<■576行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> <主張>尖閣に中国海警船 防衛方針を転換すべきだ 社説 2024/6/2 5:00 https://www.sankei.com/article/20240602-L3MUSILRQVKW7JS4SPDUBTPHDA/ 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の海域を中国海警局の船が徘徊し続けている。 2024年5月27日で158日間となり、連続日数で過去最長を更新した。 2024年6月1日も4隻が確認され163日連続となった。 だが、尖閣諸島は日本固有の領土である。 中国は1970年代以降、領有権を唱えてきたが一分の理もない。 1953年1月8日付の中国共産党機関紙 「人民日報」 を読んでみたらどうか。 同紙は、日本の琉球諸島を構成する中に尖閣諸島を挙げている。 盗人猛々しい中国の海警船は直ちに去るべきである。 令和3(2021)年2〜7月には尖閣海域で157日連続で海警船の徘徊があった。 2023年1年間の出没日数は過去最多の通算352日に上った。 ほぼ毎日である。 うち領海侵入は42日だった。 海警船の塗装は海上保安庁の巡視船に似ている。 だが、法執行機関の海保とは異なり、海警局は中国中央軍事委員会傘下の 「第2海軍」 である。 漁船に偽装した海上民兵などと結託して尖閣諸島占領に突如動くかもしれない脅威である。 林芳正官房長官は2024年5月27日の会見で海警船の徘徊が過去最長になったことについて 「極めて深刻だ」 「緊張感を持って警戒監視に万全を期すと共に、中国側に冷静かつ毅然と対応する」 と述べた。 それならば日本政府は、尖閣諸島侵略への対処策を根本から改めるべきだ。 海保や沖縄県警が警察行動にとどまるのは当然だが、自衛隊には速やかに 「防衛出動」 を下令する方針を取ってもらいたい。 自衛隊が 「海上警備行動」 などの警察行動で対応する段階を挟む現行方針は、中国の思う壺に嵌るだけだからだ。 警察行動では自衛隊の武器使用は制約される。 一方、第2海軍の海警船は隠し持った武装で思う存分軍事攻撃できる。 日本政府は米政府から、米国の日本防衛を定めた日米安全保障条約第5条の尖閣適用の言質を取ってきた。 だが、尖閣防衛への米軍の支援は自衛隊の 「防衛出動」 が前提となる。 早期の 「防衛出動」 に及び腰の政府方針では、米軍の登場以前に尖閣を奪うという中国が望んでやまない状況を差し出すだけだ。 政府は尖閣防衛方針の転換と、海保の増強、尖閣諸島への公務員、自衛隊の常駐に踏み切るべきである。尖閣周辺に中国船 164日連続 2024/6/2 11:01 https://www.sankei.com/article/20240602-U6DO2LW5J5OXFG6EA6NXQXFROI/ 沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で2024年6月2日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。 尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは164日連続。 日本政府による2012年9月の尖閣諸島国有化後、最長の連続日数を更新した。 第11管区海上保安本部(那覇)によると、1隻は機関砲のようなものを搭載。 領海に近付かないよう巡視船が警告した。 連続航行、最長更新を続ける尖閣周辺の中国船 政府の領土担当相は江戸時代の「槍奉行」か 竹島を考える 2024/6/2 1:00 https://www.sankei.com/article/20240602-OBOITYOMBBMJJFAZ5GADDC3M7Y/ 中国海警局艦艇による尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域での接続水域侵入は、150日を超えた。 だがその間、日本の与野党の国会議員たちの関心は、自民党のパーティー券問題に端を発した政治資金規正法の改正に向かい、国家主権が侵され続けているという現実から目を逸らしてきた。 彼らにとっては、国家主権よりも政権の奪取と死守が優先されるからだろう。 その最中、韓国の総選挙では与党「国民の力」が惨敗した。 日本に融和的な外交姿勢を示す尹錫悦氏が大統領に就任し、日韓関係にも改善の兆しが見えていたが、日本はせっかく訪れていた外交チャンスを逃してしまった。 ■対日カード再び 韓国では総選挙の直後、野党「共に民主党」の議員ら17人が大挙して竹島(島根県隠岐の島町)に上陸すると、続いて文在寅政権時代の法相、゙国(チョ・グク)氏も竹島に上陸し、尹錫悦政権を 「親日政権」 と批判した。 韓国の野党陣営は、竹島を政権批判と対日批判のカードに使い、尹錫悦政権に揺さぶりを掛けたのである。 だが何とも皮肉な話である。 竹島は1954年以来、韓国によって不法占拠され続けている日本の領土である。 その竹島に韓国の国会議員らが上陸し、尹錫悦政権批判と対日批判の外交カードにしていたからだ。 だが、日本政府の官房長官や外相は、韓国の議員らの竹島上陸に 「遺憾の意」 を表しただけで、無為無策に徹していた。 また日本には2013年以来、 「領土・主権対策企画調整室」 なる機関が存在し、領土担当相も誕生していた。 しかし民主党政権時代の2010年以来、尖閣諸島周辺では中国政府による挑発行為が続き、来年2025年は、島根県議会が 「竹島の日」 条例を定めて20周年を迎える。 その間に、領土・主権対策企画調整室が戦略的な対応を企画したとも、領土担当相が竹島問題や尖閣問題の解決に努めたとも聞いたことがない。 それは江戸時代の 「槍奉行」 などと同じで、閑職の類である。 それに、2013年からは毎年、 「竹島の日」 の式典に政務官が派遣されるようになったものの、彼らは竹島問題の 「解決に向けて粘り強く努めていきます」 と誓って帰るが、その後は音沙汰無しである。 ■政治不信の本質 昨今の日本では、パーティー券問題から裏金問題となり、それが派閥の解散となって今では政治資金規正法の改正議論に辿り着いた。 だが国民の政治不信の本質はそこにはない。 問題は、立法府が法案を成立させ、行政府がその法律を規則として実務を行うそのプロセスにある。 2013年に新設された領土・主権対策企画調整室は、尖閣諸島問題や竹島問題で失策続きだった民主党政権のアイデアを基に発足した。 そこでは 「対外情報発信」 と 「国民啓蒙」 が、既定の方針であった。 だがその有識者会議のメンバーの1人となった私は、竹島問題や尖閣諸島問題の現状を説明し、 「今は対外情報発信や国民啓蒙よりも領土問題での研究が必要だ」 と訴えた。 しかし、報告書がまとめられる段階で、私の異見(他の人とは違った考え。異議。異論)は立法府に忖度したのか削除を求められ、封印されてしまった。 これは1度決まってしまうと、そこに課題があっても軌道修正ができないということである。 2024年4月27日、沖縄県石垣市が実施した尖閣諸島の環境調整に国会議員5人が参加し、中国海警局の公船と洋上で対峙したという。 後日、その1人は 「私はもう本当に怒りましたよ」 「(腸が)煮えくり返っていますから」 と発言したそうだ。 だがこの種のパフォーマンスは、極めて危険である。 中国側でも尖閣諸島を 「歴史的にも国際法上も中国固有の領土」 と思い込んでいるからだ。 これは竹島に上陸した韓国の国会議員たちの行動と似ている。 相手を挑発するのなら、次の一手も考えておくべきだからだ。 私は2024年1月末、尖閣諸島問題をテーマにしたウェビナーを公開し、中国側が尖閣諸島を中国領としてきた文献を逆手に取って、正しく読めていなかった事実を明らかにした。 その歴史研究は領土・主権対策企画調整室や外務省とも違っていた。 ■党利党略で失敗 現時、野党が政権を奪いたいなら、侵され続ける国家主権に不作為で臨んできた自公連立政権を追及すればよい。 また、自民党を再生したいというなら、何度か述べてきたように組閣の際、国務大臣をできるだけ多く国会議員以外から選ぶことだ。 派閥の論理で国務大臣が任用されている限り専門性は問われず、派閥の勢力拡大が優先される。 それでは論功行賞のための人事となり、副大臣や政務官といった 「槍奉行」 が増えるだけだ。 自民党のパーティー問題の本質はそこにある。 政権維持が目的となれば、特定の業界との癒着に繋がり、国民生活とは無縁の法案が成立する。 戦前の政党政治の失敗は、党利党略を優先させ、軍部の独走を防げなかったことにある。 尖閣上陸の12年前と一変…維新・和田有一朗衆院議員「目の前に海警の船」 尖閣視察を語る 2024/5/23 22:59 https://www.sankei.com/article/20240523-WPJTFPA535INNJP4PI7CGPQBN4/ 沖縄県石垣市が2024年4月に実施した尖閣諸島(同市)の海洋調査には、与野党の国会議員5人が同行した。 そのうちの1人で、平成24(2012)年8月には魚釣島に上陸した日本維新の会の和田有一朗衆院議員に話を聞いた。 ーー尖閣諸島周辺の様子は 調査船は2024年4月26日の夜に石垣島を出発し、2024年4月27日の早朝には既に魚釣島から2〜3キロの辺りを航行していた。 日の出の光で目を覚まし、デッキに出ると海上保安庁の巡視船と中国海警局(海警)の船が何隻も入り乱れて航行している姿が目に飛び込んできた。 大袈裟かもしれないが、船の煙突から立ち上る煙を見て、日露戦争で連合艦隊とバルチック艦隊が激突した日本海海戦を扱った映画のワンシーンのように思え、『こんな状況になっているのか』と驚いた。 ーー旧民主党政権が尖閣諸島を「国有化」する直前の平成24(2012)年8月、魚釣島に上陸した 当時兵庫県議だった私を含む地方議員有志の数人で上陸したが、その時は非常に牧歌的な雰囲気だった。 1時間余り上陸し、日章旗を立ててきたが、辺りはヤギのフンだらけで、臭かったのを覚えている。 海警の船は当然いなかったし、海保の巡視船は遠くの方で、我々の安全を確保するために見守ってくれていたように見えた。 ーー状況は一変した 12年前『平成24(2012)年8月』はこんな事になるとは想像もしなかった。 海警の船が連日のように領海侵入していることは知ってはいたが、日本の領海の、日本の島のすぐ横、目の前に海警の船がある。 これはちょっと異常じゃないかと思った。 日本の領海であるのに、そうでないと錯覚しかねない状況があった。 ーー政府は尖閣諸島を「有効に支配」していて、現場海域で海保などが「冷静かつ毅然とした対応」を行っているとしている 海保の巡視船は数隻で海警の船を取り囲んで、進路を阻んでいた。 操船技術の高さを含め、海保の日夜の対応には敬意を表したい。 だが、それらも対症療法だ。 抗議をし続けても、どんどん海警の船が領海に入ってきている現実がある。 操船技術が海保に劣るという海警の船が海保に誤ってぶつかってきたらどうするのか。 あるいは発砲してきたらどうするのか。 現実問題として真剣に考えなければいけない。 ーー抗議以外に何が必要か 政府は、原則として政府関係者以外の尖閣諸島への上陸を認めない方針を取っているが、それならば、政府職員を上陸させ、常駐させるべきだ。 携帯電話の基地局を設置することも考えられる。 実効支配を強化するためだ。 今回、機会あって調査に同行できたが、上川陽子外相をはじめ、全ての国会議員が尖閣諸島を視察すべきだと思う。 ◇ わだ・ゆういちろう 昭和39年、神戸市生まれ。 早稲田大卒、神戸市外大大学院修士課程修了。 衆院議員秘書、神戸市議、兵庫県議を経て令和3年10月の衆院選で初当選。 59歳。 中国大使「火の中」発言、「日本人ぶっ殺す」と言ったも同然 外相抗議を 山上・前豪大使 2024/5/31 11:35 https://www.sankei.com/article/20240531-JUNQE7IOGVFNDB6CN5GF3TTYIY/ 中国外交をめぐる論客、山上信吾・前駐オーストラリア大使が2024年5月30日、産経新聞の電話インタビューに応じた。 中国の呉江浩駐日大使が台湾問題で、日本が中国分断に加担すれば 「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と述べたことについて、 「日本人をぶっ殺す、という意味に等しい」 と批判した。 摩擦を嫌う日本政府の姿勢が、中国の動きを増長させると警鐘を鳴らした。 ーー「火の中」発言について 「火」 は台湾独立を阻止するための中国の武力行使を指す。 発言は、それに日本人が巻き込まれて殺されるという意味だ。 戦火を経験した日本人は東京大空襲や広島、長崎の原爆を想起する。 大使は日本人に与える意味合いを十分認識しながら、元首相やメディアの前で敢えて扇情的な言葉を使った。 そこに問題の深さを感じる。 中国外交官が問題発言をした例は過去にもあるが、今回は、発言が日本人一般に向けられている点で大きく異なる。 駐日大使が 「日本人をぶっ殺す」 と言うなど、あり得ない。 看過してはいけない。 ■2008年日中韓サミット前にも ーーこの発言の真意は 中国は台湾の頼清徳総統を独立派とみて過敏になっており、 「1つの中国」 原則の解釈を1歩1歩狭めている。 大使は日本の国会議員が総統就任式に出席したことを問題視したが、台湾と非政府間の実務関係を維持することは、1972年の日中共同声明以来、認められてきた。 議員は政府代表ではないから、訪台に問題はないはずだ。 日本に対するハードルを釣り上げ、譲歩を迫っている。 ーー日本の対応について 外相か外務次官が大使を呼び出し、直接抗議すべきだ。 それが世界の外交では常識なのに、政府は 「外交ルートの抗議」 で済ませた。 ソウルで2024年5月27日に日中韓サミットが開かれる直前だったから、中国の機嫌を損ねたくなかったのだろう。 私が危惧するのは、福岡県で2008年12月、初の日中韓サミットが開かれた時と状況が重なるからだ。 この時はサミットの5日前、中国が初めて海洋調査船を尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖の日本領海に送った。 「日本はサミットを壊したくないから、文句を言わないだろう」 と見て、反応を試した。 2022年8月、ペロシ米下院議長の訪台後、中国が日本の排他的経済水域(EEZ)にミサイルを着弾させた時も、外務省は電話による抗議で済ませた。 中国が 「日本はこんな事をやっても大丈夫」 と思うようになれば、抑止力が働かなくなる。 日本が重視する 「台湾海峡の平和と安定」 が維持できなくなる。 ■既成事実を重ねる「サラミ戦略」 ーー岸田政権の外交について 岸田文雄首相は2024年4月の訪米時、連邦議会での演説で 「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」 と言うだけで、台湾に言及しなかった。 中国の武力行使を牽制もしなかった。 そんな流れの中で、今回の大使発言があったとしても驚くべき事ではない。 中国はサラミを1枚1枚削るように既成事実を重ねる 「サラミ戦略」 で、陣地を拡大している。 ◇ 「火の中」発言 中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日、中国大使館で開いた座談会での発言。 台湾で頼清徳総統が就任した当日で、大使は就任式に日本の国会議員が式典に参加したことを 「台湾の独立勢力に加担」 したと批判した。 その上で 「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と述べた。 座談会には鳩山由紀夫元首相ら、日中関係者が出席した。 <主張>中国大使の暴言 日本国民への脅迫許すな 社説 2024/5/24 5:00 https://www.sankei.com/article/20240524-T4ZEA7XLS5NKVCMU24YUQ5JQWA/ 日本国と日本国民に対する、軍事力を振りかざした脅迫であり到底容認できない。 中国の呉江浩駐日大使が台湾を巡り、日本が 「中国の分裂」 に加担すれば 「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と語った。 呉氏は2023年4月、着任直後の会見でも同様の発言をして日本政府から抗議されている。 今回の異常な発言は、頼清徳台湾総統の就任式があった2024年5月20日、都内の中国大使館で開かれた座談会で飛び出した。 呉氏は 「(中国は)最大の努力を尽くして(台湾との)平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない」 と述べた。 その上で、 「火の中」 の言葉を用いて日本国民を脅迫した。 どのような前提条件を付けても、中国軍が日本国民を攻撃して殺傷すると脅した発言で外交官失格である。 呉氏は 「武力又は武力による威嚇に訴えない」 ことを確認した日中平和友好条約第1条にも反している。 このような大使が日本と正常な外交を営めるのか。 呉氏は発言を撤回して謝罪し、職を辞したらどうか。 もし同様の脅迫が中国駐在の外国大使から発せられたら、中国は国を挙げて非難し国外追放へ動くだろう。 発言を知った日本国民は眉を顰(ひそ)めている。 元国家公安委員長の松原仁衆院議員(無所属)は外交上の 「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物) として呉氏を追放すべきだと2023年に続き政府に促した。 林芳正官房長官は会見で 「極めて不適切だ」 と呉氏の発言を非難し、外交ルートを通じ抗議したと明らかにしたが不十分だ。 呉氏を呼んで直接抗議し、発言撤回と謝罪を求めるべきだ。 中国側の反応次第では、駐日大使交代の要求や呉氏の国外追放措置も必要である。 岸田文雄首相は近く韓国での日中韓首脳会談に臨む。 少なくとも呉氏の発言撤回がなければ、李強首相との2者会談をしている場合ではない。 座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBらが出席したが、呉氏の暴言に誰も抗議しなかったのは情けない限りだ。 鳩山氏に至っては 「呉大使のお話に基本的に同意する」 と述べた。 出席者は日本国民よりも中国政府の機嫌を伺う卑屈な姿勢を取った自身を恥じてもらいたい。 日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/nc_heiwa.html 第一条 1両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるものとする。 2両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。 <産経抄>低く値踏みされた日本、呉大使の恫喝 2024/5/24 5:00 https://www.sankei.com/article/20240524-JV3T2USBRVPW5GUBEE44YU4JHQ/ ひと文字の違いで、大きく意味の変わる言葉がある。 「瀬踏み」 と 「値踏み」 はいい例だろう。 物事に取り掛かる前に、ちょっと試してみるのは 「瀬踏み」。 ざっと見積もって、物の値段の見当をつけるのが 「値踏み」 である。 ▼中国の呉江浩駐日大使には、2023年春に着任する前にも約10年に及ぶ我が国での勤務経験がある。 歴史認識や台湾情勢などを巡る日本側の感度については、その時に瀬踏みを済ませたということか。 とすれば、日本は安く見積もられたことになる。 ▼台湾を巡り、日本が 「中国の分裂」 に加担すれば―。 「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」。 中国大使館で2024年5月20日に開かれた座談会で、呉氏はそう発言した。 傲慢にして品がなく、度を越しており聞くに堪えない。 これが日本国民に対する恫喝でなくて、何であろう。 ▼政府は外交ルートを通じて抗議したという。 謝罪も辞任も求めぬようでは首を捻る他ない。 呉氏は着任後の会見でも 「火の中に…」 の発言をしていたが、政府は今回と同じ対応にとどめていた。 足元を見られ、同じ轍を踏んだのなら情けない。 ▼件(くだん)の座談会には、鳩山由紀夫元首相や外務省OBらも出席していた。 武威を背にした明け透けな脅しに、なぜ沈黙で応じることができたのか不思議でならない。 鳩山氏に至っては、 「呉大使のお話に基本的に同意する」 と語った。 「元首相」 を名乗る人の悲しい実相である。 ▼ひと文字違いと言えば 「祈念」 と 「懸念 も浮かぶ。 日中関係の行く末を思う時、先立つのは懸念だろう。 隣人を脅して平気な相手と、良好な未来を誰が祈念できよう。 日本を低く見た 「無礼」 と 「非礼」。 ひと文字違い、されど通底する怒りは変わらない。 日本の民衆が火の中に…「事実に基づいている」 中国報道官が駐日大使の発言を正当化 2024/5/23 21:01 https://www.sankei.com/article/20240523-7JJYFYTOYJIKJL7M5ZHUS7TODA/ 中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば 「日本の民衆が火の中に連れ込まれる」 と発言したことについて、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は2024年5月23日の記者会見で 「事実に基づいており、道理は正しく言葉は厳格で、完全に正当で必要なものだ」 と述べた。 呉氏の発言が正当だと主張した形だ。 汪氏は 「最近、日本の一部の人々の間で台湾問題に関してマイナスの動きがしばしば出ており、『台湾有事は日本有事』という出鱈目で危険な論調を騒ぎ立て続けている」 との認識を示した。 台湾問題について、汪氏は 「中国の核心的利益の中の核心で、中日関係の政治基礎に関わり、越えてはならないレッドラインだ」 と主張。 「もし誰かが中国の内政に干渉し、中国統一を妨害すれば、必ず重い代価を払うことになるだろう」 と強調した。 中国にこびる鳩山由紀夫元首相の危険性 阿比留瑠比の極言御免 2024/5/23 1:00 https://www.sankei.com/article/20240523-MXFTPPAZFBMEBODEISMKNGLJXQ/ 民主党政権の初代首相、鳩山由紀夫氏の言動はバカバカしくて取り上げたくはないのだが、余りに有害で危険なので記録に残しておく。 中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日に開いた座談会で、日本が 「台湾独立」 や 「中国分裂」 に加担した場合についてこう警告した。 「民衆が火の中に連れ込まれることになる」 日本の一般国民に攻撃を加え、焼き殺すと言わんばかりの恫喝である。 当たり前の政治家であれば、直ちに厳しく反論すべき場面だが、社民党の福島瑞穂党首らと共にその場にいた鳩山氏は、反対に呉氏に同調したという。 「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」 これは、昭和47(1972)年の日中共同声明を意識した言葉だろうが正確ではなく、より中国に媚びた内容となっている。 日中共同声明は台湾が中国の不可分の一部であると 「表明」 する中国の 「立場」 について、日本は十分理解し、尊重する旨を述べているだけである。 鳩山氏は日本政府が中国と合意し、長年堅持してきた見解を飛び越え、勝手に 「台湾は中国の不可分の一部」 だと明言してしまっている。 ■「領有問題」の前科 また、鳩山氏には中国への対応を巡り、”前科”がある。 現職の首相時代の平成22(2010)年5月の全国知事会議に出席した鳩山氏は、日本政府が、 「日本固有の領土であり、中国との間に解決しなければならない領有権問題は存在しない」 との立場を取る尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、こんな発言をした。 「米国は帰属問題に関しては、日本と中国の当事者同士でしっかりと議論して、結論を見い出してもらいたいということだと理解している」 日本政府が、存在しないと主張してきた領有権問題の存在を認めた上で、これから中国との交渉のテーブルに着くかのような発言であり、中国の 「領有権問題の存在を認めろ」 という要求に擦り寄っている。 その前年の平成21(2009)年には自民党の麻生太郎政権が米オバマ政権から 「尖閣諸島に日米安保条約は適用される」 との確認を取っていた。 その安保条約の当事者である米国は第3者扱いである。 「こんなバカを言う首相がいるのか」 「バカな会合だ」 「ナンセンス!」 懐疑に出席していた石原慎太郎都知事は記者団にこう憤然と言い棄て、会議を途中退席したほどだった。 「日本列島は日本人だけの所有物ではない」 「国というものが何だかよく分からない」 こんな言葉も残している鳩山氏は、領土的野心を隠さない中国を、日本に招き入れかねない。 ■怒るべき時に怒れ ちなみに、無所属の松原仁元拉致問題担当相は2024年5月21日に、前掲の呉江浩駐日大使の 「民衆が火の中」 発言に対し、呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして日本政府に見解を質す質問主意書を提出している。 これについて筆者がX(旧ツイッター)に 「政府答弁が楽しみ」 と記したところ、山上信吾前駐オーストラリア大使が次のようにコメントした。 「実質的に 『日本人を殺す』 とまで言われておきながら、 『答弁』 だけで誤魔化せては駄目です」 「まずは外務大臣が(呉江浩駐日大使を)呼び付け、厳重に抗議し、謝罪と発言の撤回を強く求める」 「応じなければ、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)として中国に送り返す」 「怒るべき時には怒る、それが抑止力になります」 怒るべき時には怒る、日本政府に最も足りない姿勢かもしれない。 呉江浩駐日中国大使の「火の中」発言要旨 2024/5/22 17:16 https://www.sankei.com/article/20240522-DB3TKL3WFRK4TGWPLRUA32X2KQ/ 中国の呉江浩駐日大使が2024年5月20日の座談会で行った 「火の中」 発言の要旨は以下の通り。 ◇ 我々は最大の努力を尽くして(台湾の)平和統一を目指す一方、武力行使の放棄も絶対確約しない。 台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある。 長きに渡って台湾に武器を売り込んでいるのは誰なのか。 中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか。 答えははっきりしている。 日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる。 中国大使の「火の中発言」 昨年も「台湾有事は日本有事」を巡り問題発言 2024/5/22 17:15 https://www.sankei.com/article/20240522-3UTUJ35WMFKEZEHCRAVFETMMNA/ 林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が台湾との関係を巡り、日本政府が中国の分裂に加担すれば 「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」 と発言したことについて 「極めて不適切だ」 「直ちに厳重な抗議を行った」 と述べた。 呉氏は過去にも同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。 発言は2024年5月20日、台湾の総統就任式に合わせて呉氏が東京都内の在日中国大使館で開いた座談会で出た。 呉氏は 「台湾海峡情勢に緊張がもたらされている根源は、台湾当局の外部勢力を巻き込んでの独立を企てる試みや、外部勢力が台湾問題でもって中国を制しようとすることにある」 と主張し、 「中国の周辺で軍事的なグループを作るのは誰であるか」 「答えははっきりしている」 と暗に米国を批判。 その上で 「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と日本が米国に追随しないよう牽制した。 呉氏は同時に 「耳障りな言葉だが、言っておく必要があると思った」 と述べ、反発を予想していることも窺わせた。 座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首、外務省OBら十数人が出席していた。 だが、呉氏を諫める出席者はなく、鳩山氏は呉氏の発言に 「基本的に同意する」 と述べた。 呉氏は2023年4月28日の日本記者クラブでの記者会見でも 「台湾有事は日本有事」 との見方は 「荒唐無稽で極めて有害だ」 とし、 「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と発言した。 この時は林氏(当時は外相)が国会答弁で 「極めて不適切」 として外交ルートを通じて抗議したと明らかにした。 同種の発言を繰り返す呉氏に対しては、政府に厳しい対応を求める意見が出ている。 松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、政府の見解を問う質問主意書を衆院議長に提出。 「脅迫発言」 を 「2度も繰り返すのは極めて不見識」 「日本政府に対し敬意を欠く」 と指摘し、外交関係に関するウィーン条約に基づき 「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだ」 と求めた。 「極めて不適切」 林官房長官、中国駐日大使の「火の中」発言を非難 2024/5/22 12:31 https://www.sankei.com/article/20240522-EHRFUERXD5N77IAW6SNV4MRFZA/ 林芳正官房長官は2024年5月22日の記者会見で、中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば 「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」 と発言したことについて 「極めて不適切だ」 「直ちに厳重な抗議を行った」 と非難した。 また、林氏は中国の王毅共産党政治局員兼外相が台湾の総統に就任した頼清徳氏を 「民族と祖先に背く恥ずべき行為」 をしていると名指しで非難したことに関し 「台湾海峡の平和と安定は我が国の安全保障は元より、国際社会全体の安定にとっても重要だ」 と指摘。 その上で 「我が国の一貫した立場は台湾を巡る問題が対話により平和的に解決することだ」 と強調した。 中国大使の「民衆が火の中」発言、日本政府が厳重抗議 外交ルートで「極めて不適切」 2024/5/21 20:16 https://www.sankei.com/article/20240521-BYDXXHG2JJKRPE5YUQAWIFUWTM/ 中国の呉江浩駐日大使が日本と台湾の関係を巡り、中国の分裂に加担すれば 「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」 とした発言に対し、日本政府が外交ルートを通じて 「極めて不適切だ」 と厳重に抗議したことが分かった。 政府筋が2024年5月21日、明らかにした。 呉氏は2024年5月20日、日本の超党派議員団による台湾総統就任式への出席を 「台湾独立勢力を公然と後押しした」 「断固反対する」 と非難した上で 「火の中に」 と強く牽制。 2023年4月にも記者会見で同様の発言をし、日本政府が抗議した経緯がある。 中国大使の「日本の民衆が火の中に」発言に鳩山元首相「基本的に同意する」 2024/5/21 16:54 https://www.sankei.com/article/20240521-46IYWPVPPBLHTIWKZLOYJ5NEYA/ 中国の呉江浩駐日大使が、日本が 「台湾独立」 や 「中国分裂」 に加担すれば 「民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と発言した2024年5月20日の座談会に出席していた鳩山由紀夫元首相が、 「基本的に同意する」 と述べていたことが分かった。 招待を受けた鳩山氏は 「和を以て貴しとなすという言葉は中国にも日本にも通用する言葉で、私はそれを『友愛』という言葉で置き換えている」 と持論を展開。 「東洋の持っている精神を十分に理解をすれば、決してこの地域全体が不安定になることはない」 と言い切った。 一方、鳩山氏は中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有権を主張し、周辺海域で中国海警局の船が日本漁船を追尾するなど、中国側の挑発行為が活発化していることには言及しなかった。 呉氏の発言は2024年5月20日、同氏が東京都内の在日中国大使館で開いた台湾問題と日中関係について意見交換する座談会で飛び出した。 座談会には元外務省関係者ら10人以上の招待者がいたが、呉氏をたしなめる同席者は見られなかった。 呉氏は2023年4月に都内の日本記者クラブで行った記者会見でも、同様の発言を行っていた。 「民衆が火の中」発言の中国大使は「追放すべき」 松原仁氏が質問主意書 2024/5/21 14:00 https://www.sankei.com/article/20240521-OU6DREDDAJO43L777RGDPR3ELI/ 松原仁衆院議員(無所属)は2024年5月21日、日本が 「台湾独立」 や 「中国分裂」 に加担すれば 「民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と発言した中国の呉江浩駐日大使を国外追放すべきだとして、政府の見解を質す質問主意書を額賀福志郎衆院議長に提出した。 呉氏は2024年5月20日、在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する 「座談会」 で、この発言を行った。 松原氏は質問主意書で、呉氏が2023年4月28日にも同様の発言をし、当時の林芳正外相が 「在京大使の発言として極めて不適切で、外交ルートを通じて厳重な抗議を行った」 と国会で答弁したことを紹介。 「脅迫発言」 を 「2度も繰り返すのは極めて不見識」 「接受国である日本政府に対し失礼千万で、敬意を欠く」 と指摘した。 その上で 「さすがに今回は、(外交関係に関する『ウィーン条約』に基づき)ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)であることを通告し、追放すべきだと考える」 として政府の見解を求めた。 政府は2024年5月31日に答弁書を閣議決定する見通し。 中国の呉駐日大使、日本が「台湾独立」加担なら「民衆が火の中に連れ込まれる」と警告 2024/5/20 19:12 https://www.sankei.com/article/20240520-2QALPXWBORMHZI5FZTPI3464KY/ 中国の呉江浩駐日大使は2024年5月20日、台湾の総統就任式に日本から国会議員30人超が参加したことに対し、 「(台湾)独立勢力に加担する誤った政治的シグナルだ」 と批判した。 東京都内の在日本中国大使館で開いた台湾問題に関する 「座談会」 で語った。 呉氏は 「民主進歩党の歴代総統は全員が正真正銘の独立主義者」 「民進党が政権を握り続ければ両岸(中台)情勢の厳しさが増す」 と頼清徳政権を牽制した。 更に、中国が台湾の武力統一の選択肢を放棄しないのは 「台湾独立を抑制する切り札だ」 と強調。 日本が 「台湾独立」 や 「中国分裂」 に加担すれば 「民衆が火の中に連れ込まれることになる」 と警告した。 座談会には鳩山由紀夫元首相や社民党の福島瑞穂党首が参加。 鳩山氏は 「日本は台湾が中国の不可分の一部であることを尊重しなければならない」 と呉氏の主張に同調した。 自由がなければ生きていても意味がない。 自由を求めるためには時として死ぬ覚悟で戦うことが重要だ。 <正論>台湾のレジスタンスを支える鍵 東京国際大学特命教授・村井友秀 2024/2/21 8:00 https://www.sankei.com/article/20240221-35UAIMQ6LRLV7J37VPKJD6SQZA/ 台湾有事は隣接する沖縄の有事である。 日本の一地方である沖縄有事は日本有事である。 ■台湾は中国か 中華帝国にとって台湾は長い間、中華文明の外(化外の地)であった。 沖縄の支配者が中国に朝貢を始める前の時代は、中国の東の海にある沖縄や台湾などの島々を中国は琉球と呼んでいた。 しかし、14世紀に沖縄が中国に朝貢を始めると、中国は中華文明に取り込んだ沖縄を大琉球、朝貢しない野蛮な 「蛮族」 が住む 「化外の地」 である台湾などの島々を小琉球と呼んだ。 その後、17世紀に清朝が台湾を占領し、原住民の言葉(タイオワン、ターヤン)に倣い 「台湾」 と表記されるようになった。 これが中国が主張する 「歴史的権利」 の背景である。 今でも中国人の世界観には、沖縄と台湾を一体化して考える思想がある。 ■台湾は独立国か 2024年1月の台湾総統選挙で、かつて 「台湾独立の仕事人」 と自称していた頼清徳氏が新総統に選ばれた。 頼清徳氏は選挙直前のインタビューで中国共産党(中共)が主張する 「1つの中国」 を否定した。 頼清徳新総統が率いる台湾は独立の方向に動くのか。 国際法によれば、独立国家の成立要件は、 @国民 A領土 B統治能力を持つ政府の存在 と定義されている。 また、スターリンは独立国家の条件として、 @100万人以上の人口 A外国と国境を接している B国名を冠する民族が過半数を占める の3条件を主張していた。 台湾政府の統治下にある2300万人の人口は世界57位、台湾政府が排他的に統治する領土の面積は3万6000平方kmで世界138(ベルギーより大きい)、そして外国に支配されていない政府が存在する。 台湾は独立国たる条件を備えている。 しかし、台湾は中国の武力行使を恐れて独立を宣言しない。 他方、台湾が中国の一部ならば、台湾の独立運動は正統性のある中央政府に対する地方の反乱ということになり、中央政府が国家の統一を維持し主権を守るために地方の反乱を武力鎮圧することは国際法上問題がない。 また外国が地方の反乱に介入することは内政不干渉原則に反する国際法違反である(友好関係原則宣言)。 ただし、台湾が独立国家ならば、中国の台湾に対する攻撃は、国際法が禁止する独立国に対する侵略戦争になる。 ロシアのウクライナ侵略と同じである。 その場合は国際法によれば世界中の国が集団的自衛権によって、外国に侵略された台湾を軍事的に支援することができる。 ■台湾の抵抗力 中共は台湾政府が独立宣言すれば台湾に武力行使すると言っている。 世論調査を見ると(台湾民主基金会、2022年)、中国が台湾統一のために武力侵攻した場合は72%の台湾住民が 「台湾を守るために戦う」 と回答した。 なお2021年の世論調査によれば、外国軍の侵略に対して戦うと答えた国民は中国が88%、米国が60%、日本は13%であった(World VaLues Survey)。 戦争は勝つか負けるか泥沼になるかである。 小国が大国と戦うと戦争の結果は、負けるか泥沼になるかである。 小国が大国に負けない唯一の戦略は、戦争を泥沼化し大国が戦争に倦み疲れるのを待つことだ。 米国のベトナム戦争を止めたのは、戦死者の増大と増税による反戦運動だった。 ただし戦争が泥沼化すれば戦争による犠牲は巨大になる。 大きな犠牲に耐えられなければ小国は大国に負ける。 中共は勝てると思えば戦争し、負けると思えば戦争しない合理的な政権である。 いくら米国政府や日本政府が台湾防衛に言及しても、中共は台湾防衛に米国や日本が血を流すとは考えない。 中国の台湾侵攻を抑止する最大の鍵は、大きな犠牲に耐える台湾人の覚悟である。 台湾人が 「中国の一部になるくらいなら死んだ方がましだ」 と考えるなら中共は戦争を躊躇するだろう。 台湾人が 「死ぬくらいなら中国の一部になる」 と考えるなら中共は台湾を攻撃するだろう。 今、中共は 「我に順(したが)う者は昌(さか)え、我に逆らう者は亡(ほろ)ぶ」 と言っている。 順えば金持ちになり、逆らえば死ぬ、という2つの選択肢で、死ぬ選択をする台湾人はいるだろうか。 米国独立の英雄であるパトリック・ヘンリーは 「我に自由を与えよ、然(しか)らずんば死を」 と言った。 死ぬ覚悟で自由を求める台湾人は少数だろう。 普通の人は自由がなくても生きることを選ぶ。 もし、台湾人が自由を選ぶとしたら、それは自由を選んでも死なないと感じた場合である。 即ち、戦争になっても台湾が勝つと思った時であろう。 中共が 「順我者昌、逆我者亡」 と言った時、台湾人が中国の宣伝に抵抗できるのは、中国に逆らっても亡びないという自信がある場合である。 台湾人の自信を支えるものは、中国軍の侵攻を阻止できる軍事バランスであり、米日の軍事的経済的支援は台湾人の覚悟を支える最大の柱である。
[18初期非表示理由]:担当:スレ違いの長文多数のため全部処理
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