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【静岡県知事選】岸田自民“討ち死に”濃厚、不可解な「情勢調査」とチラつく菅前首相の影
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/340626
2024/05/24 日刊ゲンダイ
選挙前の撹乱を図る?(大村元副知事、鈴木前浜松市長=右)/(C)共同通信社
26日投開票の静岡県知事選が、異様な展開になってきた。
選挙の構図は、自民党推薦の大村慎一元副知事(60)と、立憲民主、国民民主両党が推薦する鈴木康友前浜松市長(66)による事実上の与野党対決で、大村氏が鈴木氏を追いかける状況。先月の衆院3補欠選挙で全敗した自民党は、ここを落とせば「4連敗」となり、岸田政権は大ダメージだ。選挙戦が最終盤に差し掛かり、ある異変が起きている。
今週に入り永田町で出回った「自民党本部情勢調査」と題された調査データが、どうも不可解なのだ。
18〜19日に実施したと記された同調査によると、大村氏の39.5%に対し、鈴木氏は41.0%。裏金事件で大村氏は大逆風のはずなのに、その差はわずか1.5ポイント。前回11〜12日に自民党が実施したとされる調査では、大村氏が35.9%で鈴木氏は44.7%だった。大村氏は8.8ポイント差から一気に詰め寄ったことになる。
「たった1週間で7ポイントも追い上げるなど、通常では考えられない。党関係者が恣意的に数字をイジった可能性が高い。『もう少しで逆転できるぞ』とメッセージを送り、陣営の引き締めを狙ったのではないか」(官邸事情通)
先週末には、あるメディアが実施したとみられる期日前投票の出口調査が出回り、鈴木氏が約7ポイントリードしていた。「こちらの方が妥当な数字」(同前)という。手を加えた調査結果を流し、選挙戦の撹乱を図るのは、自民党にとって“常套手段”。僅差のデータを流出させて陣営にハッパをかけたとすれば、焦りは相当なものということだ。
「4連敗」に向けて暗躍か
水面下で動いていても不思議ではない?(菅前首相)/(C)共同通信社
不可解なデータとは別に、不穏な噂も流れている。「菅前首相が選挙戦に手を突っ込んでいる」(永田町関係者)というものだ。
「公明党の支持母体・創価学会と太いパイプを持つ菅さんが、学会に野党が推す鈴木さんの支援に回るよう要請したと囁かれている。自民の大村さんを落選させ、政敵の岸田首相を追い込むつもりかもしれない」(同前)
菅前首相は、妻が静岡出身ということもあり、県政に一定の影響力を持つとされる。立憲と国民民主の候補が残る1議席を争った2019年参院選静岡選挙区では、「菅さんが国民民主の候補に肩入れした」(県政関係者)と言われているほど。菅前首相が「岸田憎し」で水面下で動いていても不思議ではないわけだ。
一方、前出の官邸事情通は「今回は菅さんが動いている気配はない」と言い、こう続ける。
「大村さんを本気で勝たせるつもりなら、菅さんは学会を動かすはずだ。党本部推薦の候補なのだから、汗をかくのが当然の流れ。ところが、公明党は自主投票で、水面下で支援に回っている様子もない。要するに、菅さんは岸田総理を見捨てているということだ」
菅前首相が暗躍しているのか否かハッキリしないが、いずれにせよ、ここまで菅前首相の名前が取り沙汰されること自体、岸田首相にとってプレッシャーだろう。菅前首相による「岸田降ろし」が脳裏に浮かんでいるに違いない。菅前首相に近い自民党議員が言う。
「菅さんは3補選の全敗を機に『岸田降ろし』に打って出ると思っていたが、今のところそうした動きはない。妙に静かなところが逆に不気味なくらいで、何かしらのキッカケを待っているのは間違いない。県知事選の結果を見てから判断するつもりかもしれない」
3補選全敗に続く「4連敗」が号砲か。岸田首相は枕を高くして寝られない。
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