相として10月9日に衆院を解散し、衆院選を27日投開票の日程で実施すると表明した。 石破氏は早期に新政権の信を問うことと、投票する際の判断材料の提供の両立を強調してきたが、解散前の国会審議は衆参予算委員会でなく党首討論で代替する方向だ。 衆院解散を巡って、石破氏は内閣不信任決議案可決など政府と衆院の意思が異なった場合に限られるとの見解を示してきた。 「早期解散」 の憲法上の根拠についても従来の主張の範囲内とするが、立憲民主党の野田佳彦代表は 「おっしゃってきたことと違う」 という。 ■野田氏「筋を通してもらわないと」 「ご判断いただける材料をきちんと整えるが、衆院解散も、新政権の信を問うというのも、やはり早い方がいい」 石破氏は29日のフジテレビ番組でこう述べ、立民の野田氏ら野党党首と1対1で行う党首討論で 「ご判断いただける材料」 を提示できるといった考えを示した。 共演した野田氏は、石破氏の主張に対し、 「国民に信を問う材料は整わない」 「新しい閣僚の資質も含めて、国会で議論していかないと判断材料にならない」 と疑問視する。 石破氏も8月24日、鳥取県で出馬表明会見した際、衆院解散の時期について 「全閣僚出席型の予算委員会を一通り行い、この政権は何を考え、目指そうとしているのか、国民に示した段階で、可能な限り早く信を問うべき」 と語っていた。 野田氏は番組で、衆院解散根拠を巡る石破氏の過去の発言との整合性も疑問視した。 「石破さんは元々(憲法7条に基づく)『7条解散』に否定的だった」 「なのに、なぜ急がなければいけないのか」 「そこは筋を通してもらわないといけない」 憲法7条は、内閣の助言と承認で天皇が行う国事行為に 「衆院を解散すること」 を掲げ、これが首相による衆院解散の根拠とされる場合が多い。 ■辻元氏「質疑を楽しみにしてたのに…」 一方、石破氏はかねてから内閣不信任決議案可決か、信任決議案否決に伴う69条による解散などに限定すべきと主張する。 「憲法論から『7条解散』はすべきではない立場に立っている」 「結局今なら勝てる勝てないとの判断が出てくる(からだ)」 (令和2年7月2日の講演) と唱える。 この日の番組で、石破氏は 「国民の審判を経ないままに新政権ができた」 「それはどうか」 「判断を求めるのも、69条の『趣旨』に合致するものだろう」 と持論を展開したが、野田氏も首を傾げて 「全く理解できない」 「7条の解釈に基づく解散としか言いようがない」 「これまでおっしゃってきたことと違うと思う」 と指摘した。 立民の辻元清美代表代行も30日、X(旧ツイッター)に 「石破さん、初っ端から、がっかりですよ」 「予算委員会でしっかり議論して、判断材料を提供してから選挙に進むと信じてたのに」 「私、質疑準備をし、論戦を楽しみにしてたのに」 「トップを変えても正論は潰されるのが自民党政治なのね」 と苦言を呈した。 石破総裁、衆院選は10月27日投開票と正式表明 首相就任前も「選挙準備の観点から判断」 2024/9/30 15:10 https://www.sankei.com/article/20240930-XSDN75RPURIEZIXSOBLO6QMCFQ/ 自民党の石破茂総裁は30日の記者会見で、次期衆院選の日程を10月27日投開票にすると表明した。 公示は10月15日の見通し。 石破総裁は、首相就任前に次期衆院選の日程を表明した理由について、各自治体の選挙準備の観点から判断したと説明し 「異例のことだが、不適切とは考えていない」 と述べた。 石破総裁、午後に衆院選「10月27日」表明 解散準備加速、公約着手 公明と連立合意へ 2024/9/30 11:23 https://www.sankei.com/article/20240930-ZKQAPVMXX5JXHIW4MTRYX2654U/ 石破茂自民党総裁は30日午後、次期首相として衆院選を10月27日投開票の日程で実施すると表明する。 党幹部が明らかにした。 9日に衆院を解散する意向で、公示は15日となる。 表明に先立ち自民は党本部で臨時総務会を開く。 幹事長に森山裕総務会長(79)を充てるなど党四役人事を正式決定。 政調会長に起用される小野寺五典元防衛相(64)が総務会後に公約づくりに着手するなど選挙準備を加速させる。 石破氏は総務会後、公明党の石井啓一代表との党首会談に臨み、連立政権樹立の合意文書に署名する。 衆院選を見据え、連携を確認する考えだ。 石破氏は10月1日召集の臨時国会で首相指名を受け、直ちに組閣に着手。 皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て石破内閣が発足する。 岸田内閣の林芳正官房長官(63)を再任させ、財務相に加藤勝信元官房長官(68)、外相に岩屋毅元防衛相(67)を起用するなど閣僚19人の顔触れを固めている。 最速「10月27日」 自民・石破総裁は熱冷めぬうちの選挙にかじ 公明の早期解散論も後押し 2024/9/29 22:34 https://www.sankei.com/article/20240929-I5HC7RA6AJOYNMOXKPOVF7FDFE/ 自民党の石破茂総裁は 「10月15日公示、27日投開票」 という新政権発足後最速の日程で衆院選を実施する方向に舵を切った。 選挙で国民の信任を得たという結果を残さなければ政策を推進できないという認識に加え、新政権発足の熱が冷めないうちに戦った方が有利に働くとの算段もあった。 連立政権を組む公明党が早期解散を望んでいたことにも後押しされた。 9月29日、東京・赤坂の衆院議員宿舎の一室。 石破氏、幹事長に内定した森山裕総務会長、続投が決まった林芳正官房長官、官房副長官に就任する橘慶一郎衆院議員と青木一彦参院議員が集まった。 石破氏は前日の協議で 「10月27日投開票」 とする意向をほぼ固めていたが、9月29日の約2時間半に渡る協議でも全員が賛意を示し、日程が固まった。 石破氏周辺は総裁選直後から公明と水面下で連絡を取った。 その中で、できる限り早く衆院選に踏み切った方が議席の上積みが期待できるという声が届いた。 28日に公明の新代表に就いた石井啓一氏は同日の記者会見で 「一番早いケースでも対応できる態勢を今、準備している」 と述べた。 自民内でも早期解散論が多数派だった。 岸田文雄政権の幹部の1人は 「刷新感のあるうちに解散しなければ、岸田首相が退陣を決断した意味がない」 と語る。 ただ、野党側は 「(解散前に)最低限、予算委員会を開くべきだ」(立憲民主党の野田佳彦代表) と主張する。 予算委は首相に対し一問一答形式で論戦できる場だ。 とはいえ、国会の慣例を踏まえると衆参で少なくとも1週間を要する予算委を開催する余裕はない。 当初は予算委開催に言及していた石破氏も、総裁選後の記者会見では言及せず 「野党とも論戦を交わした上で(有権者に)判断頂きたい」 「しかし、なるべく早く審判を給わなければならない」 と軌道修正した。 <独自>衆院選「10月27日投開票」軸に検討 自民・石破茂総裁、早ければ9日解散 2024/9/28 23:45 https://www.sankei.com/article/20240928-JAWPKVPNBNKF5GCRPBA52W5SHM/ 自民党の石破茂総裁は28日、10月1日に首相に就任した後、9日にも衆院解散に踏み切り、 「10月15日公示、27日投開票」 の日程を軸に衆院選を実施する方向で検討に入った。 首相就任後の4日に所信表明演説を行い、7日から衆参両院の本会議で各党の代表質問を行う。 9日に党首討論を開催する選択肢もある。 野党側が求めている予算委員会は開催しない方向だ。 石破氏は9月30日、新たな党執行部を発足させ、野党側とこうした国会日程について協議に入る意向だ。 石破茂総裁誕生で自民党内に強まる早期解散論、衆院選投開票は11月10日が有力視 2024/9/27 22:02 https://www.sankei.com/article/20240927-3UK2QKH5DVNDFGTP4PKGVS63MM/ 27日に自民党総裁選に勝利した石破茂氏が首相に就任した後、どのタイミングで衆院解散・総選挙に踏み切るのかが今後の焦点だ。 党内では刷新感が冷めないうちの衆院選実施を望む声が強く、石破氏も同日の記者会見で早期解散に言及した。 最も早いケースは 「10月27日投開票」 で、 「11月10日投開票」 の日程も有力視されている。 石破氏は新総裁就任の記者会見で 「野党と論戦」 した上で、衆院解散・総選挙を 「なるべく早く」 行うと述べた。 総裁選期間中には、衆参両院で予算委員会を開いた後に解散するのが望ましいとの認識も示していた。 与野党議員との一問一答形式の論戦を通じ、投票先の判断材料を有権者に提供すべきだとの認識が根底にある。 ただ、党内には早期解散を望む声が根強い。 ある党幹部は、衆院選に勝つために岸田文雄首相が退陣を決めたと指摘。 「すぐに解散すべきだ」 と語り、少なくとも衆参合わせて1週間程度を要する予算委開催に否定的な考えを示した。 石破氏も27日の記者会見で予算委に言及しなかった。 その代わり、同日夜のBS−TBS番組では 「党首討論も選択肢の1つ」 と述べ、予算委ではなく1日で済む党首討論で論戦した上で解散する可能性を示唆した。 石破氏が10月1日に首相に就任し、所信表明演説と各党の代表質問、党首討論を終えて11日までに衆院解散すれば、最速で 「10月15日公示、27日投開票」 も不可能とは言えない。 総裁選3位の小泉進次郎元環境相も、総裁選の政策論争が有権者の判断材料になると語り 「できる限り早期の解散」 を主張していた。 一方、立憲民主党の野田佳彦代表は 「(解散前に)最低限、予算委を開いて質疑をすべきだ」 と主張する。 要求に応じて予算委に臨むなら、10月後半に衆院解散し 「29日公示、11月10日投開票」 とする日程が浮上する。 衆院選に勝利しても、来年1月から150日間にわたる通常国会と夏の参院選が控えている。 参院幹部の1人は 「参院選は重要だ」 と強調。 高市経済安全保障担当相では無党派層の一定数が野田氏率いる立民に奪われ、小泉氏では国会論戦に不安が残ると判断し、石破氏を支持した。 石破茂氏、衆院解散「なるべく早く審判」投開票「10月27日」「11月10日」など 2024/9/27 21:32 https://www.sankei.com/article/20240927-LAOWUVWAMVOD5LZOLFKAVAMQ7M/ 自民党の石破茂新総裁は27日の就任記者会見で、衆院解散・総選挙の時期について 「野党と論戦を交わした上で(国民に)判断してもらいたい」 「なるべく早く審判を受けなければならない」 「2つを合わせて適切な時期を判断する」 と述べた。 同日には党都道府県連に対し、次期衆院選の公認予定候補者を10月7日までに申請するよう通達した。 石破氏は総裁選期間中の論戦でも 「国民に判断材料を出さねばならない」 と語っており、10月1日に召集される臨時国会で衆参の予算委員会か、与野党の党首討論を実施した上で、解散・総選挙に踏み切るとの観測が強まっている。 その場合に想定される衆院選の日程として 「10月15日公示、同27日投開票」 や 「10月29日公示、11月10日投開票」 などが取り沙汰されている。 一方、党派閥パーティー収入不記載事件を巡り、不記載議員らの公認は 「選挙区の事情や当選の可能性が大きな判断材料だ」 と説明。 「公認権者は私だ」 「説明責任は私もきちんと果たしていきたい」 とも述べた。 党員票トップは…東京など大都市、被災地の石川、岸田首相の広島で高市氏 石破氏は地方型 2024/9/29 13:54 https://www.sankei.com/article/20240929-NTSMK4JU6NHXRIE3P6YW6ZFYXE/ 27日投開票された自民党総裁選の党員・党友票(368票)を巡っては、高市早苗経済安全保障担当相が東京都などの首都圏や大阪府といった大都市で首位となる傾向が目立った。 高市氏は47都道府県中18道府県で最多得票を集めたが、人口の多い地域で支持を広げたことが得票総数で首位に立つ主因となった。 一方、石破茂新総裁は24道県を制して高市氏を上回ったが、票数を伸ばしたのは地方が多かった。 また、両氏を含む7候補が地元でトップに立った。 ■石破氏は地元で9割 党員・党友票は全国一括集計され、ドント方式で各候補に比例配分された。 石破氏は108票を獲得したが、高市氏の109票に1票及ばなかった。 3位は小泉進次郎元環境相の61票。 石破氏がトップの24道県は北海道、青森、岩手、秋田、山形、福島、茨城、群馬、山梨、富山、岐阜、滋賀、和歌山、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄。 全都道府県中、人口の少ない上位10県(令和6年1月の住民基本台帳)を見ると、8県を石破氏が制した。 地元・鳥取県は有効投票数8413票の90%超の7635票を獲得し、2位の高市氏の548票を大きく引き離した。 一方、高市氏が制した18都府県は宮城、埼玉、千葉、東京、新潟、長野、石川、福井、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、奈良、広島、香川、福岡、長崎。 人口の多い上位10都道府県(同)では、神奈川(2位)、北海道(9位)、静岡(10位)を除く7都府県を制した。 大都市部を抱える地域で高市氏を支持する傾向が強かった。 高市氏は関西圏では地力を発揮し、地元・奈良県では有効投票数7684票の78%となる6005票を得た。 ■小泉氏2位も5県のみ 岸田文雄首相の地元・広島も、高市氏が4454票でトップだった。 広島では隣接する山口を地盤とし、旧岸田派(宏池会)の座長だった林芳正官房長官も4197票と、石破氏の4073票を上回って2位となった。 小泉進次郎元環境相、林氏、上川陽子外相、加藤勝信元官房長官、茂木敏充幹事長もそれぞれ地元の神奈川、山口、静岡、岡山、栃木の各県で最も得票数が多かった。 小泉氏は青森、秋田、山形、鹿児島、沖縄の5県で、それぞれ石破氏に次ぐ2位となった。 能登半島地震で被災した石川は1位が高市氏、2位が石破氏。 東京電力福島第1原発事故の被災地となった福島は1位が石破氏、2位が高市氏。 それぞれ3位が小泉氏だった。 石破政権と経済安保の強化 「経済の武器化」に向き合う戦略を 論説副委員長・長谷川秀行 日曜経済講座 2024/9/29 11:00 https://www.sankei.com/article/20240929-NCLE2MFW7JJ33JU5LJKKUTMNDQ/ 新たに発足する石破茂政権においても、経済と安全保障を一体で捉え、国民の暮らしや安全を他国の不当な振る舞いから守る経済安保の強化は、着実に施策を積み重ねるべき重要なテーマとなる。 中国やロシア、北朝鮮などの専制主義国家と西側諸国の政治的な分断が深まり、双方が経済的に依存し合う冷戦後の国際秩序は地殻変動を起こした。 その象徴である米国と中国の対立は、11月の米大統領選の結果がどうあれ今後も続くだろう。 日本もこの現実と無縁ではいられない。 半導体や人工知能(AI)など軍事転用可能な民生技術は多く、ロシアがウクライナ侵攻で使った無人機には日本製部品も含まれると報じられた。 中国が半導体材料のガリウムなどの輸出を規制しているように重要物資の供給で他国を揺さぶる経済的威圧も増えている。 これらに備える必要性は一段と高まろう。 岸田文雄政権は、重要物資の安定調達や先端技術の育成・保全を図るため国の民間関与を強める経済安保推進法を成立させた。 機微情報の取り扱いを官民の有資格者に限るセキュリティー・クリアランス(適格性評価)制度を柱とする重要経済安保情報保護・活用法もできた。 ともに経済安保上の重要な布石だが、これだけでは十分ではない。 では、次期政権の課題にはどんなものがあるのか。 その前に指摘したいのは、経済安保を巡る各国の取り組みが米中に欧州連合(EU)を加えた巨大経済圏によるパワーゲームになっていることだ。 イタリアのドラギ前首相が9月9日に発表したEUの競争力強化に関する報告書は、戦略産業への巨額財政支援を提言し、EUの産業政策を占うものとして注目された。 半導体や通信、バイオなどの戦略産業を育て、自国内で技術を囲い込むための財政支援は、不透明な補助金が批判を受ける中国だけでなく、西側も競い合う時代となっている。 EUは経済的威圧に対抗して関税引き上げなどの措置を打てる反威圧措置規則(ACI)も2023年12月から適用している。 欧州はエネルギー供給を巡るロシアの圧力に晒されている。 台湾との関係強化に動いたEU加盟国のリトアニアが中国から経済制裁を受けたこともあった。 こうしたことを念頭に、EUとして経済的威圧に対抗する強い姿勢を打ち出したのだろう。 米国にも元来、一方的な経済制裁を行える法的枠組みがある。 だが日本には特定国への関税引き上げなどの制裁を独自に講じられる法体系がない。 他国との制裁の打ち合いで相手をねじ伏せられるほどの経済的影響力が日本にはなく、米中などと同様の措置は導入しづらいのが現状だ。 それでも経済安保を強化できる個々の施策はたくさんある。 その1つが技術流出の防止策で、自民党経済安保推進本部が総裁選告示前の3日にまとめた提言は参考になる。 例えば民間企業が保有する機密情報であっても、経済安保に関わる最先端技術などは保護されるよう速やかに検討を始め、必要な措置を講じるよう求めた。 先の重要経済安保情報保護・活用法の対象は政府保有情報のみだ。 これを民間に広げるかどうかの検討は国会の付帯決議にも盛り込まれており、着実に進展を図るべき案件である。 もちろん、経営側が社内の情報漏洩リスクを把握しようと、営業秘密に関わる従業員や家族の身辺調査を行い、外国政府との繋がりなどを調べるというのは現実的ではない。 ならばネットなどで得られる公開情報を基に人的チェックを行うことを法的に担保できないか。 そうした情報管理のあり方が問われよう。 ほかにも他国からの経済的威圧で重要資源のサプライチェーン(供給網)が滞らないようにする防御策や、デジタル社会の基幹インフラであるデータセンターなどが他国の影響下に置かれないようにする保護措置など早急に強化すべき課題が山積している。 併せて議論を深めておくべきなのが、日本の経済力を外交・安保にどう生かすかという根本的な問題である。 「まじでふざけんな」石破茂新総理に怒り狂う人々、前途多難の船出に蘇る“裏切りの歴史” 2024/9/29(日) 6:02配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/aefbe2bf99276231c97d0f4a41d7bb96701952d0 9月27日に行われた自民党総裁選で、石破茂衆議院議員が新たな総裁に選出された。 石破氏は今回が5度目の挑戦だった。 大方の予想どおり、決選投票は高市早苗衆議院議員との一騎打ちとなった。 事前の下馬評では高市氏が有利と言われていたが、国会議員票173票、地方票21票の194票を獲得した高市氏に対し、石破氏は国会議員票189票、地方票25票の215票と僅差で競り勝った。 《まじで石破ふざけんな》 まさかの石破氏勝利に、ストレートな反応を示したのは経済だった。 円相場は1ドル146円台前半から、142円後半まで3円を超える円高となった。 さらに、株式市場でも日経平均先物の価格が2000円近く下がる急落ぶりを見せている。 ネット上では、円や株価のチャートの画像とともに 《石破てめーふざけんな》 《終わった。まじで石破ふざけんな》 といった声や 《ヤケ酒だなこりゃ》 と嘆きの声が相次いでいる。 将来の総理大臣候補では常に上位に食い込み、国民の人気も高い石破氏だが“裏切りの歴史”を持つ人物でもあると政治ジャーナリストが語る。 「石破さんがこれまで総裁になれかった理由のひとつに1993年に非自民の細川護熙政権が誕生し、自民党が野党に転落した時に離党届を出し、新生党から新進党へ参加した“裏切り”の歴史があります」 「ただ、その後はあっさりと自民党に復党するも、誰にも相手にされない状態が続いていました」 そんな石破氏の存在が注目されたのが、初入閣となった2002年の小泉純一郎政権で務めた防衛大臣だろう。 “軍事オタク”的なキャラも話題となったが、ここにも“裏切り”があったと前出の政治ジャーナリストが続ける。 「自民党復党後、石破さんは伊吹文明さんから目をかけられ伊吹派に入るも、初入閣後に『閣僚は派閥に属するべきではない』『派閥は旧態依然』と話し、派閥を離脱」 「その後も麻生太郎政権で閣僚を務めていながら“麻生おろし”に加担するなど、常に恩義のある人を裏切り続けているのです」 経済界からは“手痛い洗礼”を受けた石破氏は、新たな“裏切り”の歴史を紡がないようにして頂きたいものだ。 <独自>衆院選「10月27日投開票」軸に検討 自民・石破茂総裁、早ければ9日解散 2024/9/28 23:45 https://www.sankei.com/article/20240928-JAWPKVPNBNKF5GCRPBA52W5SHM/ 自民党の石破茂総裁は28日、10月1日に首相に就任した後、9日にも衆院解散に踏み切り、 「10月15日公示、27日投開票」 の日程を軸に衆院選を実施する方向で検討に入った。 首相就任後の4日に所信表明演説を行い、7日から衆参両院の本会議で各党の代表質問を行う。 9日に党首討論を開催する選択肢もある。 野党側が求めている予算委員会は開催しない方向だ。 石破氏は9月30日、新たな党執行部を発足させ、野党側とこうした国会日程について協議に入る意向だ。 岸田首相が暗躍=u石破新総裁」誕生の舞台裏 「決選投票は高市氏以外の候補で…」と指令=@外交・安保、拉致、経済政策など懸念山積 2024.9/28 14:47 https://www.zakzak.co.jp/article/20240928-5CUKKG2OVVIDNMJOHW5TVMMLDI/ 自民党総裁選は27日、石破茂元幹事長(67)が決選投票の末、第1回投票でトップだった高市早苗経済安保相(63)に逆転して新総裁に選出された。 最終盤で、石破氏は 「岸田文雄首相の路線継承」 を打ち出して旧岸田派(宏池会)の支持を得た。 石破氏は30日にも新執行部を立ち上げ、来月1日召集の臨時国会で102代首相に指名される。 党内にリベラル系と保守系の分断が顕在化する中、新閣僚・党役員は 「岸田院政」 を感じさせる布陣となるのか。 石破氏の政権運営については、早くも外交・安全保障や経済政策で懸念が噴出しており、日経平均株価先物は一時2000円超も急落するなど、 「石破ショック」 が語られ始めた。 ◇ 「国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語り、日本をもう一度、皆が笑顔で暮らせる安全で安心な国にするため全身全霊を尽くす」 石破氏は27日午後、自民党本部で新総裁としてこう語り、党の結束と国民の信頼回復を呼びかけた。 今回の逆転勝利は、内閣支持率が30%以下の 「危険水域」 に沈み込み、総裁再選を断念した岸田首相の力が大きい。 総裁選のキングメーカーとみられた麻生太郎副総裁と菅義偉前首相が睨み合う中、岸田首相が27日午前、 「決選投票は、高市氏以外の党員票が多い候補でいく」 と旧岸田派議員らに指令≠出し、流れは決まった。 今後、岸田首相は 「闇将軍」 のように振る舞いそうだ。 米国政治に詳しい福井県立大名誉教授の島田洋一氏は 「米国は現在、覇権主義的傾向を強める中国を警戒し、半導体分野などを中心にデカップリング(切り離し)を進めている」 「石破政権が『米中等距離外交』を打ち出すようなら、日米関係は極度に悪化する」 「『アジア版NATO構想』や『日米地位協定の改定』も懸念事項だ」 「あやふやな対中姿勢も相まって、米政界には早くも石破政権を不安視する声があがっている」 と語る。 北朝鮮による拉致被害者救出でも大いに不安がある。 石破氏は総裁選で 「東京・平壌での連絡事務所開設」 を掲げ、被害者家族会の猛反発を受けた。 「拉致問題の幕引き」 が警戒された 「日朝合同調査委員会の設置」 との関連性を指摘する声もある。 拉致被害者、横田めぐみさん(59)=拉致当時(13)=の弟で、家族会の拓也代表は 「北朝鮮は被害者の現状を全て把握している」 「相互に連絡事務所を作って合同調査を行うのはナンセンス」 「解決を遅らせる欺瞞の工作に手を貸すことになる」 と指摘する。 めぐみさんの母、早紀江さんも27日、過去に石破氏と会話を交わした経験は 「ほとんどない」 と不安を明かした。 その上で、 「命がかかった問題であることを認識し、リーダーとして強い気持ちで行動してほしい」 と訴えた。 その石破氏に早くも懸念の声が出ている。 まず、外交・安保姿勢だ。石破氏の「政治の師」は、日中国交正常化を成し遂げた田中角栄元首相であり、対中融和傾向が強い。 総裁選では、 「アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想」 や 「日米地位協定の改定」 を掲げた。 ■田中秀臣教授 岸田政権以上に「増税・負担増」路線も 石破氏は経済政策にも懸念がある。 総裁選で 「金融所得課税の強化」 を打ち出すなど、財務省主導の 「緊縮財政」 「増税路線」 を感じさせた。 このため、新総裁選出直後に日経平均先物が暴落し、急激な円高が進むなど 「石破ショック」 の様相を呈した。 上武大学の田中秀臣教授(日本経済論、経済思想史)は 「日本経済の先行きに『赤信号』が灯ったに等しい」 「日本経済が本調子に戻らない中、利上げを支持し、『財政規律』も打ち出した」 「財務省的発想だ」 「石破氏周辺には財務省に睨みを利かせる人物もいなくなると予想される」 「将来的には岸田政権以上に『増税・負担増』路線になるのではないか」 と語る。 保守系の自民党ベテラン議員は 「岸田首相はケジメをつけない外交姿勢、拙速なLGBT法制定、増税・負担増路線などで、自民党を支えてきた『岩盤保守層』をはじめ、国民の離反を招いた」 「安倍路線から大きく舵を切った」 「石破氏は、その『岸田路線の継承』を約束し、岸田首相の後押しで総裁選に勝った」 「石破氏が自称する『保守政治家』は、本来の『保守』と意味が違っているようだ」 と突き放す。 石破自民党の行く末をどう見るのか。 ジャーナリストの鈴木哲夫氏は 総裁選は当初、麻生氏と菅氏の『キングメーカー争い』が注目されたが、両氏とも思うような成果≠得られなかった。 一方、派閥解消を主導したはずの岸田首相が派閥的な駆け引きを繰り広げ、最後は石破氏の勝利にも貢献し、キングメーカー的存在感を示した。 石破氏はこれまで、『自民党にお灸をすえる』と言い続けてきた。自身が総裁となって本気度が試される。 野党側は、派閥裏金事件や経済対策、『岸田路線の継承』の本質を厳しく問うだろう。 国民が、石破氏の『改革』に納得しなければ、失望は極めて大きくなる。 文字通り『試練の政権運営』となるだろう。 と語った。 中国、歴史問題で自民・石破茂総裁を評価 高市早苗氏の敗北に安堵感 安保で牽制も 2024/9/28 18:03 https://www.sankei.com/article/20240928-R3ZKGNGNENJZPAJLP4O27LT3OY/ 自民党の石破茂総裁に関し、中国は外交・安全保障政策を 「タカ派」 と警戒し、台湾問題では 「親台派」 として牽制している。 一方で、歴史問題などでは折り合うことが可能だとみて一定の期待感もあり、まずは石破氏の対中政策のスタンスを見極めようとしているようだ。 中国側は、石破氏が主張する 「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」 構想を注視する。 中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)は27日、同構想について 「中国側は警戒を保つべきだ」 とする専門家の見方を伝えた。 米国が同盟国などとアジア太平洋地域で進める 「対中包囲網」 の強化・拡大につながると懸念しているとみられる。 また、石破氏は今年8月に台湾を訪問して頼清徳総統と会談しており、中国側では 「親台分子」 との見方が広がる。 中国の政策研究機関も関与するニュースサイト 「観察者網」 は、台湾問題について 「本当に戦争リスクを孕む『地雷原』だ」 と強調し、石破氏に関与しないよう警告した。 一方で、環球時報は 「石破氏は保守派に属するものの、政策主張は相対的に穏健的でバランスが取れている」 として 「中国側との防衛対話や交流を通じた信頼醸成と疑念払拭も望んでいる」 とする別の専門家の見方を伝えた。 中国側には 「日本の極右政治屋の代表的人物の1人」 とみなしていた高市早苗経済安全保障担当相が自民党総裁選で敗北したことへの安堵感もあるとみられる。 中国側は特に靖国神社参拝に石破氏が距離を置いていることを評価しており、香港メディアの 「香港01」 は、石破氏の歴史問題への態度について 「中国やその他の関係国に比較的容易に受け入れられる」 との見方を示した。 アベノミクス相場、終わりの始まり…「石破ショック」週明けも市場に激震か 総裁選、高市氏への期待感も 円高加速、株価先物暴落 2024.9/28 14:47 https://www.zakzak.co.jp/article/20240928-NTAR2SNRO5ILVK7QUWQOJXMJPY/2/ 27日に投開票された自民党総裁選で石破茂元幹事長(67)が勝利したことで、市場は 「石破ショック」 に見舞われた。 高市早苗経済安保相(63)勝利への期待が裏切られ、外国為替市場の円相場では一時、1ドル=146円台から142円台後 半まで約4円も円高が加速し、日経平均株価の先物が約2500円も暴落した。週明けの相場も大荒れが懸念される。 総裁選の1回目投票で高市氏が1位となったことを受け、為替相場は日銀の利上げに否定的な高市氏が勝利する可能性を意識した円売りが優勢となり、1ドル=146円台まで円安が加速した。 ところが決選投票でアベノミクスの大規模金融緩和に批判的なことで知られる石破氏が勝利すると、今後、日銀の追加利上げを容認するとの観測が広がって円買いを促した。 株式市場でもアベノミクスの継続を強調する高市氏への期待感から、東京株式市場の日経平均は903円高の3万9829円と急騰して約2カ月ぶりの高値を付けて27日の取引を終えていた。 しかし、反対の路線である石破氏が勝利したことで、時間外の先物市場などで失望売りが相次いだ。 石破氏が総裁選で一時、 「金融所得課税の強化」 を打ち出していたこともあり、大阪やシンガポール、シカゴの市場で日経平均の先物は2400〜2500円の暴落となった。 2012年末から始まった円安株高基調は、紆余曲折を経ながらも継続してきたが、石破政権の誕生を受け、SNSで 「アベノミクス相場の終わりの始まり」 と警戒する声もあった。 岸田が不人気だったのに、似ている石破では交代しても意味ない。 米、石破新総裁の安保政策に冷ややか 地位協定見直しなら「摩擦」も 2024/9/28 10:13 https://www.sankei.com/article/20240928-CXJLJZCC5JPVJORRJSILWQDI5M/ 米国では自民党の石破茂新総裁が掲げる外交・安全保障政策の一部に関し冷ややかな声が出ている。 石破氏が就任会見で言及した、在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定の改定や「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」構想の実現性を疑問視している。 特に日米地位協定の改定は米大統領選を経て来年1月に発足する新政権との摩擦にもなりかねない。 米国防総省のシン副報道官は27日の記者会見で、石破氏が掲げる地位協定の改定などについて問われると 「米国は日本と素晴らしい関係にある」 「日本の新政権との協力を楽しみにしている」 と述べるにとどめた。 日米外交筋は 「米国は常に地位協定の見直しに消極的だ」 とし、議論の対象にすることも嫌がると説明する。 日本を防衛するために展開する米軍に与えられている地位や権利を維持しようという意識が働くためだ。 日米関係に詳しい米シンクタンク「ランド研究所」のジェフリー・ホーナン上級政治研究員は 「地位協定の改定について米国は『ノー』と言うだろう」と指摘」 「「もし石破氏が改定を主導すれば、米国との間に大きな摩擦が生じる」 と語る。 共和党大統領候補のトランプ前大統領がホワイトハウスに返り咲いた場合、石破氏が地位協定を巡って「不公平」だと主張すれば、 「日米同盟を不公平だと考えているトランプ氏に響く可能性がある」 と予測。 日本の責任拡大など日米同盟のあり方の議論が複雑化する可能性を指摘した。 またホーナン氏は、アジア版NATO構想に関し 「アジアには共通の脅威認識がない」 ことなどから 「実現不可能であり米国が支持することはあり得ないだろう」 と語る。 ロシアの脅威に対する欧州の共通認識に比べ、アジアは中国の脅威への認識が国によって異なる。 日本がインド太平洋の国々を防衛することが難しいことを含め、米側では懐疑的な声が強い。 石破氏は就任会見でアジア版NATOに関し、日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」の延長線上にあるとの考えも示した。 しかし、米政府高官はクアッドに関し 「如何なる軍事同盟でもなく、パートナーシップとして定義し続けている」 と話している。 21日に米国で開いたクアッド首脳会合の共同声明では、高圧的な海洋進出を図る中国への非難を盛り込んだが、 「中国」 の名指しを避けるなど強い姿勢を示していない。 <主張>自民総裁に石破氏 保守の精神踏まえ前進を 外交安保政策の継承が重要だ 社説 2024/9/28 5:00 https://www.sankei.com/article/20240928-ZQWPFHRUFBPALP3NUGABOBDVAI/ 自民党総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗経済安全保障担当相を決選投票で破り、新総裁に選出された。 10月1日召集の臨時国会で首相に指名され、宮中での認証式などを経て、石破内閣が発足する見通しだ。 石破氏は当選後、 「安全安心な国にするため全身全霊を尽くしたい」 と語った。 ほとんどの派閥が解散を決めたこともあって史上最多の9人が立候補し、激しい総裁選となった。 石破氏は1回目の投票で高市氏に次ぐ2位だった。 決選投票の票差は21票で、党内基盤は強いとは言えない。 ■「挙党態勢」が問われる 政治とカネの問題で自民をみる有権者の目は依然として厳しい。 石破氏と自民は挙党態勢で国政運営に当たる必要がある。 党役員や閣僚の人事は適材適所の観点で、総裁選のライバル候補を含め起用すべきだ。 党所属国会議員は結束して新総裁を支えてもらいたい。 石破氏と自民に求めたいのは保守の精神を尊重、堅持することだ。 自民は党綱領で 「日本らしい日本の確立」 を謳い、自らを 「保守政党」 と位置付けている。 この基本線から外れるべきではない。 総裁選で論じられた選択的夫婦別姓の導入は見送るべきである。 石破氏は前向きな姿勢を示してきたが、保守政党が取り組む課題ではない。 家族や社会の根幹に関わる話だ。 片方の親と子の 「強制的親子別姓」 を意味し、戸籍制度も揺らぐ。 個人の自由の問題とは言えず、自民どころか社会の分断を招きかねない。 旧姓使用の充実で対応してもらいたい。 国家と国民を守り抜く外交安全保障は政治リーダーにとって最も重要な責務だ。 安倍晋三元首相は 「自由で開かれたインド太平洋」 構想を国際社会に示し、限定的ながら集団的自衛権の行使容認を実現した。 菅義偉前首相は米国と共に 「台湾海峡の平和と安定の重要性」 を打ち出した。 岸田文雄首相は5年間の防衛費43兆円、反撃能力の保有を決め、防衛力の抜本的強化を開始した。 石破氏は安倍氏以降の外交安全保障を確実に継承し、発展させなければならない。 中国やロシア、北朝鮮といった核武装した専制国家の脅威をどう捉えているかを語ってほしい。 ウクライナ支援の継続も重要だ。 心配なのは、石破氏がアジア版NATO(北大西洋条約機構)の具体化に意欲を示した点だ。 創設には憲法問題の解決や各国との比較的長期の交渉などに相当の年月と大きな政治エネルギーを要する。 数年先の発生も懸念される台湾有事の抑止を優先すべきではないか。 日米同盟の対処力と抑止力の強化も欠かせない。 ■男系の皇統を守り抜け 北朝鮮による日本人拉致問題の解決も急がれる。 石破氏は 「東京と平壌に連絡事務所を開設して交渉の足掛かりとする」 と唱えてきた。 家族会は時間稼ぎに利用されるだけだと懸念している。 まず、家族会などと真剣に語り合ってほしい。 千年、二千年の視野で日本を守るため、安定的な皇位継承策を確立すべきである。 自民は、男系(父系)による継承を堅持する内容の岸田内閣の報告書に賛同する立場だ。 石破氏は総裁選でこの党の方針に従うと表明した点を強調しておきたい。 自民は来年、結党70年を迎える。 憲法改正は党是であり、改憲原案の条文化を臨時国会中に完成させるべきだ。 憲法への自衛隊明記は最優先だ。 首都直下地震などの大規模災害や日本有事への懸念が高まっている。 緊急政令を含む緊急事態条項創設も急務である。 自民総裁として与党公明党の説得にも努める必要がある。 日本が抱える課題は他にもある。 物価高を上回る持続的な賃上げを確実なものとし、デフレからの完全脱却を目指してもらいたい。 少子高齢化を背景にした人口減少への対策や社会保障制度改革も欠かせない。 政治とカネの対応は引き続き重要だ。 パーティー収入不記載事件の再発防止と政治資金の透明性確保を確実にしたい。 信頼を取り戻さなければ、政策は遂行できまい。 早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰されている。 臨時国会では所信表明演説で国家観と政策の全体像を披露すると共に質疑にも応じ、国民に投票の判断材料を示すべきである。 <産経抄>石破総裁よ理想論より具体論を語れ 2024/9/28 5:00 https://www.sankei.com/article/20240928-P5GA726U6RK4NGQWW5XRYUK6TU/ 「私はあたかも運命とともに歩いているように感じた」 「そして全ての私の過去は、ただこの時、この試練のための準備に過ぎなかったように感じた」。 第二次世界大戦中の1940年5月、英首相に就いたチャーチルは回顧録で、こう就任時の胸中を記している。 ▼自民党の第28代総裁に石破茂元幹事長が当選した。 次期首相となる石破氏に何より求められるのは、年々厳しさを増す国際情勢への対応である。 もっとも、安全保障をライフワークとし、軍事オタクとも呼ばれた石破氏には釈迦に説法だろうが。 ▼もはや台湾有事は時間の問題だとされ、中国は日本の領海・領空を侵犯して悪びれない。 北朝鮮は核・ミサイルによる恫喝をやめない。 ロシアはその両国と連携を深め、ウクライナ侵略を続ける。 中東に目を転じれば、第三次世界大戦の萌芽が現れている。 ▼石破氏は総裁選中、必然的に片親と子供が別姓となる選択的夫婦別姓の推進を明言し、皇室の伝統に前例がない女系天皇容認に含みを残した。 だが、くれぐれも政策遂行の優先順位を間違えないでもらいたい。 これらを強行して社会に分断と対立を招く余裕は日本にはない。 ▼アジア版NATO(北大西洋条約機構)や、憲法9条からの2項(戦力の不保持)削除など近い将来には実現不可能な理念を掲げるより、現実の課題を1つ1つ片づけていくべきだろう。 リーダーが国民に訴えるべきは、理想論ではなく目の前の危機である。 ▼チャーチルは、前々任者のボールドウィンについてこう指摘している。 「選挙に敗れるのを恐れるあまり、国家の安全に関して自分の責任を果たさなかった」。 近いとされる次期衆院選では、国民を守るための具体論が聞きたい。 小泉進次郎氏が総裁選で失速した理由、政策打ち出しの初動ミス挽回できず、地方票に泣く 2024/9/27 21:48 https://www.sankei.com/article/20240927-NRCJKLX5LZPZTILIZ63TNOZ7ZA/ 「議員票1位、党員票3位、胸を張って堂々と(陣営の選対事務所に)戻ってこられた」 「皆さんが使ってくれた時間を、何倍にもお返しできるように頑張っていきたい」 小泉進次郎元環境相(43)は27日、自民党総裁選終了後に支援を受けた議員たちを前にこう述べた。 「ポスト岸田」 の大本命として国会議員票では首位となる75票を集めたが、党員票で石破茂元幹事長と高市早苗経済安全保障担当相に想定以上の大差をつけられた。 小泉純一郎元首相を父に持ち、巧みな弁舌を併せ持つ小泉氏は当初、抜群の知名度で党員票でも優位に立つとみられていた。 しかし、報道各社の調査によると、他の総裁選候補と臨んだ討論会を重ねるごとに失速の傾向が強まっていった。 選挙戦中盤に地方創生などに関する追加公約を発表したが、勢いは取り戻せなかった。 小泉氏を支援した若手議員は解雇規制の見直しなどを念頭に 「政策の打ち出し方を誤らなければ勝っていた」 と悔やむ。 特に、これまでの家族観を変える選択的夫婦別姓制度の早期導入は、保守層の警戒を招いたとの見方が根強い。 14日に名古屋市で行われた初の合同街頭演説会で夫婦別姓に触れた際も聴衆の反応は鈍かった。 総裁選の途中から急遽、 「愛国心」 に言及し始めたが、後の祭りだった。 島根県連幹部は 「党員は一般有権者よりも年齢層が比較的高い」 「小泉氏の主張が『わがこと』として響かなかったのではないか」 と解説する。 史上最年少首相の誕生は党員の厚い壁に阻まれた。 小泉氏は記者団に 「この糧を次の1つ1つに生かしていきたい」 と意気込んだ。 安倍氏国葬から2年 高市早苗氏総裁選善戦も「包囲網」で敗れる、保守層の期待変わらず 2024/9/27 21:45 https://www.sankei.com/article/20240927-K5QT3LCLHFI3NFX72PU6V3HZRE/ 27日に行われた自民党総裁選で、高市早苗経済安全保障担当相(63)が決選投票の末、女性初の首相の座を逃した。 選挙管理委員会が文書郵送の禁止を通知して以降に政策リーフレットが全国の党員らに届いたことが他陣営から問題視され、これが尾を引いたとの見方もある。 ただ、1回目の投票で最多の181票を獲得したことで、保守層からの期待の大きさを改めて見せつけた形だ。 高市氏は総裁選後、目を赤くしながら党本部で記者団の取材に応じ、 「私自身の力不足だ」 「多くの方に助けて頂きながら申し訳ない」 と語った。 前回総裁選で支援を受けた安倍晋三元首相の死去に伴い、党内基盤の弱体化が懸念された中、1回目の投票では9候補の中でトップに立った。 しかし、上位2人による決選投票では一転、国会議員票が伸びを欠いた。 陣営関係者は、18日に高市氏の地元秘書が記者会見を開き、他陣営にも同様の事案があると持ち出したことも念頭に 「『高市包囲網』が出来てしまった」 と悔やんだ。 もっとも、高市氏の勢いはリーフレット問題が発覚した後も衰えなかったことは事実だ。 安倍氏と同様、男系による皇位継承の伝統を守り抜くという意志や、これまでの家族観を変える選択的夫婦別姓制度導入に慎重な姿勢などが党員から高く評価されたとみられる。 「今日で安倍元首相の国葬儀から2年になる」 「良い報告が出来なかったことを申し訳なく思っている」 「今後の予定については申し上げられる状況にはない」 高市氏は記者団にこう述べるにとどめた。 しかし、自民幹部は 「高市氏は都市圏などで想定以上に支持を集めた」 「保守層への影響力は大きく、石破茂新総裁がどう処遇するかが重要になる」 と語った。 総裁選決選投票で逆転の石破氏、旧岸田派の「高市敬遠」勝因「レガシーひっくり返される」 2024/9/27 21:30 https://www.sankei.com/article/20240927-SWLZXOVB2FLEBIK65OMNQAF5KQ/ 自民党総裁選は27日、石破茂新総裁が高市早苗経済安全保障担当相との決選投票を制した。 両氏は議員仲間が少なく、議員からは 「どちらがましかの究極の選択」 との声も漏れたが、石破氏が最終盤で岸田文雄首相の路線継承を打ち出して旧岸田派(宏池会)の支持を得た。 高市氏は麻生太郎副総裁らの支持を受けたが旧岸田派から敬遠され、明暗が分かれた。 「決選投票は高市氏以外の党員票が多い候補でいく」 27日午前9時過ぎ、旧岸田派議員らに首相の意向が側近を通じて伝えられた。 首相が石破氏支援に舵を切った瞬間だった。 首相は総裁選中、周囲に 「経済や外交は自分の路線を引き継いでほしい」 と頻繁に漏らした。 当初、期待を寄せた小泉進次郎元環境相は論戦で失速。 代わって高市氏が急浮上した。 首相には防衛力強化のための増税などに反対する高市氏の言動は岸田路線の否定と映った。 首相周辺は 「高市氏では首相のレガシー(遺産)はひっくり返される」 と危機感を募らせた。 石破氏が首相の経済政策を継承する考えを示し、首相は決選投票で石破氏を支援する腹を固めた。 別の動きをしたのが麻生氏だ。 26日に首相に 「高市をやります」 と伝達。 岸田政権を支えた麻生氏だが、石破、小泉両氏への評価は低い。 そんな麻生氏が率いる唯一の派閥・麻生派(志公会、54人)の支援があれば、高市氏が勝利に近付くと見られた。 1回目の投票の議員票は高市氏72票、石破氏46票と差が開いた。 決選投票は、高市氏と政策的に遠い小泉氏、旧岸田派の林芳正官房長官、上川陽子外相の支援議員らの得票を足せば石破氏の逆転が想定できる範囲に収まり、その通りとなった。 安倍晋三元首相の宿敵だった石破氏と、安倍氏の後継色を鮮明にした高市氏が接戦を演じたことは対立の芽を生みかねない。 高市氏陣営の中堅は 「前回総裁選は首相に入れたのに旧岸田派は高市潰しをした」 「石破氏が高市氏を重用しなければ衆院選は負ける」 と語る。 首相は両院議員総会で 「これからはノーサイドで、一致結束を」 と呼び掛けた。 石破氏にとって、まずは最多の9人で争った総裁選後の結束固めが急務となる。 「ワイドショー政治」は健在か 「高市潰し」「包囲網」はねのけられず、高市氏敗れる 2024/9/27 16:02 https://www.sankei.com/article/20240927-IWOPIQWFBZMK7IWZMZ42Y3HKFU/ 自民党総裁選で27日、石破茂元幹事長(67)に決選投票で敗れた高市早苗経済安全保障担当相(63)。 大手メディアはワイドショーや政治番組などで、人気のある小泉進次郎元環境相(43)らを中心に扱う一方、高市氏については 「政策リーフレット問題」 や 「タカ派」 などのイメージを繰り返し報じ、 「高市包囲網」 を敷いた。 選挙結果は、高市氏が党員・党友票では最多を獲得。 大手メディアの 「高市潰し」 とは裏腹に、国民の支持が裏付けられた選挙だった。 「高市さんは推薦人の半分以上が『裏金議員』ですよね」 25日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で、元同社員の玉川徹氏はこう指摘し、 「内閣を作る時に推薦人を重用しないわけにはいかず、『裏金内閣』になる」 と懸念を述べた。 18日放送のTBS系「ひるおび」では、出演した朝日新聞ゼネラルエディター補佐、毎日新聞論説委員、TBS政治部長が異口同音に、 「政治とカネ」 を巡る高市氏の対応に疑問を呈した。 また、24日放送のBSフジ「プライムニュース」では、中国出身の李昊(り・こう)東大大学院准教授が出演、高市氏が首相に就任後も靖国神社参拝を続けるとしていることについて 「壊滅的なダメージですね」 「日本の国内の右翼の支持以外に何も得られない」 と切り捨てた。 高市氏は9候補の中で唯一、財政出動によって経済成長を図る積極財政を主張。 中国・深圳の日本人男児刺殺事件で中国側に対し毅然とした対応を求めるなど、財務省の財政均衡主義や外務省の対中外交と一線を画す政治姿勢も、一部メディアで強調された。 石破新総裁にご祝儀相場なし=@総裁選後初日株価 1900円超の下げ幅は過去最大規模 2024/9/30 16:19 https://www.sankei.com/article/20240930-DAQ4ZSWTRJCXNJPUABVTWXSHGU/ 自民党総裁選で石破茂氏が勝利した後、初めての取引となった30日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅に反落した。 終値は前週末終値に比べ1919円01銭安の3万7919円55銭。 石破氏が首相指名を受けるのを前に、富裕層向けの金融所得課税の強化などに前向きな次期政権の経済・金融政策への警戒が広がった。 与党総裁(代表)選後の初日の取引としては、少なくとも2000年以降、最大の下げ幅で、新総裁就任後に期待されるご祝儀相場≠ニは無縁どころか、異例の急落ぶりを見せた。 総裁選決選投票の結果発表前に取引を終えた27日午後の東京市場は、財政出動や金融緩和に積極的な高市早苗氏が優勢との見方を反映し、円相場の急落を受けた日経平均株価は、前日終値比で900円以上も値を上げた。 その後、追加利上げに慎重姿勢で、金融所得課税導入に前向きな石破氏の当選が伝わると、同日夕には、円相場が数分で1ドル=146円台から143円台まで急騰していた。 週明けの30日の日経平均株価は一時、2000円以上も急落。 この要因について明治安田総合研究所の小玉祐一フェローチーフエコノミストは、 「27日の高市氏の勝利を見込んだ円安・株高トレードの反動の要素が大きい」 「値動きは短期的で、数日で落ち着く」 と分析。 今後の見通しについては、 「米国株が堅調で、日本株だけが下落基調になるとは考えにくい」 「ただ、今後1カ月間は衆院選やそれに伴う論戦など政治的な要因により、国内の株式市場は動きやすい環境になる」 と説明する。 2000(平成12)年以降の与党総裁(代表)選後の初日の取引を振り返ると、今回の日経平均株価の下げ幅は、当時、民主党政権だった平成22年6月、菅直人氏の代表就任時以来の大きさとなった。 近年は、菅義偉氏が自民党総裁に当選した令和2年9月以降、いずれも株価は下落しており、株式市場のご祝儀相場とは縁のない動きを見せている。 株価 終値で1910円の値下がり 過去5番目の下げ幅 2024年9月30日 15時29分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240930/k10014595861000.html 30日の東京株式市場は、自民党の石破新総裁の経済政策に対する警戒感などから全面安の展開となり、日経平均株価は一時、2000円以上急落しました。 終値でも1910円の値下がりとなり、過去5番目の下げ幅となりました。 東京市場は、先週27日の自民党総裁選挙で利上げに慎重な姿勢を示していた高市氏が決選投票に進んだ際に円安・株高となった反動や、石破新総裁の経済政策に対する警戒感から売り注文が膨らみ、全面安の展開となりました。 午後に入っても金融政策を巡る思惑を背景に為替市場で1ドル=141円台まで円高ドル安が進んだことから、自動車などの輸出銘柄を中心に下げ幅が拡大して日経平均株価は一時、2000円以上の急落となり、終値でも過去5番目の下げ幅となりました。 ▼日経平均株価、30日の終値は先週末より1910円1銭、安い、3万7919円55銭。 ▼東証株価指数=トピックスは95.00、下がって2645.94。 ▼1日の出来高は26億5万株でした。 市場関係者は 「石破新総裁は金融緩和の傾向を維持すべきだという考えを示したものの、投資家の間では日銀が新総裁の下で、利上げを早めるのではないかという見方も出て、円高に繋がった形だ」 「投資家は石破新総裁がどのような経済政策を打ち出すのかを慎重に見極めようとしている」 と話しています。 ■石破新総裁示す“金融所得課税”に関心 自民党の総裁選が行われた27日は、日銀による金融緩和の継続を訴えていた高市氏が決選投票に進むと、円相場は一時1ドル=146円台半ばまで円安が進みましたが、その後、石破氏が新総裁に選出されると、それまでの反動もあって一気に円高が進んだ他、日経平均先物は大きく下落しました。 その金融政策について、石破新総裁は総裁選の後、 「日銀と適切に連携しながら日銀が判断することだ」 としながらも、 「政府としては今の経済状況で金融の緩和傾向は尚維持していかなければならないと思う」 と述べています。 日銀は経済・物価の状況を見ながら段階的な利上げを目指すことにしていて、石破新総裁の姿勢が日銀の金融政策にどのような影響を与えるのか、市場は注目しています。 一方、株式の売却益などにかかる金融所得課税については、石破新総裁が以前言及したことがあることから投資家の間では仮に課税が強化された場合、収益に響きかねないとして、これまでのところは警戒感が先行する形となっています。 ただ、石破新総裁は 「貯蓄から投資への加速を更に進めたい」 と繰り返し述べていて、今後どのような考え方を示すのかに注目が集まっています。 ■林官房長官「冷静に判断 経済財政運営に万全を期す」 林官房長官は、午前の記者会見で 「政府としては冷静に判断していくことが重要だと考えている」 「引き続き、内外の経済・金融市場の動向などを緊張感を持って注視すると共に、日銀とも密接に連携しつつ経済財政運営に万全を期したい」 と述べました。 東証、終値は1910円安 石破ショック¢麹ル選出後初の取引は大幅反落で終える 2024/9/30 15:05 https://www.sankei.com/article/20240930-XIUQSSPPRFEX3IMURKEUY3XLIE/ 週明け30日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)が大幅反落した。 終値は1910円01銭安の3万7919円55銭で、節目の3万8000円を割り込んだ。 下げ幅は一時2000円を超えた。 自民党の石破茂総裁が27日に選出された後、初めての取引だった。 石破氏が積極姿勢を示す日銀の追加利上げや金融所得課税強化などへの警戒感が広がり、株式市場を石破ショック≠ェ襲った。 市場では前週、総裁選で石破氏と争った高市早苗氏が金融緩和の継続に前向きだったことから 「高市トレード」 と呼ばれる円売り株買いが進んだ。 27日午後には、高市氏が総裁選の1回目の投票でトップとなり、株価は一段高となった。 決選投票で石破氏が選出される前に、同日の東京株式市場は取引を終了していた。 30日はこの反動で売り注文が出やすい展開となった。 午前9時の取引開始直後に下げ幅は1600円を超え、その後は節目の3万8000円付近で踏みとどまる場面もあったが、午後の取引でじりじりと株安が進み、下げ幅は一時、2000円を超えた。 東京外国為替市場の円高ドル安進行が株式相場の重荷となり、自動車などの輸出関連銘柄が売られた。 平均株価への影響が大きい半導体関連も軒並み下落し、下げ幅を拡大させた。 株価 一時1900円以上値下がり 石破総裁の経済政策への警戒感も 2024年9月30日 12時05分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240930/k10014595861000.html 週明けの30日の東京株式市場は、石破新総裁の経済政策に対する警戒感もあってほぼ全面安の展開となり、日経平均株価は一時、1900円を超える値下がりとなりました。 先週27日の金融市場では、自民党総裁選挙で、利上げに慎重な姿勢を示していた高市氏が決選投票に進んだ際に円安が進み、日経平均株価は大きく上昇しました。 その後、石破氏が自民党の新総裁に決まると経済政策への警戒感もあって一気に円高に転じ、日経平均の先物も大幅な下落となりました。 こうしたことから、週明けの東京市場も取り引き開始直後から売り注文が膨らんでほぼ全面安となり、日経平均株価は一時、1900円を超える値下がりとなりました。 ▼日経平均株価、午前の終値は先週末の終値より1849円22銭、安い、3万7980円34銭。 ▼東証株価指数、トピックスは90.32、下がって2650.62▼午前の出来高は11億7018万株でした。 市場関係者は 「石破新総裁は金融緩和の傾向は維持すべきだという考えを示したが、投資家は今後どのような政策を打ち出すのかを慎重に見極めようとしている」 「石破氏が以前言及したことがある、金融所得課税の議論の行方についても注視している」 と話しています。 ■石破新総裁示す“金融所得課税”に関心 自民党の総裁選が行われた27日は、日銀による金融緩和の継続を訴えていた高市氏が決選投票に進むと、円相場は一時1ドル=146円台半ばまで円安が進みましたが、その後、石破氏が新総裁に選出されるとそれまでの反動もあって一気に円高が進んだ他、日経平均先物は大きく下落しました。 その金融政策について、石破新総裁は総裁選の後、 「日銀と適切に連携しながら日銀が判断することだ」 としながらも、 「政府としては今の経済状況で金融の緩和傾向は尚維持していかなければならないと思う」 と述べています。 日銀は経済・物価の状況をみながら段階的な利上げを目指すことにしていて、石破新総裁の姿勢が日銀の金融政策にどのような影響を与えるのか、市場は注目しています。 一方、株式の売却益などにかかる金融所得課税については、石破新総裁が以前言及したことがあることから投資家の間では仮に課税が強化された場合、収益に響きかねないとしてこれまでのところは警戒感が先行する形となっています。 ただ、石破新総裁は 「貯蓄から投資への加速を更に進めたい」 と繰り返し述べていて、今後どのような考え方を示すのかに注目が集まっています。 ■林官房長官「冷静に判断 経済財政運営に万全を期す」 林官房長官は、午前の記者会見で 「政府としては冷静に判断していくことが重要だと考えている」 「引き続き、内外の経済・金融市場の動向などを緊張感を持って注視するとともに、日銀とも密接に連携しつつ経済財政運営に万全を期したい」 と述べました。 石破氏に市場が「NO」、東証一時1800円超の暴落 財務相に加藤勝信氏を起用…火消し≠ノ躍起も「石破ショック」収まるのか 2024.9/30 11:39 https://www.zakzak.co.jp/article/20240930-UT5MND4AGRMRFFVTWQAZIF2FKA/ 自民党の石破茂総裁の経済政策に対し、市場では不安が強まっている。 週明け30日朝方には為替の円高ドル安が進み、日経平均株価は一時、約1800円も暴落する場面もあった。 石破氏は金融緩和の継続を主張するなど火消しに躍起だが、「石破ショック」を収束させられるのか。 30日午前の円相場は一時、1ドル=142円台半ばと前週末から4円近い円高基調で取引された。 東京株式市場の日経平均株価は午前9時28分現在、前週末終値比1825円07銭安の3万8004円49銭で取引された。 銀行株を除き、自動車や電機、不動産、証券など主力株が軒並み安となった。 27日の総裁選で、金融緩和と財政出動に積極的な高市早苗経済安保相が決選投票で石破氏に敗れた直後からの円安株高からの巻き戻しの動きが続いた。 石破氏は29日のフジテレビの番組で 「今の金融緩和の方向性はこれから先も維持しなければならない」 と述べた他、物価高対策として財政出動の必要性も強調した。 総裁選では金融所得課税の強化に言及したが、 「『貯蓄から投資へ』という流れを変えることはない」 とも訴えた。 総裁選で 「アベノミクスの継承」 を掲げた加藤勝信元官房長官を財務相に起用するなど軌道修正を急いだ。 石破氏はアベノミクスについて、7月に出版した著書では、株価や雇用情勢を 「劇的に改善した」 と評価しつつ、金融緩和や財政出動といった 「短期的なカンフル剤」 は限界があると指摘した。 市場が歓迎する政策を打ち出せるかが新政権の課題となる。 30日の東京株式市場、一時1900円超安 石破政権の誕生控え、利上げと課税強化を警戒 2024/9/30 11:34 https://www.sankei.com/article/20240930-JJRFK63KTVN3VMEJ43CUJSHELI/ 週明け30日午前の東京株式市場で、日経平均株価は大幅に反落した。 前週末終値に比べた下げ幅は一時、1900円を超えた。 自民党の石破茂総裁が首相指名を受けるのを前に、追加利上げや富裕層向けの金融所得課税の強化など、次期政権の経済・金融政策への警戒が広がった。 多くの銘柄で売り注文が膨らみ、市場は石破ショック≠フ様相となっている 日経平均の午前終値は、1849円22銭安の3万7980円34銭だった。 一時、1900円84銭安の3万7928円72銭まで値を下げた。 外国為替相場の円高ドル安進行も株式相場の重荷となった。 市場では前週、総裁選で石破氏と決選投票を争った高市早苗氏が金融緩和の継続に前向きだったことから、 「高市トレード」 と呼ばれる円安や株高が進んだ。 30日はこの反動で売り注文が出やすかった。 石破氏は総裁選で金融政策運営について日銀の独立性を尊重すべきだと主張。 また、金融所得課税の強化にも言及していた。 石破氏は29日のNHK番組で 「金融の緩和傾向は維持していなかなければならない」 と強調したが、株式市場は厳しい対応となっている。 市場は石破ショック≠フ様相 円急騰、日経平均株価の先物は一時2000円超も急落 2024/9/27 18:33 https://www.sankei.com/article/20240927-PJ7N6D3JEFGCFAT4DKXAUUZNAQ/ 27日午後に投開票された自民党総裁選で、石破茂元幹事長(67)が選出されると、市場は敏感に反応した。 日銀の追加利上げに肯定的な石破氏の当選が伝わり、東京外国為替市場では円相場が数分で1ドル=146円台から143円台まで急騰した。 積極財政派の高市早苗経済安全保障担当相(63)が敗れ、財政出動による経済波及効果の期待が薄れたことで、日経平均株価の先物でも売りが急激に拡大。 一時2000円超急落するなど、市場は石破ショック≠フ様相を呈している。 同日の東京外国為替市場では円が対ドルで一時1ドル=142円台後半をつける場面もあった。 また、国内債券市場でも、日銀の利上げ期待が高まり、長期金利の指標となる新発10年物国債は一時0・855%と、総裁選の結果発表前の0・805%から上昇した。 石破氏は総裁選中、金融政策運営は 「日銀の独立性を尊重」 すべきとし、日銀の追加利上げに肯定的な姿勢を示していた。 また、同日の大阪取引所の夜間取引では日経平均先物で12月物が3万7700円前後に急落。 同日の先物清算値(株価終値に相当)の3万9850円から2000円超も安くなった。 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは 「財政再建を重視し、株式の売却益などに課す金融所得課税の強化に意欲を示す石破氏の政策スタンスを、市場が嫌気した」 と分析。 先物主導で日本株の売りが膨らむ可能性が高く、週明けの日経平均株価にも下押し圧力が働くと見ている。 石破氏当選受けて円が急騰、数分間で146円台から143円台へ円高進む 自民党総裁選 2024/9/27 16:14 https://www.sankei.com/article/20240927-ZCCI2YMMLVCNHB25KAX645BJXE/ 27日午後に投開票された自民党総裁選で、石破茂元幹事長(67)が選出されると、東京外国為替市場の円相場は対ドルで約3円急騰し、1ドル=143台まで円高が進んだ。 石破氏は日銀の追加利上げに肯定的な姿勢を示していたため、総裁選の結果を受け、今後の利上げ観測の高まりから円が買われたとみられる。 同日午後に入り、高市早苗経済安全保障担当相(63)が石破氏とともに決選投票に進むと円売りの動きが急速に広がり、1ドル=146円台半ばまで円安ドル高が進む場面もあった。 高市氏は総裁選期間中に 「金利を今、上げるのはあほ」 と発言するなど利上げに慎重な姿勢を示していた。 市場関係者は、高市氏当選の期待から円を売る動きが一時的に広がったとみている。 ところが、27日午後3時20分ごろに石破氏当選が伝えられると為替の動きは一気に反転。 数分のうちに円相場は3円程度急騰した。 石破氏は総裁選中、金融政策運営は 「日銀の独立性を尊重」 としつつ 「経済や国民生活に支障が生じない範囲、ペースで正常化されることを期待する」 などと発言していた。 石破氏は株式の売却益などに課す 「金融所得課税」 の強化に意欲を示しているため、週明けの株式市場に下押し圧力がかかるとの懸念も広がっている。
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