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裏金事件の陰で進む「戦争ができる国」のための国権強化策 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/341827
2024/06/19 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
「食料供給困難事態対策法」が参院本会議で成立(C)共同通信社
マスコミは、政治資金規正法の抜け穴封じをめぐる岸田政権のドタバタばかりを面白おかしく取り上げているが、その陰で変な法律が次々に国会を通過しつつある。その一つは、食料有事法、正式には「食料供給困難事態対策法」で、14日に参院本会議で自公と維新の賛成で成立した。食料危機が予測される場合に、政府が農家や販売業者に対し米や小麦などの生産・販売計画を提出させ、場合によってその変更を「指示」し、従わないとその“非国民”の氏名を公表したり、20万円以下の罰金を科すという、1942年成立の食糧管理法にも似た主要穀物の国家管理のための禍々しい法律である。
農民の間からも「国家権力による強制で農家の自由を奪うものだ」としてオンラインで反対署名運動が起きたのも当然と言える。
前回の本欄(6月6日付)で「食料・農業・農村基本法」が25年ぶりに改正され、そこでは従来の「食料自給率向上」という政策基調が、「食料安全保障」という「非常時」への備えに関わる狭い概念に取って代わられることの異常さを指摘したが、それがさらに具体的な姿で現れたのがこの食料有事法である。
これは食料だけの話ではなく、例えば5月10日には俗称「高市法案」、正しくは「重要経済安保情報保護・活用法」が、今度は維新だけでなく立憲、国民も賛成して成立している。2013年成立の「特定秘密保護法」では機密保護の対象が一応、外交・防衛分野に限られていたのに対し、この法律はサプライチェーンや兵器などの国際共同開発、インフラなどへのサイバー攻撃といった経済分野を対象に組み込み、しかもそれに関わる者の「身辺調査」の権限を国に与えるものとなっている。
もう一つ言えば、参院で審議中の「地方自治法一部改正案」は、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合」に国が地方自治体に「指示」を出す権限を認めたもので、00年の「地方分権一括法」で明治以来の国と地方の上下関係を否定し「対等協力」の理念を打ち立てたのを否定するもの。よろず「安全保障」最優先、「戦争ができる国」のための国権強化策が野党をも巻き込んで体系的に進められていることを見抜くべきである。
高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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