http://www.asyura2.com/24/senkyo294/msg/397.html
Tweet |
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240517-OYT1T50118/
議論すべき課題は「安定的な皇位継承」とのことなのだが、いつのまにやら「皇族数の確保」に課題がすり替わってしまってはいないか。
「皇位を継承するのは「男系男子」」の規定を前にしては、皇族女子が結婚後も身分を保持しても「安定的な皇位継承」の課題に対しては、そのままでは意味をなさない。
また、憲法が求めている『皇位の世襲』に対して、旧宮家の男系男子が養子縁組で皇籍に復帰させるなどの対応は、憲法を冒涜するに等しい。
真っ先に議論すべきは「何故、「男系男子」でなければならないのか」ということではないのか。
以下に記事の全文を転載する。
衆参両院の正副議長と各党・会派の代表者らは17日、安定的な皇位継承に関する与野党協議の初会合を衆院議長公邸で開いた。政府の有識者会議が皇族数の確保に向けて2021年に示した〈1〉皇族女子が結婚後も身分を保持〈2〉旧宮家の男系男子が養子縁組で皇籍に復帰――の2案を軸に、意見集約が進む見通しだ。
安定的な皇位継承を巡る与野党協議に臨む各党・会派の代表ら(17日午後、東京都千代田区の衆院議長公邸で)=杉本昌大撮影
自民党の麻生副総裁や立憲民主党の野田佳彦・元首相らが出席し、林官房長官も同席した。各党が意見表明し、自民、公明両党は皇族女子が結婚後に身分を保持する場合も、配偶者や子に皇族の身分を付与しないことが適切との考えを示した。〈2〉については、自民、公明、日本維新の会、国民民主の各党が賛成し、立民は慎重な検討を求めた。
額賀衆院議長は会合後、記者会見で「可能な限り、今国会中の意見のとりまとめを目標に力を尽くしていきたい」と述べた。会合は今後、週1回開催する。
記事の転載はここまで。
そもそも、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」
と日本国憲法第一条に記されている。
日本国民の象徴は「男子」でなければならない理由は何か。・・・憲法にはそのことは書かれていないい。
日本国民統合の象徴は「女子」ではいけないとする理由は何か。・・・憲法にはその規定はない。
ただ「世襲」とあるのみ。
「・・・この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」
と憲法で規定しているが、主権者である国民の半数は「女性」であることを考えれば、「男系男子」の規定は国民の総意とは言い難い。
やはり、「皇位は、世襲のものであつて・・・」という憲法の規定するところに立ち返るべきなのだろう。
日本国憲法で規定された象徴天皇制はその権威を「世襲」に求めている。
その事は、日本国憲法の「平等の原則」の理念に明らかに反する。
しかし、憲法上の制度に過ぎなくなった象徴天皇制とはいえ、これを維持するにあたっては、「世襲」にその権威を求めるしかなく、「平等の原則」に反しても、憲法に明文化して「例外規定」とするしかなかったという事情があったのだろうか。
養子縁組云々は、「その権威」そのものを破壊するに等しい。
その事は、象徴天皇制の否定に直結する。
ちなみに、
皇位を継承するのは男系でかつ男子であるという規定は、もともと大日本帝国憲法の皇室典範で採用された新しいルールだということを忘れてはいまいか。
このままの議論で進めば、「平等の原則」を謳う日本でありながら、日本の国民の象徴として相応しからざる「皇族」の数ばかりが増えていくだけにしかならない。
憲法14条には、
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
A 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
B 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
と明確に身分制度を禁じている。
議論すべき課題は「安定的な皇位継承」とある。
「世襲」を肯定せざるを得ないとするならば、男女の別なく、天皇の第一子を皇位継承の第一位に位置つけることに、なんら問題は無いのではないか。
「平等の原則」を踏みにじってきた象徴天皇制が、「ジェンダーフリーの象徴」となる可能性すら生まれる。
それでも、「平等の原則」に矛盾する制度的欠陥は解消できないが、少なくとも公然とした「男女差別」の事例は解消する。
国民の世論は「女性天皇」の誕生に好意的だ。
「皇室典範」という法令の規定に過ぎない「男系男子」に拘る理由は何なのか。
しかも、それも明治の皇室典範で採用された新しいルールと言うのだから・・・理由を説明できる有識者はいないのではないか。
しかし、国会の議論の流れは不可解なままだ。
国会議員の諸先生方は、一方で「ジェンダー平等」、「男女平等」の社会を目指すリーダー然とした発言をしつつ、もう片方では「男女差別」、「身分差別」を前提に制度設計を語る。
この矛盾に気が付かないのだろうか。
そんなはずはあるまい。
どちらかが本音で、どちらかが欺瞞ということだ。
まさか「万世一系」をまともに信じている訳でもないと思うのだが・・・。
今の時代、「万世一系」を信じようと、信じまいと、そのことに何の意味も、価値も無くなっている。
戦前であれば、大日本帝国憲法においては、
歴代の天皇を指す「皇祖・皇宗」が、天皇の地位の正当性(正統性)と、天皇が総攬する統治権の淵源として重視された。
すなわち、国民を統治するために「万世一系」が都合よかったか、必要だったということでしかない。
現行憲法においては、
「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」
とされており、「万世一系」はその意味をなさない。
それは、「万世一系」が否定されても、現行憲法で規定されている天皇の地位になんら影響を与えないことを確認すれば理解できる。
「安定的な皇位継承」の為には、女性天皇を否定すべきではないだろう。
国民の総意を国民の世論で推し量るとすれば、国民の世論は「女性天皇」の誕生に好意的だ。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK294掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK294掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。