http://www.asyura2.com/24/senkyo293/msg/716.html
Tweet |
共産党・田村智子委員長に聞いた 岸田自民とどう対峙する、野党共闘は再構築できるのか 注目の人 直撃インタビュー
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/337791
2024/03/25 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし
田村智子(日本共産党委員長)
日本共産党の田村智子委員長(C)日刊ゲンダイ
後半国会の焦点も自民党の金権腐敗、裏金政治の追及だ。世論は岸田政権を見放している。野党の力量が問われる中、創立102年を迎える日本共産党の委員長が23年ぶりに交代。初の女性党首が誕生した。就任から2カ月。岸田自民党にどう対峙していくのか。野党共闘を再構築できるのか。「共産党は怖い」という負のイメージ払拭も課題だ。いかにして支持を広げるのか。「タムトモ」の愛称で知られる新委員長に聞いた。
◇ ◇ ◇
──委員長就任後、参院本会議で代表質問を行い、予算委員会の質疑にも立っています。これまでとの違いはありますか。
心構えでいうと、準備作業が最も変わりました。立場上も党を代表する質問になりますから、できるだけ本質を突きたい。自民党の裏金事件をめぐってはさまざまな事象がありますが、根っこの問題にどう迫っていくか。ここを意識しています。代表質問では、野党の女性議員のみなさんから「頑張れ!」という温かい応援を感じ取りました。自民党の女性議員からも、国会ですれ違った時に「頑張ってくださいね」と声をかけられます。うれしいですね。国会はジェンダー不平等の最たる場ですから、与野党の立場を超えて、この状況を変えたいという思いがあるんだろうなと感じています。
──岸田首相との論戦はどうですか?
対峙する時は常に、正面から挑む思いでやってきました。引き胴ではなく、「めーん!」「どー!」と攻めていますので、委員長だからという変化はありませんね。
──減らず口だった安倍元首相とはまた違う「暖簾に腕押し」に見えます。
岸田首相の場合は、論戦が前に進んでいかないやりにくさなんですよね。少なくとも安倍元首相との議論では、ガチンコだとハッキリ分かる状態に持ち込めた。岸田首相はそうならない。どんなに引っ張り出そうとしても、ここだと思ってつかもうとしても、ゴマカシを重ねながらスルスルするするウナギのように逃げていくと言いましょうか。もちろん、逃げ切りは許さない姿勢で向かっていきます。
──裏金追及は共産党がリードしていますが、岸田首相はいわゆる「闇パーティー」や「延期パーティー」をめぐっても詭弁を繰り返しています。
昨年12月に予定していた政治資金パーティーの延期については、代表質問で取り上げました。「なぜ中止しないのですか。まだ政治資金パーティーを開くつもりですか」と。衆院政治倫理審査会で「在任中はやることはないと考えている」と言った以上、中止するのが筋なのに、そうはしない。中止すればパーティー券の返金が必要となります。1万円を超えるものは返金先、返金額を支出としてすべて政治資金収支報告書に記載しなければならない。岸田首相の資金管理団体の収入(2022年分)のうち、パー券が98.4%を占めています。返金すれば特定の企業、あるいは業界団体によって支えられていることが明るみに出てしまう。首相が言うように、それ自体は違法ではないのですから、堂々と中止にすればいい。企業・団体献金の抜け道だと指摘されるのがイヤ、政治資金規正法改正で禁止になって資金が枯渇するのもイヤ。そういうことなのでしょう。自民党政治の腐敗の根、歪みの根は本当に深いものがある。自分たちで断ち切ることはできない。下野させるしかないと思えるほどです。
金権腐敗と経済無策は一体不可分
──衆院3補選(4月16日告示、28日投開票)が迫り、早期解散説がまたぞろ持ち上がっています。国会対策も含め、野党協力をどう進めますか。
「自民党政治はダメ!」という声がこれほど国民のみなさんから上がっているのですから、野党が一致点でまとまり、新しい政治を示すべきだと思います。問題はスキャンダルだけじゃない。経済無策と一体不可分です。その上、22年末の安保関連3文書改定を受けて防衛省が設置した有識者会議は、軍需産業で日本経済を活性化するという議論をしている。とんでもない道に突き進もうとしているんですよ。
「立憲主義を守る」で野党共闘を
与野党問わず女性議員からエール(代表質問する日本共産党の田村委員長)/(C)日刊ゲンダイ
──自民党に多額献金をし、自衛隊に戦車などを納入する企業の幹部がメンバーに名を連ね、政策を歪める懸念があります。
自民党をカネで支える経済界の要請で消費税増税が強行され、法人税減税がセットで行われてもきました。経済界の目先の利益が優先された結果、実質賃金が減少し続けるなど、経済停滞を引き起こしている。こうした状況を変えるために、本気の野党共闘に踏み出せるかどうか。これが問われています。「立憲主義を守る」という太い柱の下、一致できる政策を協議していけば野党共闘は再構築できると思いますし、国民のみなさんも政治転換を求めている。私たちが30年にわたって訴えてきた企業・団体献金の全面禁止がすべての野党の一致点になっています。自民党を政権の座から引きずり降ろさなければ実現できない。立憲民主党などの野党に対し、私たちは協議に応じますと示しています。ただ、それだけでは待ちのポーズ。私たちは国民のみなさんと共に「おかしいところを変えよう」という運動をやっていく。これが攻めになると思っています。
──21年の衆院選では、立憲民主党と政権交代時の「限定的な閣外協力」で合意し、選挙区の候補者を調整。危機感を強めた自民党は「立憲共産党」と揶揄し、共産党が日米安保条約廃棄を綱領に掲げることから「日米同盟は終わる」「体制選択選挙だ」と攻撃しました。印象操作で勝る自民党を前に、理解を広げられますか。
そもそも、私たちは政策の違いを持ち込まないと明言していますし、安保条約廃棄に向けた国民世論をつくることは党独自の仕事で、連立政権に求めるものではありません。にもかかわらず、何を言ってもいいぐらいの論拠のない批判を受ける。私たちが政権に絡むことを本当に嫌がっている表れですよね。ある意味、日本の大きな矛盾は安保条約に起因すると認めているようなもの。その裏返しじゃないでしょうか。
──自民党政権は一貫して米国隷従です。
「米国言いなり」という私たちの主張は、自民党政治の根っこと言える問題の本質を鋭く突いているだけに、政権入りを何としても阻止したいのでしょう。イスラエルのガザ攻撃に対し、米国に遠慮する政府は当初、停戦を求めることすらしなかった。沖縄をめぐる問題にしても、県民の声を無視して辺野古新基地建設を強権的に進めている。長く続く自民党政治は日本に何をもたらしたのか。もっと問いかけなきゃいけないですね。
「タムトモカラー」は他流試合で
──古参党員の除名問題や、それに続く党大会での発言批判はパワハラと指摘され、「共産党は怖い」という印象を増幅させました。どう払拭しますか。
重大な規約違反に対し、規約に基づいた対応をしました。それを「問題だ」とする発言が党大会で行われたので、発言内容のどこに問題があるかを批判しました。これは、党大会に対する中央委員会の責任です。民主的な議論によって方針を決め、全員で統一して実行にあたる。意見の違いで排除してはならないし、もちろん人格攻撃もしてはならない。この民主集中制は、私たちが結束して巨大な力に立ち向かうために最も大切にしています。本気で政治を変えようとする私たちには、そうした鋼の部分が必要です。ただ、人格攻撃や排除は絶対にしてはいけない。党内外を問わず、対話を重ねて理解してもらう努力をしていきます。
──各方面に積極的に問いかけ、対話を積み重ねていくのが「タムトモカラー」ですか。
そうですね、他流試合をやりたいですね。企業の内部留保を問題視してきましたが、ただただため込む状況に経済界も困っていると思うんです。米中対立の影響、経済安保への対応ひとつとっても大変でしょう。
──旧来政治の打破が強く求められる中、荷は重くないですか。
私にできるかどうか。それは考えないようにしています。国政選挙の候補者になる時も、政策委員長になる時もそうでしたが、成長しないとできないことばかりを要請されてきました。次の時代に向かうにあたって、私に「成長しろ」という時代の要請のようにも感じています。落ち込むこともありますが、生まれついての楽観主義なんです。
(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)
▽田村智子(たむら・ともこ) 1965年、長野県小諸市生まれ。早大第一文学部卒。在学中の学費値上げに対する抗議行動を機に共産党の協力組織「日本民主青年同盟」(民青)に参加。民青の専従職員、共産の国会議員秘書を経て2010年の参院選で初当選。現在3期目。首相主催の「桜を見る会」の追及で知名度を上げ、20年に女性初の政策委員長に、今年1月の党大会で女性初の委員長に就任した。次期衆院選で比例東京ブロックへの鞍替えを予定している。
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK293掲示板 次へ 前へ
最新投稿・コメント全文リスト コメント投稿はメルマガで即時配信 スレ建て依頼スレ
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK293掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。