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「AIゆりこ」の“不気味さ”の正体は? 小池都知事の「付け焼刃」ぶりを識者が指摘
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/341654
2024/06/15 日刊ゲンダイ
突如デビューを果たした「AIゆりこ」(小池百合子知事のXから)
6月20日の東京都知事選挙の公示日を控え、現職の小池百合子知事(71)が13日、生成AIを使って作り出した動画をX(旧ツイッター)で公開し話題だ。
動画には小池知事そっくりで、緑色のジャケットに身を包んだキャラクター「AIゆりこ」が登場。本人のかつての職業であるニュースキャスターよろしく、デスクに就いたAIゆりこが、これまた本人にそっくりな合成音声で、「これまでの都政での取り組みをわかりやすく広く伝える」(本人のXから)というニュース番組形式の動画だ。
公開されるや、動画視聴者は反応しているが、SNSには《率直に言うと「気持ち悪い…」》などと違和感を覚えたという声や、《AIゆりこ、妙な面白さと不気味さが合わさってて中毒性がある》など、クセになりそうになったという声も出る。
本人に寄せたキャラクターが合成音声ゆえ、時に妙なアクセントでしゃべる姿は珍奇に映ることも確かだが、そもそも今回の動画の「不気味さ」の本質はいったい何なのだろうか。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、「小池知事がどこまでAIの生成動画についての知識を持っているかは分からない」としながらも、こう指摘する。
「AI発展の歴史や開発秘話などを『あまり知らないのでは?』と思われそうな小池知事が、安易に昨今のAIブームに乗っかっているように見えてしまうのが、違和感の本質ではないでしょうか。仮に今回の動画をリリースする前に『小池知事が最近、AIについて勉強しており、AIを研究する学者と対談する』といった動画を公開して、小池知事が政治にAIを利用していくことに真面目に取り組んでいるという姿勢を見せ、その上でAIゆりこをデビューさせていたら、ここまでの違和感は発生しないのでは。このような地ならしをしないでリリースしてしまったため、AIゆりこ自体が『誰かからの入れ知恵』に見えてしまうことも良くないでしょう」
併せて井上氏はこうも語った。
「本来なら自分の口で伝えるべき政策をAIにしゃべらせて、『有権者のどの層から支持されようとしているのか』という狙いが見えて来ないため、結局はどの層にも刺さらない」
これらを総合すると、「AIゆりこ」から漂う違和感の正体は、小池知事がAIを扱うことの「つかみどころのなさ」ということなのだろう。
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