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自民の規正法改悪案は「政策活動費」だけにあらず…収支報告書「要旨」の公表義務削除の姑息
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/341211
2024/06/05 日刊ゲンダイ
「収支報告書の公開制度の後退」と指摘する塩川鉄也氏(C)日刊ゲンダイ
派閥の政治資金パーティーを受けた政治資金規正法改正案を巡り、衆院政治改革特別委員会で審議してきた「改正案」に対する姿勢が二転三転した自民党。
自民は日本維新の会との党首会談で、「政策活動費」について「年間の使用上限を設定し、10年後に領収書、明細書等とともに使用状況を公開する」として合意したにもかかわらず、条文では「(1件当たり)50万円超」としたことから維新が反発。国民からも「自民はやり方が卑怯極まりない」「裏金のためなら公党も騙す」などと批判の声が続出した。
自民はその後、改正案を再修正し、5日、改めて衆院特別委が開かれたわけだが、自民の“抜け穴”はこれだけではない。
3日に行われた同委で、日本共産党の塩川鉄也衆議院議員(62)は、自民党案では官報、都道府県の「公報」による政治資金収支報告書の「要旨」の公表義務を削除している点を取り上げ、こう発言していた。
「要旨には、寄付者の氏名や寄付額をはじめ、項目ごとの収入額や支出額など、収支報告書の根幹部分が記載をされております。収支報告書そのものは、総務省、都道府県選管での閲覧、インターネット公表されますが、3年経つと削除されて見られなくなってしまいます。過去に遡って収入額、支出額などを確認することができなくなる。これは、透明性の向上どころか透明性の後退ではありませんか」
国民による政治の監視を妨げる法案
これに対し、提案者として答弁した自民党の本村太郎議員(54)は現行法で、収支報告書をネットで公表する場合には収支報告書の要旨を公表する必要がないこと、47都道府県中、38道府県において収支報告書の要旨が廃止されていることを挙げつつ、「(削除しないと)都道府県における負担の増加につながると考え、収支報告書の要旨の公表を廃止した」と説明したのだが、これは詭弁だろう。
要旨があったからこそ、自民党派閥の政治資金パーティーについて現在と過去の収支の相違が分かり、「政治とカネ」の問題が浮き彫りになったわけで、要旨が削除されてしまえば何も分からなくなるのではないか。
「要旨の公表義務規定を取り去れば、政治資金の動きは全くわからなくなります。政治資金の透明性の向上どころか、収支報告書の公開制度の重大な後退であります」「裏金を暴露されたくないというものであって、国民による政治の監視を妨げる法案と言わざるを得ません」
塩川氏はこう怒りの声を上げていたのも当然。この期に及んでも「抜け穴」作りに余念がない自民。SNSでも《自民は何のために規正法を改正するのか。自分のためか》《改正すると見せて自分たちに有利にする。焼け太りより酷い》といった声が出ている。
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