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※紙面抜粋
※文字起こし
この2人はもういいんだよ(C)日刊ゲンダイ
裏金国会が閉幕して1週間。大新聞の政治面は総裁選をめぐる自民党内政局についての報道が目立ってきた。
28日は朝日新聞が「石破氏、総裁選立候補へ」と見出しを打ち、〈秋の自民党総裁選をめぐり、石破茂元幹事長が立候補の意向を固めたことがわかった〉〈党勢立て直しのためには世論の支持を受ける自身が立候補するべきだと判断した〉〈近く岸田政権下で自身と同じく非主流派の菅義偉前首相、二階俊博元幹事長らと接触し、連携態勢の構築を急ぐ方針だ〉と伝えている。
その前日の27日には、毎日新聞が「河野氏 総裁選へ意欲」として、〈河野太郎デジタル相は26日夜、自民党の麻生太郎副総裁と東京都内の日本料理店で約2時間にわたり会食した〉〈河野氏は総裁選に出馬する意欲を伝えた〉と報じていた。
27日の読売新聞も麻生と河野の会食に触れ、「自民総裁選 麻生派の動向 焦点」なんて書いていた。
岸田首相の自民党総裁としての任期は9月末だ。任期満了に伴う総裁選は党員票と国会議員票を同数割り当てる、いわゆるフルスペックで行われる。
内閣支持率が2割を切る不人気首相に、党の地方組織から「自らが責任を取るのがトップのあるべき姿だ」などと退陣論が続々と噴出中。それで、「ポスト岸田」を狙うメンメンが蠢き出したというわけである。
始まった主導権争い
一方で、常識的に考えたら再選などあり得ないはずの岸田は、持ち前の鈍感力でヤル気満々だ。自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正をめぐり軋轢が生じた麻生と、25日、2週連続の2人だけのサシ会食。総裁再選へ向け麻生の支援を得るのに必死の様相なのである。
麻生とだけじゃない。岸田は今週、月曜から木曜まで4日連続で自民議員らと会食している。財界人を交え岸田派議員と一席をもうけた他、母校の早大出身の若手議員と酒を酌み交わした。27日は2階建てのスケジュールで、遠藤前総務会長ら衆院1区を選挙区とする議員らと会食した後、森山総務会長とも会食していた。
ドル円相場が37年半ぶりの1ドル=161円台に突入する非常事態となっているのに、円安物価高に苦しむ国民生活より、身内とのメシ食いで総裁選に向けた多数派工作が大事。岸田のアタマの中は、そんなところだろう。
9月までまだ2カ月以上あるが、すでに自民党内は総裁選一色になってきた。この動きをどう見たらいいのか。ジャーナリストの山田惠資氏に聞いてみた。
「自民党内は国会閉会後の内閣改造を警戒していた。しかし、岸田首相が21日の記者会見で、電気・ガス代の補助復活や秋の経済対策などを打ち出しても、世論調査で内閣支持率はさらに下がった。そのため、『これでは岸田首相は総裁選を乗り切れない』とみて、みなが動き出したということ。『ポスト岸田』の主導権争いですよ。総裁選には、河野氏や石破氏の他に、高市早苗経済安全保障担当相や茂木敏充幹事長も意欲を見せている。野田聖子元総務相も手を挙げるのではないか。岸田首相が再選出馬するなら、同じ岸田派の上川陽子外相はない。総裁選に出たい人は先手必勝の動き。そして、非主流派の菅前首相と主流派の麻生副総裁がキングメーカー争いの動きを始めている、ということです」
ちなみに、岸田はきょうで首相在職1000日。戦後8人目の大台達成だ。昨夜、官邸で記者団に「先送りできない課題に引き続き取り組む」と毎度のセリフを吐いていたが、大台達成で、もう十分だろう。
“ニュー自民党”演出のお祭り騒ぎをサポート
鈍感力首相もお引き取りを(C)共同通信社(C)日刊ゲンダイ
大メディアの報道によれば、総裁選のキーパーソンは菅と麻生、ということらしい。
菅は非主流派の代表格。二階や森山とも近い。菅を慕う無派閥の中堅・若手グループもある。
メディアが図解する総裁選に向けた構図で、菅が持つカードは、石破、河野、小泉進次郎元環境相、加藤勝信元官房長官の4人。菅自身がオンライン番組に出演した際、期待感を示していたメンツでもある。ただ、「河野さんは麻生派にとどまっている。派閥解消を訴えてきた菅さんとしては、今のままでは河野さんは推せないだろう」(無派閥議員)との見方もある。
その河野が所属する派閥のボスである麻生が、総裁選に向けた構図のもう1人の主役だ。麻生が持つカードは、岸田、河野、茂木、上川の4人。ものをいうのが、自民党内で唯一、解散しなかった麻生派55人の「数」だ。岸田が麻生との関係修復に熱を入れるのも、茂木が麻生にすり寄るのも、麻生の後ろ盾とともに、総裁選で麻生派の数が欲しいからだ。
しかし、である。裏金事件を受け、岸田が宣言した「派閥解消」はしょせん、形だけのものか。派閥と数の論理ばかりの旧態依然とした政局報道に国民はウンザリだろう。
「ホントですよ。自民党は政治改革を棚上げし、国民そっちのけで権力闘争を始めている。総裁選を盛り上げることで、国民に『政治とカネ』のデタラメを忘れさせようという狙いもある。総裁選をめぐる政局報道が過熱すれば、メディアはそうした自民党の手法に組み込まれてしまうということ。くれぐれもメディアは、『国民そっちのけの権力闘争はおかしい』と言い続けなきゃいけない」(山田惠資氏=前出)
かつてあった「総理経験者は引退すべし」
だいたい、なんでいつまで経っても菅と麻生なのか。「どっちが勝つのか。キングメーカー争いが見もの」といった下世話な興味をそそる面があったとしても、一国の首相を退いた人物が、その後も権力を持ち続けるのは、まともな政治の姿なのか。
2009年の民主党政権前夜、自民党への不信感が頂点に達していた頃には、自民の若手議員らが「総理経験者は引退すべし」と主張する場面もあった。まだあの頃は、自民の中堅・若手にも元気があり、党改革を叫んでいた。今はすっかり、“ボス政治”が大手を振って闊歩している。
よくよく思い出してみて欲しい。岸田を非難する菅はそんな立派な人物なのか。いまの超円安を招いたアベノミクスで日本を貧しい国にし、モリカケ桜で政治を私物化した安倍政権の官房長官だったじゃないか。27日に大阪地裁で文書不開示をめぐる判決が下ったが、「官邸の守護神」と呼ばれた黒川弘務元検事長を定年延長させるため法律の解釈をねじ曲げた政権でもある。
麻生にしたって、派閥存続に固執し、金権政治の改革に後ろ向き。カネのかかる政治を「民主主義のコストだ」とうそぶき、国民感覚との乖離が甚だしい。
大メディアは、まだ菅や麻生を追いかけ回し、醜悪な権力闘争を無批判に垂れ流すのか。結局、そんなメディアが自民をのさばらせ、腐らせてきたのではないのか。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「菅氏にしても麻生氏にしても、この10年、自民党を中枢で動かしてきた人たちです。直接、裏金をもらっていなくとも、何のおとがめなしでいいのか。メディアは総裁選に関する報道にあたって、一度立ち止まるべきなのに、自民党が演出するお祭り騒ぎをサポートしている。“ニュー自民党”へと刷新したかのように見せかける流れをサポートしている。国民はだまされてはいけません」
最新の毎日新聞の世論調査で、次の衆院選後に望む政権として最多は「立憲民主党を中心とする野党連立政権」だ。国民は裏金自民なんて願い下げ。自民党のコップの中の争いにしか関心のない大メディアは、時代錯誤なのである。
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