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東京都知事選で見えたのは…フランスとは逆の「民主主義の危機」だった 西村カリン ニッポン見聞考
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/357469
2024/07/11 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
小池百合子都知事(C)日刊ゲンダイ
イギリス、イラン、フランス、米国、日本……。今年中に、複数の国々で重要な選挙が既に行われたか、これから行われる。
母国であるフランスの国民議会(下院)の総選挙で、予想外に極右の「国民連合」が左派に負けた。日本での東京都知事選で、引き続き、小池百合子氏が選ばれた。蓮舫氏が予想より票を集められなかった結果を踏まえると、政権交代の期待はまだ遠いような気がする。
フランスの選挙活動と都知事選の選挙活動に注目したが、両方とも民主主義の危機の兆しが見えた。
都知事選では、候補者の人数の多さや、ちゃんとした討論会がなかったことがおかしい。今回の都知事選だけでなく、日本のほとんどの選挙活動は、街頭演説、SNSや動画で、一方的に発言するに過ぎない。他の候補者との討論がなく、それぞれの候補者は言いたいことを言い放題だ。誰もその場で反論できない。
議論がないことは、日本の民主主義の危機の最も深刻な証拠だ。マスコミ、特にテレビは全く役割を果たしていない。生放送の番組で、同時か別々に候補者を呼んで、実績や公約を追求していない。インタビューがない。討論会の番組を全く設けていない。「討論」と呼ぶ番組があっても、参加者は順番で話して、誰も反論をしない。
国民は一体どんな材料に基づいて、意識を持って投票するのか、私からするといまだに謎だ。日本の民主主義は、麻酔を受けた民主主義だ。つまり、権力者が嫌なことをしたとしても、動かないし、投票しない国民が多すぎる。諦めているみたい。
フランスは、日本の逆だ。重要な選挙の際に、政治が話題になる。党首たち、候補者などは毎日ラジオやテレビの生放送番組に出演し、鋭い質問を受ける。答えられない候補者は当選しないリスクが極めて高い。マスコミは候補者の履歴や過去の発言などを調べたり、調査したりして報道する。
ただ、討論会などがあまりにも激し過ぎて、ケンカや侮辱につながってしまう。こんな場面も民主主義の危機の証拠だと思う。一部のテレビやラジオは視聴者を増やすために、意図的に政治家にケンカさせる。
総選挙中に少なくとも、51人の候補者らは暴力行為を受けてしまった。民主主義の国では許されないことだ。
西村カリン ジャーナリスト
仏の公共ラジオ「ラジオ・フランス」とリベラシオン紙の特派員。1970年、仏で生まれ、2004年末から20年までAFP通信東京支局特派員。近著に「Japon,la face cachée de la perfection(日本、完璧さの隠れた裏側)」、初の小説「L'affaire Midori(みどり事件)」。
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