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※紙面抜粋
※2024年4月22日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
衆院補選島根1区に現地入りも不評判(岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
岸田首相も自民党も、島根1区の補選で勝つ気があるのか。そんな素朴な疑問が浮かんでくる。今度の衆院3補選で、自民党は長崎3区と東京15区で不戦敗となった。唯一、候補者を立てられたのが島根1区で、ここも落とせば3連敗──。「岸田首相の命運もこれまで」などと解説されているが、その割に、有権者の神経を逆なでするようなことばかりをやっているからだ。
19日に衆院を通過した「少子化対策法」は「実質負担なし」とか言いながら、年収600万円の共働き夫婦では年間2万4000円もの負担増になることが後からわかった。国民だましの詐欺的増税と大騒ぎだ。かと思えば、厚労省は16日、60歳まで納付の国民年金について、65歳まで延長するとどうなるかという試算を始めた。仮に65歳まで納付になれば、国民負担は100万円増。試算開始が直ちに「実現」に結びつくわけではないにせよ、なにしろ、大ボラ吹きの「増税メガネ」政権である。SNSは大炎上、国民は不安で身構えているところに今度は武見厚労相が「マイナ保険証」の利用率にかかわらず、紙の保険証を12月に廃止することを参院答弁で明言した。畳みかけるように河野デジタル相は自民党の国会議員に「マイナ保険証」を使えない病院を見つけたら、“通報”するように求める文書を配布した。
いずれも、「選挙前にようやるわ」という暴挙で、「居直ったのか」と思えてくる。
「独裁的監視国家になる」と小沢一郎
河野文書についてはさっそく、小沢一郎が「これぞかつて自民党副総裁が学べと言ったナチスの手口。結果できあがるのは、独裁的監視国家」とXに投稿していたが、本当に背筋が寒くなる。
ちなみにマイナ保険証の利用率はいまだに5.47%。それなのに、自分たちに「従え」と強要する。「逆らうヤツをあぶり出せ」と命令する。
自分たちは悪事の限りを尽くしているくせに、この上から目線は何なのか。
それを「岸田政権の天下分け目」とされる補選の直前にやるのだから、いい度胸というか、唖然とするばかりだ。
果たして、この政権・政党はマトモなのか。すでに錯乱し、マトモな判断ができないんじゃないか。そんな疑念がよぎるのだが、その極め付きがきのう(21日)の岸田の島根入りだ。
政府不信を招いた責任者が自民党候補の応援に入り、3カ所で演説。「政治の信頼回復につなげる。その先頭に立つ」などと訴え、政治資金規正法改正などへの意欲を語ったのである。
地元は「来るな」だったのに首相がゴリ押し
“通報せよ”とは上から目線も甚だしい(河野太郎デジタル相)/(C)日刊ゲンダイ
これはブラックジョークか、白日夢か。果たして、法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。
「3補選は島根しか戦えない。ここを落とせば大変なことになる。そういう危機感からの行動なのでしょうが、それが逆効果になるかもしれないという判断力がない。鈍感ですね。裏金問題は安倍派の問題で、自分は関係ないと思っているのだとしたら、とんでもない話です。大臣規範にあるパーティーの自粛や派閥離脱のルールを守らず、政治改革に後ろ向きだったのは岸田首相自身です。宏池会の元会計責任者が立件されているのに、自分は何の責任も取っていないし、党の処分も下らなかった。どのツラ下げて来るんだという自民党支持者も多いでしょう。結局、岸田首相は聞くふりをしても聞き流して理解しようとしない。リーダーとしての資質の欠落を思い知らされました」
共同通信の世論調査では岸田が自分に処分を下さなかったことに78.4%が「納得できない」と答えている。
こうした数字を見せられれば、「応援に入ってくれ」と頼まれても遠慮する。それがまともな人間の判断だ。まして、地元は「来るな」と拒絶していたというではないか。
「首相の島根入りの話が伝わると、案の定、“ありがた迷惑”という声が上がりました。それなのに、島根入りが決まったのは首相が地元の反対を押し切ったんですよ」(選挙事情通)
驚くべき面の皮の厚さというか、鈍感力だ。
のど元過ぎればゴマカしてきた政治改革
首相が「先頭に立つ」とか力んでいる「政治改革」にしたって、噴飯ものだ。
これまでも自民党は不祥事のたびに規正法を改正してお茶を濁してきた過去がある。田中金脈問題の後には企業・団体献金を1億円までに制限。それでもリクルート事件や東京佐川急便事件が起きると、政治資金パーティー券の購入の上限を1社あたり150万円にしたりした。1999年には資金管理団体への企業・団体献金を禁止。それなのに、金にまつわる不祥事が次から次へだ。
今度も悪質な政治資金の不記載は国庫へ納付するなどの案が出ているらしいが、厳しい連座制や政策活動費の公開など、知らんぷりだ。もちろん、自民党案もまとまっていない。それなのに、地元でも総スカン首相が島根に入り、「やってる感」を演出する。国民愚弄、有権者軽視にも程があるというものだ。
完全にぶっ壊れた自民党の末期症状
政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「地元も“来ないで”と言っているのに、強引に入った理由は、勝てば自分の手柄にし、負ければ、“自分は責任を果たしましたよ”と言い訳するためでしょう。すべてが我が身可愛さの保身です。それに安倍派の会長を務めた細田博之氏の弔い選挙なのに、安倍派の議員を排除し、水面下の票の掘り起こしもやっていない。負けたら、宏池会で地盤を奪うつもりなのではないか。そんな見方すら出ています。いずれにしても、こんな首相に自民党内も愛想を尽かし、呆れています。だから、それぞれが党のことなど関係なく、勝手に保身で走り出している。選挙前なのに閣僚の間で国民感情を逆なでするような言動が相次いでいるのも、自民党の末期症状の象徴です」
そういえば、茂木幹事長が島根に告示日にも入らなかったのは「補選3連敗すれば、岸田首相が退陣に追い込まれ、自分にお鉢が回ってくるとの読みだろう。サボリだ」なんて“解説”もあった。茂木は週明けに入るらしいが、そのやる気のなさや東京15区の推薦を巡る混乱で更迭論が渦巻いている。
一方、20日に島根の応援に入った小泉進次郎元環境相は「悪いのは自民党だ」「候補には関係ない」などという“珍演説”で失笑を買った。
それやこれやを見せつけられると、もはや、自民党が完全にぶっ壊れたのがよくわかる。ここは有権者がきっちり、引導を渡し、政界から引きずり降ろさなければ駄目だ。
「この期に及んで、この政権に緊張感がないことに驚かされました。国民の声に謙虚に耳を傾け、敏感に対処する。そうして信頼を回復する。それしか方法はないのに首相を筆頭に弛緩している。何十人もの議員が処分されて人材も払底したうえに、有権者に真摯に向き合う緊張感もなければ、どんどん、国民とは乖離した政治になっていく。ここは自民党再生のためにも有権者の手で下野させることが一種の親切というものです。この3補選をその皮切りにし、今後、あらゆる選挙で自民党に引導を渡していくことが必要です」(五十嵐仁氏=前出)
前評判では激戦などと言われている島根1区だが、大差で思い知らせるしかない。
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