<■3136行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 岐路に立つネット選挙 動画配信主流、警告後も犯行 つばさの党代表ら再逮捕 2024/6/7 21:19 https://www.sankei.com/article/20240607-L4PX2ULW3RPCVF6XD2YP4PBLJI/ 衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、立憲民主党の酒井菜摘氏陣営の選挙カーを追尾するなど選挙活動を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年6月7日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者らを再逮捕した。 事件では、各陣営が突然の妨害に混乱し、警察側が警告を出した後も犯行が続いた。 インターネット選挙解禁から11年。 専門家は 「動画配信が主流になっている」 として、実情に合わせた制度改正の必要性に言及している。 「逃げないでくださーい」「質問に答えるまで追いかけますよー」 2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で、つばさの党から出馬していた根本良輔容疑者(29)らは、前を走る酒井菜摘氏=立憲民主党=の陣営の選挙カーを車で追いかけながら長時間に渡って質問を浴びせた。 更に酒井氏陣営が街頭演説を始めようとした場所で大音量で演説したり、質問を投げ掛けたりし続けた。 陣営は追跡を受け、近くの警察署に避難。 街頭演説の中止を余儀なくされるなど、選挙活動に大きな影響を受けた。 ■候補者立件の前例なし 「公選法に抵触しているか、現場では見極めが難しい事案だ」。 ある警察関係者は選挙期間中の対応について打ち明ける。 ポスター損壊や直接的な暴力の摘発例はあるが、候補者本人が直接罵声や質問で演説を妨害して立件された例はほぼない。 警視庁は2024年4月16日の妨害行為について警告を出したが、その後も犯行は止まらなかった。 ただ、警告を受けた後もつばさの党が同様の行為を繰り返したことが立件に繋がった。 捜査2課は党代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人を逮捕すると同時に、特別捜査本部を設置。 異例の態勢で証拠の収集、分析を続ける。 ■動画配信、想定せず 黒川容疑者らは一連の妨害行為を動画に撮影し、ユーチューブのチャンネル上で配信。 そこから収入を得ていた。 「つばさの党に関しては、そもそも当選するためにやっている活動なのかという疑問がある」 東北大情報科学研究科の河村和徳准教授(政治学)は、こう話す。 平成25年の公選法改正でネット選挙が解禁され、11年が経過し、 「当初は想定していなかった動画配信が主流になった」 「選挙を金儲けや、知名度を上げる道具として利用したい人たちが、ネットを使うことでより出馬しやすくなった」 と分析する。 解禁された当初は 「動画の撮影や公開も難しく、有権者が気軽に見られるような環境もなかった」 と指摘。 現在は動画配信はどの陣営も行っているとして、 「表現の自由を規制することはできないが、お互いの権利を尊重するという観点に立った制度を議論する場が必要」 と話した。「つばさの党」幹部ら逮捕で、妨害抑止へ公選法改正目指す動きも 2024/6/7 19:52 https://www.sankei.com/article/20240607-FXGK7Y2IXRNOPJQRZAPF5HUXBI/ 衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件に関し、与野党は民主主義の根幹を脅かす問題だとみて、公職選挙法違反容疑で再逮捕された政治団体「つばさの党」幹部らの妨害行為を批判している。 再発の抑止と発生時の迅速な対応を可能にするための法改正を目指す動きも出ている。 林芳正官房長官は7日の記者会見で 「選挙は国民が主権者として政治参加する最も重要かつ基本的な機会で、選挙が公正に行われるためには、選挙運動は自由に行われなければならない」 と強調した。 法改正の必要性については政党間の議論に委ねる考えを示した。 与野党では、日本維新の会と国民民主党が議員立法に動いている。 公選法を改正して妨害の法定刑を引き上げると共に、妨害行為を 「著しく粗野・乱暴な言動」 「多数の者による押しかけ」 「演説聴取を困難にする行為」 などと具体的に例示して要件を明確化。 捜査機関は取り締まりを 「迅速に」 執行しなければならないと定める。 維新の音喜多駿政調会長は取材に 「幹部が逮捕されたとはいえ、まだ予断は許さない」 「逮捕されても立候補はできる」 「再発防止のための法改正の必要性は消えていない」 と語った。 法案は今国会中に提出する見通しだ。 自民党の茂木敏充幹事長も2024年5月の記者会見で罰則強化に言及した。 ただ、現行法の枠内で3幹部の立件が実現したこともあり、機運がトーンダウンした面は否めない。 立憲民主党の泉健太代表は2024年6月7日の会見で 「法の策定作業は続けているが、現行法での再逮捕ということもある」 「当面、捜査の状況を見守りたい」 と述べるにとどめた。 「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者ら3人を起訴 衆院東京15区補選、選挙妨害罪で 2024/6/7 16:39 https://www.sankei.com/article/20240607-Y7LC3WVTHBL2HPMLHOKVG4VKM4/ 衆院東京15区補欠選挙で他党の候補者の陣営に対して妨害行為をしたとして、東京地検は2024年6月7日、公選法違反(自由妨害)の罪で、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)、幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)を起訴した。 起訴状などによると、3人は2024年4月16日、補選に出馬していた乙武洋匡氏=無所属=陣営の演説場所に押し掛け、拡声器を乗せた車を乙武陣営の選挙カーに接近させた上、拡声器を使って大音量で質問したり、クラクションを鳴らしたりして選挙の自由を妨げたとしている。 黒川被告ら3人は2024年6月7日、他の陣営に対する妨害容疑で、警視庁捜査2課に再逮捕された。 「つばさの党」3容疑者を再逮捕 衆院15区補選、酒井氏陣営妨害容疑 2024/6/7 14:32 https://www.sankei.com/article/20240607-LQ5344FIYBN2XPXG7XD36E3OXA/ 衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、別の候補者に対しても妨害行為をしたとして、警視庁捜査2課は2024年6月7日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人を再逮捕した。 捜査2課は認否を明らかにしていない。 再逮捕したのは黒川容疑者の他に、同団体幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)。 逮捕容疑は、共謀して2024年4月17日、立憲民主党から立候補していた酒井菜摘氏の陣営の選挙カーを自陣営の選挙カーで20分以上、約3キロに渡り追跡。 スピーカーで怒号を浴びせるなどし、交通の便を妨げたとしている。 また、黒川容疑者と根本容疑者は2024年4月23日、酒井陣営の演説場所で、拡声器で怒号するなどしながらその場にとどまって演説を中止させ、選挙の自由を妨害したという。 「つばさの党」黒川敦彦容疑者ら3人再逮捕へ 衆院東京15区補選、酒井菜摘氏陣営妨害容疑 2024/6/7 5:00 https://www.sankei.com/article/20240607-KFX6TX6M6FPKTHGZACMAZYIGKY/ 衆院東京15区補欠選挙を巡る選挙妨害事件で、別の候補者に対しても妨害行為をした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課が2024年6月7日にも、公選法違反容疑で、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人を再逮捕する方針を固めたことが2024年6月6日、捜査関係者への取材で分かった。 捜査関係者によると、再逮捕するのは黒川容疑者の他に、同団体幹事長の根本良輔容疑者(29)、運動員の杉田勇人容疑者(39)。 黒川容疑者らは補選期間中の2024年4月17日、立憲民主党から立候補していた酒井菜摘氏の陣営が江東区の選挙区内を選挙カーで走行中、自陣営の選挙カーで数十分に渡り追跡。 スピーカーで罵声を浴びせるなどして活動を妨害した疑いが持たれている。 また、2024年4月23日には、酒井陣営が演説を予定していた場所に、黒川容疑者らが選挙カーで乗り付けて妨害したという。 黒川容疑者らは車で追いかけ回す行為を 「カーチェイス」 などと称していた。 酒井陣営は演説が中止に追い込まれた他、執拗な追跡で警察署に避難せざるを得なくなるなどしたとして、被害届を提出していた。 警視庁捜査2課は、公選法違反の疑いで2024年5月13日、千代田区のつばさの党の党本部や関係先を捜索。 2024年5月17日には、補選告示日にJR亀戸駅前で選挙演説していた乙武洋匡氏=無所属=の陣営に近付き、拡声器を使って罵声を浴びせ、乙武陣営の演説を聴衆に聞こえなくするなどしたとして、3容疑者を逮捕した。 日本保守党初陣の舞台裏を明かす Hanada2024年7月号 日本保守党代表 百田尚樹 日本保守党事務総長 有本香 (前略) ■小池はアメリカ大統領か! ★百田 創価学会の女性部が、乙武さんの女性問題に嫌悪感を示して投票しなかったと言われていますね。 しかし、小池さんと言えば、最終盤に入った日の動画をネットで見たんですが、まあ凄まじかった。 とんでもない数の警察官、SPを動員しての厳重警戒! 3車線の道路を何百メートルにも渡って警視庁がバリケードで封鎖する等、 「アメリカ大統領か!」 というぐらいの警備でした。 我が党だけでなく、維新の会も立憲民主党も参政党も 「選挙妨害」 を受け警察に何とかしてくれとお願いしても見て見ぬ振りに近い対応でした。 そんな無法地帯の中、乙武さん陣営だけは言わば特別扱いでした。 小池さんが警視総監に 「何とかして」 と頼んだとか。 ★有本 今回の選挙戦で、私たちも大きく目算を狂わされたのが、あの 「妨害」 ですね。 選挙戦の後半、告知しての街宣ができなくなったばかりか、我が党ならではの多士済々の応援弁士をお願いする予定だったのですが、断念せざるを得ませんでした。 警備についてですが、もちろんSPなど要人警護の対象ではあります。 しかし、まさにアメリカ大統領でも来るのかという異常なまでの厳重警備に、違和感を覚えた地元住民の方も多かったと思います。 この様子を見て、都議会議員の上田令子さんがXにこう投稿しています。 「都知事ならば、自分と乙武氏だけではなく全ての候補者の安全を守るべき 可哀そうなのはアテクシだけでいい」 まさにその通りで、警視庁を指揮する立場にある都知事ならば、全陣営に対して警備を要請すべきところを、自分の関係する陣営だけ厚く警護してもらうというのは如何なものかと思います。 自分ファーストを超えて、自分オンリーですからね。 ■安倍総理の地元でも被害に ★百田 今回は一部を除く大半の陣営が被害を受け、予定していた街宣活動ができませんでした。 このことが選挙戦に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。 特に、組織票のない日本保守党は街宣活動が東京15区の人たちに直接訴えかけることのできる最大の手段でした。 しかも9人の候補者の中で、我々が最も聴衆を集めていた。 言わば唯一のアドバンテージを奪われてしまったことは、大変な痛手でした。 ★有本 今回のような酷い妨害が罷り通ってしまうのは、民主主義の危機です。 公職選挙法の明らかな欠陥であり、早急に法改正が求められます。 ただ、この件に関して私自身、迂闊だったことがあります。 それは、2017年秋に行われた衆議院選挙の時に、同じような妨害活動を目の当たりにしていたのを忘れてしまっていたことです。 前年の2016年に東京都知事に当選した小池さんは、2017年に希望の党を立ち上げ、人気を博していました。 選挙で自民党は大幅に議席を減らすのではないかと見られていた時です。 ★百田 あの時は、朝日新聞をはじめメディアが連日のように 「モリカケ報道」 で安倍政権叩きを行っていました。 その結果、安倍政権の支持率は下落していた。 結果的に、小池さんの 「排除宣言」 によって希望の党は失速しましたが、一歩間違えば安倍政権は総選挙に敗北して退陣の危機すらあった。 ★有本 まさにあの時の総選挙で、私は安倍さんの地元、山口4区に行きました。 もちろん、安倍さんは現職の総理ですから自身の地元に入ってはおらず、昭恵夫人と支援者の方が選挙戦を闘っておられました。 その最中、安倍陣営の選挙カーを尾け回し、個人演説会の会場付近で拡声器を使い、安倍陣営の演説が聞こえないほどの大音量で 「アベの友達を優遇する政治は許せん!」 などと叫んでいたのが、今回の”つばさの党”の黒川敦彦氏です。 あの時も、黒川氏は山口4区から立候補していました。 ★百田 7年前(2017年)から、今回と同じような活動を行っていたのですね。 ■山本太郎と繋がっていた ★有本 そして、その時(2017年秋に行われた衆議院選挙)、黒川氏と行動を共にしていたのが、れいわ新選組の山本太郎氏です。 産経新聞が当時のことをこう報じています。 首相夫人を「囲め」 ツイッターに非常識な書き込み、荒れる山口4区 2017/10/13 11:40 https://www.sankei.com/article/20171013-ZEGCSJCOHRIEBAO4BFGEYC4ZFM/ <安倍晋三首相(自民党総裁)のおひざ元、山口4区の選挙が、荒れている> <安倍氏をはじめ5人が立候補したが、一部候補によるネットへの非常識な書き込みなど、安倍首相の落選運動の様相を呈している> <「10月10日のボランティア急募 初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」> <公示前の7日、無所属新人の政治団体代表、黒川敦彦氏(39)は、ツイッターにこう書き込んだ> <黒川氏は、加計学園の獣医学部開設を問題視し、同区からの出馬を決めた> <安倍氏の陣営は、首相夫人の昭恵氏に危険が及びかねないと心配し、警察に警備について相談した> <その黒川氏は公示日、安倍首相の出陣式の会場に、参院議員の山本太郎氏(42)とともに姿を見せた> <黒川氏らは、昭恵氏に近寄ると、「申入書」と題した紙を手渡した> <安倍首相との合同演説会の開催を要請したものだという> <この様子を山本氏は、ネット中継した> <集まった報道陣も黒川氏らに群がった> <安倍首相の後援会幹部は「実質的な妨害だ」と憤った> ★百田 2017年当時、山本太郎氏と黒川氏は繋がっていわわけですか。 そう言えば、今回の東京15区補選では、山本太郎氏が応援した須藤元気氏に対してだけは、妨害活動が行われませんでした。 少し見えてきましたね。 選挙活動を通常通り行うことのできた須藤氏は、事前予測を大きく上回る2位と大健闘しました。 ★有本 無所属の須藤氏が今後どのような政治活動をするのかは分かりませんが、山本太郎氏の応援を得たことを見れば、れいわ新選組と密接な関係を築く可能性はありますね。 (後略) 憲法21条は、選挙演説に対するヤジを保障などしていない。 表現の自由であっても、公共の福祉に反する場合は許されない。 つばさの党などの活動家がやっている行動は、【国民の聴く権利・知る権利】や【候補者が演説で行う言論の自由】を妨害して【公共の福祉】を侵害する公職選挙法225条「選挙の自由妨害罪」に当たる【犯罪行為】だ。 法治国家においては絶対に許されないし、許すべきではない。 前代未聞 選挙妨害を擁護 裁判官と朝日が日本を滅ぼす! ”民主主義の敵”と化した高学歴エリートたちの「驕り」と「自惚れ」 WiLL2027年7月号 作家・ジャーナリスト 門田隆将 政治学者 岩田温 ■前代未聞の選挙妨害 ★門田 民主主義が危機に晒されています。 衆院補選では、前代未聞の事態が起こりました。 東京15区における”選挙妨害”です。 政治団体「つばさの党」の黒川敦彦代表と根本良輔氏が、他候補の街頭演説を妨害する卑劣な行為を繰り返した。 根本氏は自らの手法を”カーチェイス街宣”と称している。 ★岩田 「つばさの党」は他候補の選挙カーを追い回した挙げ句、演説会場ではスピーカーを用いて大声でがなり立てていた。 醜悪な光景です。 選挙においては、たとえ主張や立場が異なっていても互いに健闘を祈るものです。 選挙カーがすれ違ったら、本当は思っていなくても 「頑張りましょう!」 と声を掛ける慣習があります。 法律やルールでは定められていない紳士協定=暗黙の了解ですが、「つばさの党」はそれを破った。 超えてはならない一線を越えてしまった。 ★門田 2017年の東京都議選の選挙妨害が始まりです。 投開票の前日、当時の安倍総理は秋葉原駅前で最後の演説に臨んだ。 その時、左翼活動家らが1時間以上に渡り 「安倍やめろ!」 「帰れ! 帰れ!」 と連呼。 演説を聴きに集まった有権者は全く演説を聴けなくなった。 安倍氏は活動家らに向かって、 「演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」 「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」 と反論した。 ★岩田 朝日新聞などのマスコミは、安倍元総理の 「こんな人たち」 という部分だけを切り取って批判し続けた。 <異論に不寛容で、批判を敵視する姿勢は安倍政権の特徴の1つだった> <自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された> <自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は「友と敵」を分ける安倍首相の政治手法の象徴> 選挙妨害を擁護した朝日新聞は”民主主義の敵”に他ならない。 ■裁判官が日本を滅ぼす ★門田 マスコミと共に、民主主義破壊の元凶となったのが札幌”ヤジ連呼”訴訟です。 2019年の参院選前、安倍元総理が札幌で演説していました。 その時、 「安倍辞めろ!安倍辞めろ!」 などと大声でヤジを連呼していた活動家を北海道警が排除。 彼らは”表現の自由”を侵害されたとして、北海道に損害倍書を求めた。 札幌地裁では道警側が全面敗訴しました(2022年3月)。 裁判長は廣瀬孝氏(現・東京高裁判事)です。 ★岩田 札幌高裁は男性の訴えは退けましたが、道警による女性の排除は違法と判断している(2023年6月)。 ”表現の自由”を守ることは重要ですが、あくまで常識の範囲内という注釈が付く。 有権者の”聴く権利”を侵害してまで認められるものではない。 狂っています。 ★門田 選挙というのは民主主義の根幹です。 有権者は政治家の演説に耳を傾け、投票の判断材料にする。 活動家がやっていることは、国民の”聴く権利”を侵害しているだけでなく、民主主義の根幹をも揺るがす犯罪なのです。 裁判官が守るべきは社会の「安全」と「秩序」と「正義」なのに、廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)は真逆の事をした。 つまり、国家や秩序を崩壊させる側を助ける 「左翼裁判官」 なのです。 愚かな判決を下した廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁、現・東京高裁判事)に尋ねてみたい。 「あなたは一体、何をするために裁判官になったのですか?」 と。 ★岩田 警察による”ヤジ排除”が違法という判例が出たことにより、現場の警察官は動きにくくなった。 今回の補選で言えば、警視庁が「つばさの党」を排除したら、東京都が賠償請求されかねない。 訴えられるだけならまだしも、裁判に負ける可能性が高い。 活動家には判例という巨大な後ろ盾がありますから。 ■警察幹部は責任を取れ ★門田 公職選挙法には 「選挙の自由妨害罪」 が規定されている(225条)。 「つばさの党」による行動は当然、公選法に違反している。 本来であれば、羽交い絞めにしても排除すべきです。 でも、下手に手を出せば訴訟沙汰になり、負ける可能性もあるのです。 現場の警察官は悔しいでしょうね。 目の前で明らかな”犯罪”が行われているのに、何も出来ないわけですから。 これは、警視総監が 「摘発せよ。オレが責任を取る!」 とだけ言えば済む話です。 しかし、保身だけの警察首脳にそんな勇気があるはずがない。 民主主義が滅びるか滅びないかの瀬戸際にあるのに、 「訴訟になると面倒臭いから手を出すな!」 と現場に命じているわけです。 ★岩田 選挙の2週間後、警視庁は「つばさの党」本部などを家宅捜索。 その数日後、代表の黒川氏や根本氏ら3人が逮捕されました。 ★門田 秋葉原”安倍辞めろ”事件や札幌”ヤジ連呼”合法判決などの悪しき流れは変わるかもしれない。 とはいえ、警察の動きは遅過ぎる。 警察幹部は 「公正な選挙に反するもので看過できない」 と述べていましたが、今更何を言っているのか。 選挙はとうに終わっている。 ”覚悟なき警察幹部”に怒りを覚えます。 ★岩田 選挙妨害を放置したままでは、国民が怒りの矛先を「つばさの党」や札幌地裁だけでなく、警察に向けかねない。 警視庁は”選挙妨害は絶対に許すまじ”という世論に突き動かされたのかもしれない。 ★門田 警察官僚というのはエリート中のエリート。 東大法学部在学中にキャリア試験に受かり、狭き門を突破した選ばれし者たちです。 繰り返しになりますが、言わせてほしい。 「あなたは一体、何を守るために警察官になったのですか?」 と。 ★岩田 常識が失われつつある。 日本ではエリートになればなるほど左傾化が強まり、無責任体質となり、常識を忘れてしまう。 ■「暗殺が成功して良かった」 ★門田 その延長線上に、安倍元総理の暗殺がある。 安倍元総理の「こんな人たち」発言を叩きまくったメディアと、札幌ヤジ合法判決を出した裁判官【廣瀬孝裁判官(2022年3月当時札幌地裁)】。 彼らが安倍元総理暗殺の土壌を作り上げた。 ★岩田 安倍政権を批判するためなら”何でもアリ”という空気が醸成されてしまった。 極め付きが山上達也によるテロであり、テロリストを礼賛する風潮に他ならない。 法政大学教授の島田雅彦氏はその典型です。 島田氏は安倍元総理の死を念頭にこう言い放った。 「今まで何ら一矢報いることができなかったリベラル市民として言えば暗殺が成功して良かった」 自分たちがいくら安倍政権を批判しても、自民党は選挙で勝ち続ける。 積年の鬱憤を晴らすために、暴力という禁断の最終手段に打って出たわけです。 ★門田 社会学者の宮台真司氏も暗殺を”世直し”と表現しましたね。 「安倍というのは、ある種の日本の切り口であってね、日本全国どこを切っても安倍の顔なんですよ」 「上を忖度するヒラメ、横をキョロキョロ見るキョロ目の空っぽな人間たちが無様に蠢いている」 「(今回の事件は)機能としては世直しとして機能している」 安倍元総理の国葬儀が執り行われた当日、山上徹也をモデルにした映画が公開されました。 監督を務めたのは足立正生氏。 重信房子が率いた日本赤軍に合流して、手配された経歴もある。 宮台の”世直し”発言は、この映画の試写会で飛び出した。 「気に食わない人間は、殺されても構わない」 という考えは、左翼の本質をよく表している。 全体主義とは、要するに思想の統一です。 それを実現するためには、どんな手段を使ってでも異論を排除しなければなりませんから。 ★岩田 レーニン主義者を自称する白井聡氏も、国葬儀に反対する集会でテロを肯定しています。 「暴力でなければ変えられないような状況を私たちが作ってしまった」 「テロが起きる前、我々の日本社会は腐り切り敗北していた」 「国葬は私たちの敗北していた社会を有耶無耶にし、否認することになる」 「許してはならない」 被害者は安倍元総理で、加害者はテロリストの山上徹也。 何があっても、この構図は変わりません。 ところが、マスコミの手にかかれば被害者と加害者が逆転する。 「山上という純朴な青年を苦しめた統一教会、安倍元総理こそが加害者である」 という風に。 マスコミこそが、安倍元総理が殺された原因を作った張本人です。 にもかかわらず、何も反省していない。 ★門田 反省するどころか、彼らは”してやったり”とでも思っているでしょうね。 思い出されるのが重信房子が出所した時のことです。 ”出所祝い”には、ジャーナリストたちが嬉々として駆け付けました。 TBS「報道特集」メインキャスターだった金平茂紀氏、同じくTBS「サンデーモーニング」コメンテーターの青木理氏らです。 その週の「報道特集」では、重信房子の出所が大々的に報じられました。 金平氏が 「外へ出て一番感じることは?」 と尋ねると、重信は 「政治が一方向に流れている」 と答えた。 ”政治の方向”を変えるために、再びテロを起こすつもりなのかー。 嫌な予感がしたものです。 そして、現実のものとなった。 この番組が放送された1か月半後の2022年7月8日、安倍元総理が暗殺されました。 ★岩田 維新の会は「つばさの党」騒動を受け、公職選挙法の改正案を示しました。 選挙妨害の具体的な行為として、 「著しく粗野又は乱暴な言動」 などを明記。 演説妨害を 「聴衆が演説を聴取することを困難にする行為」 具体化した。 維新の会は「つばさの党」の被害者でもある。 ★門田 維新案に反対したのが社民党の福島瑞穂氏です。 「憲法21条が保障しているヤジとの関連が不明確」 「表現の自由が侵害されるのではないか」 と。 民主主義を破壊したい”革命勢力”の正体をまさに見せましたね。 ★岩田 マスコミもその一味です。 連日のように選挙妨害を取り上げますが、ワイドショーではタレントが「つばさの党」を擁護する場面があった。 その一方で、選挙妨害を批判するコメンテーターもいる。 いずれにせよ、マスコミはクズの集まりです。 彼らに論評する資格などありません。 ヤジなどの演説妨害や他の選挙妨害は迷惑行為であり、言語道断の犯罪行為だ。 ちなみに拡声器によるヤジも肉声によるヤジもどちらも犯罪行為だ。 犯罪者にはそれ相応の罰を与えなければならない。 現在の公職選挙法で適正に取り締まれないのであれば、公職選挙法の改正が必要だ。 反安倍メディアこそ演説妨害問題の元凶 Hanada2027年7月号 ブロガー 藤原かずえ ■遂に家宅捜索まで進展 2024年4月28日投票の衆議院補欠選挙東京15区では、9人の候補者が乱立し、開票の結果、酒井菜摘氏(立憲民主党・新)が当選しました。 この東京15区の選挙戦は、社会で大きな話題となりました。 それというのも、つばさの党の公認候補の根本良輔氏と党代表の黒川敦彦氏をはじめとする党員数名が、他候補の遊説場所に連日乗り込んで、演説に重ねて大音量で質問を行うことで、演説の聴き取りを困難にしたからです。 これらの行為の一部始終については、つばさの党自身の手によって動画が撮影され、X・YouTubeといったSNSを通して逐次配信されました。 2024年4月18日に、警視庁は亀戸駅前における乙武陣営の街頭演説中、約50分間に渡って近くで大音量の演説を行った行為や車のクラクションを鳴らした行為などに選挙の自由妨害の疑いがあるとして、根本氏・黒川氏ら3人に対して警告を出し、2024年5月13日、警視庁はつばさの党を家宅捜索するに至りました(その後、2024年5月18日、幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)が他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕された)。 一連のつばさの党の党の行為について、他候補やその陣営はもとより、多くのメディアも 「選挙妨害だ」 と訴えました。 NHKは、開票後の2024年4月30日に他候補の声を報じています。 ★酒井菜摘氏 危険を感じるような場面もあり、本当に怖かった。 演説の日時を公表できず、区民に届けられなかったことが申し訳ない。 ★乙武洋匡氏 各候補の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは、非常に残念で許し難い。 今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら、何らかの法改正をしていくべきだ。 乙武候補の応援に駆け付けた小池百合子東京都知事は、2024年4月19日の定例会見で次のように述べています。 ★小池百合子氏 これまでに経験したことがない選挙妨害が発生している。 非常に憤りを感じている。 選挙の在り方について、法律上見直して頂きたい。 また、立憲民主党の蓮舫議員は、Xで次のように述べています。 ★蓮舫氏 私たちは昨日、地元の警察署前で街宣車を止め、スタッフが警察署に駆け込み相談をしている間にこの人たちに車の窓を叩かれ暴言を浴びせられ、動画を撮られていました。 警察の対応が遅くて怖かったです。 でも、負けない。 ■確信的な妨害行為 一方、つばさの党側は、SNSや動画サイトを通して次のように主張しています。 ★黒川敦彦氏 警告は、小池たちの亀戸の演説に対して僕らが演説を被せたということが違法だと。 私たちは調べたが、判例はない。 だって我々も選挙に出ているから。 あくまで小池陣営の演説と我々の演説は法律的は等しい。 かつ、我々の演説を聴いている人もそこにいるので、これは絶対に間違っていると思う。 (2024年4月23日) ★根本良輔氏 なぜ、こういう活動をしているか、まず説明していきたい。 シンプルに合法だからですね。 警察署・総務省としっかり確認を取って、合法の範囲でこういう活動をしています。 過去の判例もしっかり洗った上でやっています。 しっかり合法の範囲でやっているというのは、皆さん理解して頂きたい。 たくさんの皆さんに興味を持って頂いたので大成功に終わった、と思うところです。 (2024年4月27日) ★黒川敦彦氏 僕らは選挙に出ているので、例えば小池百合子氏や乙武氏の演説会と僕らの演説会がバッティングして、僕らも基本的に質問に行っているのです。 政治家が答えづらいことを僕らは聴きに行ったのです。 それに対して、『もっとやれ』という声は明確にあります。 (中略) 犯罪行為ではない。 質問に行っているだけなので答えればいいのです。 ちゃんと反論すればいいのです。 (2024年4月27日) つばさの党は、明らかに確信的な意図を持って当該行為を行っています。 彼らは、行為の合法性についての理論武装を固めると共に、法の下の平等を主張し、あくまでも自らは質問をしているという外形上の体裁を整えています。 ただ、この行為はたとえ合法であっても、民主主義を根幹とする憲法の精神には反しています。 演説を聴くことができない社会では民意を反映できないため、民主主義が成立しないからです。 ここで、演説妨害に関する法的背景について簡単に紹介したいと思います。 ■演説妨害の法的背景 議員等を公選する選挙について定めた【公職選挙法】の目的は、憲法の精神に則り、選挙人(有権者)の自由な意思によって選挙が公明かつ適正に行われることを確保し、これをもって民主政治の健全な発達を期することです。 選挙妨害行為については、225条(選挙の自由妨害罪)に定められており、今回の事案に関係するのは次の2項です。 一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。 二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。 また、226条(職権濫用による選挙の自由妨害罪)では、警察を含めた公務員等が故意にその職務の執行を怠る、又は正当な理由がなくて公職の候補者若しくは選挙運動者に追随し、その職権を濫用して選挙の自由を妨害する行為を罪としています。 選挙妨害に関連した裁判所の判例も存在してます。 ★最高裁判所 「仮に所論のように演説自体が継続させられたとしても、挙示の証拠によつて明かなように、聴衆が聴き取ることを不可能又は困難ならしめるような所為があつた以上、これはやはり演説の妨害である」(1948年) ★大阪高等裁判所 「選挙演説に際しその演説の遂行に支障を来さない程度に多少の弥次(やじ)を飛ばし質問をなす等は許容」 「他の弥次発言者と相呼応し一般聴衆がその演説内容を聴取り難くなるほど執拗に自らも弥次発言或いは質問等をなし一時演説を中止するの止むなきに至らしめるが如き行為に至らなければ公職選挙法上の演説妨害罪は成立しない」(1954年) 聴衆が演説を聴き取ることを不可能または困難にする行為は 「演説妨害」(最高裁) ですが、演説を中止せざるを得ない限り 「選挙妨害罪」 は成立しない(大阪高裁)とするものです。 この法的判断には、論理的な問題があります。 ■大阪高裁が知る権利侵害を容認 【表現の自由freedom of expression】 の名の下に何者かが演説に被せて大声を出せば、少なくともその周辺の聴衆は演説を聴き取るのが困難になります。 選挙演説の内容は公選に資する公的情報であるので、周辺の聴衆は公的情報へのアクセス権である 【知る権利right to know】 を侵害されたことになり、これによって演説者も 【言論の自由freedom of speech】 を侵害されたことになります。 演説妨害は、自らの表現の自由を行使するために他者の言論の自由あるいは知る権利を侵害するという 【公共の福祉public welfare】 に反する行為であり、演説妨害を合理的に制限することは、憲法の精神に適うものです。 しかしながら、妨害の可否を定性的な判断に委ねる大阪高裁の曖昧な文言は、知る権利を侵害することを事実上容認しています。 というのも、実際の現場において、妨害の有無という極めてデリケートな判断を公権力が行うことは事実上困難であるからです。 演説者が妨害を根拠に演説を中止した場合、その妨害の立証責任は演説者に求められます。 そのような労力を要する可否の不明な権利を求めて演説を中止するインセンティブは、少しでも多くの有権者にアピールしたい選挙期間中の陣営には存在しません。 また、今回のケースのように、妨害者が私人ではなく選挙の候補である場合には、更に問題は複雑です。 妨害者の主張も、外形的には公選に資する公的情報であり、これを公権力が制限することは、職権濫用による選挙の自由妨害罪に当たる可能性があるからです。 警察が職権職務を遂行するに当たっては、警察官職務執行法(警職法)に従う必要があります。 この法律の中で、演説妨害者を移動させる根拠となるのは、第4条(避難等の措置)と第5条(犯罪の予防及び制止)しかありません。 即ち警察官ができることは、演説妨害者が周辺の聴衆から危害を受ける恐れがある場合に演説妨害者を避難させる(第4条)、あるいは演説妨害者の自由演説妨害行為により演説者側に危険が及ぶ恐れがある場合にその行為を制止する(第5条)という2つしかありません。 しかしながら、今回のケースのように、暴力行為を受けた場合の証拠を残すために動画撮影している演説妨害者に対し、周辺が危害を与える可能性は低く、また暴力を振るわないことを確信的に宣言している演説妨害者を予防で排除することも不可能です。 以上のように、日本の司法(裁判所)と行政(警察)は演説妨害者の【表現の自由】に寛容であり、演説者の【言論の自由】及び有権者の【知る権利】には冷淡です。 また、立法(議員)はこの問題の解決に消極的であり、時に都合よく政治利用しています。 また、一部マスメディアは、特定政治家に対する演説妨害行為を正当化してきました。 その象徴的な事例が、安倍晋三氏の街頭応援演説に対する2件の妨害事案です。 ■演説妨害者を正当化 2017年7月2日投開票の東京都議選における安倍晋三自民党総裁の秋葉原演説では、組織的な呼び掛けに集まった大群衆が 「安倍やめろ」 「帰れ」 と大合唱し、執拗に安倍氏の演説を掻き消しました。 安倍氏はこの組織的な妨害者に対して、演説で次のように講義しました。 ★安倍晋三 皆さん、あのように人が主張を訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしません。 私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたいのです。 憎悪からは何も生まれない。 相手を誹謗中傷したって、皆さん、何も生まれないのです。 こんな人たちに、皆さん、私たちは負けるわけにはいかない。 都政を任せるわけにはいかないじゃありませんか。 この一連の発言を素直に解釈すれば分かるように、安倍氏の抗議は、演説に重ねて大合唱することで演説の聴き取りを困難にした演説妨害者に対して向けられたものでしたが、一部マスメディアは安倍氏の発言から 「こんな人たちに負けるわけにはいかない」 という部分だけを切り取って認知操作することで、安倍氏を徹底的に非難すると同時に、演説妨害者の行為を正当化したのです。 ★朝日新聞 東京都議選最終日の秋葉原駅前。 自身に抗議する人たちを指差し、 『こんな人たちに負けるわけにはいかない』 と叫ぶ安倍晋三首相の姿に溜息が出た。 またか。 (中略) 大体、批判を連呼しても主権者じゃないか。 この剥き出しの敵意、何なのか」 (2017年7月10日) ★毎日新聞 安倍晋三首相は学校法人森友学園や家計学園の問題で不信を招いたとして、国民への丁寧な説明を約束している。 ところが(2017年7月)1日の東京都議選遊説では聴衆の「辞めろ」コールを 『こんな人たちに負けるわけにはいかない』 と激高した。 国会で今後、丁寧な説明を期待できるのか」 (2017年7月3日) ★テレビ朝日・玉川徹氏 『こんな人たち』 というのも問題だけど、その後に 『負けるわけにはいかない』 と言っている。 負けるというのは勝ち・負けだ。 勝ち・負けということは敵・味方だ。 だから 『こんな人たち』 は敵だ。 少なくとも、敵と思っている人も国民だ。 その国民の意見を自分たちの方に向かわせる力量がなかったから、政治家としてダメだ。 選挙は勝ち負けというが、総理なんだから。 (2017年7月4日) この演説会において、大群衆が大合唱した表現である 「安倍やめろ」 「帰れ」 というヤジは政治的な意見表明ではなく、演説者に対する恫喝的な命令です。 論理的に言えば、演説を最後まで聴くことなく 「安倍やめろ」 「帰れ」 と命令するのは、言論に対する評価を根拠とする行為ではなく、論者に対する嫌悪を根拠とする言語道断の迷惑行為です。 ■「こんな人たち」の真意 【表現expression】は、【言論argument】の要素と、【非言論non-argument】の要素で構成されていますが(芦部信喜:あしべのぶよし『憲法』)、 「安倍やめろ」 「帰れ」 は、上述の理由から、「非言論」の要素です。 つまり、大群衆は「表現の自由」の名の下に、「非言論」で「言論」を掻き消すことで、公選の投票判断に資する政治家の「言論の自由」と聴衆の「知る権利」を侵害したのです。 これは、公共性のない私的な承認欲求を優先して公共の利益を毀損する「公共の福祉」に反する行為です。 一部マスメディアの極めて大きな勘違いは、「非言論」による演説妨害を「言論」と混同している点です。 安倍氏の言う 「こんな人たち」 は、安倍氏と政治的意見の異なる主権者・国民を指したものではなく、迷惑行為を働く演説妨害者を指したものであり、民主主義国家の政治家として 「負けるわけにはいかない」 と宣言することは、憲法の精神に合致するものです。 一部マスメディアは、安倍氏が総理大臣という権力者であったことをもって発言を非難していますが、それならば、つばさの党の 「選挙妨害」 に 「憤りを感じている」 と述べた東京都知事の小池百合子氏に対しても、 「つばさの党の党員も都民じゃないか」 「この剥き出しの敵意、何なのか」 「演説を邪魔する行為と激高した」 「少なくとも敵と思っている人も都民だ」 などと非難しなければ、公平ではありません。 警視庁は、東京都知事が所轄する東京都公安委員会によって管理されています。 むしろ東京都では、安倍氏よりも小池氏の権力の方が大きいのです。 一部マスメディアの態度は、ダブルスタンダードに溢れています。 特に欺瞞に溢れているのは、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』の玉川徹氏です。 ★玉川徹氏 法律に違反していないなら何をやってもいいという考え方を良識ある有権者が受け入れると思うか、という話だ。 紳士協定が慣例になっているが、それは色々な候補の声が届くようにしようと。 どんな政党だってどんな候補だって、そういう風にしてやっている。 法律に違反していなければ他人にどんな迷惑を掛けてもいいんだというそういう風な人たちは、国民の中で大きな支持を得られるとは僕は思わない。 (2024年4月29日) 玉川氏の言う 「そういう風な人たち」 は、安倍氏の言う 「こんな人たち」 と同じで、他人にどんな迷惑を掛けてもいいと思っている迷惑千万な演説妨害者です。 こんな白々しい欺瞞に溢れるダブル・スタンダードはありません。 ■蓮舫のダブスタ発言 野党政治家も、マスメディアに同調しました。 当時、民進党代表だった蓮舫氏は安倍氏を徹底的に非難し、安倍氏が演説妨害者に謝罪するよう求めました。 ★民進党・蓮舫代表 国民をレッテル貼りして、自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵で常に戦う。 それを総理大臣がやるということは 『1億総活躍』 『皆が活躍できるチャンス』 と言っていることは実は建前で、本音は敵・味方。 自分に良い人だけを支援すると受け止められかねない発言なので看過し難いし、これこそ訂正あるいは謝罪を求めていく。 私は暴言・批判・ヤジを含めて、様々なコールを受けたことは何度もある。 でも、私は双方向で政治をしたい。 色々な意見を持っている人に向き合うのは政治家の仕事だ」 (2017年7月6日) 安倍氏は、蓮舫氏のように 「自分に良い人は味方、自分に悪い人は敵」 などと宣言していません。 安倍氏は、民主主義の破壊者である演説妨害者に 「負けるわけにはいかない」 と宣言しただけです。 党利党略のために国民を感情的に煽動して二分する 【ストローマン論証strawman argument:ストローマン論法とは議論が平行線を辿る卑怯戦法の対処法】 https://hamwrite.com/strawman-argument に他なりません。 尚、蓮舫氏はこの時の主張に従えば、つばさの党も 「色々な意見を持っている人」 であるはずです。 蓮舫氏は、そのつばさの党の行為を 「選挙妨害」 と断じ、その質問を受けることなく警察に通報し、 「警察の対応が遅くて怖かった」 と守ってくれた警察に文句を言った上で、最後には 「でも、負けない」 とつばさの党を敵認定しました。 蓮舫氏は、自分の過去の発言に責任を持って、つばさの党に謝罪すべきです。 いずれにしても、安倍氏秋葉原演説の件は日本における過去最大の演説妨害と言えます。 この妨害行為が問題視されないどころか、むしろ正当化されてきたのですから、日本の現行制度で演説妨害を止めることは実際上不可能です。 このような悪質な演説妨害を無責任に正当化してきたマスメディアや政治家こそ、今回のつばさの党の行動を可能にした元凶に他なりません。 これらの論調に多くのマスメディアが同調した結果、安倍氏は演説妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない 「ステルス遊説」 と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。 ■ヤジの2人を英雄視 2019年参院選における安倍氏の札幌演説(2019年7月15日)では、 「安倍やめろ」 「帰れ」 という大声を演説に被せた男女2人を北海道警察が移動させるという事案がありました。 2人のうち男性は、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなど演説者を執拗に威嚇しました。 秋葉原の演説妨害に比べて小規模ではあるものの、この騒動によって、周辺の人々の 「知る権利」 は明らかに侵害されました。 この事案に対しても、一部マスメディアは徹底的に警察を非難し、ヤジを正当化したのです。 ★朝日新聞 政治家による街頭演説は、支持者だけではなく、様々な考えを持った幅広い聴衆に向けられるものだ。 ヤジも意思表示の1つの方法であり、これが力ずくで排除されるようになれば、市民は街頭で自由に声を上げることができなくなる。 (2019年8月29日) 政治家の仕事は、街頭でヤジを浴びることだろう。 浴びる機会を警察が奪ってどうする。 (2020年2月16日) ★毎日新聞 仮に今回、北海道警が政権への忖度を理由に聴衆を排除したとすれば、警察の政治的中立性に疑問符が付くことになる。 (2019年7月20日) 2020年2月2日には、HBC北海道放送が、警察に移動させられた2人を一方的に英雄視して警察を悪魔化するようなドキュメンタリー番組 『ヤジと民主主義〜警察が排除するもの』 を放映しました。 日本のメディアは、この番組に対して、ギャラクシー賞、日本ジャーナリスト会議JCJ賞、JNNネットワーク協議会賞などを授賞するなど、この作品を絶賛しました。 また、警察に移動させられた2人は 「表現の自由などが違法に侵害された」 として、北海道に対して慰謝料を求める裁判を起こしました。 その結果、2022年3月25日に札幌地裁は、北海道に対して計88万円の支払いを命じました。 これらのマスメディアの報道圧力と司法の判決は、警察を委縮させ、演説者の安全のための警備措置を事実上無力化したものと考えられます。 極めて理不尽なことに、聴衆が演説車両に詰め寄って大声を出す行為が正当化され、それを移動させた北海道警察が罰金刑に処されたのです。 そして、起こるべくして悲劇が起こりました。 ■東京新聞の非論理的主張 札幌地裁の判決から間もない2022年7月8日に、参院選の街頭演説中の安倍氏が銃撃されたのです。 警察は、テロリストが安倍氏に近寄って至近距離から2発を発砲するまで何もすることができませんでした。 ここに、一部マスメディアと活動家から弾圧されてきた安倍氏の言論の自由は、永遠に閉ざされたのです。 2023年4月15日には、衆議院補選(和歌山1区)における街頭応援演説を控えた岸田文雄自民党総裁に対してパイプ爆弾が投げ込まれました。 これらテロ行為の頻発に影響を受けたか否かは不明ですが、2審の札幌高裁は、原告の男性に対して、警職法に則った根拠で1審判決を取り消す逆転敗訴の判決を言い渡しました。 ★札幌高等裁判所 ヤジを飛ばして隣にいた聴衆といさかいになった他、その後も演説車両に詰め寄って大声を上げるなどした。 警察官が、直ちに阻止しなければ物を投げるなどの危害が加えられてしまうと判断したことには客観的合理性が認められる。 (2023年6月22日) この判決に対して、東京新聞は札幌高裁を強く非難しました。 ★東京新聞 ヤジも言論だ。 市民から政権批判の自由を奪ってはならない。 今回の判決が政治的言論の自由の委縮を招くのではと危惧する。 (2023年6月24日) 東京新聞の主張は非論理的です。 先述したように、 「安倍やめろ」 「帰れ」 というヤジは、 「表現の自由」 の名の下に非言論によって言論を掻き消すという 「言論の自由」 と 「知る権利」 に対する挑戦行為です。 まさにサイレント・マジョリティを愚弄し、ノイジー・マイノリティに都合が良い社会に誘導するものです。 1人の身勝手なヤジを認めれば、法の下の平等の原則から、他の全ての人の身勝手なヤジも認められなければなりません。 これは間接民主主義の破壊行為です。 特に、抵抗力が弱い小政党や無所属の政治家は、ノイジー・マイノリティによって簡単に捻り潰されてしまうことでしょう。 実際、今回の東京15区では、つばさの党の演説妨害行動によっていくつかの陣営が委縮し、 「ステルス遊説」 を展開するに至りました。 ■言論機関による言論弾圧 2023年12月、北海道放送 『ヤジと民主主義〜警察が排除するもの』 の劇場版が、センセーショナルな宣伝文句を掲げて公開されました。 2019年7月15日、それが全ての始まり。 政権に批判の声を上げたら、大勢の警察官に排除された。 「ヤジ排除」 の裏で何が起こっているのか? 1460日の記録。 更に、元北海道警察幹部の原田宏二氏(故人)の発言が、次のように添えられています。 ★原田宏二氏 警察が法的根拠がないのに好き勝手なことをやっている。 それをメディア・マスコミの前で平然とやった。 あんたたち(マスコミは)無視されたんですよ。 警察が原告を移動させた措置に対する法的根拠については、2審判決でその合理性が認められていますが、この発言はその存在を真っ向から否定しています。 つまり、この映画は、故人の見解を権威論証として使うことで、演説妨害を無理矢理正当化しているのです。 また、警察がメディアを無視することが許されないかのような認知操作は傲慢極まりありません。 以上、安倍氏の秋葉原演説と札幌演説に対する演説妨害行為は、一部マスメディアによる強力な報道圧力によって正当化されてきました。 その結果、日本は演説妨害者の「表現の自由」が尊重され、演説者の「言論の自由」と有権者の「知る権利」が軽視されるという本末転倒な社会となってしまいました。 これは、言論機関による言論弾圧に他なりません。 このような状況において、秋葉原の事例と比較して甚だ小規模な集団であり、候補が他候補に質問する体裁を取るつばさの党の演説妨害者を、札幌の事例で違法性を問われて委縮した警察が、極めてデリケートな判断を必要とする警職法を根拠にしてリアルタイムに排除することは、法の下の平等から不可能でした。 事実、警察が選挙の自由妨害罪の疑いで家宅捜索に踏み切ったのは、投開票から2週間が経過した2024年5月13日です。 もちろん、この段階でも選挙の自由妨害罪が立証されているわけではありません。 何よりも、マスメディアによる身勝手な 「表現の自由」 の肯定による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての 「知る権利」 を侵食された有権者です。 「言論の自由」 を守り、国民の 「知る権利」 に資する使命を持つ言論機関の一部が、 「表現の自由」 という美辞麗句で非言論による演説妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。 今回のような問題が発生するのは、明らかに公職選挙法の欠陥によるものです。 近年、演説妨害者が次々と公職選挙法のセキュリティホールを突いてくる中、党利党略を最優先とする立法機関の議員は何も対策を議論してきませんでした。 誰が考えても分かることですが、候補者がその政治的主張を有権者に音声で説明する街頭演説を行うには、音声が伝わる特定の時間を特定の空間に渡って占有する必要があります。 この占有の調整を候補者の自主性に任せていることが、トラブルの原因なのです。 ■選挙システムの再構築を 公平な選挙を行うためには、選挙管理委員会がこの時間と空間を管理して候補者に公平に配分することが必要です。 例えば、選挙区内に複数の演説拠点を予め設定しておいて、各候補にその拠点を占有できる時間帯を最初から決めておけば、候補者間で演説に支障を来すことはありません。 有権者にとっても、確実に演説を聞くことができるので至便です。 また、その時間の枠内で市民が自由にヤジを言える時間を5分程度設定すれば、インタラクティブ(お互いに作用し合う様。相互作用の)な要素も加味できます。 何より、演説途中での身勝手なヤジを発する必要がなくなります。 もちろん、拠点以外の場所での演説は、従来通り自由にするのが憲法に適っています。 ただし、同一地区に1日2時間以上留まって演説してはならないというような、場所の目的外使用を防止する合理的規制は必要であると考えられます。 特定の候補者間で相手に質問し合う機会を設定することも必要です。 今回、つばさの党は、質問を根拠にして他候補の演説を妨害しましたが、予め十分な討論の機会を設定しておけば、その必要もなくなります。 有権者が議員の実力を把握する上でも討論会の開催は有益であり、議員の質の向上に大きく貢献するものと考えられます。 公職選挙法で、インターネットをベースにした複数回の公開討論会の開催を義務化するのが望ましいと考えます。 このような表現に関する 【時 time】 【所 plece】 【方法 manner】 の規制は 【表現内容中立規制】(特定の時・場所・手段における表現の規制) https://foetimes.com/2670/ と呼ばれ、公共の福祉の必要がある場合の合理的制限として、最高裁(1955)が認めています。 その理由としては、これを無制限にしておくと選挙運動に不当な競争を招き、選挙の自由公正を害する虞があるからです。 また、相手を威嚇したり、侮蔑したりする発言など表現の 【内容 content】 の規制である 【表現内容規制】(ある表現について、それが伝達するメッセージを根拠に行う規制) https://foetimes.com/2670/ も最低限必要と考えます。 インターネットが普及した時代に、好意の返報性を求めて、街頭で握手をしたり、手を振ったり、名前を連呼したり、自転車に乗ったり、ビラを配ったりする選挙はもうやめましょう。 感情・人格・権威に訴えるという選挙テクニックではなく、政策のスペックで代表を選ぶ選挙システムの構築が必要不可欠であると考える次第です。 偽善者に騙されるな 選挙活動の自由を濫用する偽善者たち Hanada2024年7月号 イスラム思想研究者 飯山陽 「おい飯山! カメラ撮ってんじゃねーよ」 「質問に答えろよ飯山!」 2024年4月21日午前10時半過ぎ、東京都江東区にある警視庁深川警察署前で、選挙用の街宣車から拡声器を使用し、私にこう暴言を吐いて挑発したのは 「つばさの党」 という団体の根本良輔なる人物だ。 私は2024年4月28日投開票の衆議院東京15区補欠選挙に立候補していた。 街宣車での選挙活動中、根本某の街宣車に追い回され、散々逃げた挙げ句、警視庁深川警察署前に車を付けた。 警察署の前ならば言動を慎むだろうと想定してのことだ。 しかし某はこう続けた。 「警察、何も動いてくんないよ! 事故にならないように気を付けてねってことを電話で貰ってるんで、お前らが街宣をやめた以上は、オレら喋る権利ある!」 「だから出て来いよ! お前、目パキってんぞ。アハハハ!憎くて仕方ないだろ、オレのことが。目パキってんぞ飯山! オレのことがムカつくなら、ぶつけてこいよ! 討論しようぜ! 東大の博士号取ったんだろ! イスラエルについて話そうぜ飯山! 出てこいって! ほら出て来いよ! 何やってんだよ、意味ねえからそれ! おい、東大の博士、出て来いよ! 出て来いよ、お前!」 某も同補選の立候補者である。 だから自分には選挙活動の自由があり、こうした暴言もその範疇内だというのが某の主張だ。 産経新聞の取材に対し、 「どこで街宣しても合法だ」 と自身の言動を正当化している。 某が選挙妨害を始めたのは、選挙告示日の20024年4月16日だ。 私自身も2024年4月21日以前から、既に何度も極めて悪質な選挙妨害を受けてきた。 街頭演説にマイクで音を被せる、街宣車を追いかけ回し私を罵倒する文句を拡声器でがなり立てる、私に接近して大声で侮辱し嘲笑する、選挙事務所前に乗り付けて扉をドンドン叩き 「出てこい」 と挑発する。 この繰り返しだ。 2024年4月19日には、豊洲にてジャーナリストの長谷川幸洋氏を応援弁士としてお迎えし、街宣活動をする予定だったが、我々の街宣車の後ろに某の街宣車が乗り付け、とてつもない爆音を当方に被せ、長谷川氏らの声はほぼ完全に掻き消された。 私はそれ以来、頭痛、耳鳴り、不眠、フラッシュバック、動悸といった症状に悩まされている。 ■私は絶望した 自由主義社会においても、あらゆる自由が許されるわけではない。 他者に危害を与える自由は許容されないと考えるのが一般的だ。 「殺人の自由」 や 「強盗の自由」 「誹謗中傷の自由」 といったものが認められないのはそれ故である。 しかし某は、選挙活動の自由の中には、私の選挙活動を妨害する自由も、私の心身に危害を与える自由も、公然と私の名誉を毀損し尊厳を奪う自由も含まれていると認識しているらしい。 某は産経新聞に対し、妨害活動により 「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」 と主張している。 とんだ偽善者である。 2024年4月21日の警視庁深川警察署前では私に対し、 「おい飯山! せっかくお前のこと推してくれるジジイ、泣いちゃうぜ! こんな29歳の若造1人も論破できない、中東の研究家、東大博士か知らんけど、イスラエルついて話そうぜ!」 と、 「若い弱者」 ポジションを取って煽ってきた。 若さなど所詮、相対的なものだ。 小中学生から見れば29歳は立派なジジイであるが、80歳から見れば48歳の私も十分に若い。 贅肉でだぶついた腹を抱える中年太りの男である某が、小柄な女である私に対して拡声器を使用して大声で威圧しながら、オラつきつつ 「若い弱者」 ポジションでマウントを取るなど、笑止千万だ。 某はいわゆる 「無敵の人」 である。 選挙活動中の自由を掲げれば、どのような誹謗中傷、罵詈雑言、名誉棄損、威嚇行動も許されるし、警察も手出しできないと公言して憚らない。 実際、警察は、私が警視庁深川警察署前で壮絶なセクハラ、モラハラ、脅迫、選挙妨害を受けているにもかかわらず、私を守ってはくれなかった。 これは公開リンチに等しい。 私は絶望した。 「おれ飯山本人だよ、あのオバハン! キチガイみたいな顔して! 終わってんだろアレ。ほら飯山! 飯山! 飯山本人、何やってんの! 出て来いって! 皆見てるよ! 飯山本人だろ! 動画を撮ることしかできねえんだよ、こいつら! これ、やばいぜ! おいおいおい、飯山出て来いって!」 何が面白いのか、私には全く分からない。 図体の大きな男に、拡声器を使って繰り返し名前を呼び捨てにされ、出てこい、出てこいと煽られ恐怖と闘いながら、証拠を押さえねばならないという一心で動画を撮り続けた。 ■諦めたらそこで終わりだ 「何なのお前! マジでお前、東大の博士取ったのか?! 小池と一緒で、経歴詐称疑惑か! え、何それ、チューしたいの?! え、何それお前、チューしたいの?! 責められて興奮するタチ? もしかして?!」 表情を変えず、挑発にも動じない私に痺れを切らした某は、私が経歴詐称をしていると中傷した上、煽り続けるうちに自分で勝手に興奮しだし、卑猥な言葉を口にする。 「飯山あかり! 今、もう1700人がライブで見てるぞ! これ、切り抜いて絶対拡散されるぞ! これ、飯山あかり本人だぞ! 飯山! お前、イスラエルの犬じゃん。イスラエルの犬だよね! イスラエル戦争屋国家だぞ! そのお前、戦争屋国家を擁護しているお前、戦争屋の手先だぞ! イスラエルとアメリカが、中東を火の海にしたんだぞ! 何だ、オレともチューしたいのか?! 飯山! 48歳飯山あかり! ヘイヘイヘイ! オレとチューしたいのかヘイヘイヘイ!飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 何だよお前、欲求不満かよ! チューするか飯山! どうした飯山! 論戦しようぜ! お前がイスラエルの擁護をしているのはやめろって言ってんだよ! イスラエルは戦争屋国家なの! やっぱチューしたいのか!」 これが某の 「合法」 な選挙活動らしい。 拡声器を使って私を罵倒し、卑猥で淫らな言葉を浴びせ掛け続けることの、どこが合法な選挙活動なのか。 これでどうやって、 「皆に政治に参加してもらい、事実を知ってもらうという目的は達成できた」 というのか。 通りすがりの有権者は、某の罵声を聞くと足早にその場を立ち去る。 中には恐る恐る携帯を取り出し、写真や動画を撮っていく人もいる。 誰もが顔を強張らせる。 政治参加どころの話ではない。 こんな現場を目の当たりにすれば、多くの人が選挙や政治そのものに対し、恐怖感や嫌悪感を抱く。 政治というのは関わってはならない、近付くと害にしかならないと思うようになる。 そして益々政治への関心を失い、投票率は下がる。 実際に、今回の東京15区補選の投票率は40.70%に過ぎなかった。 有権者の過半数が選挙に行かなかったのだ。 哀れなことに、某にはこの現実も見えないらしい。 某はこうも言った。 「おい飯山! ちょっと都合が悪いこと言われたら逃げるんだったら、お前、政治改革なんてできねーよ!」 「しかも、保守党なんて仰々しい名前付けやがって!」 「何だよ保守党って!」 「保守党ってのは逃げること?!」 保守の基本は 「大切なものを守る」 という信念だ。 我々が守るべきは自由民主主義社会であり、その礎となる選挙である。 他者の選挙活動の自由を侵害し、有権者の聞く権利、知る権利を侵害する某のような行動が選挙活動の自由の名の下に許容されるならば、日本の民主主義の存立は確実に脅かされる。 某は選挙妨害をビジネス化すると言っている。 某にカネを払えば、対立候補の選挙活動を妨害し、選挙戦を有利に進められるというわけだ。 なるほど、実に賢いと、某の 「信者」 たちは喝采を送る。 「誰1人取り残さないインクルーシブな社会を体現する人物」 として乙武洋匡(おとたけひろただ)氏を同選挙で擁立した小池百合子都知事は、自分と乙武氏の街宣の警備は強化したものの、私を守ってはくれなかった。 メディアが妨害の被害者として手厚く報じたのは乙武氏だった。 しかし選挙では、私の得票数は乙武氏のそれを大きく上回った。 2024年4月19日の妨害現場では某の罵声に対し、小学生の男の子が 「あかり、がんばれ?!」 と高い声をあげた。 正義はここにある。 日本を諦めてはならない。 諦めたらそこで終わりだ。 「愚劣」「低能」つばさの党 Hanada2024年7月号 門田隆将 「飯山、出てこい」 「チューしたいの? チューしたいの、お前」 「責められて興奮するタチ? チューしたいの? 別に悪くないけど」 「いいよチューしたって」 「お前、イスラエルの犬じゃん」 「俺ともチューしたいのか? 飯山! なんだお前、欲求不満か。飯山」 「48歳、飯山あかり! ヘイ、ヘイ、ヘイ! 飯山あかり、ヘイ、ヘイ、ヘイ! 俺とチューしたいのか、ヘイ、ヘイ、ヘイ!」 「飯山〜なんだ、お前! 欲求不満かよ」 「どうしたんだ飯山、やっぱり選挙だから高ぶってんのか!」 ・・・警察も舐められたもの。 これらの常軌を逸した 「つばさの党」 の卑猥、卑劣な言動による演説妨害行為は、警視庁深川警察署(東京都江東区)の前で行われたものだ。 一方、参政党の吉川りな候補には、 「党首の神谷は、党員の女とやり放題! ヘイ、ヘイ、ヘイ!」 「あんたも神谷とやってんだろ? ヘイ、ヘイ、ヘイ!」 既婚者である女性候補へのあり得ない言葉である。 聴衆もさすがに下品な言葉の連続に唖然となった。 また、小池百合子都知事が全面支援した乙武洋匡(おとたけひろただ)氏の演説にも彼らは”突入”。 電話ボックスの上から演説に被せるように大声で叫び、乙武氏の演説を搔き消した。 更に、立憲の蓮舫議員が乗った選挙カーを追いかけ、すぐ後ろに止めて車を降りた根本良輔候補が、 「立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! 立憲偽善者 ヘイ、ヘイ、ヘイ! おい、お前、何か答えろよ」 駆け付けた警察官が動画を撮りながら、注意すると、 「お前、選挙妨害だぞ、今やっていること、おい」 「選挙妨害だ! 邪魔すんな」 と、逆に警察官をどやしつけた。 これが 「つばさの党」 の黒川敦彦、根本良輔両氏らが東京15区補選で演説中の候補者たちに繰り返した行状のごく一部である。 これらを見ながら、吉野家で紅ショウガを直食いしたり、スシローで醤油さしから醤油を直飲みしたりした迷惑系ユーチューバーを思い出した向きは少なくないだろう。 「愚劣」 や 「低能」 という言葉しか思い浮かばない、人に迷惑をかけることで喜ぶ子供みたいな大人たちである。 各陣営が受けた被害をいちいち書き出すとキリがないが、完全に民主主義の根幹である選挙を破壊することを目的とした行動だった。 彼らは選挙運動が終わるその瞬間まで手を緩めなかった。 日本保守党の飯山あかり氏は、選挙戦を終えて、不眠や耳鳴りの症状に悩まされ、加療が必要との診断を受け、日本保守党の東京15区支部長を退任した。 公職選挙法第225条には、はっきり 「選挙の自由妨害罪」 が規定されており、 「4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」 と明記されている。 本来、この明白な公職選挙法違反行為には、 「私が責任を取るから摘発せよ」 と、警視総監たる緒方禎己(おがたよしみ)氏が号令を下すべきだったのは当然である。 だが、ハラが据わらないこの警察トップのお陰で、選挙戦中は完全に野放し、民主主義の根幹である選挙は、こうして”蹂躙(じゅうりん)”され続けたのである。 しかし、国民の怒りは収まらない。 それを受けて警視庁捜査2課は選挙後2週間以上が経過した2024年5月13日、やっと 「つばさの党」 の本部や黒川氏、根本氏の自宅にも家宅捜索を敢行した。 政治部デスクによれば、 「遅きに失しましたね」 「選挙中になぜ踏み込まなかったのか、との怒りの声は強い」 「2017年の都議選最終日、秋葉原で”安倍やめろ!”という大コールの演説妨害に対して安倍首相が”こんな人たちに負けるわけにはいかない”と言ったことを捉えて、左翼マスコミは演説を妨害した側ではなく安倍批判を繰り広げた」 「また2019年の参院選では、札幌に応援演説に来た安倍首相に対して、”安倍やめろ!”とヤジを連呼した活動家が道警に排除された」 「その活動家は北海道を提訴し、札幌地裁の廣瀬孝裁判官は、これは表現の自由の範囲内である、と道側に88万円の損害賠償を命じた」 「秩序破壊の左翼の言い分が認められている有り様です」 「取り締まる側が完全に委縮する原因になっていたのも確かです」 左翼司法をマスコミが後押しし、選挙妨害をする側が讃えられる本末転倒の日本。 安倍暗殺事件では、犠牲者が貶められ、犯人が讃えられるという”反日亡国勢力”のやり放題が続く日本。 最早末期的である。 公職選挙法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC1000000100 (選挙の自由妨害罪) 第二百二十五条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。 一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。 二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。 三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。 2022年3月25日 https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html ■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決 3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は 「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」 として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。 3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。 このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。 2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、 「被告側は 『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』 などと主張するが、それは認められない」 「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」 と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。 ■原告「期待以上の判決だった」 判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは 「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」 と述べました。 一方、 「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」 と指摘しました。 また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り 「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」 と述べました。 原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は 「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」 と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。 ■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」 判決を受けて北海道警察本部監察官室は 「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」 とコメントしています。 やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ 2022/4/1 12:11 https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/ 令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。 政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。 道警監察官室は 「控訴審で当方の考えを主張していく」 とのコメントを出した。 2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。 憲法21条で保障されている 「表現の自由」 が警察官に侵害されたと認定した。 ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。 地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に 「安倍辞めろ」 「増税反対」 と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。 「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁 2023/6/22 16:27 https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/ 令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。 一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。 女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。 高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。 原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁 2023/6/22 19:53 https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/ 令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。 女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。 大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。 女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。 離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。 2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。 男性は上告を検討するとし 「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」 と話した。 道警は 「判決内容を精査し、対応を検討する」 とコメントした。 北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性 2023/7/5 15:59 https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/ 令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。 男性は大杉雅栄さん(35)。 2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。 一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。 高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に 「安倍辞めろ」 などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。 札幌やじ訴訟の原告男性 「拡声器で妨害とは別」「つばさの党での引き合いは迷惑」 2024/5/21 13:36 https://www.sankei.com/article/20240521-LZSJFXB5K5DJRJWHMNSKNQDZIM/ 令和元年、札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)に 「辞めろ」 「帰れ」 などヤジを飛ばした男女が北海道警の警察官に排除された問題を巡り、札幌地裁は 「表現の自由などが違法に侵害された」 として、道に賠償支払いを命じた。 2審の札幌高裁は1審判決の一部を取り消したが、1審の司法判断が演説妨害の正当化に利用されたとの指摘がある。 原告男性の大杉雅栄氏(36)が産経新聞の取材に応じ、 「肉声でヤジを飛ばしただけで演説が不成立になったわけではない」 「拡声器などを用いた選挙妨害と一緒にしてほしくない」 と述べた。 ■「札幌はあくまで肉声」 ーー2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、政治団体「つばさの党」陣営による他の候補への妨害行為をどう見ている ★大杉雅栄氏 人の演説会場で拡声器を使って罵詈雑言を浴びせるなどして、演説を成り立たせなくしている。 演説妨害で立件されても仕方ないレベルだろう。 (つばさの党陣営が主張している)相手の候補者の考えを知りたいなら公開質問状でも公開討論でも方法があるはずだ。 ーーつばさの党幹部はX(旧ツイッター)に 「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない。北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」 と投稿し、大杉氏らのヤジを念頭に行為を正当化している ★大杉雅栄氏 札幌での事案はあくまで肉声のヤジで、表現の自由の範囲内と裁判所も判断している。 実際、被告である北海道警でさえ、ヤジは演説妨害との主張をしていない。 つばさの党の事案とは大きく異なり、引き合いに出されるのは迷惑だ。 ーー肉声でもヤジを飛ばせば、平穏に演説を聞きたい人の権利を邪魔しているのでは ★大杉雅栄氏 静かに演説を聞く権利というものはあるのだろうか。 閉ざされたプライベート空間ならともかく(当時ヤジを飛ばした)札幌駅前は公共空間だ。 そこには安倍氏の主張に対し、賛成の人も反対の人もいる。 多少のノイズはあり得るし、異論を口に出せるのが民主主義社会というものだ。 ■「従前通り選挙違反取り締まりを」 ーー平成29年5月に東京・秋葉原で応援演説した安倍氏に対する「帰れ」の大合唱はどう思うか ★大杉雅栄氏 うるさいのはそうだろう。 ただ、上品かどうかは別にしても、そうしたやじは許容されてきた面がある。 民主党政権の野田佳彦首相(当時)が演説する際に『売国奴』とコールが上がっている場面を動画で確認したことがあるが、かといって警察が介入するものでもない。 安倍氏は国会論議を軽視し、疑惑の追及にも詭弁や誤魔化しに終始してきた。 主権者を代弁する国会議員の言葉さえ受け止めない人間に市民が直接声を届けるには、やじのような粗野なスタイルにならざるを得ない面がある。 ーー札幌地裁の判決がその後、警備の萎縮を招いたとの見方がある ★大杉雅栄氏 道警は警護警備を厳格に行ったことで一線を越えたわけではなく、警護警備に名を借りて不当な言論弾圧をしていた。 それが違法と認定されるのは法治国家として当然だ。 ヤジ裁判で全く新しい判例が確立した事実はないので、警察の適法な活動が制約される理由はない。 選挙違反の取り締まりも、判例などを参考に従前通りやれば良いのではないか。 つばさの党、複数陣営に15回以上の選挙妨害行為 逮捕の3人に協力者の存在も浮上 2024/5/19 18:41 https://www.sankei.com/article/20240519-GFGZFLV42NJFNNHX7OHRDNPYOI/ 衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体 「つばさの党」 による選挙妨害事件で、公選法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人が、複数の陣営に対して少なくとも15回以上に渡り妨害行為を繰り返していたことが2024年5月19日、捜査関係者への取材で分かった。 3人の行為に複数の協力者がいることも判明した。 黒川容疑者やつばさの党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選に出馬していた他の候補の演説場所に近付いて、拡声器を使って大音量を流して演説を妨害。 「カーチェイス」 と称して、他候補の選挙カーを追尾し、拡声器で罵声を浴びせるなどしていた。 特別捜査本部は選挙期間中、黒川容疑者らが演説を聞きにくくするなどの行為を5回以上、選挙カーを追尾して交通の便を妨げた行為を10回以上確認。 自由妨害に当たると見ている。 補選には、根本容疑者を含め、立憲民主党や日本維新の会、参政党などが擁立した候補や小池百合子都知事が支援した乙武洋匡氏(48)ら計9人が出馬していた。 黒川容疑者は、そのうち特定の複数の陣営に狙いを定め、妨害行為を繰り返していたとみられる。 こうした行為について、追尾する際の車両を運転したり、動画を配信するための撮影をしたりなど、逮捕された3人以外にも協力していた人物が複数いるとみて特別捜査本部が調べている。 広告収入狙い動画配信か つばさの党、根本容疑者「落選運動をビジネスにしたい」 2024/5/19 18:37 https://www.sankei.com/article/20240519-76DDHOIGNFPQZH45RQWUABBR2Y/ 衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体 「つばさの党」 の代表ら3人が逮捕された事件で、落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)が補選中、妨害行為の様子を配信した動画の中で 「広告収入が増えている」 「落選運動をビジネスにしたい」 と話していたことが2024年5月19日、分かった。 警視庁捜査2課は過激な行為を繰り返して再生回数を増やし広告収入を得る狙いがあったと見て調べている。 補選期間中、つばさの党のユーチューブチャンネルには妨害などの様子を伝えるライブ動画約40本が投稿された。 2024年5月19日時点の再生回数は計約250万回、チャンネル登録者数は約25万人に上る。 根本容疑者は動画で 「選挙にさえ出れば合法的にやれる」 「ぜひみんなもやってほしい」 「再生回数半端じゃない」 「これが究極の落選運動だと思うので、はやらせたい」 と語っていた。 同課は2024年5月19日、党代表の黒川敦彦容疑者(45)や根本容疑者ら3人を送検した。 つばさの党 複数の支援者も妨害行為に関与か 警察が特定進める 2024年5月19日 11時03分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240519/k10014454091000.html 先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体 「つばさの党」 の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、団体の複数の支援者が車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。 警視庁は選挙の妨害行為に関わった人物の特定を進めています。 政治団体「つばさの党」の ▽幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や ▽代表の黒川敦彦容疑者(45) それに ▽運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人は、 衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕され2024年5月19日、検察庁に送られました。 これまでの捜査で、根本幹事長らは演説を妨害する同様の行為や他の陣営の選挙カーを追い回すなどの行為を繰り返し、その様子をYouTubeなどで配信していたことが分かっています。 団体には確認されているだけでもおよそ10人の支援者がいて、このうち複数のメンバーが、車の運転役や動画の撮影役などを担っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。 こうした支援者の一部は、根本幹事長の住む住宅で集団生活をしていたということで、警視庁は他の陣営への妨害行為をこの住宅を拠点に計画していた可能性もあるとみて、関わった人物の特定や活動の実態を調べています。 選挙後も小池都知事らの自宅前で「街宣」 SNSで住所情報募る つばさの党選挙妨害事件 2024/5/18 18:30 https://www.sankei.com/article/20240518-OHRZMXULAJMPDMO42PWABPK3VA/ 衆院東京15区補欠選挙を巡る政治団体 「つばさの党」 による選挙妨害事件で、公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)らが、選挙後も小池百合子都知事ら複数の個人宅周辺で拡声器を使って大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返していたことが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。 警視庁捜査2課は特別捜査本部を立ち上げ、実態解明を進めている。 黒川容疑者や同党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、補選の投開票がされた2024年4月28日以降も 「抗議街宣」 と称して、小池氏や同党に批判的な発信をした著名人らの自宅周辺に押し掛け、大音量で怒鳴るなどの行為を繰り返した。 自宅住所は交流サイト(SNS)で情報を募って特定していたとみられる。 2024年5月13日に警視庁が事務所などの家宅捜索を行った後は、警視庁本部庁舎前にも押し掛け、大音量で怒鳴り続けた。 選挙後も続いたこうした行為について警視庁には複数の相談が寄せられており、恐怖心を与える狙いもあったと見て、 「悪質性が極めて高い」 と判断。 自由妨害の疑いと合わせて、事実確認などを進めている。 小池氏は3人が逮捕された2024年5月17日の記者会見で、 「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」 「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」 と述べた。 3人は共謀して補選告示日の2024年4月16日、無所属新人の乙武洋匡氏(48)陣営の街頭演説中、演説に重ねるように大音量で主張を訴えるなどして選挙活動を妨害した疑いで2024年5月17日に逮捕された。 補選中の都知事選立候補表明はネット視聴と逮捕回避狙いか 「つばさの党」黒川容疑者ら 2024/5/18 17:57 https://www.sankei.com/article/20240518-S2HOKQ2OINMZZEZMDCDQCCFX7A/ 公職選挙法違反(自由妨害)容疑で逮捕された政治団体 「つばさの党」 代表、黒川敦彦(45)と同団体幹事長、根本良輔(29)両容疑者は衆院東京15区補選の最中に2024年7月の東京都知事選への出馬表明を行っていた。 補選同様、都知事選でも過激な活動のインターネット配信を行って世間の注目を浴びるだけでなく、候補予定者となることで警察の捜査・逮捕を回避しようとした可能性がある。 補選期間中の2024年4月25日、街頭活動の合間に江東区内で会見を行った両容疑者は都知事選に出馬する考えを明らかにした。 「(都知事選出馬で)凄い事になる」 会見でこう語った根本容疑者。 つばさの党として両容疑者を含む50人を擁立して都内のあらゆる場所に選挙カーを走らせ、小池百合子都知事のネガティブキャンペーンを展開すると宣言した。 出馬表明の背景にはインターネットで動画の再生数を稼ぎ収益化に繋げる考えがあったとみられる。 交流サイト(SNS)などで自身の活動を積極的に発信していることについて、黒川容疑者は 「広告収入を得ることが狙いではない」 と反論。 だが、活動の中では、ネットの反応を常に気にする姿があった。 警視庁が関係先を家宅捜索した2024年5月13日夕、両容疑者らはSNSで予告した上で小池氏の自宅周辺に出向き抗議活動を行った。 その際のネット中継では同団体運動員の杉田勇人容疑者(39)が 「8万1千(人)見てますから」 などと喜びを隠せない様子だった。 黒川容疑者は、補選の選挙期間中、逮捕容疑となった妨害活動に対して警視庁による警告にとどまったことから、 「選挙運動に対する妨害になるから、警察は候補者を逮捕できない」 と独自の主張を展開。 その上で、都知事選への立候補表明について、産経新聞の取材に 「逮捕を回避するため」 「候補予定者になれば警察は手出しをできない」 と明かしていた。 つばさの党 演説妨害5件以上 選挙カー追い回し10件以上確認 2024年5月18日 14時34分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453371000.html 2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体 「つばさの党」 の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で、警視庁がこれまでに同じような演説妨害を5件以上、更に選挙カーを追い回す行為も10件以上確認し、調べを進めていることが捜査関係者への取材で分かりました。 政治団体 「つばさの党」 の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聴き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。 警視庁は各陣営から被害届を受理するなどして、選挙期間中の状況について調べていますが、これまでに同じような演説妨害を5件以上確認していることが、捜査関係者への取材で分かりました。 更に、他の陣営の選挙カーを追い回す行為も、10件以上確認していて、今後、増える可能性もあるとしています。 追い回された陣営が予定していたルートの変更を余儀なくされるなど、実際にそれぞれの選挙運動に影響が出たということです。 警視庁は容疑者らの活動の実態をさらに調べると共に、公職選挙法に規定された交通を妨害した疑いでの立件も視野に捜査を進めています。 つばさの党 著名人自宅押しかけ街宣活動 SNSで募り住所特定か 2024年5月18日 11時24分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014453171000.html 先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体 「つばさの党」 の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして逮捕された事件で3人は、他の候補者や団体を批判した著名人の自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材で分かりました。 自宅の住所は、SNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁が活動の実態を調べています。 政治団体 「つばさの党」 の幹事長で選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)や代表の黒川敦彦容疑者(45)ら3人は、衆議院東京15区の補欠選挙で、他の候補者が演説する前で拡声機を使って怒鳴るなど、演説が聞き取れないように妨害したとして公職選挙法違反の疑いが持たれています。 根本幹事長らは同じような妨害行為を繰り返していましたが、更に、他の候補者や団体を批判した著名人などの自宅に押しかけて街宣活動を行っていたことが、捜査関係者への取材でわかりました。 2024年5月13日に捜索を受けた後には、東京都の小池知事の自宅前で演説を行っていました。 こうした活動について、捜査幹部は 「非常に卑劣な行為で、当事者が被害を申告できなくなる恐れもあった」 としています。 相手の自宅の住所はSNSで情報を募るなどして特定していたとみられ、警視庁は恐怖心を与える狙いがあった可能性もあるとみて活動の実態を更に調べています。 “つばさの党の妨害で演説中断など” 警視庁 複数の証言確認 2024年5月18日 6時14分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240518/k10014452891000.html 2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体 「つばさの党」 の代表ら3人が、他の陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反の疑いで逮捕されました。 一連の妨害行為によって、他の候補者が演説の中断や場所の変更を余儀なくされたケースが複数確認されているということで、警視庁は選挙期間中の活動の実態を更に調べています。 政治団体 「つばさの党」 の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と、代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに運動員の杉田勇人容疑者(39)は、衆議院東京15区の補欠選挙の告示日に、他の候補者が演説する前で、拡声機を使って怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、演説が聴き取れないように妨害したとして、公職選挙法違反の疑いが持たれています。 警視庁によりますと、こうした行為によって 「演説を聴くことができなかった」 という有権者の複数の証言を得ているということです。 更に、根本幹事長らが同様の行為を選挙期間中に繰り返したことで、他の候補者が演説を中断したり場所や予定の変更を余儀なくされたりしたケースが複数確認されていることが、捜査関係者への取材で分かりました。 他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は 「特別捜査本部」 を設置し、活動の実態を更に調べています。 つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「ずいぶん私も追い回された」 2024/5/18 12:37 https://www.sankei.com/article/20240518-FSE5SZILLZO7NP7MWHJHLTTPSU/ ■異常な行動 立憲民主党・泉健太代表 異常な行動であったと言わざるを得ない。 そういった(逮捕容疑の「自由妨害」に該当する)行為であったと感じる。 ずいぶん私も選挙カーを追い回された。 今後の捜査の推移を見守っていきたい。 法律の改正については、 「妨害」 をどう規定するかという所を我々も考えている。 (2024年5月17日の記者会見、衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を妨害したとして、公職選挙法違反容疑で政治団体「つばさの党」の代表らが逮捕されたことに関して) つばさの党、スタッフ複数も関与か 警視庁捜査 選挙活動妨害疑い 2024/5/18 8:43 https://www.sankei.com/article/20240518-CGZ52FNVQBJ3BLC7SWNQAE2OHA/ 衆院東京15区補欠選挙を巡り公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体 「つばさの党」 の代表ら3人が逮捕された事件で、他にも党の複数のスタッフが他陣営の選挙活動の妨害に関与した疑いがあることが2024年5月18日、捜査関係者への取材で分かった。 警視庁捜査2課はこれらのスタッフも同法違反容疑で捜査する方針。 逮捕された党代表、黒川敦彦容疑者(45)や党から出馬して落選した幹事長、根本良輔容疑者(29)ら3人は、選挙期間中に他陣営への妨害行為を動画投稿サイトのユーチューブなどで配信していた。 複数の陣営から被害相談を受けている捜査2課は、これらの行為に複数のスタッフが動画の撮影役や運転手などとして関与したとみて調べている。 警視庁は3人の認否を明らかにしていないが、いずれも逮捕前の取材に違法性の認識を否定していた。 3人の逮捕を受け、党の関係者らは17日夜、ユーチューブの配信で 「不当逮捕だ」 「東京都知事選へ向けた弾圧」 などと主張した。 つばさの党の選挙妨害「表現の自由超えた」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める 2024/5/17 21:49 https://www.sankei.com/article/20240517-NAJFQCUBZZNA5EXGRYINZIOQOY/ 2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で他候補の街頭演説を妨害したとして政治団体 「つばさの党」 代表ら3人が公選法違反(自由妨害)の疑いで逮捕されたことについて、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月17日、 「つばさの党にも意見があると思うが、表現の自由の限界を超えた」 と述べた。府庁で記者団の取材に答えた。 逮捕された3人は、他候補の演説場所近くで拡声器を使って大音量で演説し、他候補の演説を聴衆に聞こえなくするなど、選挙活動を妨害する行為を繰り返した疑いが持たれている。 維新は東京15区補選に公認候補を擁立し、吉村氏も応援演説で同様の被害を受けた。 吉村氏は一連の行為について 「(つばさの党の)やり方が罷り通るのであれば、候補者が政策を訴えるという行為が成り立たなくなる」 と指摘。 捜査当局の判断については 「裁判所が逮捕令状を出したのは犯罪の疑いがあったから」 「選挙妨害には厳しく対応すべきだ」 と述べた。 維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立を目指し与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は 「今回の事例を基に立法を行うのは国会のあるべき姿の1つ」 「深く議論してもらいたい」 とした。 つばさの党代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁 2024年5月17日 18時27分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html 2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体 「つばさの党」 の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁は、選挙に立候補した団体の幹事長や代表ら3人を公職選挙法違反の疑いで逮捕しました。 逮捕されたのは政治団体 「つばさの党」 の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔容疑者(29)と代表の黒川敦彦容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人容疑者(39)の3人です。 警視庁によりますと、衆議院東京15区の補欠選挙で、告示日の2024年4月16日に、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、電話ボックスの上に座るなどして拡声機で怒鳴ったり、車のクラクションを鳴らしたりして、候補者の演説が聞き取れないようにしたとして、公職選挙法の 「選挙の自由妨害」 の疑いが持たれています。 警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査してきました。 根本幹事長らは、他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していたということで、警視庁は 「特別捜査本部」 を設置し、全容の解明を進めることにしています。 警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。 警視庁は認否を明らかにしていませんが、黒川代表は捜索を受けた際、 「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」 などと反論していました。 ■黒川敦彦代表 根本良輔幹事長とは 政治団体 「つばさの党」 の代表の黒川代表は、大学を卒業後、医療系のベンチャー企業を立ち上げるなどした後、出身地の愛媛県今治市で、加計学園を巡る問題を追及する市民団体の共同代表を務めました。 選挙には、2017年に衆議院山口4区に初めて立候補した後、これまでに、参議院選挙や東京・町田市の市長選挙に立候補し、いずれも落選しています。 2019年に政治団体 「オリーブの木」 を設立して代表に就任し、2021年に名称を 「つばさの党」 に変更してからも代表を務めています。 幹事長の根本幹事長はIT関連会社を経営しています。 3年前の2021年に東京都議会選挙の葛飾区選挙区に 「つばさの党」 から立候補し、落選しました。 その後、幹事長に就任し、今回の衆議院東京15区補欠選挙では1110票を得ましたが、最下位で落選していました。 ■「選挙の自由妨害罪」とは 公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、225条で 「選挙の自由妨害罪」 を定め、演説の妨害行為などを禁止しています。 条文では 「交通もしくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」 などと規定されていて、違反すると4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。 「演説の妨害」 について、昭和23年の最高裁判所の判例では 「聴衆が聴き取ることを不可能または困難になる場合は演説の妨害である」 などとしています。 また、昭和29年の大阪高等裁判所の判例では 「演説の妨害を認識しながら、聴衆が演説内容を聴き取り難くなるほど、執拗に質問などをして演説を一時、中止させることは妨害に当たる」 などという判断を示しています。 警視庁は、2024年5月13日に 「演説の妨害」 と、他の陣営の選挙カーを追い回した 「交通の妨害」 の疑いで団体の事務所などを捜索していて、今回は 「演説の妨害」 の容疑での逮捕となりました。 ■難しい対応迫られた警視庁 どう判断したか 「つばさの党」 の陣営が選挙期間中 「選挙妨害だ」 という他の陣営からの指摘に対して 「国民に与えられた表現の自由の範囲内だ」 などと主張して行為を繰り返す中、警視庁は難しい対応を迫られていました。 公職選挙法は、選挙の自由妨害罪について 「演説を妨害し、選挙の自由を妨害したとき」 などと定めていますが、ヤジを飛ばす行為そのものを規制しているわけではなく、拡声機の音量などの規定もありません。 警視庁は拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして選挙の自由を妨害したとして、告示日から2日後の2024年4月18日 「つばさの党」 の陣営に対し 「警告」 を出しましたが、他の陣営への妨害行為はその後も繰り返されました。 警視庁には 「なぜ取り締まれないのか」 といった意見や苦情が多く寄せられていたということです。 捜査幹部の1人は取材に対し 「表現の自由や選挙の自由が絡むため、より慎重な事実認定や法的評価が求められた」 「ともすれば『公権力の恣意的な行使』と指摘されるリスクもあるため、緻密に違反の事実を裏付けていく必要があり、当時は警告がギリギリだった」 と振り返ります。 警視庁は、陣営が危険な行為に及んだ場合には、警察官職務執行法に基づき 「暴行罪や器物損壊罪で摘発する」 と注意を行う対応も取りましたが、陣営は、現場で警察官から注意を受けると、妨害行為を一旦止めたため、実際に摘発されることはありませんでした。 警視庁は2024年5月に入ってから他の陣営からの被害届の提出を受け、詳しい状況についての聞き取りを進めてきました。 その結果、他陣営の候補者の演説の内容が搔き消されるほどの大音量で騒ぎ立てたり、追いかけられた他陣営の関係者が警察署に逃げ込んだりしたケースもあるなど、実際に選挙活動に影響が出ていたことが確認されたということです。 警視庁は、こうした妨害行為が幅広い陣営に対し、長期間、反復継続して行われたことを重く見て2024年5月13日、強制捜査に踏み切り、2024年5月17日、3人を逮捕しました。 捜査幹部は 「選挙の後も他陣営の候補者や関係者、団体に批判的な意見を述べるタレントなどの自宅に押し掛け、街宣活動を行っていることを確認し、任意の捜査では限界があると判断した」 としています。 警視庁は今回の逮捕容疑となった演説の妨害の他、他陣営の選挙カーを追い回し、交通を妨害した疑いでも捜査しています。 ■再生回数稼ぐ狙いもあったか 「つばさの党」 は選挙期間中、他の陣営の演説を拡声機などを使って妨害したり、選挙カーで追い回したりする様子を毎日のようにYouTubeで配信していて、再生回数が10万回を超えたものもあります。 陣営は 「他の候補者に、疑惑について質問することが目的で、国民の不満の声を代弁し、政治家の嘘を暴いている」 などと話していました。 その一方、配信の中で根本幹事長は 「下世話な話をすれば、広告収入が増えている」 「再生数が半端ではない」 「爆音でカーチェイスしまくるのが究極の落選運動で、これをビジネスにして広めたい」 などとも発言していました。 警視庁は、動画の再生回数を稼いだり広告収入を得たりする狙いもあったとみて目的などを捜査しています。 ■林官房長官「公正・適切に選挙運動を展開する必要」 林官房長官は閣議のあとの記者会見で 「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会で、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」 「妨害することはあってはならず、候補者や選挙運動関係者はルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開する必要がある」 と述べました。 その上で、公職選挙法の改正の必要性について問われ 「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論するべきものだ」 と述べました。 ■松本総務相「極めて重大な問題」 松本総務大臣は閣議の後の記者会見で 「選挙が公正に行われるためには、有権者に考え方や政見が伝わることが大事で、そのような環境がもし妨害されているとすれば極めて重大な問題であると考えている」 「報道などの映像を見る限りは、本当に深刻な状況だと感じざるを得ない」 と述べました。 その上で 「公職選挙法の制度の改変については、選挙の自由という極めて重要な案件であり、立法府での政党間の議論を注視したい」 と述べました。 ■自民 森山総務会長「必要があれば各党で議論」 自民党の森山総務会長は記者会見で 「選挙は国民が政治に参加する最も重要な機会なので、運動が自由に行われなければならないのは当然だ」 「今回の逮捕は一線を越えた悪質なものだと判断されたと理解している」 と述べました。 その上で 「公職選挙法の改正については、必要があれば各党で選挙の自由妨害罪の適用の明確化や罰則強化などが議論されるべきものではないか」 と述べました。 ■立民 泉代表「異常な行動と言わざるをえず」 立憲民主党の泉代表は記者会見で 「異常な行動であったと言わざるをえず、選挙の自由を妨害した行為であったと感じている」 「私も選挙カーを追い回され、残念ながら、こちらがマイクを下ろさざるを得ないこともあった」 「大きな声でひたすら他党の候補者を悪く言っていたので、捜査当局も努力したのではないか」 「捜査の推移を見守っていきたい」 と述べました。 また、選挙運動の公正を確保するための法改正について 「党内で、法定刑の引き上げやどのような行為が妨害にあたるのかの例示について考えているところだ」 と述べました。 ■公明 石井幹事長「適切な対応がなされた」 公明党の石井幹事長は記者会見で 「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったのは極めて由々しき事態であり、適切な対応がなされた」 「表現や言論の自由が最大限尊重されるべきなのは言うまでもないが、候補者の主張が有権者に届かないような妨害行為は一定の制約を受けるべきだ」 「まずは現行法を引き続き適切に運用していくことが重要だが、更なる必要性があれば法改正も含めて与野党で議論していくべきだ」 と述べました。 ■乙武洋匡氏「有権者の“聞く権利”奪う悪質な行為」 根本幹事長らは、衆議院東京15区の補欠選挙が告示された2024年4月16日にJR亀戸駅前で行われた乙武洋匡 氏の陣営の演説を妨害した疑いが持たれています。 乙武氏は2024年4月17日、根本幹事長らの逮捕を受けて旧ツイッターのXに 「法律ギリギリの範囲を狙って選挙を荒らしまくり、有権者の“聞く権利”を奪う悪質な行為が、今後二度と繰り返されないよう切に願っています」 などと投稿しました。 ■東京都 小池知事「模倣する人たちが出てくる懸念」 乙武洋匡 氏の応援演説を行った東京都の小池知事は記者会見で 「都民も憤りを感じている人は多いと思う」 「候補者も身の危険を感じながらやる選挙は、他の国では聞くが日本ではあり得ない事態だ」 「公職選挙法では今回のような事態は想定していないと思う」 と述べました。 その上で 「模倣するような人たちが出てくる懸念も残る」 「民主主義の基本である選挙で、候補者が怯え、他の候補者を貶めるというようなことが続くと、政治に対しての無関心どころか嫌悪感を深めてしまうのではないかと心配している」 と述べました。 ■東京都選管 リーフレットを作成 東京都選挙管理委員会は、街頭演説の妨害行為は法律で禁止されていることを周知するリーフレットを作成しました。 都の選挙管理委員会によりますとリーフレットは2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、つばさの党の陣営によって他の陣営の演説を聞き取れないようにする妨害行為があったいう訴えが相次いだことなどから作成したということです。 この中では、暴行による妨害や、演説の継続を困難とするような妨害は、法律に違反することが説明されています。 都の選挙管理委員会は、2024年7月の都知事選挙の立候補予定者説明会などで配付し、演説の際に有権者や候補者の安全が確保されるよう協力を呼び掛けることにしています。 与野党、選挙妨害での逮捕「適切な対応」「見守りたい」 法改正の議論も 2024/5/17 19:28 https://www.sankei.com/article/20240517-PRHDJULZ7VJTVDY5C54K3LWEBM/ 2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体 「つばさの党」 代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことに関し、与野党からは 「適切な対応だ」 などと評価する声が上がった。 妨害の要件明確化など、法改正を目指す動きも出ている。 自民党の森山裕総務会長は記者会見で、3容疑者の逮捕について 「警告を発していたにも関わらず妨害行為が繰り返されたことが、一線を越えた悪質なものだと判断された」 との見解を示した。 公明党の石井啓一幹事長は 「適切な対応がなされた」 と評価した。 立憲民主党の泉健太代表は 「捜査当局も努力をされた」 「今後の推移を見守りたい」 と述べた。 日本維新の会の藤田文武幹事長は 「選挙が終わった後、家宅捜索、逮捕と進んでいった」 「冷静にどう進むかを見守りたい」 と語った。 国民民主の玉木雄一郎代表は、自身も妨害の被害者だとして 「厳正な捜査を期待したい」 「全面的に協力し、事情聴取などがあればしっかり受けたい」 と語った。 共産党の小池晃書記局長は 「現行法の公選法などを厳格に適用して対処すべきだ」 と述べつつ、 「逮捕要件を詳細に確認しているわけではないので、そのこと自体についてのコメントは避けたい」 と述べた。 法改正を巡っては、妨害の要件明確化や、捜査機関の対応迅速化を目指す公選法改正案の共同提出に向け、維新と国民民主が協議に入っている。 自民も茂木敏充幹事長が法改正に意欲を示し、立民も党内議論を進めている。 一方で今回の逮捕を含め、現行法の枠内で対応できれば改正は不要だとの見方もある。 維新の藤田氏は会見で 「(改正は)必要ないねという議論もあり得るが、一方で(改正で要件などを)明記して分かり易くする方法もある」 と指摘。 国民の玉木氏は 「折り合える所で折り合い、今国会で法案を成立させたい」 と意欲を示した。 立民の泉氏は法定刑の引き上げや妨害行為の例示など、引き続き党内で検討を進める考えを示した。 N党、ガーシー氏との活動通じ先鋭化か 逮捕のつばさの党代表、黒川敦彦容疑者 2024/5/17 16:53 https://www.sankei.com/article/20240517-4ZI2MUZIQNN5NNHOPKYKERWEZM/ 衆院東京15区補選を巡り、警視庁捜査2課に公職選挙法違反容疑で逮捕された政治団体 「つばさの党」 代表の黒川敦彦容疑者(45)は、同党前身の政治団体 「オリーブの木」 を結成して政治活動を本格化させた経歴を持つ。 その後、立花孝志党首率いる政治団体 「NHK党」 で幹事長に就任。 ガーシーこと東谷義和元参院議員の選挙活動に関わるなどして、活動を先鋭化させていったとみられる。 ■ガーシー氏出馬関与から変化 「真面目に選挙活動を展開していて、今のような過激な行為はなかったんですが…」。 オリーブ時代から数年間、選挙活動に関する相談を受けていたという行政書士の男性はこう明かす。 黒川容疑者からの相談は、選挙ポスターの表記や選挙カーが都県境を跨ぐ際の警察への届け出方法などに関するもので、 「法を守る方向に意識が向いていた」 という。 男性によると、変化があったのは新型コロナウイルス禍の頃。 「陰謀論めいた方向に傾注し、NHK党でガーシー氏の出馬などに関わった頃からおかしくなっていったように見える」 と話す。 令和4年、NHK党で携わったのが暴露系ユーチューバーとして活動していたガーシー氏が出馬した参院選だ。 黒川容疑者は選挙戦を通し、インターネットなどで目に留まりやすい発信方法を習得していったとみられる。 黒川容疑者自身も、逮捕前の取材に 「立花氏から学んだ事はある」 と明かしていた。 ■立花氏は「僕が切り捨てたから先鋭化」 ただ、黒川容疑者はその後、党の運営などを巡って立花氏らと対立し、袂を分かつ。 立花氏はそうした経緯について産経新聞の取材に、 「先鋭化したのは僕が切り捨てたからだと思う」 と分析。 「経済的にも厳しくなったからじゃないか」 と話している。 黒川容疑者本人は、産経新聞の取材に、 「(妨害音を鳴らす)『かぶせ』はしなかったが、オリーブの時も安倍晋三首相(当時)の街宣に突撃しました」 と、方針の変化を否定。 交流サイト(SNS)などで過激な行動を発信している手法については、 「世の中を良くするため」 「広告収入を得ることが狙いではない」 としていた。 警告後も続いた妨害、公選法違反と判断 つばさの党代表、異例の逮捕 18年ぶり特捜本部 2024/5/17 16:52 https://www.sankei.com/article/20240517-3INDHE3NQRJC3NRFV6WK5YRY2I/ 民主主義の根幹である選挙活動を揺るがした妨害行為は、元候補者らの逮捕という異例の事態に発展した。 2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で複数の陣営に対し、妨害行為を繰り返した政治団体 「つばさの党」。 警視庁捜査2課は、関係機関とも綿密な調整を重ね、警告後も続いた活動を 「自由妨害」 と認定し、強制捜査から4日後に逮捕に踏み切った。 「表現の自由、言論の自由は尊重しなければならないが、今回は度を越している」 「極めて悪質」。 つばさの党から立候補した根本良輔容疑者(29)や党代表、黒川敦彦容疑者(45)らの行為について、警視庁はそう判断した。 補選中、つばさの党は、他陣営の演説を拡声器やクラクションで妨害する行為を繰り返した。 公選法225条の 「自由妨害」 は、候補者や運動員に対し @暴行、威力を加えること A交通の便や集会の便を妨げる、演説の妨害、ポスター損壊などをすること B学校や会社など特殊な利害関係を利用して威迫すること と規定する。 演説の妨害は条文上、明確に違反行為とされているが、実際に摘発されているのは、運動員を殴ったり、ポスターを破ったりしたというような個人がほとんど。 陣営を挙げて組織的に他陣営の街頭演説に乗り込み、大音量で妨害する行為は想定されていなかったというのが実情だ。 黒川容疑者は逮捕前、産経新聞の取材に、 「両陣営の演説が重なっただけ」 などと主張。 選挙中も、 「過去の判例を見ても有罪になったことはない」 などとして妨害行為を止めなかった。 警視庁は補選告示日の2024年4月16日、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)の街頭演説に対し、電話ボックスの上に座りながら拡声器を使って大音量で話したり、車のクラクションを鳴らしたりした行為が妨害に当たる可能性があるとして2024年4月18日に警告を発出。 前例がない中で、捜査2課は 「言論の自由」 の侵害に当たらないよう慎重に捜査を進め、根本容疑者らの言動を蓄積すると共に、公選法の解釈や運用について検察庁などとも協議を重ねた。 根本容疑者らは反復的に同様の行為を続けた他、他陣営にも矛先を向けていったことを重要視。 乙武氏の演説の際、聴衆の間に割って入り、聴衆に背を向けて質問などを捲し立てていたことが、選挙活動の演説とは異なる 「妨害」 に当たることも併せて、逮捕に踏み切った。 警視庁は今回、刑事部長を本部長とする 「特別捜査本部」 を設置。 妨害の立証と共に、組織の実態解明を進める。 捜査2課が特捜本部を設置するのは異例で、巨額詐欺事件として知られる 「近未来通信事件」 以来18年ぶりという。 「選挙への影響取り返せない」 つばさの党代表ら逮捕、各陣営評価も影響深刻 2024/5/17 16:26 https://www.sankei.com/article/20240517-QNMUGWYGKVLZDPWV7SJY5TWG4Y/ 衆院東京15区補欠選挙に絡み公選法違反容疑で逮捕された政治団体 「つばさの党」 代表らは、無所属、乙武洋匡氏(48)の陣営だけでなく、複数の陣営の街頭演説で妨害行為を繰り返していた。 各陣営関係者からは2024年5月17日、 「民主主義が破壊された」 などと批判する声が上がった。 立憲民主党から立候補して当選した酒井菜摘氏(37)の陣営関係者は 「平穏で議論の深まった選挙戦であるべきなのに、有権者との対話という選挙の重要な要素が妨げられたのは残念だ」 と振り返った。 飯山陽氏(48)を擁立した政治団体 「日本保守党」 の有本香事務総長も 「まともに選挙活動ができなかっただけでなく、有権者が候補者の訴えを聞けなかったのは大きな損失」 「民主主義を破壊したことを深刻に受け止めるべきだ」 と批判した。 乙武氏陣営で選対本部長を務めた尾島紘平都議は 「民主主義の根幹たる選挙の自由と安全が脅かされた」 「逮捕は評価したいが、選挙への影響は取り返せない」 と残念がった。 小池百合子都知事「政治に対する嫌悪感を深める」と批判 つばさの党代表ら逮捕 2024/5/17 14:56 https://www.sankei.com/article/20240517-ZKMNI4QN45NI3ALK6IWEOZZHJQ/ 東京都の小池百合子知事は2024年5月17日の定例記者会見で、衆院東京15区補選で別陣営の演説を妨害した公選法違反(自由妨害)容疑で、警視庁が政治団体 「つばさの党」 代表、黒川敦彦容疑者(45)ら3人を逮捕したことに 「候補者が怯え、有権者に話すのではなく他の候補者を貶めることは、政治に対する嫌悪感を深めてしまう」 と容疑者らの手法を批判した。 先の補選で小池氏は、乙武洋匡(ひろただ)氏(48)=無所属=を支援。 告示前から選挙期間中にかけて、小池氏は乙武氏と共に街頭演説を行ったが、黒川容疑者らが度々会場近くまで近付いて大音量でヤジを飛ばすなどしていた。 また選挙期間中には黒川容疑者らが選挙区とは関係ない小池氏の自宅前で大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言。 警視庁がつばさの党関係先の家宅捜索を行った2024年5月13日夕にも、黒川容疑者らが小池氏の自宅前で抗議行動を行っている。 小池氏はこの日の会見で 「多くの方が一連の行動に憤りを感じておられると思う」 「候補者が命の危険を感じる選挙はあり得ない」 と振り返った。 その上で、 「(これまでの選挙で各陣営が守ってきた)紳士協定がない、何でも有りの状況で今日の逮捕に至った」 とし、 「(今後の選挙で)模倣する人が出てくる懸念が残る」 と指摘した。 つばさの党代表ら逮捕 立民・泉健太代表「異常な行動」「ずいぶん私も追い回された」 2024/5/17 14:46 https://www.sankei.com/article/20240517-K4RLRZ2CDVONNOWBSS7OAWHV5I/ 衆院東京15区補欠選挙で街頭演説を大音量で妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体 「つばさの党」 代表らが逮捕されたことを受け、15区に公認候補を擁立した立憲民主党の泉健太代表は2024年5月17日の記者会見で 「私が見ていてもそういった(自由妨害に該当する)行為であったと感じる」 と語った。 泉氏は 「異常な行動であったと言わざるを得ない」 と指摘した上で 「随分私も選挙カーを追い回された」 と振り返った。 法改正の必要性にも言及し 「『妨害』をどう規定するか、我々も考えている」 と述べた。 つばさの党の根本容疑者、都知事選出馬表明の石丸氏に「徹底的に質問に行くよ」逮捕前予告 2024/5/17 14:19 https://www.sankei.com/article/20240517-TOLVZ2RUANCCFBIFN42Z2LKLQQ/ 2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡り公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕された政治団体 「つばさの党」 幹事長の根本良輔容疑者は2024年5月16日、都知事選に出馬意向の広島県安芸高田市の石丸伸二市長について、X(旧ツイッター)で 「徹底質問」 を予告していた。 「一説によると維新から出るそうだが、そうなったら徹底的に質問しに行くよ 彼との対談とか、めっちゃ盛り上がると思う」 と書き込んだ。 投稿は2024年5月17日に逮捕される前。 都知事選については根本氏も立候補を表明していた。 石丸氏は本会議中に居眠りする議員に対し、 「恥を知れ」 と批判したことなどで知られる。 根本氏はXで 「寝てるクソ議員に恥を知れ!と言うぐらいだから質問には答えてくれるだろう」 と投稿した。 黒川敦彦容疑者が設立「つばさの党」、矛先はワクチンや宗教団体の政治活動も 2024/5/17 13:00 https://www.sankei.com/article/20240517-5K7ILGFZ3VGC7ABSKKUVMY6RBY/ 2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁は2024年5月17日、政治団体 「つばさの党」 代表の黒川敦彦、幹事長の根本良輔、組織運動本部長の杉田勇人の各容疑者を公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで逮捕した。 前身団体は令和元年に設立された政治団体 「オリーブの木」。 政権与党に対峙する緩やかな諸派連合を目指し対米自立、護憲を掲げたが、近年は反ワクチンや宗教団体の政治活動に矛先を向けて抗議活動を展開してきた。 「エセ保守 媚び米 媚びイスラエルで 安倍政治万歳! 統一教会、日本会議とべったり」 黒川容疑者は2024年5月17日午前、X(旧ツイッター)にこう書き込み、一部保守系オピニオン誌に対する批判を展開した。 この投稿直後に逮捕されたとみられる。 黒川容疑者は愛媛県今治市で市民団体 「今治加計獣医学部問題を考える会」 の共同代表を務め、令和元年5月、元衆院議員の小林興起氏、元外交官の天木直人氏、千葉県議の西尾憲一氏とオリーブの木を設立した。 4人が主宰する政治団体の集合体として、令和元年7月の参院選で議席獲得を目指した。 当時のホームページには 「安倍自公政権はもとより、野党共闘も国民のための政治を実現することができず、何とかならないかという声」 の受け皿になると紹介されているが、参院選で候補者は全員落選した。 その前後にオリーブの木内部で、役員人事や政治手法、歴史観、共通政策の違いが露呈したという。 令和元7月に小林氏が離党、令和元9月に天木氏が離党、翌令和2年2月には西尾氏が離党。 これによって、オリーブの木は黒川派が主導権を握った形となる。 令和3年1月、黒川容疑者は動画投稿サイトで党名を 「つばさの党」 に変更すると発表。 令和3年6月には党名変更を繰り返すNHK党と次期衆院選に向けた連携も決定した。 黒川容疑者が率いるつばさの党は、新型コロナウイルス禍でワクチンリスクに警鐘を鳴らす街宣活動を地方で行うと共に、宗教団体に対する抗議活動も先鋭化。 公明党の支持母体である創価学会や幸福の科学に対するデモ活動を行っていく。 令和4年9月には世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する抗議集会の開催を呼び掛け、JR渋谷駅前で 「統一教会、CIA」 などと叫んだり、旧統一教会本部前で歌を歌ったり音楽を鳴らしたりするパフォーマンスを行った。 選挙活動を巡っても黒川容疑者らは東京15区補選(2024年4月28日投開票)以前から、他の候補の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子を動画配信する手法を取っていた。 黒川容疑者と根本容疑者は2024年7月の都知事選にも立候補する考えを表明していた。 公明党の石井幹事長、選挙妨害「由々しき事態」 つばさの党代表ら逮捕は「適切」 2024/5/17 11:52 https://www.sankei.com/article/20240517-UJNYABKDUVIBNDAIKXCVQTW22U/ 公明党の石井啓一幹事長は2024年5月17日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで政治団体 「つばさの党」 代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて 「適切な対応がなされた」 と評価した。 「選挙は民主主義の根幹だ」 「有権者が十分に候補者の訴えを聴取できなかったことは極めて由々しき事態だ」 と述べた。 「つばさの党」黒川敦彦容疑者が逮捕前日の取材に語る「若者の声を代弁」「尾崎豊みたいな」 2024/5/17 11:36 https://www.sankei.com/article/20240517-MCSPWXPKUZJ3BIDDRAIFSADK3I/ 2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体 「つばさの党」 代表の黒川敦彦容疑者(45)を逮捕した。 逮捕前日の2024年5月16日、産経新聞は黒川容疑者に取材した。 一問一答は次の通り。 ーーなぜ選挙活動で過激な手法を行うのか 政治家の噓を暴きたいからだ。 街頭演説で半ば噓みたいなキレイ事だけを言っている。 僕たちが実際は『どうなっているの』という質問に行き、政治家の噓を可視化するために行っている」 ーー演説の中で「当選するつもりもない」と言っていたが、出馬の目的は。 国政政党になるために活動しているので選挙には勝つために出ている。 現実的には組織票がない中で衆院選の小選挙区で勝つのは難しい。 1回で勝てなくても積み重ねて今のつばさの党になっている。 仲間は確実に増えている。 批判はあるし、やり過ぎだと思うかもしれないが、共感する人も思った以上に多い。 我々の言論や行動に関しては、一定の国民の支持があるので、一方的に選挙妨害というのは民主国家のロジックとして成り立たない。 ーーどの点が共感を呼んでいると感じているのか 若者たちの声が政治に届かず不満をためているが、持って行き先も分からない。 僕らが代弁している。 権力に挑んでいる。 クソ政治家に僕らは『お前らクソだよね』と言ったことに面白いという声がある。 尾崎豊みたいな。 ーーつばさの党の選挙活動が選挙妨害、自由妨害に当たるという疑いが持たれている点についてどう捉えているか 自由妨害だという法的根拠が1つもない。 陣営同士の演説が重なってはいけないという法律はない。 総務省にこれから聞きに行くが、違法だとは答えられないと思う。 ーー活動をユーチューブなどで動画配信している目的は 世の中を良くするためだ。 ユーチューブの売り上げも活動資金にはなっているが、足りてはいない。 圧倒的に赤字。 事業が成功し、その売り上げを使って活動資金にしている。 ーー活動資金は 皆で稼いでいる。 事業を17個くらいやっている。 ーー2024年6月20日告示、2024年7月7日投開票の東京都知事選にも出馬する 出馬表明しているので、もちろん出る。 根本(良輔容疑者)も出る。 杉田(勇人容疑者)も出たいと言っている。 妨害や人を困らせるためにやっているわけではない。 政治と社会がクソだからクソだって盛大に言っている。 次の次の参議院選挙で国政政党になるために活動している。 10億円貯めて、選挙で使う。 林官房長官「選挙運動の妨害あってはならない」 つばさの党代表ら逮捕 2024/5/17 11:08 https://www.sankei.com/article/20240517-X7LR3XJ2R5LLFL2UZQ7HHC5DLE/ 林芳正官房長官は2024年5月17日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体 「つばさの党」 代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕したことについて 「選挙運動を妨害することはあってはならず、候補者、選挙運動関係者は選挙のルールを順守し、公正適切に選挙運動を展開する必要がある」 と述べた。 つばさの党代表ら3人を逮捕 公選法違反容疑 衆院東京15区補選で妨害 2024/5/17 9:28 https://www.sankei.com/article/20240517-XXBSATQP65M2VMM2TAJGGZ6WIA/ 2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は2024年5月17日、公選法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体 「つばさの党」 代表、黒川敦彦容疑者ら3人を逮捕した。 捜査関係者への取材で分かった。 つばさの党 代表ら3人を逮捕「選挙の自由妨害」の疑い 警視庁 2024年5月17日 9時18分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240517/k10014452011000.html 2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体 「つばさの党」 の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして、選挙活動を妨害したとして、警視庁が選挙に立候補した幹事長や代表ら3人を公職選挙法の 「選挙の自由妨害」 の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で分かりました。 逮捕されたのは政治団体 「つばさの党」 の幹事長で、選挙に立候補した根本良輔 容疑者(29)と、代表の黒川敦彦 容疑者(45)、それに、運動員の杉田勇人 容疑者(39)の3人です。 捜査関係者によりますと、3人は2024年4月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにして選挙活動を妨害したとして、公職選挙法の 「選挙の自由妨害」 の疑いが持たれています。 警視庁は2024年5月13日に、団体の事務所や容疑者らの自宅を一斉に捜索すると共に、他の陣営からの被害届を受理して聞き取りを行うなどして捜査を進めてきました。 容疑者らは選挙期間中に他の陣営の選挙カーを追い回すなどの妨害行為も繰り返していて、警視庁は妨害の目的や詳しい経緯を更に調べることにしています。 警視庁によりますと、選挙に立候補していた陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして候補者らが逮捕されるのは極めて異例だということです。 一方、黒川代表は捜索を受けた際、 「我々の行動が選挙妨害になった判例及び法的事実はないので、表現の自由の中で適法なことをやっていると理解している」 などと反論していました。 選挙妨害容疑のつばさの党・黒川敦彦代表、過去に加計学園問題巡り民進党で講師役も 2024/5/16 15:25 https://www.sankei.com/article/20240516-WLEPCTCSMRH3BELUFPVV5SQITU/ 2024年4月に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、警視庁は他候補の街頭演説を妨害した疑いが強まったなどとして、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、政治団体 「つばさの党」 の本部などを家宅捜索した。 同党の黒川敦彦代表は、過去にNHK党(当時)などから国政選挙に出馬し、落選を繰り返した。 学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設を巡る問題を追及して注目を集め、民進党の会合に講師として出席したこともある。 ■小池百合子知事への批判強化 「今日も朝から街宣車出します 小池ゆりこ(=百合子東京都知事)にヘイヘイ言ってるので、見かけたら声かけたり、拡散お願いします! 街宣車さらにどんどん手配中です 日々、増やしていく予定です」 黒川氏は2024年5月16日、X(旧ツイッター)にこう書き込み、小池氏を批判する街頭活動を強化していく考えを示した。 つばさの党の陣営は、東京15区補選で他の候補が演説する際、近くの電話ボックスによじ登ってヤジを飛ばしたり、車でクラクションを鳴らしたりした。 その代表を務める黒川氏は、かつて 「産学連携ベンチャーの申し子」 と呼ばれることもある起業家だった。 ■起業家から市民活動家 黒川氏は平成13年に大阪大工学部を卒業、独立行政法人 「新エネルギー・産業技術総合開発機構」)NEDO) で企業と大学の研究の橋渡し役をする研究などに取り組んだ後、愛媛県今治市に帰郷した。 平成29年には、愛媛県今治市市内に建設を予定する加計学園の獣医学部を巡り、安倍晋三元首相の関与を追及する市民団体 「今治加計獣医学部問題を考える会」 を立ち上げ、共同代表としてメディアに頻繁に取り上げられるようになった。 平成29年5月には同市内の獣医学部建設現場を訪れた民進党の 「加計学園疑惑調査チーム」 のメンバーを案内し、平成29年8月に同チームの会合に講師として出席した。 平成29年年10月の衆院選では、安倍氏の地元・山口4区に無所属で出馬。 獣医学部開設を取り上げた。 この選挙でも、他候補の会合に乗り込み、接触を図るような行為を目立たせていた。 公示前にはツイッター(現X)で 「初日一人でも多く山口4区に来て、安倍あきえ(=夫人・昭恵氏)を取り囲みましょう!」 と投稿。 公示日に安倍氏の出陣式に、山本太郎参院議員と駆け付け、昭恵氏に近寄ると、安倍氏との合同演説会の開催を要請するという 「申入書」 と題した紙を手渡した。 山本氏がこの様子をインターネット中継しており、安倍氏の後援会幹部は 「実質的な妨害だ」 と憤ったという。 ■国政選に落選繰り返す 令和元年7月の参院選には、元外交官の天木直人氏らと設立した政治団体 「オリーブの木」(現・つばさの党) の代表として、令和3年10月の衆院選では 「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(当時) の公認として、令和4年7月の参院選はNHK党(当時)の公認でそれぞれ出馬し、落選している。 令和4年6月にはNHK党幹部としてNHK番組 「日曜討論」 に出演した。 司会者の制止を振り切りながら、 「テーマに沿わない」 という発言を繰り返した後、 「あべのせいだー、あべのせいだー」 などと歌い出し、ひんしゅくを買っていた。 先の東京15区補選最終日の2024年4月27日、黒川氏は街頭演説に臨み、金融資産を投資に回す必要性について20分近くマイクを握った。 「金融経済が正常に働かない限り国が豊かにならないと思い、政治を始めた」 「最も必要なことは国民を稼げる状態にすることだ」 と強調。 「つばさの党が『政治を変えたい』と言っているのは、皆で生活を良くしたいということだ」 「『ヘイヘイヘイ』とお騒がせしてきた」 「なぜこんな変な選挙戦を戦い、奇抜なことをやったか」 「そうでもしないと一般の皆さんが選挙に興味を持ってくれないからだ」 などと持論を展開した。 維新 音喜多政調会長 つばさの党捜索 “早期に法改正を” 2024年5月14日 17時29分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448771000.html 日本維新の会の音喜多政務調査会長は、先の衆議院の補欠選挙で政治団体 「つばさの党」 の陣営が選挙活動を妨害したとして、警察の捜索を受けたことを踏まえ、対策の強化に必要な法改正に向けて各党に協力を求める考えを重ねて示しました。 今回の捜索について日本維新の会の音喜多政務調査会長は記者団に対し 「本来、選挙期間中に速やかに取り締まるべきだった」 と指摘しました。 そして、党として選挙の自由妨害罪に該当する行為の明確化や、罰則の強化を盛り込んだ、公職選挙法改正案の叩き台をまとめたことを踏まえ 「現行法で対応できるという意見もあるが、具体的な例を法律に書き込み、捜査機関が対応しやすくする意味がある」 「主要野党は大きな方向性でまとまれると思っており、与党にも投げかけていきたい」 と述べました。 一方、音喜多氏は、党の共同代表を務める大阪府の吉村知事から、次の衆議院選挙の公約に0歳から投票権を与え、親が投票を代行する制度の導入を盛り込むよう提案があったことを明らかにし 「結党以来、世代間格差の是正を掲げており公約に載せる方向で検討する」 「憲法改正が必要か否かの論点もあり、早期に結論を出したい」 と述べました。 ■松本総務相「各党の議論内容を注視していきたい」 松本総務大臣は閣議の後の記者会見で 「私自身、選挙に携わっているが、報道を見ている限り、少なくとも体験したことがないようなことが起こっていると感じた」 「公職選挙法に新たなルールをどのように設けるかについて総務大臣としてのコメントは控えるが、各党の議論の内容を注視していきたい」 と述べました。 ■立民 岡田幹事長「捜査も含め状況を見極める時期」 立憲民主党の岡田幹事長は記者会見で 「日本維新の会の法案の叩き台がどこまで法的に意味があるのか党内で議論を尽くしたい」 「法改正をすることによって有権者の権利を阻害する部分もあるし、選挙の自由妨害に該当する具体的な事例を法律に書くことで 『それ以外のことはやってもいい』 ということにもなりかねない」 「捜査も含め状況を見極める時期だ」 と述べました。 ■共産 穀田国対委員長「現行法の範囲内でできることをやるべき」 共産党の穀田国会対策委員長は記者会見で 「公正な議論が保障されなければならない選挙において、妨害は許されないが、選挙管理委員会などがしっかり対処すべき問題だ」 「現行法の範囲内で、できることをきちんとやるべきだ」 と述べました。 ■国民 玉木代表「多くの賛同募って成立させたい」 国民民主党の玉木代表は記者会見で 「今回の行為は選挙の自由妨害罪にあたると思うので、当局には厳しく対処してもらいたい」 「同時に、法改正も必要であり、日本維新の会の叩き台は、我が党と考えがかなり重なる所がある」 「できるだけ多くの賛同を募って成立させたい」 「東京都知事選挙に加え、衆議院選挙もあるかもしれないので早めに処理する必要がある」 と述べました。 <主張>「選挙の自由」妨害 悪質行為の摘発は当然だ 社説社説 2024/5/16 5:00 https://www.sankei.com/article/20240516-MLNXQW6XCRI63FLOP4WXQFEJNI/ 憲法21条は言論や表現の自由を保障している。 この前段となる12条では憲法が保障する 「自由及び権利」 は、 「国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」 と規定している。 憲法は 「自由」 を無制限に保障しているのではなく、その濫用を明確に戒めている。 2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で対立陣営の街頭演説を妨害したなどとして、警視庁は公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で政治団体 「つばさの党」 の関係先を家宅捜索した。 同党は警視庁の強制捜査に対して 「表現の自由の中で適法にやっている」 「心外だ」 などと主張し、今後も同様の政治活動を続けると述べている。 これこそ 「公共の福祉」 とは相容れない 「自由の濫用」 であろう。 同党は他候補の演説中に大音量で罵声を浴びせ、クラクションを鳴らすなどの妨害を繰り返し、選挙カーを執拗に追い回すなどの危険行為もあった。 極めて悪質である。 「選挙の自由」 は対立陣営にもあり、これは明らかに侵害された。 異常な環境下で候補者の演説を聞くことが出来なかった有権者もまた、直接の被害者である。 国民の常識や良識に照らして悪質な行為が、合憲や適法であるはずがない。 警視庁の捜査は妥当である。 類似した事案に、令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばした男女を北海道警が排除し、2人が道に損害賠償を求めた訴訟で札幌地裁が排除の違法性を認めた判決がある。 多くのメディアが北海道警を非難したが、札幌高裁は男性について、警告を無視して大声での連呼をやめず、演説車両に向かって突然走り出すなどの行為があり警察官の判断は 「客観的合理性を有する」 と認定し、賠償命令を取り消した。 「つばさの党」 への強制捜査には 「言論の萎縮を招く」 といった懸念の声もある。 だが、選挙妨害の数々が、守るべき言論や選挙の自由の名に値するか。 しないだろう。 憲法12条はまた、 「国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」 とも謳っている。 「自由」 の履き違えを許してはならない。 日本国憲法 第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。 第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 A 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。 <産経抄>民主主義を脅かし、「つばさの党」に捜査の手 2024/5/16 5:00 https://www.sankei.com/article/20240516-HKUKNISSYZJUZIZGRAEJKCIU7E/ 海軍増強の是非を議論した大正9年の衆院本会議に、今も語り草の一幕がある。 時勢に照らして 「艦隊の充実」 を説いたのは蔵相、高橋是清だった。 「陸海軍とも難儀を忍んで長期の計画といたし、陸軍10年、海軍8年の…」 ▼言葉を継ごうとしたその時、 「ダルマは9年」 と野党の席から声が飛んできた。 9年の座禅で悟りを開いた達磨大師。 いかめしくも愛嬌のある風貌から 「ダルマ」 とあだ名された高橋。 双方に掛けた即妙のヤジだった。 声の主は、後に 「ヤジ将軍」 と呼ばれる三木武吉である。 ▼議場は爆笑に包まれたと聞く。 機知に富み、いたずらに人を辱めるわけでもない。 「議場の華」 と言われるヤジの、会心の一打だろう。 当時の三木は30代半ば、やり取りの老熟ぶりが際立つ。 それに引きかえ、現代の政治模様の幼さはどうだろう。 ▼先日の衆院東京15区補選で他陣営の選挙運動を妨げたとして、政治団体 「つばさの党」 本部などが警視庁の家宅捜索を受けた。 投稿動画を見ると、よその選挙カーを追い回し、拡声器で声を張り上げては街頭演説を遮るなど実に酷いやり口だった。 ▼陣営は 「表現の自由」 と称し、自らを正当化しているという。 憲法も公職選挙法も侮られたものである。 各候補者の主張に耳を傾けたい有権者の権利は、思慮の外ということだろう。 おのが正義を軸に世界が回っている―と勘違いした人々に、ヤジ将軍の挿話は説くだけ無駄か。 ▼「かしましくものいふ」 「人のものいひきらぬ中ニものいふ」 は良寛が嫌った言動の所作である。 思えば亡き安倍晋三元首相も、度を越したヤジに幾度となく街頭演説を妨げられてきた。 民主主義の足元を脅かす挑発の危うさを、我々は看過してはならない。 安倍元首相暗殺の陰にも演説妨害 阿比留琉比の極言御免 2024/5/16 1:00 https://www.sankei.com/article/20240516-FHEBVTYUZFIJ7OC24VDB4MAXUQ/ 政治団体 「つばさの党」 幹部の根本良輔氏らが先の衆院東京15区補欠選挙に出馬し、他の候補の演説場所で大声を上げつきまとうなどの妨害行為を繰り返した問題は、同団体本部が警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索される事態となった。 やっとかというのが、率直な感想である。 選挙演説への妨害行為を巡って、警察がようやく重い腰を上げたことは歓迎したい。 ただ、これまで 「表現の自由」 を錦の御旗に、警察による取り締まりや排除を批判し続けたマスコミや野党議員、またそれにお墨付きを与えた裁判所には憤りを禁じえない。 選挙演説への過激な妨害行為は参院選最中の令和4年7月8日、安倍晋三元首相が暗殺されるきっかけの1つになったからである。 筆者がその前日夜の電話で、長野県に応援演説に行く予定が取り消され、奈良県に入ることになった件を聞くと、安倍氏は答えた。 「あそこは、私が行くと暴れる人がいるから」 「実際、麻生さん(太郎自民党副総裁)が入った時には、変な地方議員らがマイクを持って週刊誌の自民候補のスキャンダル記事を読み上げたんだって」 「他の選挙区に影響しかねないと心配する人がいるから」 長野では演説妨害を受けることが予想され、それをマスコミが面白おかしく報道することを避けた結果、奈良で凶弾に倒れる悲劇に繋がったのだった。 安倍氏が受けてきた演説妨害と、それを擁護し、安倍氏の攻撃材料として利用してきたマスコミの姿勢に関しては2024年4月25日の当欄で取り上げたのだ繰り返さない。 だが、性質の悪い 「こんな人たち」 は確かに存在するのである。 ■壊れる民主主義社会 令和元年の参院選で、札幌市で演説中の安倍氏に 「辞めろ」 「帰れ」 などと大声でヤジを飛ばした男女が、北海道警の警察官に排除された件では、札幌地裁が 「表現の自由などが違法に侵害された」 として、道に賠償支払いを命じた(札幌高裁が一部取り消し)。 これも演説妨害の正当化に利用されてきた。 現につばさの党の根本氏は、2024年5月13日のX(旧ツイッター)にこう投稿している。 「候補者以外の安倍へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない 北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ なぜならヤジの定義が曖昧だから」 多くのマスコミも、司法も 「こんな人たち」 の見方をした結果、警察は委縮し、警備に力を入れられなくなる。 その延長線上に安倍氏の暗殺があり、その最悪の行為の容疑者ですら英雄視する論調が、2023年4月の衆院補欠選挙時に和歌山県での岸田文雄首相暗殺未遂事件を生んだ。 こうして民主主義の根幹と言える街頭での選挙演説が困難となり、民主主義社会は壊れていく。 ちなみに、つばさの党の黒川敦彦代表は平成29年の衆院選で安倍氏の地元の山口4区から出馬しており、当時、ツイッターにこんな異例の投稿をしている。 「(平成29年)10月10日のボランティア急募 初日1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう!」 安倍氏の昭恵夫人への迷惑行為、つきまといへの参加を呼び掛けたのだった。 安倍氏陣営は選挙妨害だと憤ったが、今回の東京15区でのやり方は、既にこの時から始まっていたのである。 言葉を用いた 「表現の自由」 を偽装した事実上の実力行使を、これ以上許してはならない。 北海道警やじ訴訟で上告 札幌高裁で逆転敗訴の男性 2023/7/5 15:59 https://www.sankei.com/article/20230705-6WEYQJN5URPFHPBECT7W5DDB5U/ 令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟で、原告の男性は2023年7月5日、逆転敗訴とした札幌高裁判決を不服として上告した。 男性は大杉雅栄さん(35)。 2023年6月22日の高裁判決は、大杉さん本人が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定し、1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。 一方、桃井希生さん(27)については、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとして55万円の賠償命令を維持しており、桃井さんは上告できない。 高裁判決によると、2人は令和元年7月15日、JR札幌駅近くで街頭演説をしていた安倍氏に 「安倍辞めろ」 などとヤジを飛ばし、警察官らに取り囲まれ、後方に移動させられるなどした。 原告2人判断分かれる 安倍首相やじ排除訴訟で札幌高裁 2023/6/22 19:53 https://www.sankei.com/article/20230622-OIW6EPFLJBK5VGUXTEIGEL2HWU/ 令和元年の参院選で安倍晋三首相(当時)の街頭演説中にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は2023年6月22日、計88万円の賠償を道に命じた札幌地裁判決のうち、男性(35)への賠償命令を取り消した。 女性(27)については道の控訴を棄却し、1審の55万円の賠償命令を維持した。 大竹優子裁判長は、男性本人が周囲から暴行を受ける危険や安倍氏に危害を加える恐れがあったとして警察官の行為は妥当と認定した。 女性については1審判決と同様、排除は憲法で保障された表現の自由の侵害に当たるとした。 離れた場所にいた2人の状況は異なっており判断が分かれた。 2022年3月の1審判決後の2022年7月、安倍氏が街頭演説中に銃撃され死亡する事件が発生したが、控訴審の審理や判決で言及はなかった。 男性は上告を検討するとし 「銃撃事件がなかったら、裁判所の判断は変わらなかったのではないか」 と話した。 道警は 「判決内容を精査し、対応を検討する」 とコメントした。 「安倍氏に危害の恐れ」 やじ男性排除は適法 札幌高裁 2023/6/22 16:27 https://www.sankei.com/article/20230622-HKB5YON4XZLTZGXXRKN7QG6BBQ/ 令和元年の参院選で札幌市で演説中の安倍晋三首相(当時)にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が道に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で札幌高裁は2023年6月22日、男性に対する道警の排除行為について、男性が周囲から暴行を受けたり、男性が安倍氏らに危害を加えたりする恐れが迫っており、適法だったと判断した。 一方、女性に対する排除行為については1審判決と同様、表現の自由の侵害に当たると判断。 女性への賠償命令に対する道警側の控訴を棄却した。 高裁は2人への賠償を命じた1審判決のうち、男性への支払いを命じた部分を取り消した。 やじ排除訴訟で北海道控訴 警察官職務の是非高裁へ 2022/4/1 12:11 https://www.sankei.com/article/20220401-DRV2M3JQRJP2XEC67GT6BUILZA/ 令和元年の参院選期間中に安倍晋三首相(当時)の街頭演説にヤジを飛ばし、北海道警に排除された男女2人が損害賠償を求めた訴訟で、道は2022年4月1日、排除の違法性を認めて計88万円の支払いを命じた札幌地裁判決を不服として控訴した。 政治家にヤジを飛ばした聴衆を、その場から排除した警察官による職務執行の是非は、札幌高裁で改めて審理される。 道警監察官室は 「控訴審で当方の考えを主張していく」 とのコメントを出した。 2022年3月25日の地裁判決は、現場で撮影された動画などから、当時犯罪が行われようとしていたとは認められず、警察官の行為は違法と指摘。 憲法21条で保障されている 「表現の自由」 が警察官に侵害されたと認定した。 ヤジについても、公共的、政治的事項に関する表現行為と位置付け、特に重要な憲法上の権利として尊重されるべきだとの判断を示した。 地裁判決によると、原告らは令和元年7月15日、札幌市内で街頭演説中だった安倍首相に 「安倍辞めろ」 「増税反対」 と声を上げたところ、警察官らに肩や腕などを掴まれて移動させられたり、長時間に渡って付きまとわれたりした。 2022年3月25日 https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/79884.html ■“安倍元首相にヤジで排除は違法” 北海道に賠償命じる判決 3年前の2019年、札幌市で当時の安倍総理大臣の街頭演説にヤジを飛ばし警察官によって離れた場所に移動させられた男女2人が、排除は違法だとして道に賠償を求めた裁判で、札幌地方裁判所は 「警察官らの行為は違法で、原告らの表現の自由が侵害された」 として原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。 3年前の2019年、札幌市内で街頭演説をしていた当時の安倍総理大臣に向けて複数の人がヤジを飛ばすなどし、警察官によって離れた場所に移動させられました。 このうち札幌市に住む大杉雅栄さん(34)と桃井希生さん(26)の2人は排除は違法で精神的苦痛を受けたとして、北海道にあわせて600万円余りの賠償を求めていました。 2022年3月25日の判決で札幌地方裁判所の廣瀬孝裁判長は、 「被告側は 『当時、生命や身体に危険を及ぼす恐れのある危険な事態にあったとか、犯罪がまさに行われようとしていた』 などと主張するが、それは認められない」 「警察官らの行為は違法で原告らの表現の自由が侵害された」 と指摘し、原告側の訴えを認め、道にあわせて88万円の賠償を命じました。 ■原告「期待以上の判決だった」 判決後の会見で、原告の大杉雅栄さんは 「筋の通らないことはおかしいと、真っ当なことを明記した期待以上の判決だった」 と述べました。 一方、 「問題となった排除行為を巡り、北海道警の組織的な責任や関与が争点にならなかった」 と指摘しました。 また、原告の桃井希生さんは、ヤジを飛ばして移動させられた後も警察官につきまとわれたことに恐怖や混乱を覚えたなどと、当時を振り返り 「世の中のおかしいことに対して『おかしい』と言うための力になる判決だったと思う」 と述べました。 原告側の代理人を務めた小野寺信勝弁護士は 「道警の排除行為が違法であることを認めた今回の判決を評価したい」 と述べた上で、被告の道に対し、控訴せず、今回の判決を踏まえて再発防止などの対策を取るよう求めました。 ■北海道警察本部監察官室「判決内容を精査し対応を検討」 判決を受けて北海道警察本部監察官室は 「判決内容を精査し、対応を検討して参ります」 とコメントしています。 つばさの党、選挙カー追跡 「交通の便妨げる行為」適用も視野に捜査 警視庁 2024/5/15 5:00 https://www.sankei.com/article/20240515-2U5ND6S2PZIUXGCP7G754VREBM/ 2024年4月の衆院東京15区補欠選挙を巡る自由妨害疑惑を巡り、出馬していた複数の陣営の選挙カーが、政治団体 「つばさの党」 の選挙カーから執拗な追跡を受け、警察署に避難する事態となっていたことが2024年4月14日、捜査関係者への取材で分かった。 各陣営は選挙活動の予定変更を余儀なくされており、警視庁捜査2課は、追跡が、公職選挙法で自由妨害と規定する交通の便を妨げる行為に当たると見て、立件を視野に裏付けを進めている。 捜査関係者によると、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と党幹部の根本良輔氏(29)ら3人は、立憲民主党など他陣営の選挙カーを自陣営の選挙カーで付け回し、拡声器を使って 「売国奴」 と罵声を浴びせるなどの行為を繰り返した。 追跡を受けた陣営の中には110番通報をしたり、選挙区内にある城東署や深川署に避難したりした例もあった。 捜査2課は、街頭演説に対する 「妨害」 だけではなく、追跡行為も有権者に各候補者の主張を届ける機会を妨げたと見ている。 同課は2024年4月13日、党本部と黒川氏、根本氏の自宅を家宅捜索し、パソコンなど数十点を押収。 ただ、選挙カーの追跡による自由妨害での摘発は前例が乏しいことから、関係機関と調整するなどして、裏付けを進めている。 「つばさの党」が捜索の東京15区補選を受け選挙妨害の禁止を周知 都選管がリーフレット 2024/5/14 16:20 https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/ 東京都選挙管理委員会が新たに作成したリーフレット https://www.sankei.com/article/20240514-R4VVUBCRFBNLPF5FZLJBLETK7M/photo/X4RDZFBGEZKT5DEYJQE6HZXQIU/ 2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、候補者の街頭演説の妨害を疑われる行為が目立ったとして、東京都選挙管理委員会は2024年5月14日、公職選挙法に定められた選挙運動で禁止されている妨害行為を周知するリーフレットを作成した。 有権者に周知すると共に、選挙事務の説明会などで候補者に説明する。 同選挙を巡っては、政治団体 「つばさの党」 が他候補の街頭演説を妨害するなどした公選法違反(自由妨害)の疑いで、2024年5月13日に警視庁の家宅捜索を受けた。 同党代表の黒川敦彦氏は、 「合法だと思っている」 「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」 と主張している。 リーフレットでは、 「選挙運動の妨害は禁止されています」 と明記。 @暴行や不法な威力による妨害 A演説の継続や聴取を困難とする妨害 などが同法225条に抵触する恐れのある事例として紹介されている。 都選管は 「今回の選挙の執行状況から周知・啓発が必要と判断した」 「有権者や候補者にとって安全な・安心な演説の場を確保する」 とした。 つばさの党・根本良輔氏「安倍氏へのヤジが合法で俺らが違法なわけがない」 選挙妨害疑い 2024/5/14 10:29 https://www.sankei.com/article/20240514-MEYMGQ723FF3ZIBV7ZBVDTKSJI/ 2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体 「つばさの党」 幹事長の根本良輔氏が2024年5月13日、警視庁に公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索されたことについて、X(旧ツイッター)で 「候補者以外の安倍(晋三氏)へのヤジが合法な時点で、候補者である俺らが違法なわけがない」 と書き込み、自身の行為を正当化した。 札幌高裁は令和5年6月、元年7月参院選で札幌市の街頭で応援演説中の安倍氏にヤジを飛ばして北海道警に排除された女性を巡って、排除は憲法に保障された 「表現の自由」 の侵害に当たると判断し、道に女性への賠償を命じた1審判決を維持した。 根本氏はXに 「北海道のヤジも、俺らがやったヤジも全く同じ」 と指摘。 「なぜならヤジの定義が曖昧だから」 「音量がデカかろうが何だろうが定義が曖昧な以上、ヤジであると一括りにされる」 「だから警察は、小池(百合子都知事)に圧力掛けられて警告を出したりガサ入れするぐらいしかできない」 と投稿した。 2024年5月14日の投稿では 「俺らは今の国政政党はおかしい、噓を付いているということを周知するという主義主張の元立候補し、質問をしに行ったりおかしいと思うところを指摘したに過ぎない」 とも書き込んだ。 つばさの党事務所など捜索 押収したパソコンなどの分析進める 2024年5月14日 5時00分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240514/k10014448211000.html 先月行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体 「つばさの党」 の陣営が他の陣営の選挙活動を妨害したとして、警視庁は2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで、団体の事務所などを捜索しました。 警視庁は押収したパソコンや携帯電話の分析を進め、一連の活動の目的や計画性などを詳しく調べる方針です。 2024年5月13日、公職選挙法違反の疑いで捜索を受けたのは、政治団体 「つばさの党」 の千代田区にある事務所と、根本良輔幹事長(29)、黒川敦彦代表(45)の自宅です。 「つばさの党」 の陣営は、根本幹事長が立候補した先月の衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、拡声機などを使って他の陣営の候補者の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、選挙活動を妨害した疑いが持たれています。 捜査関係者によりますと、 「つばさの党」 の陣営から追い回されるなどの妨害を受けた他の陣営の選挙カーの中には、予定していたルートの変更を余儀なくされたり、一時、警察署への避難を余儀なくされたりしたケースもあったということです。 陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例です。 一連の行為をめぐっては、国会で対策が議論される事態にも発展していますが、 「つばさの党」 の黒川代表は2024年5月13日取材に対し、 「我々は表現の自由の中で、適法な事をやっていると理解している」 などと述べています。 警視庁は2024年5月13日の捜索で押収したパソコンや携帯電話の分析を行うなどして、一連の活動の目的や、計画性などを詳しく調べる方針です。 つばさの党事務所など捜索 衆院東京15区補選 演説妨害など疑い 2024年5月13日 19時18分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240513/k10014447441000.html 2024年4月に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、政治団体 「つばさの党」 の陣営が拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして選挙活動を妨害したとして、警視庁が公職選挙法違反の疑いで東京 千代田区にある団体の事務所などに一斉に捜索に入りました。 捜索を受けたのは、政治団体 「つばさの党」 の根本良輔幹事長(29)と黒川敦彦代表(45)のそれぞれの自宅と、千代田区にある団体の事務所の3か所です。 捜査関係者によりますと、2024年4月28日に投票が行われた衆議院東京15区の補欠選挙の期間中、立候補した根本幹事長の陣営が、長時間に渡り拡声機などを使って他の陣営の演説が聞き取れないようにしたり、選挙カーを追い回したりして、他の陣営の選挙活動を妨害した公職選挙法違反の疑いが持たれています。 「つばさの党」 を巡ってはは、告示日の2024年4月16日、東京 江東区のJR亀戸駅前で他の候補者が行っていた演説を車のクラクションを鳴らすなどして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の妨害に当たるとして、警視庁から警告を受けていました。 警視庁には他の複数の陣営からも選挙の妨害を受けたという申告があり、被害届が受理されているものもあるということです。 陣営が演説を妨害した疑いで強制捜査を受けるのは異例だということです。 ■機動隊員が警戒する中 約2時間半の捜索 東京 千代田区にあるつばさの党の事務所が入る建物の前では、午前11時頃盾を持った警視庁の機動隊員が建物の入り口に立って警戒する中、捜査員が捜索に入りました。 捜索は、およそ2時間半行われ、午後1時半頃、捜査員が複数の段ボール箱などを捜査車両に積み込んでいました。 ■黒川代表「暴力振るっているわけではなく言論の行為」 自宅が捜索を受けた政治団体 「つばさの党」 の黒川敦彦代表は、取材に対し 「我々は表現の自由の中で、適法なことをやっていると理解している」 「別に暴力を振るっているわけではなく、持っている権利を行使している」 「私たちがやっていることは、言論の行為で、多少、乱暴だという認識はあるが、権力者が言論行為を止めることは絶対にあってはならないことだ」 などと話しました。 ■林官房長官「妨害はあってはならず公正・適切に選挙運動を」 林官房長官は午後の記者会見で 「選挙は国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であり、公正に行われるためには選挙運動は自由に行われなければならない」 「妨害はあってはならず、候補者や関係者にはルールを順守し、公正・適切に選挙運動を展開してもらう必要がある」 と述べました。 その上で、公職選挙法を改正する必要性を問われたのに対し 「選挙運動に関する事柄であり、各党・各会派で議論すべきものだ」 と述べました。 ■自民 茂木幹事長「極めて遺憾 必要な法改正を」 自民党の茂木幹事長は、記者会見で 「電話ボックスの上で大声を出したり、選挙カーのすぐ傍で太鼓を叩いたり、明らかに異常だ」 「これまで見たことがないような妨害行為が行われたことは極めて遺憾で、捜査当局には、法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」 と述べました。 その上で 「今後、公正な選挙運動の機会を確保するために、我が党としても罰則強化など実効性のある対応をしっかり検討し、必要な法改正を行っていきたい」 と述べました。 ■自民 梶山幹事長代行「街頭演説は重要な機会 党として議論」 自民党の梶山幹事長代行は記者会見で 「街頭演説は国民に候補者の主張を直接伝えることができる大変重要な機会だ」 「選挙の公正さを守り、自由な選挙活動を確保するためにも、仮に選挙妨害を目的とした悪意を持った街頭演説が行われたのであれば、罰則強化を含め今後党として議論したい」 「党として問題意識は持っている」 と述べました。 ■立民 泉代表「選挙妨害と言わざるをえない」 立憲民主党の泉代表は記者団に対し 「私も選挙活動のマイクの音が周囲に聞き取れなくなるくらいの大声を浴びせられ、執ように追いかけられた」 「これは選挙妨害と言わざるを得ない」 と述べました。 その上で 「党内で担当する議員が公職選挙法改正の法制化の作業を進めている」 「表現や選挙活動の自由の中で、例えば選挙妨害が具体的にどういうものなのかという例示は法文化していいのではないかという意見や、刑罰の度合いを改めて検討する話も出ている」 「現行法で出来ることを見定めながら、他党ともやり取りしたい」 と述べました。 ■公明 山口代表「物理的な妨害は許されない」 公明党の山口代表は記者団に対し 「候補者と聴衆がコミュニケーションを取れないほど物理的な妨害を行うことは許されず、選挙活動の自由を主張したとしても限界がある」 「公職選挙法で何が選挙の自由の妨害にあたるのかを明確にしていくことが重要だ」 と述べました。 その上で、公職選挙法を改正する必要性について見解を問われ 「いきなり法改正というよりも、まず現行法について議論し足らざる所があれば改正なり新しい制度の検討が語られるべきだ」 と述べました。 ■共産 小池書記局長「現行の公職選挙法で厳格に対応を」 共産党の小池書記局長は記者会見で 「今回の行為は、選挙活動や言論の自由を脅かす行動だと言わざるを得ず、物理的な妨害は絶対に許されない」 「日本維新の会が提案している法改正に向けた叩き台は、却って選挙の自由を脅かす恐れがあり、我々は反対だ」 「現行の公職選挙法で厳格に対応していけばよい」 と述べました。 ■小池都知事「異常な雰囲気で選挙にならなかった」 衆議院東京15区の補欠選挙で候補者の応援に入っていた東京都の小池知事は、都庁で報道陣の取材に応じ、 「応援に入った時は異常な雰囲気で選挙にならなかった」 「選挙というのは有権者の方々に政策を届けて判断を得るというもので、他の候補者を標的にして追い掛け回したり、音声を被せたりというのが本来の選挙や立候補の目的に適っているのかは大いに疑問だ」 「有権者の皆さんもこの点について違うのではないかと思っている方は多いのではないか」 と述べました。 ■地元有権者「演説の機会はきちんと平等にあるべき」 衆議院東京15区の江東区に住む30代の女性は 「捜索のことはさっき知った」 「妨害するのではなくてしっかりと政策で勝負をしてほしいと思う」 「選挙期間中はとてもうるさくて迷惑だったので、演説する機会はきちんと平等にあるべきだと思う」 と話していました。 また、40代の男性は 「今回の一連のことは有権者として残念に思う」 「選挙妨害があると有権者が演説を聞くことが出来なくなる」 「気持ちよく投票できるようなルールを作ってほしい」 と話していました。 ■専門家「選挙の妨害に当たるという判断はあり得る」 憲法が専門で 「表現の自由」 に詳しい、慶應義塾大学大学院法務研究科の横大道聡教授は 「公職選挙法が認めているのは、公正な選挙が確保される範囲内での『表現の自由』であって、聴衆が演説を聴くことを妨げたり、他の候補者の意見を知る機会を奪ったりすることまでは認められない」 とした上で、 「今回のようなケースが、選挙の妨害に当たるという判断は、映像を見る限り、あり得ると思う」 「選挙期間中は警告に留め、終了後に捜索に入るという対応も慎重であり、今回の警察の捜査が、表現の自由を萎縮させるような結果には繋がらないのではないか」 と話しています。 ■これまでの経緯 根本幹事長や黒川代表ら 「つばさの党」 の陣営は、補欠選挙が告示された2024年4月16日、他の陣営の候補者が演説をしていたJR亀戸駅前で、相手の候補者や、応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言したり車のクラクションを鳴らしたりした他、電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もありました。 2024年4月26日にも東京メトロの東陽町駅前で、他の陣営の候補が演説をしている傍で、拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判するなど、各地で同様の行為を繰り返しました。 また 「つばさの党」 の車が、スピーカーを使って批判などを繰り返しながら他の陣営の候補者の選挙カーの後を長時間、追い掛けるなどの行為もあり、各陣営は、街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。 ■つばさの党とは 今回、事務所が捜索を受けたつばさの党は2020年11月、総務省に政治団体設立の届け出が出されました。 代表を務めているのは黒川敦彦氏で、幹事長を務めているのは根本良輔氏です。 このうち根本幹事長は、衆議院東京15区の補欠選挙に立候補し、得票数は1110票で立候補した9人のうち、9番目でした。 また、選挙の期間中、黒川代表は2024年7月に投票が行われる東京都知事選挙への立候補を表明し、根本幹事長も 「立候補を予定している」 と述べていました。 選挙の根幹揺るがす つばさの党の悪質「妨害」にメス 警察幹部「看過できない」 2024/5/13 20:12 https://www.sankei.com/article/20240513-DPQBC7XFLZJRPITARDGYSLODEU/ 民主主義を支える選挙制度を根幹から揺るがしかねない活動を展開した 「つばさの党」 の関係先に2024年5月13日、捜査のメスが入った。 衆院東京15区補欠選挙を巡り、つばさの党関係者に追いかけ回されるなどして演説場所を変更するなど、対応を迫られた陣営もあった。 警察幹部は 「公正な選挙に反するもので、看過できない」 と話している。 警視庁捜査2課が家宅捜索に踏み切った2024年5月13日、東京都千代田区の党本部前では機動隊が警戒に当たっていた。 ものものしい雰囲気に包まれる中、捜索は約2時間半に渡って行われた。 捜査関係者によると、本部などから選挙カーや携帯電話、パソコンなど数十点を押収したという。 捜索を受け党代表の黒川敦彦氏は2024年5月13日、報道陣の取材に対し、 「合法だと思っている」 「理由は表現の自由を守る行為であるという認識だからだ」 と主張した。 今回の家宅捜索の発端となった出来事は補選告示日の2024年4月16日、東京都江東区のJR亀戸駅前で起こった。 乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の陣営に近付き、大音量で演説をかき消したなどとして、警視庁が2024年4月18日、自由妨害で警告を出した。 しかし 「妨害行為」 は収まらなかった。 矛先は飯山陽(あかり)氏=日本保守党=や金沢結衣氏=日本維新の会、酒井菜摘氏=立憲民主党=ら他の候補の陣営にも向かった。 選挙カーを追い回し、拡声器で 「売国奴」 などと罵ったり、卑猥な言葉を浴びせたりなどした。 選挙区外にもかかわらず、乙武氏を支援していた小池百合子都知事の自宅前で、大音量で演説し、騒音に対して住民が苦言を呈す場面もあった。 党幹部で補選の候補者だった根本良輔氏らは言論の自由、選挙の自由を盾にこうした行為を続けた。 「法の範囲を超えない、ここまでは大丈夫という範囲内でしっかりやることができた」。 補選の活動最終日に当たる2024年4月27日夜、根本氏は産経新聞の取材に、達成感を滲ませながら自信を覗かせていた。 しかし、複数の陣営からは既に被害届が提出されており、警視庁は悪質な妨害行為であることの立証に向けて、慎重に捜査を進めるとみられる。 ■つばさの党「選挙妨害」を巡る動き ・2024年4月16日 衆院東京15区補欠選挙告示、つばさの党・根本良輔氏を含む計9人が立候補届け出。 JR亀戸駅前で乙武洋匡(ひろただ)氏=無所属=の演説の近くで拡声器を使い演説して、乙武陣営の演説を聞こえなくするなどの行為。 ・2024年4月18日 警視庁が公職選挙法違反(自由妨害)で黒川敦彦代表、根本氏ら3人に警告。 小池百合子都知事の自宅周辺の住宅街で午後7時過ぎから街頭演説 ・2024年4月19日 小池知事が定例記者会見で、つばさの党の行為について「命の危険を感じた」。 ・2024年4月20日 飯山陽氏=日本保守党=の事務所前で演説。 金沢結衣=日本維新の会=と、応援に訪れた同党の吉村洋文共同代表の演説会場に現れ、練り歩きに付きまとうなどする ・2024年4月21日 酒井菜摘氏=立憲民主党=の演説に参院議員の蓮舫氏が駆け付ける中、陣営の車の窓を叩いたり、暴言を浴びせたりする。 ・2024年4月28日 投開票(根本氏は得票1110票で最下位落選) ■選挙の自由妨害罪 公選法の225条で規定する。 選挙に関する集会や演説を妨害した場合、4年以下の懲役もしくは禁錮か、100万円以下の罰金が科せられる。 昭和23年の最高裁判決は 「聴衆がこれを聴き取ることを不可能または困難ならしめるような所為」 を演説の妨害と認定した。 衆院東京15区補選では、無所属新人、乙武洋匡氏の街頭演説会で陣営スタッフを付き飛ばしたとして、暴力容疑で現行犯逮捕された男が公選法違反(自由妨害)の疑いに切り替えて送検され、起訴された。 つばさの党本部などを家宅捜索 衆院東京15区補選巡り選挙妨害の疑い 警視庁捜査2課 2024/5/13 11:12 https://www.sankei.com/article/20240513-OYKERXOG5FPNRGGC54IYKHP5GQ/ 2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡り、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが強まったとして、警視庁捜査2課は2024年5月13日、公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで、東京都千代田区隼町にある政治団体 「つばさの党」 本部など関係先数カ所に家宅捜索に入った。 捜査関係者への取材で分かった。 つばさの党を巡っては、2024年4月16日の告示日に他候補が演説する近くで約50分間に渡って大音量で演説したり、車のクラクションを鳴らしたりするなどして選挙を妨害。 警視庁は2024年4月18日、つばさの党の黒川敦彦代表(45)と、つばさの党幹部で、衆院東京15区補選に出馬していた根本良輔氏(29)ら3人に公職選挙法違反(自由妨害)で警告を出した。 つばさの党は他にも、他候補の選挙カーをつけ回すなどしていた。 警視庁捜査2課によると、衆院東京15区補選に出馬していた他の陣営からも同様の行為に関する相談が寄せられている他、複数の被害届も出されており、一部は既に受理されている。 つばさの党選挙妨害容疑「やりすぎだった」 維新・吉村共同代表、国会での議論求める 2024/5/13 19:10 https://www.sankei.com/article/20240513-PJAKLD3IF5JDDHHSPK2Z7IRIJ4/ 2024年4月の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして2024年5月13日、警視庁から公選法違反(自由妨害)の疑いで家宅捜索を受けた政治団体 「つばさの党」 について、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は2024年5月13日、 「つばさの党が考える正義はあると思うが少しやり過ぎだった」 と述べた。 府庁で記者団の取材に答えた。 衆院東京15区補選では維新も新人候補を擁立。 吉村氏が選挙期間中の2024年4月20日、都内で応援演説などに駆け付けた際、補選に出馬したつばさの党の根本良輔幹事長らから妨害を受けた。 吉村氏は 「現場にいて思ったが、街頭演説をしている陣営にマイクを重ねたりすると演説にならない」 と指摘。 警視庁の家宅捜索については 「捜査は選挙妨害の意思も含め、個別の証拠に基づき行われると思う」 と述べた。 また、維新は選挙妨害の規制強化を目指す公選法改正案をまとめ、今国会での成立に向け与野党に協力を呼び掛けており、吉村氏は 「刑事司法とは別に国会でも現行法で運用するか、または立法措置を取るかを深く議論するべきだ」 とした。 自民・茂木敏充幹事長、公選法改正に意欲 補選の自由妨害でつばさの党家宅捜索を巡り 2024/5/13 18:13 https://www.sankei.com/article/20240513-A3EBXJVLBRK5ZDBCOCILQG3MK4/ 自民党の茂木敏充幹事長は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、警視庁が公選法違反(自由妨害)の疑いで政治団体 「つばさの党」 の事務所などを家宅捜索したことについて 「これまで見たことがないような妨害行為が行われ、極めて遺憾だ」 「議論を進め必要な法改正を進めたい」 「罰則強化など実効性のある対応をしっかりと検討していきたい」 と述べた。 その上で 「捜査当局には法と証拠に基づいて厳正に対処してもらいたい」 と訴えた。 東京都の小池百合子知事、つばさの党家宅捜索に「本来の選挙の目的にかなっているのか」 2024/5/13 16:54 https://www.sankei.com/article/20240513-B7SOY7BZMBPPFAOIPMSFSO4P64/ 公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで警視庁の家宅捜索を受けた政治団体 「つばさの党」 について、東京都の小池百合子知事は2024年5月13日、都庁で記者団に対し、 「他の候補者を追い掛け回したり、音声を被せたり本来の選挙の目的に適っているのか」 「公選法の見直しも必要ではないか」 と述べた。 つばさの党は、2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙で、他候補の街頭演説を妨害するなどした疑いが持たれている。 また、小池氏は、つばさの党が選挙期間中に自宅前でも街頭演説を実施したとし、 「こんなに身の危険を感じながら選挙をするのか」 と改めて当時の心境を吐露。 「候補者も身の危険を感じながら選挙を行う」 「ここは日本ですよね」 「非常に疑問というかおかしい」 とした。 林官房長官「選挙妨害はあってはならない」 つばさの党家宅捜索 東京15区補選 2024/5/13 16:43 https://www.sankei.com/article/20240513-SYVCDC3D4VNIXAWH4RDIXNXOY4/ 林芳正官房長官は2024年5月13日の記者会見で、警視庁捜査2課が2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で別陣営の街頭演説を妨害したとして、公選法違反(自由妨害)の疑いで東京都千代田区にある政治団体 「つばさの党」 の事務所などを家宅捜索したことについて 「選挙運動妨害はあってはならず、候補者や選挙運動関係者は選挙ルールを順守し、公正かつ適切に選挙運動を展開する必要がある」 と述べた。 つばさの党の根本良輔氏「証拠はユーチューブに残っており無意味」 選挙妨害疑い家宅捜索 2024/5/13 15:40 https://www.sankei.com/article/20240513-MQ5AAM2P5NAWRLBIG76A7R2WCM/ 2024年4月28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙に出馬した政治団体 「つばさの党」 幹事長の根本良輔氏は2024年5月13日、警視庁捜査2課が公職選挙法違反(自由妨害)の疑いで同団体本部などを家宅捜索したことについて、X(旧ツイッター)で 「家宅捜索されたけど無事です」 「そもそもYouTubeのライブに全部残っており、そこに証拠はあるわけなので、それで逮捕できないなら家宅捜索しても無意味」 と書き込んだ。 根本氏ら陣営は他候補の近くで大音量で演説したり、選挙カーを付け回したりするなど選挙妨害と問題視される選挙期間中の行為について、動画投稿サイト 「ユーチューブ」 などに配信していた。 根本氏は家宅捜索について 「メインの携帯とパソコン押収されただけ」 「携帯パソコンに何も情報がないので逮捕に繋がる証拠は何も出ない」 とも書き込んだ。 自民党の梶山弘志幹事長代行が公選法の罰則強化に言及 つばさの党の家宅捜索受け 2024/5/13 14:39 https://www.sankei.com/article/20240513-HL2ZSGIWRFKBTOSDFTXITPZXVE/ 自民党の梶山弘志幹事長代行は2024年5月13日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で別陣営の街頭演説を妨害した政治団体 「つばさの党」 の事務所などに警視庁が公選法違反の疑いで家宅捜索に入ったことを受け、 「仮に選挙妨害を目的とした悪意ある街頭演説が行われたのであれば、(同法の)罰則強化を含め、党として議論をしてまいりたい」 と述べた。 「ヤジ正当化」で民主主義の根幹を破壊 朝日など一部メディアは過去を総括せよ 藤原かずえ 新聞に喝! ブロガー・藤原かずえ 2024/5/12 10:00 https://www.sankei.com/article/20240512-IS3ALI2II5LQDFNVA6H6GWY4DA/ 衆院東京15区補欠選挙で政治団体 「つばさの党」 の候補者と党員が他の候補者の遊説場所に乗り込み、大音量で質問を行うことで、演説の聞き取りを困難にしました。 これは民主主義の根幹である選挙を妨害する行為【昭和23年(1948年)最高裁判断】ですが、近年、一部のマスメディアは政権与党に対する同様の行為を強い論調で正当化してきました。 平成29(2017)年に東京・秋葉原で行われた安倍晋三首相(当時)の都議選応援演説では、組織的な呼び掛けに集まった一部聴衆が 「安倍やめろ」 「帰れ」 と大合唱し、執拗に演説をかき消しました。 安倍氏はこの妨害者に対し 「こんな人たちに負けるわけにはいかない」 と抗議しましたが、一部新聞は 「批判を連呼しても主権者じゃないか。このむき出しの敵意、なんなのか」(朝日)、 「首相、聴衆にまで激高」(毎日)、 「敵と味方に分断」(東京) などと安倍氏を徹底的に非難し、ヤジを正当化しました。 また、令和元(2019)年の参院選での安倍氏の札幌演説で 「安倍やめろ」 「帰れ」 という大声を演説に被せた人物を北海道警が移動させた事案に対しては 「市民を排除。ヤジも意思表示のひとつの方法」(朝日)、 「警察の政治的中立性に疑問符」(毎日)、 「市民から言論を奪うな」(東京) などと非難しました。 これらの論調に多くのテレビメディアも同調した結果、安倍氏は選挙妨害者との接触を避けることを強いられ、遊説場所を告知しない 「ステルス遊説」 と揶揄された選挙運動を展開するに至りました。 また、警察の萎縮も窺えます。 例えば安倍氏暗殺事件では、テロリストが安倍氏に近寄って2発を発砲するまで取り押さえることもできませんでした。 そもそも 「安倍やめろ」 「帰れ」 というヤジは 「意見表明」 でなく、演説者に対する 「恫喝的な命令」 であり、非言論で言論をかき消す 「言論の自由」 への挑戦行為です。 1人のヤジを認めれば、他の全ての人のヤジも認めなければなりません。 秋葉原の事例と比較して甚だ小規模で、候補者が他の候補者に質問する体裁を取る 「つばさの党」 の妨害者を警察が警職法で排除することは、法の下の平等の原則から不可能です。 何よりも、このような時・場所・方法を選ばない身勝手な 「表現の自由」 による最大の被害者は、候補者の政治的主張についての 「知る権利」 を侵害された一般聴衆です。 今回の事案で多くの国民がヤジ正当化の欺瞞を強く認識するに至ったと推察します。 「言論の自由」 を守る使命を持つ言論機関の一部が非言論による選挙妨害を堂々と正当化してきたことは、民主主義の破壊行為に他なりません。 “選挙妨害”か?表現の自由か?東京15区 広がる波紋 専門家は 2024年4月30日 19時00分 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240430/k10014434831000.html 過去最多の9人による混戦となった衆議院・東京15区の補欠選挙。 候補者の1人がほかの候補者たちの演説場所で、大音量で批判などを繰り返し、各陣営からは“選挙妨害だ”との声が相次ぎました。 警視庁が候補者に警告を出す“異例”の事態にも。 一方で、候補者側は 「表現の自由の範囲内だ」 と主張しています。 選挙妨害か?表現の自由か?専門家の見方は… 目次 “極めて異例” 候補者に警視庁が警告 何が起きていた? ■“極めて異例” 候補者に警視庁が警告 警視庁は衆議院東京15区の補欠選挙で、公職選挙法違反に当たるとして併せて6件の警告を出し、このうち演説の自由を妨害した 「自由妨害」 の警告が1件ありました。 捜査関係者によりますと、 「自由妨害」 の警告を受けたのは、政治団体 「つばさの党」 の新人・根本良輔氏やこの団体の黒川敦彦代表など3人です。 告示日の2024年4月16日、JR亀戸駅前でほかの陣営の演説に被せるようにおよそ50分間に渡って拡声機を使って演説したり、車のクラクションを鳴らしたりして演説を聞き取れないようにしたことが選挙の 「自由妨害」 に当たると判断されたということです。 捜査関係者によりますと、候補者が 「自由妨害」 で警告を受けるのは極めて異例だということです。 ■何が起きていた? その2024年4月16日、JR亀戸駅前に姿を見せた根本良輔氏(29)らは、無所属で立候補した乙武洋匡氏や応援に駆け付けた政党の幹部らが聴衆に向けて政策などを訴える中、拡声機を使って発言を続けました。 電話ボックスの上に登って声を上げる一幕もあり、周辺は一時、騒然となりました。 その後も連日、他の候補者たちの演説会場を訪れては、大きな音量で発言を繰り返しました。 2024年4月26日には立憲民主党から立候補した酒井菜摘氏の陣営が街頭で演説をしているのを見付けると、同じ場所で拡声機や選挙カーのスピーカーを使って批判などを繰り広げました。 居合わせた有権者からは… 30代の女性 「家の中まで大きな声が聞こえてきたので何事かと思いました」 「率直に、どうしてこのようなことをするのかと思います」 「もう一方の候補者の声が聞こえないので、投票の判断材料にはならず、残念です」 64歳の男性 「本来なら政策を議論すべきですが、こういった行為は選挙を冒瀆していますし、本来の選挙戦ではなくなってしまっていると思います」 ■ほかの候補者 “選挙妨害だ” 根本氏らはこうした様子をインターネット上でライブ配信し、他の候補者の演説予定をSNSを使って把握していることなども明らかにしていました。 こうした行為を受けて、各陣営は街頭演説の日程をSNS上で公表することを控えたり、演説会場を急遽変更したりするなど対応に追われました。 ほかの候補者たちからは“選挙妨害だ”とする声があがりました。 ・立憲民主党 酒井菜摘氏 「危険を感じるような場面もあり本当に怖かった」 「演説の日時を公表できず区民に訴えを届けられなかったことが申し訳ない」 ・日本維新の会 金澤結衣氏 「前代未聞の状況で民主主義の根幹が覆される許しがたい状況だった」 「公職選挙法の見直しや地域の皆様に迷惑がかからない選挙のやり方を議論したい」 ・無所属 乙武洋匡氏 「各候補者の主張を聞く有権者の権利が奪われてしまったことは非常に残念で許しがたい」 「今の法律上、あのような行為を是認せざるを得ないなら何らかの法改正をしていくべきだ」 ■つばさの党「表現の自由の範囲内だ」 根本氏は2024年4月25日に会見し、他の候補者に対する行動について 「国政政党が信用できないから政治活動を始めた」 「このままでいいのかと問いかけるために質問をしに行っているだけで、暴力的なことをするつもりはない」 と説明しました。 また、政治団体 「つばさの党」 の黒川敦彦代表は 「国民に与えられた権利である表現の自由の範囲内で正々堂々と批判している」 「それを派手にやっているだけだ」 と主張し、警視庁による警告は権力の乱用だとして東京都に賠償を求める訴えを起こしたと述べました。 今回の事態をどう見たらよいのか。 複数の専門家に意見を聞きました。 ■憲法学者 “街頭演説は民主主義の根幹” 憲法学が専門の北星学園大学経済学部の岩本一郎教授は、街頭演説は民主主義の根幹をなす 「言論の場」 であり、その場を壊す行為は表現の自由の範囲を超えていると指摘します。 ・岩本教授 「お互いに意見を交換し議論するという意味で、街頭演説は民主主義にとって極めて重要な活動でヤジも含めて政治的な発言として尊重されるべきです」 「ただ街宣車などを使って通行を妨げたり、他の候補者の発言を聞き取りにくくさせたりする行為は悪質性が強く、表現の自由として保障されるかどうか疑問です」 今回の選挙では候補者が演説日程を事前に告知にしなかったり、演説を中止したりするケースも出ていて、岩本教授は次のように指摘します。 「候補者に大きな萎縮効果をもたらす行為です」 「有権者が候補者や政党の声を聞きたくても聞けないとなれば国民の知る権利や、表現の自由を制約する要因になります」 その上で、規制についてはこう話していました。 「候補者の発言内容に国が規制をかけるのは適切ではないですが、行き過ぎた妨害行為については線引きの基準を設け規制が必要になると思われます」 「参加と討議が行われる場を守れるかどうかが、民主主義を維持できるかどうかの鍵になります」 ■公職選挙法 専門家 “時代に合った改革必要” 公職選挙法に詳しい日本大学法学部の安野修右専任講師は、今の法律の規定は紳士的に選挙運動を行うことを前提にしていて時代に合った改革が必要だと指摘しています。 安野専任講師は、候補者が他の候補者の街頭演説の場に出向いて大音量で発言する行為について、次のように指摘します。 「どこまでが表現の自由でどこまで選挙妨害かは個々の事例によって判断するしかなく、その線引きは本当に難しい」 「ただ、これまでも偶然、演説場所が被ることはあったが、故意にやるケースが出てきた」 選挙の自由を妨害する行為について罰則を定めた公職選挙法の規定については、 「暴行や傷害などはそもそも犯罪行為だが、それを選挙に関して行った場合更に厳しい罰則を科すものと理解できる」 「一方、演説が被っているからといって直ちに排除をすることは取り締まり機関もなかなかできない」 その上で、公職選挙法のあり方についてこう話していました。 「紳士的に選挙運動をやっていくという、公職選挙法の前提そのものが、現実的にかなり難しくなっている」 「取り締まりを強化しても、この法律を運用している限り同様の行為は恐らく起こり続けると思うので、様々な法規を再点検し、時代に合うような抜本的な改革が必要だ」 ■ネット選挙 専門家 “背景に選挙活動の変化” 議会のデジタル化や選挙に詳しい東北大学大学院の河村和徳准教授は、“選挙妨害”を巡り議論になっている背景にインターネットを通じた選挙活動の変化を挙げています。 河村准教授は 「2013年にネット選挙が解禁された時にはホームページやSNSへの投稿が中心だったが近年は動画が容易に配信できるようになった」 といいます。 そして 「インターネット選挙に反応しやすい都市部の選挙では、過剰や過激な発言など、他者と差別化したいために強めの言葉を使って動画に撮って拡散させるスタイルが強くなる」 と指摘しています。 一方で、表現の自由の観点から活動の線引きは難しいとした上で、次のように話していました。 ・河村和徳准教授 「ネット選挙の解禁から10年以上経って見直す時期に来ていると思う」 「どうすればより良いことができるのか、誹謗中傷を含めて監視できるのか」 「本格的に考えなければならない」 「プラットフォームに対しても選挙の動画の視聴回数を収益に還元させないなどの取り組みが必要だ」 ■「選挙の自由妨害罪」とは? 公職選挙法では選挙の公正や候補者間の平等を確保するため、選挙運動の在り方などについて一定の制限を設けています。 このうち、候補者への暴行や演説の妨害行為などについては、公職選挙法225条で 「選挙の自由妨害罪」 が定められていて、違反すると、4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されることになっています。 公職選挙法225条 一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき 二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀き棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき 三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき 総務省選挙課によりますと、具体的にどのような行為に違法性があるのかについては、個別のケースごとに警察が対応していくということです。 1954(昭和29)年の大阪高等裁判所の判例では、聴衆が内容を聞き取り難くなるほど執ように発言や質問を行い、一時、演説を中止せざるを得なくした行為について選挙妨害に当たると判断しています。 候補者の場合、選挙違反で有罪が確定すると、当選が無効になり、選挙に立候補する権利が停止されることもあります。 選挙妨害をしているのは、 「つばさの党」 新人、根本良輔(29)らだ。 ★つばさの党 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A4%E3%81%B0%E3%81%95%E3%81%AE%E5%85%9A#%E5%85%9A%E5%8B%A2 つばさの党は、日本の政治団体。 2020年12月31日までの党名はオリーブの木(オリーブのき)。 ■党史 「オリーブの木」時代は、反安倍政権・既存の対米政策反対の立場で、既存野党に対して選挙における「政治団体」の単一化・合流を呼掛けた連合政治団体である。 後述のように反安倍政権反米派の中でも左派系と非反ワクチン系右派が離脱し、反ワクチン系反安倍反米右派の政党と化した。 更に2021年8月以降に、ノーマスク選挙運動で黒川党首の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染後対応を巡って、残存の中で彼が 「売名のために反ワクチン活動を利用した」 と見なすか否かで内紛が起きた。 ■街頭演説・デモ活動 2024年、東京15区補選に党幹事長の根本良輔を擁立した。 根本は選挙期間中に他党の選挙演説への乱入、他党候補支援者への暴行など妨害活動を行なったことが報道されている。 黒川・根本派らは立候補者の演説に乗り込んで大声を出して選挙妨害し、その様子をSNSでリアルタイム配信するスタイルを取っている。 他の候補者の演説会場に乗り込んで声を上げ、その様子をリアルタイムで配信するスタイルを取っている。 「つばさの党」 の根本良輔幹事長は、 「最近、中国人が凄く増えているわけですが、彼らがいつ武装してもおかしくない」 「習近平が攻撃しろと言ったら日本にいる中国人がいつ攻撃してくるか分からない」 「それを後押ししているのが山口那津男(公明党代表)であり創価学会です」 などと演説した。 また、ラップグループ 「韻暴論者(いんぼうろんじゃ)」 は各種の陰謀論を含んだラップを披露した。 この抗議活動に、西東京市議選で黒川の応援演説を受けた長井秀和も参加を表明していたが、参加を見送った。 ■党員 幹事長の根本良輔(中星一番)は、芝浦工大卒。 東大大学院中退、元AV男優、ナンパ師、ナンパ術「中星マインド」の情報商材の販売や情報配信を行う。 つばさの党から2021年7月の都議選に出馬して落選し、2021年11月の葛飾区議選では次点で落選した。 選挙活動ではコロナワクチンの危険性を強調し、少子化対策としてAV規制、医療政策として筋トレで免疫力を上げることなどを訴えた。 Twitterでは自然派育児アカウントを運営し、子供に対する全てのワクチンやマスクに反対している。 2023年1月15日、信濃町の公明党本部前で行った街宣活動では、在日中国人について 「いつ武装してもおかしくない」 「習近平が攻撃しろと言ったらいつ攻撃してくるか分からない」 などと演説した。 ★根本良輔 https://www.bing.com/images/search?q=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&qpvt=%e6%a0%b9%e6%9c%ac%e8%89%af%e8%bc%94&form=IGRE&first=1 他陣営の演説に横付けして大音量、「選挙妨害」批判相次ぐ 衆院3補選28日投開票 2024/4/27 19:47 https://www.sankei.com/article/20240427-4X6TJRZJWZJXNO255SZA4DEUV4/ 衆院3補選が2024年4月28日、投開票される。 公選法違反事件で前職が辞職したのに伴う東京15区では、諸派新人陣営が遊説中の他陣営の横で大音量で演説するなどし、 「選挙妨害に当たる」 との批判が飛び交った。 警視庁は一部行為に同法違反(選挙の自由妨害)の疑いがあるとして警告を出したものの、同様の行為は選挙戦を通じて続いた。 諸派新人側は 「法律内の選挙活動だ」 と主張しており、選挙活動の在り方が問われる事態となっている。 選挙戦最終日の2024年4月27日午前10時、東京都江東区内で街頭演説の準備をしていた他候補の場所を奪う形で演説を始めた諸派新人陣営。 過激な言葉で他の候補者を名指しする場面もあった。 午後3時、国会議員らが応援に駆け付けた無所属新人陣営の街頭演説では多くの警察官が警戒に当たり、周囲に幾重にも柵が設置されるなど最後まで緊張感が漂った。 異様な光景は告示前から始まった。 諸派新人陣営が無所属新人の選挙カーに近づき、相手の声を遮るように 「答えろよ」 「おい」 などと大音量でまくし立てた。 2024年4月16日の告示日も同じ無所属新人の演説中、横付けした選挙カーから大音量の主張。 無所属新人側の声がしばしばかき消された。 各陣営などへの取材によると、この諸派新人陣営の行為として、 ▽他陣営の選挙事務所前で大音量で演説する ▽他陣営の選挙カーを追い回す ▽無所属新人を支援する政治家の自宅付近(東京15区外)で街頭活動する などがあったとされる。 「こんなことは想定していなかった」。 ある新人を支援する国政政党幹部はこう語る。 公選法の規定の他、選挙戦は陣営同士の信義則≠ナ成立してきた。 ▽他陣営の遊説の邪魔にならないようにする ▽遊説場所が重なりそうな場合は調整を行う ▽選挙カーがすれ違う際には音量を下げたり、エールを送りあったりする といったものだ。 一連の行為は、他陣営の選挙活動の萎縮に繋がった。 遊説日程などを交流サイト(SNS)などで拡散することが重視される中、 「妨害の対象になる」 として、多くの陣営はSNSでの予定公開を控えた。 また、演説会場に大量の警察官が投入されたことで、重苦しい雰囲気に包まれた。 一方、批判対象の諸派新人陣営は 「選挙妨害には当たらない」 「法律で認められた範囲内で活動している」 と主張。 「他の候補者に聞きたいことがあるから直接問いかけている」 「答えてくれれば終えている」 としている。 問題は国会にも波及した。 岸田文雄首相は2024年4月22日の衆院予算委員会で、一般論としつつ 「選挙制度の根幹に関わる事柄として、各党会派で議論するべき課題だと認識している」 とした。 拓殖大政経学部の岡田陽介准教授は 「街頭演説は候補者と有権者が直接触れ合える場で、重要な選挙活動だ」 「偶然通りかかって足を止める場合も想定され、選挙啓発に繋がってきた」 「今回の手法はその機会を奪うことに繋がり、更なる選挙離れを招きかねない」 と危惧。 一方、現行の公選法での規制には限界があるとして 「法改正を求める声が出ており、実害があれば何らかの対策が必要だろう」 「一方で特定の存在を排除することは民主主義に反する」 「政治家や有権者が望ましい選挙の在り方を考えることも必要だ」 としている。 ■衆院補選立候補者(届け出順) ▽東京15区 (9人) 福永活也43 弁護士 諸 新 乙武洋匡48 作家 無 新 【国】 吉川里奈36 看護師 参 新 秋元司52 元環境副大臣 無 元 金沢結衣33 元食品会社員 維 新 【教】 根本良輔29 IT会社経営 諸 新 酒井菜摘37 元区議 立 新 飯山陽48 大学客員教授 諸 新 須藤元気46 前参院議員 無 新 ▽島根1区 (2人) 錦織功政55 元財務省職員 自 新 【公】 亀井亜紀子58 党県代表 立 元 ▽長崎3区 (2人) 山田勝彦44 党県副代表 立 前 【社】 井上翔一朗40 学習塾経営 維 新 【教】 東京15区補選、トラブル避けて各陣営が苦肉の「ゲリラ街宣」 大半はフェアプレーも 2024/4/22 17:23 https://www.sankei.com/article/20240422-FAJLOKD5YBDBXGAPINO3VPP2SU/ 東京都江東区で繰り広げられている衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)の選挙戦では、各陣営がSNSなどで遊説日程の事前告知を控える傾向にある。 告知すれば一部陣営が押し掛けて大声で候補者に質問≠浴びせるなど、円滑な選挙活動が妨げられる恐れがあるためだ。 同補選を巡っては、演説会場で陣営関係者が暴行され逮捕者が出る事件も起きているが、大半の候補は選挙カーが別の候補者の演説会場近くを通り過ぎる際は音声を控えるなど、フェアプレーに徹している。 ■「なにビビってんだよ」 「出てこいよー。おーい。居るんだろ。議論しよーぜ。なにビビってんだよ」 2024年4月20日午後7時前、東京メトロ門前仲町駅近くの商店街。 同補選に新人の飯山陽氏(48)を擁立した政治団体 「日本保守党」 の選挙事務所前で、政治団体 「つばさの党」 新人、根本良輔氏(29)らが声を張り上げていた。 日本保守党の百田尚樹代表らとの議論を求めているという。 周囲は日本保守党の支援者とみられる数十人が囲んでいる。 根本氏は支援者らにも矛先を向けた。 「保守党信者の皆さんがお願いしてくださいよ」 「こんな奴ら論破してくださいと」 「本当に応援しているんだったら、言えよ」 根本氏は選挙を通じて他陣営の政策の矛盾やスキャンダルの有無を徹底的に明らかにしたい思惑があるようだが、大声が飛び交う異様な光景に通行人らはぎょっとした表情を浮かべていた。 根本氏は告示された2024年4月16日に無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=が行った演説会場に押し掛けるなど、ほとんど全ての候補者の前に現れて大声を上げている。 立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)が同日、東京メトロ清澄白河駅近くの交差点で実施を告知していた街頭演説は行われなかった。 駅前でビラを配っていた国民民主党関係者は 「根本氏が現場にやってきたので、急遽取りやめたようだ」 と語った。 ■空手有段者に元警察官 こうした事態を受け、各陣営はSNSで街頭活動の告知を取りやめるなど、選挙活動の修正を余儀なくされている。 どの候補者も選挙期間中には1人でも多くの聴衆に政策や人柄を知ってもらいたいはずで、苦肉の策と言える。 通常、国政選挙の候補に警備は付かないが、警察も対応に乗り出している。 日本保守党の事務所前には2024年4月21日、警察車両が待機していた。 妨害活動に対する警備のためだという。 事務所のドアには 「アンチが皆さんへのアピール目当てに寄ってきますので事務所前の滞留はご遠慮ください」 と書かれた紙が貼られていた。 参政党新人、吉川里奈氏(36)の陣営は空手の有段者や元警察官のスタッフが胸元に 「警護」 と書いたマークを付けているという。 陣営関係者は、警備係が待機していることを聴衆に知らせ、安心感を与える狙いがあると説明する。 2024年4月21日夕にはある陣営の演説会場で酔っ払いとみられる通行人が 「政治には金がかかるんだよ」 と叫び、止めに入った陣営関係者を押し倒す場面もあった。 ■選挙が終わっても暮らしは続く 一方で多くの陣営は、互いの選挙活動に敬意を払った行動を心がけている。 2024年4月21日夕、日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=が門前仲町駅前の交差点で行った演説会。 参政党の選挙カーが吉川氏への支援をマイクで訴えながら近付いて来ると、維新の演説に気が付いたようで、交差点の数十メートル前で音を消した。 維新の陣営スタッフも参政党の選挙カーに近付いて頭を下げていた。 立憲民主党の選挙カーも同駅近くで演説していた無所属元職の秋元司氏(52)が通り過ぎる際、マイクで 「失礼しました」 と発言し、音声を切っていた。 同駅近くの交差点でビラを配っていた候補者は地面に拡声器を置いたままだった。 理由は約50メートル先で別の候補が選挙活動を行っているからだという。 この候補は周囲に 「選挙には互いの演説機会を確保する紳士協定がある」 と述べ、 「選挙が終わっても自分たちはこの町で暮らしていく」 「暴れて住民に迷惑を掛けることなんて考えられない」 と語った。 無所属新人の須藤元気氏(46)は告示前から他の候補の迷惑になりかねない行動はやめようと陣営で意思統一していたという。 このため、辻立ちなどを予定していた場所で他の候補が選挙活動を行っていた場合、中止することは当然、選挙カーのマイクの音量も須藤氏の指示で低めに設定している。 衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)も出馬している。 東京15区補選注目の「選挙妨害」に苦しんだ安倍氏 ヤジ排除は「表現の自由侵害」判決も 2024/4/23 16:42 https://www.sankei.com/article/20240423-QFEAQSVJ3NE5BOXRNG3NMD7YC4/ 衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で、他の候補者が演説する会場などに諸派新人の根本良輔氏(29)が押し掛けて大声を挙げるといった行為を巡り、 「選挙が成り立たない」(日本維新の会陣営) と与野党が問題視する事態になっている。 近年の選挙を振り返ると執拗なヤジや罵声など妨害行為に悩まされ続けたのが安倍晋三元首相だった。 ■岸田首相も問題視 「政策を訴えるのではなく、とにかく候補者の演説を大音量で妨害、威嚇、恫喝する行為が続いている」 「演説を聞く有権者の権利を奪うことになる」 「首相の演説でもこんなことがあってはならない」 国民民主党の田中健衆院議員は2024年4月22日の衆院予算委員会で、衆院東京15区で妨害行為が問題となっているとして、こう訴えた。 田中氏は 「妨害行為をユーチューブやSNSで拡散して炎上させて、大きな利益としている」 とも指摘した。 岸田文雄首相も 「問題意識を共有する」 と述べ、対策を立てる必要性に言及した。 近年選挙活動に対する妨害活動は過激化する傾向にある。 ■「こんな人たち」に負けない 平成29年7月1日、東京都議選を巡りJR秋葉原駅前で行われた自民党の最終演説会場には、安倍政権に批判的なプラカードなどを掲げた人々も集まって巨大な横断幕を掲げた。 安倍氏が登壇すると 「帰れ」 コールが始まり、演説の声をかき消すようにトーンをあげていく。 「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」「安倍ヤメロ」 安倍氏は 「あのように主張を訴える場所に来て、演説の邪魔をするような行為を私たち自民党は絶対にしない」 と演説し、 「相手を誹謗中傷しても何も生まれない」 「こんな人たちに私たちは負けるわけにはいかない」 「都政を任せるわけにはいかない」 と声を張った。 当時自民党は選挙妨害を警戒し、都議選に関して計4回行った安倍氏の演説で、3回は会場の統制が比較的効きやすい小学校体育館を選んだ。 街頭の会場は秋葉原の1回だった。 この安倍氏の演説は 「異論に不寛容で批判を敵視する姿勢」(朝日新聞) などと報じられた。 ■警察官の行為は「妥当」認定 令和元年7月の参院選。 自民党は演説を妨害する人々への対策で、安倍氏の遊説日程の公表を控える傾向にあった。 それでも最終日の秋葉原での演説会場には 「安倍ヤメロ」 と大書された横断幕を掲げて騒ぐ集団がまたしても現れた。 「安倍ヤメロ」 と騒ぎ出し、警察官が止めに入ると 「暴力反対」 コールが起きた。 「表現の自由を守れ」 といった叫び声もあった。 また、札幌市で行った街頭演説では 「安倍ヤメロ」 とヤジを飛ばした聴衆が北海道警の警察官によって現場から引き離された。 当時、警察の行為は問題視された。 旧国民民主党の玉木雄一郎代表は 「文句を言う人を権力を使って排除することが当たり前になれば怖くて声を上げられなくなる」 と批判した。 警察官らに後方に移動させられた男女2人は、その後、道に慰謝料など損害賠償を求め、訴訟を起こした。 札幌地裁は令和4年3月、判決で排除行為は憲法で保障される表現の自由を侵害したと指摘し、排除の違法性を認め、道に賠償を命じた。 札幌高裁は男性が周囲から暴行を受ける危険や、安倍氏に危害を加える恐れがあったとして、警察官の行為は妥当と認定。 1審札幌地裁の賠償命令を取り消した。 原告の男性は判決を不服として上告している。 ■2度の襲撃事件が発生 令和4年7月8日、安倍氏は奈良市で参院選の応援演説中、山上徹也被告=殺人罪などで起訴=に銃撃され、死去した。 一方、山上被告は公職選挙法違反罪での起訴が見送られた。 選挙妨害の意図の立証が困難と判断されたとみられる。 令和5年4月、岸田首相も和歌山市で衆院補選の応援に駆け付けた際、木村隆二被告=殺人未遂罪などで起訴=に襲撃された。 木村被告は不特定多数への被害が想定されるパイプ爆弾を使ったことから選挙妨害の意図が推認できると判断され、公選法違反罪でも起訴されている。 平成29年10月の衆院選を巡って、安倍氏が立候補した山口4区では一部候補がツイッター(当時)にこう投稿し、波紋を広げた。 「1人でも多く山口4区に来て、安倍あきえを取り囲みましょう! 盛り上がれば本当に安倍のクビが取れます!」 自民党総裁として全国を駆け回る安倍氏に代わって、地元・山口で安倍氏への投票を呼び掛けるのが妻、昭恵氏。 安倍氏の陣営は昭恵氏に危険が及びかねないとして警察に警備を相談する事態となった。 このツイッターを投稿した政治団体代表、黒川敦彦氏は加計学園の獣医学部開設を問題視し、山口4区に出馬した。 安倍氏との合同演説会の開催も要請した。 黒川氏は今回、衆院東京15区補選に出馬した根本氏の陣営に加わっている。 衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)▽無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=▽参政党新人の吉川里奈氏(36)▽無所属元職の秋元司氏(52)▽日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=▽立憲民主党新人の酒井菜摘氏(37)▽諸派新人の飯山陽氏(48)▽無所属新人の須藤元気氏(46)─が出馬している。 選挙妨害と「こんな人たち」 阿比留瑠比の極言御免 2024/4/25 1:00 https://www.sankei.com/article/20240425-YSEBWF3T35P6NLUP2V35ADC4D4/ 2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙戦では、特定の候補者が他の候補者の演説場所で大声を上げるなどの妨害行為を繰り返し、街頭演説の事前告知ができない異常事態が生じている。 有権者にとっては、候補者の主張に耳を傾ける機会を奪われることになり、民主主義の根幹を揺るがす大問題だとも言える。 だが、 「こんな事態」 を招いたのは誰か。 安倍晋三元首相の演説を組織的、継続的に妨害していた集団を 「表現の自由だ」 と無理やり庇い、正当化し、逆に彼らを 「こんな人たち」 と呼んだ安倍氏を一方的に批判してきたマスコミや野党だったのではないか。 ■安倍氏につきまとい 安倍氏は平成29(2017)年7月の東京都議選の街頭演説で、毎回のように演説会場に来ては 「安倍辞めろ」 と連呼する同じ顔ぶれの集団について訴えた。 「あのように人の主張の訴える場所に来て、演説を邪魔するような行為を私たち自民党は絶対にしない」 「私たちはしっかりと政策を真面目に訴えていきたい」 「憎悪からは何も生まれない」 「相手を誹謗中傷したって、何も生まれない」 「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」 何もおかしな事は言っていない。 力ずくで演説を妨げようとするヘイト的な言動には負けずに、政策を説いていくと主張しているだけではないか。 ところが、朝日新聞などは 「こんな人たち」 と述べた部分を切り取り、以後、何年経っても延々と安倍氏の批判を続けていく。 例えば令和元(2019)年7月の社説では 「自らに厳しい世論に向き合わない姿勢が批判された」 と記し、令和3(2021)年3月の記事ではこう強調した。 「自らに批判的な聴衆に向けられた言葉は『友と敵』を分ける安倍首相の政治手法の象徴と受け止められた」 とはいえ、執拗に 「安倍辞めろ」 と叫び続けた連中はそもそも 「聴衆」 とは言えないし、 「受け止められた」 のではなく朝日新聞がそう決め付けただけだろう。 朝日新聞は、安倍氏が暗殺された1年後、令和5(2023)年7月8日の社説でも安倍氏批判を続けた。 「『こんな人たち』『悪夢のような民主党政権』」 「敵対を煽り、そこから権力行為のエネルギーを汲み上げる手法である」 安倍氏の演説の言葉からは、そんな意図は汲み取れない。 むしろ朝日新聞が、安倍氏の死去後も安倍氏への反感や憎悪を煽り続けていることが窺える。 ■警察の委縮 安倍氏の街頭演説を巡っては令和元(2019)年7月、東京都中野区でこんな事もあった。 「安倍辞めろ」 などと騒いでいた集団がうるさく、演説が聞こえないのである女性が集団に注意し、その場にいた警官にも対処を要請した。 ところが双方が聞き入れないので実態を記録しようと集団にスマートフォンを向けて撮影しようとしたところ、集団がスマホを取り上げ、地面に叩き付けて破壊したのである。 後に警察は女性にこう釈明した。 「注意すると人権問題だとか差別だとか言われるから」 「強力には排除できない」 演説を妨害する暴力をマスコミや野党、裁判所が擁護してきた結果、警察が委縮し、取り締まるべき行為を目こぼしする。 野党も矛先が安倍氏や自民党に向いている間は、人権派ぶって彼らを排除するのはおかしいと擁護する。 その行き着いた先が、安倍氏が街頭演説中に凶弾に倒れるという悲劇だったのではないか。 「こんな人たち」 は、厳しく排除して当然である。 東京15区補選で波紋広げる選挙妨害 公選法改正の動きも 告示後、公然と行為は異例 2024/4/25 18:54 https://www.sankei.com/article/20240425-5GR7WOENBZGOTIKXMQA7GWZTRM/ 衆院東京15区補欠選挙(2024年4月28日投開票)で一部の陣営が他候補の演説会場に駆け付け、大きな声で政策やスキャンダルについて質問≠キる行為を繰り返し、円滑な選挙活動が妨害されている。 こうした動きを受け、与野党からは公職選挙法を改正し、妨害への規制強化を検討するよう求める声も出始めた。 ■活動中止するスタッフも 「まだまだ妨害行為は止まらない」 「何らかの法規制が必要ではないか」 日本維新の会の若手議員は、こう問題意識を投げかける。 同区補選には維新の候補も出馬しており、一部の陣営は維新が成功を目指す2025年大阪・関西万博の開催の是非などについて維新陣営に執拗に質問を浴びせている。 選挙会場は罵声とも取れる大声が飛び交う事態となっている。 若手議員は 「暴行罪で訴えられるレベルで、少なくとも威力業務妨害罪には該当するのではないか」 と語る。 実際、ある陣営のボランティアスタッフの女性は妨害活動に直面し、恐怖のため選挙活動が継続できなくなったという。 維新や国民民主党からは、公選法の選挙の自由妨害罪の適用がしやすくなるような法改正や罰則の強化などの検討を求める声が上がっている。 ■多くの議員が類似の被害経験 選挙ポスターを剝がされるといった妨害は、過去に多くの与野党議員が被害に遭っている。 自民のベテラン議員は 「街頭演説中に 『お前の演説など聞きたくないんだ』 と怒鳴られた」 と振り返った。 別の自民の若手議員は、東京電力福島第1原発事故を巡って街頭演説中に批判されたという。 「『お前ら自民党が原発政策を進めたんだろう』 と怒鳴られ、持っていたのぼり旗を蹴られ、地面に転がった旗も再び蹴られた」 と語る。 令和4年7月に死去した安倍晋三元首相も街頭演説中、 「安倍辞めろ」 などと連呼する集団に妨害された。 一方、選挙が告示された後の妨害行為は、これまで今回のように公然と行われるケースは少なかった。 立憲民主党の辻元清美参院議員の場合は、演説の際に辻元氏のマイクが奪われ、事務所関係者が暴行されたことがあった。 刃物が事務所に届けられた経験もあるというが、こうした嫌がらせは選挙の告示前だったという。 立民関係者は 「選挙が始まってから辻元氏に対する妨害は記憶にない」 「告示後に妨害すれば捕まる可能性が高まるからだろう」 「今回の東京15区の件は確信的な行為だと言える」 と語る。 ■玉木氏は妨害候補と対話 東京15区補欠選挙を巡っては、国民民主の玉木雄一郎代表が2024年4月23日、同党が推薦する候補の応援に駆け付けた際も、一部陣営の候補が駆け付け、玉木氏に向かっていった。 国民民主の関係者は候補を制しながら、 「あなたにも選挙の自由がある」 「こちらにも選挙の自由がある」 と訴え続けたが、候補は目を合わそうとしなかったという。 この関係者は産経新聞の取材に 「(一部陣営が)『選挙妨害ではない』と言っても、選挙の自由と自由が衝突すれば、残るのは妨害行為だ」 「有権者が見ている前で恥ずかしくないのか」 と憤った。 一方、玉木氏は一部陣営が求める質問≠ノ約20分応じていた。 一部陣営の候補も玉木氏の姿勢に満足したのか、玉木氏にグーサインを向けてその場を去っていった。 国民民主の伊藤孝恵参院議員も2024年4月25日、東京15区補選で応援に駆け付けた際、一部陣営に遭遇した。 伊藤氏はその様子についてX(旧ツイッター)にこう書き込んだ。 「質問に答えろよ! 質問に答えたら静かにしてやるよ! と絶叫されていたので、私が答えます!と名刺を渡したら 『なんだ国民民主か、国民民主は昨日“たまちゃん”(=玉木氏)に答えてもらったからもう用はない』 と言われました」 選挙妨害、処罰の可能性 総務相「妨害はあってはならない」適切な運動求める 2024/4/23 17:03 https://www.sankei.com/article/20240423-QDT3T7KMMZPZ5BJDFTOSIJD6SU/ 松本剛明総務相は2024年4月23日の記者会見で、2024年4月28日投開票の衆院東京15区補欠選挙で、候補者が街頭活動中に妨害を受けているとの指摘に関し、公選法の自由妨害罪や刑法の暴行罪などの処罰対象になり得ると述べた。 選挙運動の関係者に対し 「妨害はあってはならない」 「法を犯すことなく公正、適切に選挙運動を展開して頂きたい」 と求めた。 日本維新の会の音喜多駿政調会長は2024年4月23日、自由妨害罪の罰則強化などの公選法改正案について、今国会提出を目指す考えを記者団に明らかにした。 「選挙妨害は許さないとの強い意思を示すべきだ」 「各会派の協力を仰ぎたい」 と語った。 国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で罰則強化の改正が必要との認識を示した。 東京15区補選では、街頭演説会で陣営関係者とみられる男性を突き飛ばしたとして逮捕者が出ている。
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