http://www.asyura2.com/24/senkyo295/msg/154.html
Tweet |
※紙面抜粋
※2024年7月24日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
“ユア・ターン(君の番)だ”(岸田首相と撤退決断のバイデン米大統領)/(C)日刊ゲンダイ
「この選挙で問いたい。どんな国に住みたいか。自由と思いやり、法の支配の国か。それとも混乱と恐怖、憎しみの国か」「私たちにはやるべきことがある。この選挙に勝たなければならない」
バイデン大統領の撤退表明から一夜明けた22日、民主党候補として必要な過半数の代議員を確保──などと米主要メディアに早々に報じられたハリス副大統領がバイデンから引き継いだ東部デラウェア州の選対本部を訪問。バイデンから後継候補に推薦されて以降、初めて行った選挙演説で、共和党のトランプ前大統領への対決姿勢を鮮明にした。
選対本部の集会にはバイデンも電話で参加。自身の撤退表明について「正しい決断だった」と振り返りつつ、トランプを「いまだに米国にとって危険(人物)」と強調。そのトランプに勝てる「ベストな候補」としてハリスの名前を挙げた。
民主党では、それまで態度を留保していたペロシ元下院議長のほか、大統領候補に取り沙汰されたこともある中西部ミシガン州のウィットマー知事ら重鎮も続々とハリス推薦に動き出し、下院トップのジェフリーズ院内総務もハリス支持を表明した。政治専門紙「ポリティコ」によると、過去24時間で主要献金者から同党陣営に約1億5000万ドル(約235億円)の資金提供があったという。
同党は8月19〜22日に中西部シカゴで全国党大会を開く予定だが、同7日までにオンラインによる代議員投票で正式に大統領候補としてハリスを指名するとみられる。
米政界は“代わりの舟”があっただけでもマシ
世界中が注視していた「バイデンvsトランプ」の構図が一変した大統領選。激変の舞台裏はここにきて、党内外で広がっていた「バイデン包囲網」が急速に狭まったことだろう。
もともと再選を目指していたバイデンをめぐっては、会見でろれつが回らなかったり、公式の場でウクライナのゼレンスキー大統領を「プーチン」、ハリスを「トランプ」と言い間違えたりするなど、高齢化に伴う認知能力を不安視する声があった。
それでもバイデンは強気の姿勢を崩さなかったが、事態を大きく変えたのがトランプの暗殺未遂事件だ。それまでの世論調査で拮抗していたバイデン、トランプの支持率は事件以降、トランプが急上昇。大統領選の結果を左右するといわれる激戦7州(アリゾナ、ジョージア、ミシガン、ノースカロライナ、ネバダ、ペンシルベニア、ウィスコンシン)でも、トランプがバイデンをリードしていることも判明した。
バイデンではなく、ハリスであれば僅差で抑えられるということも分かったため、急転直下、バイデンは「名誉ある撤退」の決断に至ったわけだ。
本人は続投にやる気満々だったが、このままでは民主主義を破壊した前職が選挙に勝利し、再び大統領に返り咲くかもしれないという現実を突きつけられ、その「悪夢」に対する強い危機感が周囲と本人を突き動かしたと言ってもいいだろう。
沖縄国際大学大学院教授の前泊博盛氏はこう言う。
「バイデンの高齢化問題は当選した時からあり、そのためにハリスを副大統領にしていた。バイデンは撤退せざるを得なくなったわけですが、それでも米国の政界は“代わりの舟”を用意していただけでもマシ。日本の政界は“泥舟”しかありませんからね」
米国とは異なり日本は国会が機能していない
自民党政治にNO(C)日刊ゲンダイ
バイデンは世界に及ぼす米大統領の影響力を理解していたからこそ、撤退を決めたのだろう。
大統領選までの残り期間がわずかになってからの決断に対しては賛否の声があるとはいえ、バイデンが抱いた民主主義崩壊に対する「危機感」は、政治家個人としての権力欲を上回るほど強かったということだ。
それに比べて日本の政界はどうなのか。
米国では大統領選と同時に投開票される上下両院選で道連れになりかねないとして、民主党議員からバイデン撤退を求める声が上がっていたが、日本も来夏に参院選、来年10月に衆院議員の任期満了が迫り、9月に自民党総裁任期の満了を控える岸田首相に対して党内から公然と「岸田降ろし」を求める動きが出始めた。
バイデン撤退を受け、ネット上は<バイデンの次は岸田首相の撤退><バイデン大統領が撤退を決めたのは、民主主義を守りたいから。裏金まみれの自民党政治も終わるべき。岸田首相も辞めるべき>……などと「岸田もヤメロ」の大合唱なのだが、岸田本人はどこ吹く風。与党議員も「バイデン撤退は健康上の理由。日本の政治状況と違う」などと漏らしていたからクラクラしてしまう。
首相は居座り、周囲は岸田の顔さえすげ替えれば何とかなると考えているだけ。そろって民主主義など知ったこっちゃない。
自分の生き残りのために右往左往しているのだから何をかいわんや、ではないか。
裏金事件の発覚は共産党機関紙の報道から
野党も野党だろう。昨年末に発覚した自民党裏金事件に世論批判が高まり、イケイケドンドンの風が吹いていたにもかかわらず、国会審議では攻めきれないまま。政治資金規正法改正案でも、自民の火事場泥棒的な「ナンチャッテ改正案」を通してしまった。
それでも衆院3補選で全勝し、いよいよ首都の東京都知事選でもと思っていたら惨敗したことがよほどのショックなのか、いまだに「あ〜でもない、こ〜でもない」と迷走している。都知事選は、裏金自民に自ら支援を依頼しながら、すっとぼけて「ステルス支援」を装っていた選挙巧者な小池知事の狡猾さ、策略にまんまとやられただけ。
にもかかわらず、「都知事選では有権者に野党は批判ばかりと受け取られた」「共産党と一緒に活動したから」などとトンデモ論も出ているから驚きだ。「野党は批判ばかり」と思われたのであれば、「与党は法律違反ばかり」と切り返せばよかったではないか。
世論調査の支持率が依然として低く、打つ手なしの状況に焦っているのかもしれないが、そもそも裏金事件が発覚したのは、共産党機関紙「赤旗」の報道からだろう。
つまり、共産を除く他の野党は、いわば「漁夫の利」のような形で与党を追い込む展開となったのに、「共産と組んだから負けた」などと、よくぞ言えたものだ。
繰り返すが、追い詰められたとはいえ、バイデンは民主主義を守るため、専制主義のようなトランプに勝つために撤退を選んだ。そういう「強い覚悟」が日本の政治家には与野党を問わず、どこにも見られないではないか。
元参院議員の平野貞夫氏がこう言う。
「大統領制と議会民主制の二元代表制を取る米国と議院内閣制の日本では政治の仕組みに違いがあるとはいえ、民主主義政治を何とか守ろうとする米国と比べて、日本の国会は何もしていないに等しい。それが如実に表れたのが自民党の裏金事件。あれだけ大量の議員が違法行為に手を染めながら、多くがおとがめなし。これは国会が機能していない証左です。与野党問わず、議員は自分のことばかり。民主主義政治とは何たるかを理解していません」
有権者も真剣に考える時だろう。日本各地で行われている選挙の平均的な投票率は今や5割を下回り、「25%民主主義」などと揶揄される。それが結果的に今の自民暴政につながり、国民の間にあきらめ感が漂う状況となっているからだ。
危機は確実に迫っている。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK295掲示板 次へ 前へ
- 米大統領選「確トラ」から一転…期待高まるハリス旋風 “不人気”から破竹の勢いのナゼ(日刊ゲンダイ):国際板リンク 赤かぶ 2024/7/25 18:05:30
(0)
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK295掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。