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大阪万博の“目玉”「空飛ぶクルマ」が「有人ドローン」に…吉村府知事がイメージ修正の姑息
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/339354
2024/04/24 日刊ゲンダイ
ヘリコプターにしか見えない(C)共同通信社(C)日刊ゲンダイ
来年4月13日の開幕まで1年を切った大阪・関西万博から、いよいよ“見どころ”がなくなりそうだ。22日の共同通信によると、乗り物で展示を楽しむ「ライド型」のパビリオンがゼロになる可能性があるという。軟弱地盤に会場を設置したせいで、導入に伴う杭などのコスト増が敬遠されているのが理由だ。
「万博の華」と呼ばれ、参加国が独自に用意する「タイプA」のパビリオンも、当初の60カ国から40カ国程度に減る見込み。目を引くのは、350億円の巨大リング(大屋根)と2億円のトイレぐらいではないか。
吉村大阪府知事が「万博での運航を目指す!」と意気込む「空飛ぶクルマ」でさえ、“身内”からこんな意見が出る始末だ。
「『空飛ぶクルマ』というと、クルマ(として)走れないじゃん、こんなん嘘やんか、という人が絶対出てくる」
吉村知事にそう助言したのは万博言い出しっぺの橋下徹弁護士だ。21日のフジテレビ系報道番組に吉村知事と共に出演し、「はっきり『有人ドローン』『人乗りドローン』と言うべきだ」とアドバイス。吉村知事も先輩知事の言い分に「よく『ヘリコプターでしょ』と言われるが、機能的にはドローンに非常に近いクルマ」とあっさり乗っかった。姑息なイメージ修正である。
府は「デロリアンと別モノ」と回答
吉村知事もあっさり乗っかった(C)日刊ゲンダイ
国交省の「空飛ぶクルマの運用概念」によれば、空飛ぶクルマとは〈電動化、自動化といった航空技術や垂直離着陸などの運航形態によって実現される、利用しやすく持続可能な次世代の空の移動手段〉かつ、〈無人航空機であるドローンは含まれない〉。国交省は「それ以上でも以下でもない。人が乗るものなので航空法では航空機に分類されます」(無人航空機安全課)と説明する。
厳密に言えば、空飛ぶクルマは「航空機」であり、「ドローン」とも言い切れないのだ。要するに「有人ドローン」は単なる通称で、明確に定義されているわけではない。
大阪府にも空飛ぶクルマについて説明を求めると、「国の定義に従っています」と前置きし、「映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の『デロリアン』のようなイメージを抱かれますが、別モノです」(産業創造課)と答えた。
すでにスロバキアのクライン・ビジョン社が、車体に格納できる翼付きのクルマを開発している。誰もが想像するような「空飛ぶクルマ」のイメージに極めて近い。
いくら吉村知事が「空飛ぶクルマ改め有人ドローン」と言い繕っても、“がっかり感”は拭えない。いっそデロリアンに乗って万博誘致からなかったことにして欲しい。
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