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※2024年8月3日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大 文字起こし
※紙面抜粋
変調をきたし始めた(C)日刊ゲンダイ
連日、大マスコミは金メダル報道に明け暮れ、「すごいぞ、ニッポン」とやっているが、その裏で絵に描いたような東証株価の大暴落。円安のメッキが剝がれれば、しょせん、日本経済の実力なんて、こんなものだが、まだ「成長」とほざき、外遊に明け暮れる無能政権
◇ ◇ ◇
ついに「株高バブル」の崩壊がはじまったのか──。大手メディアが連日、パリ五輪の金メダル報道にあけくれ「すごいぞ、ニッポン」と大ハシャギしている裏で絵に描いたような株価の大暴落である。甘い言葉に乗せられて「新NISA」をはじめた投資ビギナーからは悲鳴があがっている。
2日の日経平均株価は、終日全面安の展開だった。東証プライム市場銘柄の99%がマイナスで終了。節目だった3万6000円を割り込み、前日比2216円63銭安の3万5909円70銭で取引を終えた。下げ幅は、1987年「ブラックマンデー」の翌日に記録した3836円に次ぐ歴代2番目の大きさだった。
東京株式市場は、この2日間で計3192円下げる連日の急落。わずか3週間で6000円以上、値下がりするという異常な状況となっている。
「日経平均株価は、ほんの20日前、7月11日に史上最高値の4万2224円をつけたばかりでした。ところが、その後、26日にかけて8営業日続落。25日は1285円安と、過去9番目の下げ幅でした。さらに、2日は2000円以上も下げている。一本調子で上昇してきた株価ですが、ここにきて変調をきたしはじめたのは間違いない。だから、個人投資家はなかばパニック状態です。ネット証券大手のコールセンターには、問い合わせの電話が殺到しています」(兜町関係者)
2日株価が2000円以上も急落した直接の原因は、「米国経済の悪化懸念」と「円高」の2つだった。
前日のNY株が、アメリカ経済の減速懸念から急落し、その流れを受けて、東京市場も朝方から下落してしまった。
さらに、円相場が1ドル=148円台と「円高」が進んだことで、採算悪化が懸念される輸出関連株などが幅広く売られた。
経済同友会の新浪剛史代表幹事も「円安により株価が上がっていた分が、剥げたということはあると思う」と会見で語っている。
ここ数日、世界の株式市場では波乱が起きている。1日は欧州の主要株価指数がそろって下落し、2日は韓国や台湾などアジア株が一斉に下げている。世界同時株安の様相である。
「円安・株高バブル」の崩壊
この先、東京市場はどうなるのか。日経平均株価はまだまだ下がるのか。
今年4月につけた安値3万6733円を下回ったことで、市場では「昨年12月の安値3万2205円まで下落する」という不安が強まっているという。あと4000円近くも下落するということだ。「新NISA」をはじめた個人投資家の多くが、含み損を抱えることになる。
「アベノミクスが生み出した『円安・株高バブル』の崩壊がはじまった、のだと思う」と、経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「そもそも4万円という株価は、日本経済の実力を反映した数字ではありません。異次元緩和というアベノミクスによって底上げされた株価です。あり余るマネーを市場に供給することで人為的に株価を上げ、円安にすることで輸出企業の業績を水増しした結果が株価4万円です。しかし、植田日銀は、あきらかにアベノミクスからの転換をはかろうとしている。7月31日、植田総裁は、金融引き締めに前向きなタカ派の姿勢をハッキリとみせています。市場の予想を裏切って0.25%の追加利上げを決めただけでなく、『0.5%の壁を意識していない』と、更なる利上げを口にしている。異次元緩和の手段だった日銀による『国債買い入れ』の減額も決定しています。アベノミクスの“お化粧”が剥がれれば、底上げされた株価が下落するのは当然です」
株価にとって逆風なのは、アメリカの景気が急速に悪化しはじめていることだ。インフレを抑えるために利上げをしながら、景気を冷やさない「ソフトランディング」が期待され、株価も4万ドルまで上昇したが、ソフトランディングではなく「ハードクラッシュ」の恐れが強まっているのだ。
後払い決済サービスの米アファーム・ホールディングスの7月調査によると、5人に3人が「アメリカ経済はすでに不況入りしている」と回答しているという。
FRBのパウエル議長が、7月31日の会見で9月の「利下げ」を示唆したのも、アメリカ経済の悪化を深刻にとらえはじめたからだとみられている。アメリカが不況に突入したら、日本株が下落するのは間違いない。
しかも、株安要因となる「円高」も止まりそうにない。2日のニューヨーク外国為替市場では、1ドル=146円台半ばまで円高が進んでいる。
このままでは、週明けは暗黒の月曜日となりかねない。
日本は「成長」ではなく「衰退」
トンチンカン(日銀の追加利上げについて記者団の取材に応じる岸田首相)/(C)共同通信社
4万円まで上昇した株価も、しょせんは「円安」というマジックによって底上げされたに過ぎない、ということだ。「円安」というメッキが剥がれれば、株価が急落するのは当たり前である。
実際、1ドル=160円台まで進んだ「円安」によって、輸出企業の業績が水増しされ、海外投資家に日本株を「割安」に見せる効果があったのは間違いない。
しかし、日銀が「利上げ」に動き、FRBが「利下げ」に舵を切れば、日米の金利差が縮まり、しばらく「円高」がつづく可能性が高い。輸出企業の多くは、想定レートを1ドル=145円程度にしているから、そろそろ「円安」の恩恵は消えてなくなる。
なのに、岸田首相は、いまだに「新しい成長型経済への移行の兆しが明確になっている」などと、トンチンカンなことを口にしているのだから、どうしようもない。
この先、日本経済が成長すると本気で思っているのか。いったい、どこに成長の兆しがあるのか。もはや、日本経済は衰退に向かっているのが実態なのではないか。
金融ジャーナリストの小林佳樹氏はこう言う。
「10年つづけたアベノミクスの大きな弊害は、日本企業から活力を奪ったことです。ぬるま湯につかり、黙っていても収益が上がるから、企業努力をしなくなってしまった。イノベーションを起こそうともしなかった。かつて、品質の高さからメード・イン・ジャパンは、飛ぶように売れましたが、いまやハイテク分野に特段の強みを持つわけでもなく、国際競争力を失ってしまった状態です。この10年、20年、新興国はめざましい成長をとげています。対して日本は“貧しい国”“安い国”になってしまった。ここまで日本円が安くなると、いずれ外国人から働き先として選ばれることもなくなってしまうのではないか。日本は人口減少が叫ばれ、労働者不足が懸念されているのに、どうするのでしょうか」
国民の実質賃金は26カ月連続、マイナスがつづいている。岸田は「資産所得倍増」を掲げているが、国民が貧しく、企業の競争力も低いのに、株価を上げようとしても、歪みが拡大するだけである。
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