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泉房穂氏が激白!「国民を救い切るには衆参計5回の選挙で勝つこと。そこまでやって日本の夜明けが来る」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/336880
2024/03/04 日刊ゲンダイ
泉房穂(前明石市長)
前兵庫県明石市長の泉房穂氏(C)日刊ゲンダイ
「歯に衣着せぬ……」と言われているが、本人曰く、言いたいことの半分もしゃべっていないとか。市長時代も暴言と子育て政策で名を上げ全国区の有名人になったが、このところのメディア露出はハンパない。腐敗した政治を容赦なく斬ってくれるので、引っ張りダコだ。世直しのため、自ら永田町に乗り込むのか。国政出馬への期待が高まるこの人にズバリ聞いた。
◇ ◇ ◇
──メディアで引っ張りダコです。街で反応ありますか?
歩いていると「あっ、泉さん、写真撮ってください」と声を掛けられる。新幹線に乗ってると、握手とハグが多い。何でハグしたいのか、わけ分からんけど。あと面白いのが「泉さん元気わけてください」とか。叩かれても叩かれても起き上がり、不屈というか、そういうキャラなんかな。
──最近は「国に物申す」といった発信が多いですね。
市長をやめて一国民に戻った時に、国のあまりのひどさに愕然とした。先進国の中で30年間、経済成長もせず、給料も上がっていないのは日本くらい。それなのに税金が上がり、保険料が上がり、物価も上がり、使う金がない。結婚すらできない。つまり、国の政治が間違っているからまさに少子化になるし、使う金がないから消費に回らず経済が回らない。日本の政治は、30年間何もしなかった無策ではなく、30年間、国をいじめ続けてきた。間違いを続けてきたという認識。ええ加減にせえよ、と思ってたら、また今度の支援金という名の負担増やろ。何をすんねん。首を締めて締めて締めて苦しいと言っているのに、もっと締めてくる。その手を離せって感じやんか。
──裏金問題が火を吹いていますが、岸田政権や自民党については?
岸田総理がひどいのは、言うまでもなしですけど、岸田総理はまさに派閥政治の中で選ばれた人やんか。派閥政治の悪さのポイントは2つあって、お金をくれる一部の人のための政治になっているから、政策がゆがんだ結果、国民が苦しいわけ。もうひとつは、ポストのゆがみ。適材適所ではない者を派閥推薦として大臣に押し込む。その一番の究極は総理大臣。派閥の多数派工作によって総理が選ばれるから適材適所じゃないわけです。国民が選ぶような大統領制や首相公選制だったら岸田総理は選ばれていない。大統領制の欠点もあるけど、やはり国民が直接選ぶとなると、国民に語りかけて国民の支持を得ないことには大統領になれない。日本の総理大臣は国民に語りかける必要ないやん。誰が選ぶかというと、派閥のボス。いまだこんなに支持率が低いのに岸田総理が続けられていること自体が日本の派閥政治の象徴的な欠陥だと思う。他の国だったら政権崩壊してるよ。
与党とか野党とかには興味がない
──一方で、野党も政権交代の受け皿になっていない。野党はどうしたらいいですか。
私は与党とか野党とかには興味がない。古い政治家は総取っ替え。国民のために働かない政治家は全員替えたらいい。私が証明してきたのは無所属新人が直前の立候補でも選挙に当選できること。昨年の明石市長選では、相手候補の支援を自民、公明、維新が組んだけどダブルスコアで勝った。それを衆院の289の小選挙区で、せーのドーンでやれば勝てる。
──ならば、泉新党みたいな話になる?
それもよく聞かれるんだけど、皆さん質問の前提が政党に毒されてる。政党は関係ない。国民の生活を救わなきゃ。私は「救民内閣」という言葉を使ってるけど、国民を救う政治なんですよ。政権交代は手段に過ぎなくて目的じゃない。国民の笑顔。国民の安心。国民を救うために何がいるかというと政策転換。国民の首を締め続けるような国民負担の政治から国民負担減の政治にする。例えば食料品などの生活必需品から税金を取る必要はないんじゃないか。イギリスのように消費税20%の国でも食べ物はゼロだし、アイルランドなんて24%の消費税だけど食料品ゼロなんですよ。国民を救うための政策転換。そのためには総理を取らなきゃいけない。
──どう取るんですか。
ゲームと一緒やん。衆議院(定数465)の多数を取ればいい。オセロで言うと、版面にある465のコマのうちの233を占めた瞬間に総理を取れるねん。233の取り方は、相手が黒とすると、こっちは必ずしも白でなくてもいい。黒以外で、赤、青、黄色、ピンク、茶色でもええねん。カラフル連合で233以上を取って、一人の総理大臣の名前を書けば総理を取れる。それは別に政党があろうがなかろうが変わらへんねん。1つの政党だけで233を超える必要はない。1993年の細川政権は8党派連立での政権交代だった。何でもいいわけですよ。「国民の味方チーム」を289の小選挙区で擁立すれば、一瞬で勝てると思う。
政治家に必要な資質は情熱、責任感、判断力の3つ
不適材不適所は「派閥政治」の弊害(右から、岸田首相、自民党の麻生自民党副総裁と茂木幹事長)/(C)日刊ゲンダイ
──解散総選挙は今年あるかもしれません。現実論として、立憲民主党の泉代表が「ミッション(共通政策)型内閣」を呼びかけたりしていますが、維新は他党と協力するそぶりはありません。
気にしないで大丈夫。勝つには1カ月もあれば十分。心配しなくても、当選が見えた瞬間に「この指止まれ」に集まってくるから。今どの政党にいるのか関係なく、こっちの水は甘いぞ、国民の味方チームが通るぞ、ってなったら雪崩現象が起こる。国民の味方チームに候補者が雪崩を打って来るわ。国民の味方チームの大ブーム。新聞が「日本の夜明けが近い」とか書けば、ほっといたって、みんな政党を抜けて夜明けの方へ来る。
──政治家総取っ替えは?
全部新人でもいい。新人というのは2種類あって、コツコツ生きている普通の庶民が私でよろしければという形の出方が1つ。もう1つは一定程度知名度のある、俗に言うインフルエンサー。そうした方々を20人くらい並べるのは難しくない。それに一部、今いる国会議員が混ざってもかまへんけど、今いる国会議員だけで何とかしようなんて思ったらダメ。普通の生活をしている人が普通の感覚で政治家をやるのが大事。明石で証明したように、知名度がなくても、金を使わなくても圧勝できる。極端な話、全国289選挙区、同じポスターでええねん。色を決めて、何色のポスターの人に入れてって言うだけや。「国民の味方チーム」っていうのが分かればいい。これまでの政治×、新しい政治○で、この人に投票。一瞬で勝てるやん。
──その時は泉さんも出馬します?
私が1人出てもしょうがないって。私は映画で言えば、総監督。セリフも書いて思い切ったキャスティングもする。そして全国289の映画館でちゃんと上映を成功させたい。映画のタイトルは「国民の笑顔、国民の安心、日本の夜明け」みたいなイメージ。まずは脚本をしっかりと練り上げることが大切で、他にもやることがいっぱいある。自分が役者をしている場合じゃない。
──雪崩現象が起き、公示日の出馬表明でも勝てるなら、総監督として全国を回りながらでも出馬できるんじゃないですか。
国民を救い切るには、1回の選挙じゃ足らない。衆議院の総選挙は3回、半数改選の参院選で2回勝たなきゃ。それまで総監督を続けないといけない。なぜかというと、政権交代してもすぐに国民の腹はふくれへんから。細川政権でも、民主党政権になっても腹はふくれてないやん。むしろ税金は上がったくらいで、反対を向いてるわけよ。1回の総選挙に勝っただけではダメで、そんなに甘くない。総選挙3回と参院選2回の合計5回の選挙に勝ち、衆参ともに多数を安定的に占めることができてこそ、国民を救う政策への大転換を実行できる。そこまでやらないことには日本の夜明けは来ない。総監督で精一杯で、役者の兼務までは無理ですよ。
私は役者ではなく総監督
──泉さん本人はあくまで総監督なんですね。
私はかなり正直ベースで、こういうシナリオどうですかと言ってる。違うんだったら、批判してもらってもいいし、対案を出してもらってもいい。ただ、「国民の笑顔、国民の安心、日本の夜明け」まで行くストーリーを考えましょうということ。総監督って偉そうだけど、私はコーディネートというのか、そういう役割は向いていると思っていて、役者よりはそっち。なぜなら役者になりたい人はいっぱいいるわけよ。でも、脚本を書いて「国民の笑顔、国民の安心」なんて言っている人、聞いたことないよ。馬鹿にされるかと思ったら、右も左も関係なく、意外と反応良くって。国民の笑顔は左右を超える。与野党を超えるね。国民生活、困ってるよね。何とかしなきゃ、と一致するわけやんか。その中でチームを作ればいいんであって。これまでそんなこと言う人いなかったけど、私が本気で言ってるから、こいつどうかしてるけど、言われてみたらそうだよね、となってきた。
──支持が広がっている?
私の強みはね、人生もう終わってんねん。ふるさと明石を優しくするのが自分の一生の仕事だと10歳で誓って、自分がいなくても大丈夫な明石を残したぐらいの自負があるから「俺はようやった」と思うねん。でも、まだこんな元気やん。余力がある。還暦だから、人生1周走り終わって2周目行くかなって感じ。2周目はしんどいから、70歳までの10年ぐらいのタームで日本の夜明けを迎えようかなって感じ。今の世の中を救おうと思っている政治家がいなさすぎるんですよ。
今の政治家は国民への愛がない
──だから、泉さんへの期待が高まるわけで。
私、マックス・ウェーバーが好きなんですけど、政治家に必要な資質は3つあって、それは情熱、責任感、判断力。情熱って、いわば国民への愛なんです。今の政治家に国民への愛がありますか。国民を見ないでお金をくれる一部を見てるやん。国民への情熱がないんです。金に対する情熱だけやから。愛が欠けてるから始まらないんですよ。次に責任感がないやん。言い訳ばっかり、秘書や会計責任者のせいにしてばっかりやろ。政治家になぜ責任が大事かというと、決断する前提は責任なんです。自分が責任を負うから方針転換する。人に嫌われようが憎まれようがこれはみんなのためだからやりきる、というのが政治だから、誰にも嫌われないことは、政治をやらないことと一緒なんです。責任を伴わない政治は官僚政治であって調整型だから、方針転換できない。覚悟のない責任をとらない政治だから国民負担増。そういうセットなんです。そして、責任を前提に決断するのが判断力やん。今で言うと、将来を見通す力じゃないですか。この3つなんですよ。情熱、責任感、それを前提とした決断、判断力。それを持っている政治家が今、永田町にどれくらいいますか。少なくとも国民の笑顔、国民の安心まで届ける。日本の政治の夜明けを迎える。明治維新に指摘する「令和維新」ぐらいやればいいと思っている。いざやってみたら、意外と一気にやれると思うけどな。
(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)
▽泉房穂(いずみ・ふさほ) 1963年兵庫県明石市生まれ。県立明石西高校、東大教育学部卒。NHK、テレビ朝日のディレクター、石井紘基氏の秘書を経て、弁護士となり、2003年の衆院選で民主党から出馬し(兵庫2区)、比例復活して1期務めた。その後、社会福祉士の資格も取り、11年から23年4月まで明石市長を3期務めた。
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