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2024年2月29日 12時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/312072?rct=politics
自民党の裏金疑惑について説明が尽くされずにいる。今に至る状況は、彼らが自ら定めた「ガバナンスコード」に反するように思えてならない。この指針では「政治資金で疑念を持たれた議員は、国民に対して丁寧な説明を行う」と記すからだ。28日に党総裁の岸田文雄首相が衆院政治倫理審査会に出席する意向を示したが、果たしてこれで十分なのか。(曽田晋太郎、山田祐一郎)
◆自民の姿勢「腹立たしい」
「説明せず逃げている人がたくさんいる印象」
衆院政倫審が開かれるはずだった28日、国会周辺を歩いていた東京都世田谷区の会社員梶原未帆さん(26)は、裏金疑惑で満足に説明しない自民に冷ややかな視線を送る。「政治とカネの問題は今に始まったことじゃないのに」
同じく国会周辺にいた埼玉県羽生市の会社員男性(44)は、説明を尽くさない自民の姿勢に「腹立たしい」と憤慨する。「ちゃんと説明責任を果たしてもらわないと困る。裏金を何に使ったか知りたい」
◆発覚85人のうち政倫審には6人だけ
裏金疑惑で説明責任を果たそうとしない自民の後ろ向きな姿勢は明らかだ。
党は国会議員らにアンケートを行ったが、設問は「政治資金収支報告書への記載漏れの有無」と「過去5年の不記載額」を尋ねる2問のみ。裏金をつくった経緯や使途は聞いていない。
このアンケートで不記載が発覚したのは85人。説明の場となる衆院政倫審に出るのは、二階派の武田良太元総務相、安倍派の西村康稔前経済産業相ら5人と党総裁の岸田氏だけだ。
◆岸田政権の改革推進の象徴だった
今の局面で目を向けるべきは、自民党のガバナンスコードだ。岸田総裁、茂木敏充幹事長体制となり、党改革推進の象徴として2022年5月に策定した指針で、党所属国会議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点が表面化したことを受けて同年10月に一部改訂した。
注目したいのが「原則五—三 厳正なコンプライアンス対応」。こんな文言が記されている。
◆「ガバナンスコードに反している」
「党所属の国会議員の政治資金の取り扱い等に関するコンプライアンス上の疑義があった場合には、疑念を持たれた議員は、政治資金規正法及び政党助成法等の趣旨に則り、国民に対して丁寧な説明を行う。また本党は、党則、規律規約及び倫理憲章に基づき厳正にこれに対処する」
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「政倫審に一握りの議員しか出ないのは、明らかに説明責任を怠っている。ガバナンスコードに反していると言える」と指弾する。
◆違反しても懲罰規定なし
ガバナンスコードは透明性と説明責任を担保し、国民の信頼を確保、増進することを目的としているが、違反した場合の懲罰規定はない。
党本部によると「何かを縛るものではなく、あくまで党運営の指針。違反したからといって直ちに処分されるわけではない」という。
◆「順守しなくても問題ない」開き直る議員も
これに対し、角谷氏は「『国民に丁寧に説明』とあるのだから、違反した場合は党としての処分が必要だろう。説明を怠っている現状を問題としないこと自体が問題で、自民党の統治能力が失われていると言わざるを得ない」と語る。
自民議員の意識はどうか。あるベテランは「順守しないからといって法的に問題があるわけではない」としつつ「国民は納得しないので説明は必要だ」と語り、別の若手は「適切に順守できている状況ではない」と認めた上で「党大会などで順守の徹底を強化する必要がある」と述べた。
◆「あくまでも留意しましょうという認識」
一方で戸惑いを覚える言葉も。ある中堅は「何をもって丁寧な説明か、いつまでに説明しなければならないかなど判断は難しい」とした上で、ガバナンスコードについては「違反したからといってすぐに処分されるものではないので、党内ではあくまでも留意しましょうという認識にとどまっていると思う。違反した場合に党執行部が指導などしないかぎり機能しないのでは」と語る。
曖昧に扱われるガバナンスコードだが、そこに記される「国民に対する丁寧な説明」を尽くさずに済まそうとすれば、多くの問題が残ることになる。
◆語らぬ現状「国民の代表を自ら放棄」
そもそも国会議員は選挙によって国民の負託を受けている。駒沢大の山崎望教授(政治理論)は「何か問題が起きた時、説明責任を果たすことで国民が納得できる状況を保たなければいけない」と指摘する。
「議員たちに権力を預けていいのか、有権者が判断する上で必要になるのが丁寧な説明だ」と話し、裏金疑惑を持たれる議員が多くを語らない現状を「国民の代表であることを自ら放棄している」と糾弾する。
◆「捜査中」を理由に拒むケース相次ぐ
説明が尽くされない今、裏金が生み出された経緯や使途などの詳細は曖昧なままだ。山崎氏は「慣習として当たり前のように行われ、疑問視する人はいなかったのか。派閥を解消したら裏金づくりの仕組みが消えるのか。事実関係が明らかにならなければ、派閥と裏金づくりがどうリンクしているのかも分からない」と述べ、有権者も判断に窮する状況だと語る。
裏金疑惑を巡っては派閥幹部らが刑事告発され、東京地検特捜部が今年1月、現職議員3人を含む計10人を政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で立件した。この間、「捜査中」を理由に説明を拒むケースが相次いだ。元東京地検特捜部副部長で衆院議員も務めた若狭勝弁護士は「刑事的な責任を追及する捜査と、政治的な説明責任は別物。立件されたかどうかにかかわらず、告発された議員は政治倫理審査会で説明を果たすべきだ」と強調する。
◆谷川弥一氏は「議員辞めたから許して」
捜査機関に対する説明だけで済ませ、国民への説明を怠ると、刑事処分の妥当性がチェックできないことにもなる。「特捜部が不起訴の理由を説明しないという問題はあるが、議員側が説明しないことで捜査が適正に行われたかも分からなくなってしまう」
立件後に衆院議員を辞職した谷川弥一氏は「国会議員の身分を辞めてきて、おわびしているんだから許して」と口にし、裏金の詳細の説明を最後まで拒んだ。
ただ、裏金疑惑は「辞めたから済む話」でもない。
◆「実態解明と再発防止策は一体」
法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)は「実態解明と再発防止策は一体のはずだ」と指摘。丁寧な説明で問題の所在を明らかにし、過ちを繰り返さないための議論につなげる必要があると語る。
衆院政倫審は公開を巡って二転三転した後、岸田氏が出席する意向を示したことで安倍派、二階派の計5人が出席する形となった。
ガバナンスコードが示す「丁寧な説明」に向け、党総裁の岸田氏が率先垂範したようにも見えるが、白鳥氏はこう訴える。
◆重要なのは語る中身
「総裁として岸田首相が出なければならないほど、党内のガバナンスが効いていないということだ」
政倫審に出席を予定するのは、まだ一握りの議員。首相の出席ばかりに目を奪われてもいけない。「重要なのは語る中身だ。党の調査を超えるような全容解明ができなければ出る意味がなく、単なるパフォーマンスと言われても仕方がない。総裁が出てきたという形だけで、真実の追及がうやむやに終わることはあってはならない」
◆デスクメモ
政倫審の開催や公開は「国会で決める」と繰り返してきた岸田氏。人ごと感から一転、自らの出席を打ち出した。これだけでも「ん?」と思うが、勘ぐりたくなる事情も。支持率は低迷し、足元が揺らぐ現状。世間の目を引く手を打たないと…。そんな打算ありきの政倫審出席では困る。 (榊)
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- (詳報)岸田首相「政治不信に危機感」出席決断 二階元幹事長が政倫審に出ないのは「象徴だから」(東京新聞) 蒲田の富士山 2024/2/29 20:14:40
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