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3月19日会合で日銀政策修正へA
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2024年3月18日 植草一秀の『知られざる真実』
インフレ誘導政策は2012年12月に発足した第2次安倍内閣が「アベノミクス」の一つの柱として提示したもの。
大規模金融緩和政策によってインフレを実現することを目標にした。
このことに私は異を唱えた。
2013年7月、私は
『アベノリスク』(講談社)
を上梓した。
第2次安倍内閣がもたらす7つのリスクを列挙して警告を呼び掛けた。
7つのリスクとは
インフレ誘導、消費税増税、TPP参加、原発再稼働、天下り、憲法改悪、戦争推進。
提示した7つのリスクのうち、インフレ誘導を除く6つのリスクが現実化した。
憲法の内容が憲法改正の手続きなしに改変され、日本は戦争をする国に改変された。
消費税の税率は5%から10%へ倍増された。
「TPP断固反対」と大書きしたポスターを貼りめぐらせて選挙を戦ったのに、安倍首相は選挙から3ヵ月も経たずにTPP交渉への参加を決定。
米国が離脱したにも関わらず日本がTPPを延命させ発効させた。
フクシマ原発事故を風化させ原発稼働を全面的に推進した。
しかし、インフレ誘導だけは不幸中の幸いで実現しなかった。
拙著『アベノリスク』のなかで、インフレについて次の二点を強調した。
第一はインフレ誘導政策が方向として正しくないこと。
第二は日銀が短期金融市場に流動性を大量供給してもインフレが実現しない可能性が高いこと。
実際に黒田日銀のインフレ誘導公約は実現しなかった。
インフレ誘導が実現しない可能性が高い理由を『アベノリスク』のなかに詳述した。
2013年当時、この点は経済学者の間での論争点にもなった。
私は日銀が短期金融市場に大量の資金を供給しても、マネーストック増大が実現する保証がない点を強調した。
実際、黒田日銀は「異次元金融緩和」、「黒田バズーカ」を乱発して短期金融市場に大量の資金供給を行ったが、マネーストックは大幅増加を示さなかったのである。
結局、黒田日銀の掲げたインフレ誘導公約は実現しなかった。
岩田規久男副総裁は2013年の国会同意人事意見聴取において、公約を実現できない場合は職を辞して責任を明らかにするのが分かりやすいと述べたが職を辞することはなかった。
インフレ誘導は可能であると主張した学者は現実の前に敗れたのである。
そのインフレが2022年から23年にかけて日本で猛威を振るった。
インフレ率が4%を突破したのである。
三つの要因を挙げられる
第一に2020年2月に発生したコロナパンデミックに連動してコロナ融資が激増し、マネーストック伸び率が10%にまで高まったこと。
第二に世界的なインフレが進行したこと。
第三に日銀が円安誘導政策を実行して日本円が暴落したこと。
日銀のインフレ誘導は失敗したが、2022年から23年にかけて別の要因で目標をはるかに超えるインフレが日本で発生した。
この事態に対して、日銀は早期にインフレを抑止するスタンスに政策運営を軌道修正する必要があった。
しかし、黒田東彦氏は任期満了まで政策修正を公式には拒絶した。
実態として日本銀行の政策運営は修正されていた。
しかし、黒田氏はその実態を最後まで認めなかった。
2023年4月に日銀総裁に就任した植田和男氏は、表面的には黒田日銀の路線を引き継ぐとしながら、実態として漸進的な政策修正を進めてきた。
植田氏も国会同意人事の意見聴取の関門をくぐらねばならなかった。
国会の多数勢力を、アベノミクスを推進した自民党が握っている。
正論を述べれば人事に同意されない状況が存在した。
このなかで植田氏はぎりぎりの政策運営を推進しているように見える。
日銀が政策修正を実行すれば株価暴落が生じるとの見解が存在するが、そのリスクは限定的である。
実際、政策修正の見通しが強まるなかで株価は反発している。
同時に、経済政策の最重要目標は株価でない。
「物価の安定を通じて国民経済の健全な発展に資する」ことが金融政策運営の理念である(日本銀行法第2条)を忘れてはならない。
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