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東京都知事選で石丸伸二氏を支持した「意識高い系」の空っぽさ 古谷経衡 猫と保守と憂国
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357399
2024/07/10 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
古谷経衡氏(提供写真)
大番狂わせとはこのことである。都知事選挙で石丸伸二氏が落選したとはいえ、蓮舫氏を約40万票上回る約166万票を取り、堂々の2位に浮上した。本連載「石丸伸二から感じる耐えがたい危うさ」(6月27日付)でも述べた通り、石丸は自己顕示欲や承認欲は旺盛だが、具体的な知識や教養が伴わないため、キラキラした空論しか言えない典型的な「意識高い系」である。石丸の2冊の著書「覚悟の論理」「シン・日本列島改造論」から分かることは、コスパ(コストパフォーマンス)、つまり合理性と効率、損得勘定がすべてであるということだ。とりわけ石丸のコスパ最優先の世界観は都内の若年有権者に響いたと思われる。
損なこと・無駄なことはやらない。得だと思えば最短で結果が出る戦略を実行する。聞こえはよいが、要は弱者切り捨ての正当化であり、自己責任論の亜種である。出口調査では、10代〜30代の若年層から強く支持されたことが明らかになっている。若者に限ったことではないが、いまやコスパとタイパ(タイムパフォーマンス)は社会をハック(うまくやり抜く)するために必須と理解されている。
2時間を超える映画を見ることができず、15分に短縮したファスト映画が横溢し、本や記事を読むことが苦痛なので要点だけをまとめた「見出し記事」で何かを分かった気になる。議論より「論破」が好き。こうした知的怠惰の層は確実に増えており、ユーチューブやティックトックのまとめ動画に触れたのがキッカケで石丸を支持した者も多い。石丸を支持した西村博之氏、堀江貴文氏らのメンツを見れば、支持層の知性水準がおのずと分かろうというものだ。
石丸の大番狂わせは政治不信の結果なのだろうか。否である。既存の政治家が何を言い、何をやり(あるいはやらないか)すら、自分で調べることが面倒で小難しいと考えている人々が石丸を支持した層の主体である。世の中に全く無関心というわけではないが、民主主義に参加する際の最低限度の作法すら身に付けておらず、具体的な知識も持っているわけではない──。こういう空っぽな連中には、「石丸程度」がちょうど良かったというだけではないか。
東京に住み、働いている中産階級の若年層にはこうした「意識高い系」が多い。貧困層ではないが、さりとてエリートではない。社会問題に関心を持っているが、読書習慣がないので議論や討論に参加できるレベルではない。小金儲けが大好きで、投資セミナーやオンラインサロンに積極的に参加する。情報源はネット動画。乏しい情報だけで世の中を知った気になり、それを他者にひけらかすことで自己の優位性を確かめようとする。
石丸はこうした知的怠惰が生んだ結果に過ぎない。明らかに国政を目指す気マンマンの石丸が、仮に参院全国比例で出馬すれば当選は間違いないであろう。「石丸的なモノ」が堕落の象徴として国政で可視化される日は、すぐそこまで来ている。
古谷経衡 作家
1982年生まれ。立命館大学文学部史学科卒。令和政治社会問題研究所所長。「左翼も右翼もウソばかり」「日本を蝕む『極論』の正体」「毒親と絶縁する」「敗軍の名将」「シニア右翼」など著書多数。
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