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裏金維持法制定と都知事選
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2024年6月19日 植草一秀の『知られざる真実』
2024年6月時点で東京都の選挙人名簿登録者数は1151万人。
2000年代に入ってから都知事選は7回実施されているが、その投票率は45%から63%の間で推移している。
最低値は2003年の44.94%(石原慎太郎、2選)、最高値は2012年の62.6%(猪瀬直樹、1選)。
当選者の得票数は、最少が2014年の舛添要一の211万票、最多が2012年の猪瀬直樹の434万票。
今回の都知事選には53人が出馬意思を表明している。
当選するには第1位の得票が必要。
当選するには有効投票数の4分の1以上の得票が必要。
都知事選に立候補するためには300万円の供託金の拠出が必要。
有効投票総数の1割以上の得票がなければ供託金は没収される。
53人が出馬すると43人以上は供託金を没収されることになる。
投票率を55%と想定すると投票総数は633万票になる。
300万票獲得すれば当選すると見られる。
最低でも200万票が必要だろう。
多数の候補者が立候補する見込みだが有力な候補者は現職の小池百合子氏と立憲民主党を離党して無所属で出馬する蓮舫氏である。
現局面での都知事選最大争点は岸田自民政治に対する評定である。
都民が岸田政治に評決を下す。
この視点で都知事選に臨むことが必要だ。
自民党は小池百合子氏を推薦しないが支援する。
自民党東京都連会長の萩生田光一衆院議員が
「都知事選挙に対する東京都連の対応について」
と題する文書を6月14日付で発布した。
ここに、
「小池都知事が出馬する場合は(※2)、自民党は小池都知事への全面支援を行うこと」
(※2)先般6/12に出馬を表明
を都連が6月10日の都連大会に代わる臨時総務会において了承した、
と明記している。
自民党は小池氏を「全面支援」する。
小池氏の裏側に自民党がいる。
その自民党政治に東京都の主権者がどのような評決を下すのか。
これが都知事選最大の焦点である。
昨年秋以降、自民党の巨額裏金不正組織犯罪が明るみに出た。
自民党が組織ぐるみで政治資金規正法を踏みにじり、巨額の裏金を創作していた事実が明るみに出た。
国会は自民党裏金組織犯罪の真相解明に忙殺された。
この重大事件を踏まえて通常国会後半で政治資金規正法改正が審議され、6月19日に改正法が可決、成立した。
しかし、自民党の姿勢は抜本法改正に完全に背を向けるもの。
通称「裏金維持法」と表現されるザル改正法が成立したのである。
パーティー券の公開下限金額を20万円から5万円に引き下げても、企業は金額を小割りにした名義でパーティー券を購入するから何の影響もない。
政策活動費の使途領収書を10年後に黒塗りで公開しても責任を問うことができない。
何の意味もないザル改正法案を国会に提出し、与党の「数の力」で制定を強行した。
国民の怒りは沸騰し、自民党は国政選挙、首長選挙で連戦連敗を演じている。
その延長線上で実施される東京都知事選。
岸田政治NO!と考える主権者は小池氏への投票を拒絶することになる。
しかし、岸田政治NO!と考える主権者にとって重要なことは、小池氏を落選させること。
小池氏を落選させるには他の候補者を勝利させねばならない。
勝利可能性のある対立候補に投票を集中することが重要になる。
蓮舫氏についての評価はさまざまあるだろう。
しかし、最重要目標を考えることが重要。
選挙は戦い。
勝つことに意味がある。
そのための対応を主権者が再確認することが重要だ。
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