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【静岡県知事選】最終盤現地ルポ 裏金と醜聞で大逆風…苦戦の浜松で見た“自民隠し”戦法
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/340641
2024/05/24 日刊ゲンダイ
23日、劣勢の浜松市で演説する大村慎一候補と自民党の城内稔衆院議員(C)日刊ゲンダイ
裏金の余波はどこまで広がるか……。
川勝平太前知事の辞職に伴う静岡県知事選(26日投開票)はいよいよ最終盤。自民党が推薦する大村慎一元副知事(60)と、立憲民主、国民民主両党が推薦する鈴木康友前浜松市長(66)の事実上の一騎打ちとなっている。
23日、日刊ゲンダイ記者が訪れたのは静岡県浜松市。大村陣営は県西部で苦戦しており、特に浜松市は鈴木氏が16年間市長を務めた地で、完全アウェー状態。なんとか支持層を広げたいところに襲いかかったのが、裏金事件や浜松市のお隣、磐田市が地元の宮沢博行前衆院議員の女性スキャンダルだった。
大村陣営の自民党市議は「浮動票などは結構持っていかれているでしょう。党本部で起きたゴタゴタのとばっちりを受けています」と不満を漏らす。
とはいえ、古くからの支持層の信頼はつなぎとめられているようだ。この日、大村氏は自民党の静岡県連会長を務める城内実衆院議員の地元で城内氏に先導され、浜名湖周辺を遊説。郊外のホームセンターで行われた演説には、150人ほどの聴衆が集まった。大村氏が「県民の手に県政を取り戻し、突然の知事の辞任による混乱をオール静岡で立て直したい」と大声で訴えると、聴衆から「頑張れー」と声援が飛んだ。
「大村さんは自民党というより『オール静岡』」
注目の争点は、“自民党”ではなく、辞職した川勝平太知事(左)の路線を続けるか否か、だというが…(右は、立憲民主、国民民主推薦の鈴木康友候補)/(C)日刊ゲンダイ
ただ、やはり演説では自民党について積極的には触れていない。城内氏は応援演説で「裏金事件と大村さんは関係ない」と訴え、あえて自民党色を消そうとしているように見える。城内氏を直撃するとこう話した。
「自民党の名前を出すとマイナスになる? それはありますが、旧民主党系の人も応援してくれているので、バランスを取っている。大村さんは自民党というより『オール静岡』です」
実際、前出の自民党市議も「確かにいま自民党の名前を出すと少なからず悪影響があるが、自民党アピールに消極的な理由はそれだけではない」と、こう続ける。
「メディアでは与野党対決なんて言われますが、川勝知事路線の県政を続けるのかという争点の方が大きい。鈴木候補には、川勝さんを長年支えてきた地元の大手自動車会社『スズキ』の鈴木修相談役が付いていますから」
“自民隠し”戦法が奏功しているのか、「差は縮まりつつある。最後まで分からない」と、陣営は鼻息が荒かった。投開票日は26日だ。
(取材・文=橋本悠太/日刊ゲンダイ)
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