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自民党総裁選は「保守票」の奪い合い…「改憲」をダシに醜悪なアピール合戦が勃発中
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/358844
2024/08/08 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
憲法改正実現本部の会合であいさつする岸田首相(C)日刊ゲンダイ
保守層への食い込みに必死のようだ。
岸田首相が7日、自民党本部で開かれた憲法改正実現本部の全体会合に出席。憲法9条への自衛隊明記に関する論点整理について「8月末を目指して議論を加速して欲しい」と訴えた。改憲の是非を問う国民投票にも触れ「緊急事態条項と併せ、自衛隊明記も国民の判断をいただくことが重要だ」と強調。9月の総裁選を見据え、改憲を重視する保守層にアピールしたのは明白だ。
「総裁再選を狙う総理には、党員の一定数を占める保守層に訴える政策が基本的にありません。そのため、憲法に活路を見いだそうというわけです。ただ、本気で改憲の発議にまでこぎつけようとは考えていない。内閣支持率が低迷する中で国民投票になれば、政権への批判票が集まるのは必至。過半数の賛成を得られなければ総理は立つ瀬がありませんから、そんなリスクを冒すつもりはないでしょう。あくまで改憲に意欲を示し、保守票をつなぎ留める思惑です」(官邸事情通)
保守票獲得に意欲を燃やしているのは岸田だけじゃない。総裁選への出馬が取り沙汰される若手2人も改憲に前向きな姿勢を示している。1人は、“人気者”の小泉進次郎元環境相である。
「人付き合いが悪いといわれる進次郎さんは総裁選を意識してか、最近は国会議員や有識者と頻繁に面会し、仲間づくりや情報収集に精を出しています。ある政界関係者に『今後は憲法を国民的議論の中心に据えるべきだ』と熱っぽく語っていたそうです。保守層の支持を得るため、改憲を総裁選の一大争点にしたいと考えているのでしょう。中身のない発言を繰り返し“ポエマー”と揶揄されたことも気にしているようです」(同前)
コバホークはゴリゴリの右派思想の持ち主
小泉進次郎元環境相(左)と小林鷹之前経済安保相(C)日刊ゲンダイ
もう1人は「コバホーク」と呼ばれ、永田町でにわかに注目を浴びている小林鷹之前経済安保相だ。
4日に岐阜市であった党会合の講演で、憲法9条への自衛隊明記に意欲を示し、党が掲げる改憲4項目について「国民に正面から問うことが、あるべき姿だ」と言っていた。7月上旬には福岡市で、右派組織・日本会議の関連団体「日本会議福岡」後援の安倍元首相をしのぶ会に参加。講演では、生前の安倍の写真の隣で改憲への思いを語っていた。小林と親交のある自民党関係者が言う。
「鷹之さんはあまり自分を語らないだけに勘違いしている人も多いようですが、ゴリゴリの右派思想の持ち主です。韓国や中国への警戒心が高く、党内では『高市早苗経済安保相とキャラがかぶる』といわれているほど。『ポスト岸田』に意欲満々の高市さんは『安倍後継は私』と言わんばかりですが、鷹之さんも同じ思いを抱いているのではないか。いずれにせよ、注目が集まっていますから、本人は総裁選に向けヤル気になっているはずです」
どいつもこいつも、改憲をダシに保守票の争奪戦に血道を上げているわけだ。国の最高法規を軽々しく扱い過ぎじゃないか。醜悪なバトルに国民は、だまされてはいけない。
◇ ◇ ◇
9月の自民党総裁選での再選を意識し、岸田首相が全国行脚に注力するが、実ははた迷惑な地方視察ラッシュなのだ。
●関連記事【もっと読む】では、岸田首相の血税を使った選挙運動について詳しく報じている。
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