<■385行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> 戦闘機輸出へルール変更を 英大使、日本に解禁要求 2024/2/13 21:26 https://www.sankei.com/article/20240213-AQETNX5ZPFPH7GJZJZSEAQLC7I/ 英国のロングボトム駐日大使は2024年2月13日、日英伊が共同開発する次期戦闘機の第3国輸出を巡り 「日本が防衛装備品の輸出ルールの変更を近く実現することが重要だ」 と述べ、早期の輸出解禁に向けた取り組みを求めた。 輸出に意欲を示す英国、イタリアと足並みを揃えるよう、釘を刺した形だ。 東京都内で共同通信と単独会見した。 2024年3月に日英伊の共同企業体(JV)が発足し、開発に向けた動きは本格化するが、日本の現行制度は他国と共同開発する防衛装備品の第3国輸出を認めていない。 日本の対応は英国、イタリアの輸出計画にも影響する。 ロングボトム氏は、第3国輸出の容認は日本にとって 「新たな一歩だ」 と指摘。 与党協議が滞っている日本の現状に懸念を示し 「(日英伊の)対等なパートナーシップに関わる」 と述べた。(共同)戦闘機輸出、自公政調間で検討へ 首相が公明に譲歩、議論仕切り直し 2024/2/13 16:08 https://www.sankei.com/article/20240213-CD5XTAPEUZLUXEQVVKRAFLHXKM/ 岸田文雄首相(自民党総裁)は2024年2月13日、首相官邸で公明党の山口那津男代表と会談し、次期戦闘機を念頭に置いた国際共同開発する防衛装備品の第3国輸出について、両党の政調会長間で新たに協議を開始する考えを伝えた。 会談後、山口氏が記者団に明らかにした。 首相はこれまで両党の実務者協議を継続するとしていたが、公明側が慎重姿勢を崩さず、仕切り直しを迫られた格好だ。 「(実務者協議より)もう少し広い立場で、政調を軸に検討してはどうか」 首相は2024年2月13日の会談でこう提案し、山口氏は応じる意向を伝えた。 山口氏は 「まず中身を議論し、進展に応じて国民の理解を得るにはどうしたらいいか検討していく」 と述べた。 防衛装備品の輸出ルール見直しをめぐっては自公両党が2023年4月から実務者協議を開始。 国際共同開発品の輸出は2023年7月の論点整理で、完成品を直接輸出できるようにすべきとの意見が 「大宗を占めた」 と明記した。 だが、複数の公明幹部らが 「国民に分かるように示すことが大切だ」(山口氏) などと党内外の議論が不十分だと主張し、結論は先送りにされていた。 公明の頑なな態度からは、派閥の政治資金パーティー収入不記載事件で自民の体力が失われる中、政権内で存在感を強める思惑も透ける。 首相の提案は公明側への譲歩とも言え、ある公明議員は 「これで一歩前進だ」 と評価した。 ただ、政府は英国、イタリアと進める次期戦闘機の共同開発へ向けた協議が本格化する前の2024年2月末までに結論を得たい意向だったが、2024年2月13日の会談で期限は話題にならなかった。 焦りを募らせる自民内には 「連立解消」 に言及する議員もいる。 国防族議員は 「これでは首相のリーダーシップ不足という話になる」 「実務者協議に費やした時間は何だったんだ」 と呟いた。 ◇ 英国のロングボトム駐日大使は2024年2月13日、日英伊が共同開発する次期戦闘機の第3国輸出を巡り 「日本が防衛装備品の輸出ルールの変更を近く実現することが重要だ」 と述べ、早期の輸出解禁に向けた取り組みを求めた。 東京都内で共同通信と単独会見した。 <主張>日伊首脳会談 外交安保で協力を深めよ 2024/2/11 5:00 https://www.sankei.com/article/20240211-EV62MLQ6JJM3XEM2ZHD2XJJYPQ/ 岸田文雄首相と来日したイタリアのメローニ首相が会談し、外交安全保障をはじめとする協力関係を深化させることで合意した。 イタリアは先進7カ国(G7)の一員で北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)の主要国だ。 国内総生産(GDP)はEUで独仏に次ぐ3位の大国である。 イタリアがインド太平洋地域の安全保障への関心を高めていることを歓迎したい。 今年は空母打撃群を初めて日本に寄港させ、自衛隊と共同訓練を行う予定だ。 日本にとっては英国と共に次期戦闘機を共同開発する大切なパートナーと言える。 G7の2024年の議長国はイタリアで、2023年の議長国は日本だった。 メローニ氏は岸田首相に対し、 「バトンを受け取り、優れた功績を残せるよう努力したい」 と語った。 両首脳はイタリアで開催予定のG7サミットに向け、緊密に協力していくことで一致した。 ウクライナ侵攻や中東ガザ危機で収束の兆しがみえず、2024年11月には米大統領選を控えている。 どれ一つとっても安保情勢の激変を招きかねない。 米欧諸国の世論でウクライナへの 「支援疲れ」 が広がる中、G7各国の結束が試されている。 日伊の首脳がG7サミットに向け、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く決意を発信したのは時宜に適っている。 両首脳は、中東、ウクライナ情勢に加えて、北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題や中国を含む東アジア情勢についても協議した。 中国は台湾併吞を目指し軍事的圧力を強めている。 中国は意に沿わない行動を取る外国に貿易や投資の面で圧力を掛けることを躊躇わない。 他国の主権や領土を侵害する中露両国や、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮のような国際ルールを無視する国を、価値観を共有するG7が抑止していかなければならない。 イタリアはG7で唯一、中国の巨大経済圏構想 「一帯一路」 に参加していたが、メローニ政権になって離脱を表明した。 中国への厳しい安保認識を共有するイタリアが空母打撃群を日本に寄港させることは、強い抑止のメッセージになる。 次期戦闘機の共同開発を含め、世界の平和と安定に資する日伊の外交安保協力を力強く進めたい。 公明「平和の党」へ原点回帰図る 戦闘機輸出や憲法改正…中堅・若手には戸惑いも 2024/2/10 20:34 https://www.sankei.com/article/20240210-DHPOSDREVNPTNJQSXOGA7RNCNY/ 結党60周年を迎えた公明党が、党勢拡大に向けて 「原点回帰」 を図っている。 「平和の党」 に象徴される党のカラーを鮮明に示すことで、次期衆院選に向けて組織を引き締めたい考えだ。 ただ、政府が英国、イタリアと共同開発を進める次期戦闘機の直接輸出解禁を巡る議論や、憲法改正などの主要課題に臨む党幹部の姿勢は、少なからぬ中堅・若手議員には硬直的と映っているようだ。 公明の山口那津男代表は2024年2月10日、国会議員と地方組織幹部を集めた全国県代表協議会に臨み、自民党派閥パーティー収入不記載事件を念頭に党の存在感をアピールした。 「公明は腐敗政治に厳しくメスを入れ、時に自民を説き伏せてきた」 防衛装備品輸出ルール見直しを巡っても、公明が自民を 「説き伏せてきた」 局面は少なくない。 両党は2023年4月に実務者協議に着手し、2023年7月にまとめた論点整理には、完成品を共同開発国以外に直接輸出すべきだとの意見が 「大宗を占めた」 と明記した。 だが、2023年11月に公明幹部らが反発し、結論は先送りにされた。 岸田文雄首相は2024年2月5日の衆院予算委員会で、共同開発する防衛装備品の第3国輸出について 「国益に適う」 と理解を求めたが、山口氏は2024年2月6日の記者会見で 「なぜ変更の必要があるのか」 と公然と反論した。 強気に出る背景には、不記載事件の影響で自民が弱り目だという状況もある。 自民の 「党是」 である憲法改正にも、山口氏は 「優先課題を差し置いて憲法に力を注ぐ状況ではない」 と慎重だ。 公明は、党勢の維持・拡大という観点からも党のカラーを強く打ち出す必要に迫られている。 支持層の高齢化が進む中、2023年11月には党創立者である池田大作創価学会名誉会長が死去した。 精神的支柱の喪失が活動の鈍化を招くことを避けるために、立党精神への回帰を図ることは必然とも言える。 ただ、複数の中堅・若手議員が、執行部が掲げる方向性に違和感を抱いていることも事実だ。 ある若手は、戦闘機輸出に関し 「幹部が否定するうちは党内で議論しても結論は出ている」 「多くの議員は理解しているのだが…」 と戸惑いを口にした。 自民外交部会、日英伊の次期戦闘機共同開発管理を担う国際機関設置の条約を了承 2024/2/8 12:57 https://www.sankei.com/article/20240208-G2NPTTNHJJO33PXCHX74GEUCEM/ 自民党外交部会などは2024年2月8日の会合で、日本と英国、イタリアの3カ国が次期戦闘機の共同開発管理を担う国際機関を設置する条約を了承した。 藤井比早之外交部会長が明らかにした。 木原稔防衛相と英国、イタリア両国の国防相が2023年12月に条約に署名しており、政府は2024年2月下旬にも国会に提出する方針。 日本の現行制度は、国際共同開発する防衛装備品の第3国輸出を認めていないが、条約には開発成功のため 「輸出の可能性が重要だと認識」 との文言がある。 公明党は第三国輸出解禁に慎重な姿勢を強めている。 自民の2024年2月8日の会合では公明との輸出解禁の早期合意を求める意見が相次いだ。 公明山口代表、戦闘機輸出「なぜ政策変更するのか、議論尽くされていない」首相答弁を批判 2024/2/6 14:35 https://www.sankei.com/article/20240206-M23ZDJZ5PZOQFHT6VQZALSGSOI/ 公明党の山口那津男代表は2024年2月6日の記者会見で、防衛装備品の輸出ルール見直しで国際共同開発した完成品の第3国への直接移転に関し、 「国益に適う」 とした岸田文雄首相の発言について 「(重要な変更が)簡単に乗せられている」 と批判した。 首相は2024年2月5日の衆院予算委員会で、政府が英国、イタリアと共同開発を進める次期戦闘機を日本から直接輸出することについて、 「第3国移転を推進することが共同開発を主導し、円滑かつ効率的に進めていく上で重要」 と答弁。 「完成品の第3国移転を含め、国際共同開発生産に幅広く、円滑に取り組むことが国益に適う」 と明言した。 しかし、山口氏は、首相が、これまで前提でなかった戦闘機の直接輸出について 「含め」 という言葉で触れたことを批判した上で、 「重要な政策変更だ」 「なぜ変更する必要があるのか十分に議論が尽くされていない」 と述べた。 日伊首脳会談 G7プーリアサミットへ連携確認 首相「協力惜しまず」 戦闘機開発も一致 2024/2/5 22:55 https://www.sankei.com/article/20240205-ZHGIGT2KERMZBKZYYWDPXEFNNM/ 岸田文雄首相は2024年2月5日、官邸でイタリアのメローニ首相と会談し、2024年6月にイタリア南部のプーリア州で開催される先進7カ国首脳会議(G7サミット)に向けた連携を確認した。 また、両首脳は日英伊3カ国による次期戦闘機の共同開発の推進でも一致し、2024年3月に予定する外務・防衛当局間の協議で安全保障分野の協力を更に加速させる方針だ。 会談は2023年、G7の議長を務めた岸田首相から2024年の議長のメローニ氏への引き継ぎのために行った。 首相は会談後の共同記者発表で、 「2024年のプーリアサミットの成功に向けて日本はイタリアへの協力を惜しまない」 と全面的に協力する姿勢を示した。 会談後の夕食会では、覇権主義的な動きを強める中国や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮の動向、ロシアによるウクライナ侵略についての認識を擦り合わせた。 また、パレスチナ自治区ガザの人道状況の改善に向けて連携していくことでも一致。 生成人工知能(AI)の国際ルールの枠組み 「広島AIプロセス」 を踏まえ、安全安心で信頼できるAIの実現に向け、G7が主導していくことを確認した。 次期戦闘機の共同開発については第3国輸出規制の緩和に公明党が慎重な態度を崩していない。 首相は2024年2月5日の衆院予算委員会で 「与党で結論を得る時期として2024年2月末を示している」 と述べ、合意を急ぐ考えを示した。 イタリアの日本シフト後押し 岸田・メローニ首相、良好な関係も軸に 対中認識を共有 2024/2/5 21:17 https://www.sankei.com/article/20240205-BF3SW52Q6FKJZAMULHECOCCZO4/ 岸田文雄首相はイタリアのメローニ首相との首脳会談で、両国関係の一層の緊密化を図った。 イタリアは2023年12月、中国の巨大経済圏構想 「一帯一路」 からの離脱を決めた他、日英と3カ国で次期戦闘機の共同開発にも参画し、対日シフトに舵を切っている。 岸田首相とメローニ氏は先進7カ国(G7)首脳の中でも波長が合うとされていたが、会談とその後の夕食会で個人的な信頼関係を更に深めた形だ。 「メローニは凄い。40代で首相にまでなってしまうんだから」 首相は47歳のメローニ氏について周囲に度々こう語り、政治家としての力量を高く評価してきた。 個人的にも親密な関係を築いている。 メローニ氏は外遊の際、幼い娘をできる限り同伴させるが、首相は2023年5月のG7広島サミットの際、まな娘へのプレゼントとして人気キャラクター・ハローキティのぬいぐるみを贈呈した。 メローニ氏は首相の気遣いに感謝したという。 メローニ氏が党首として率いる 「イタリアの同胞」 は 「極右」 とも位置付けられ、2022(令和4)年の首相就任時は日本政府にも警戒感が広がった。 だが、メローニ氏は就任後、ロシアによるウクライナ侵略への対応で欧米に歩調を合わせるなど、協調外交を展開し、G7諸国などを安堵させた経緯がある。 厳しい対中認識を共有できるパートナーである点も大きい。 G7内にはマクロン仏大統領のように、対中関係に重きを置く首脳もいるのが実情だ。 だが、メローニ氏はかつて首相に 「中国と対峙することはG7の義務だ」 とまで語ったという。 G7で唯一参加していた一帯一路からの離脱も決め、中国から距離を置く姿勢を鮮明にしている。 中国が 「祖国統一」 を掲げて台湾への軍事的圧力を強める中、メローニ氏は首相就任前から台湾支持を明言し、欧州連合(EU)による対中圧力の強化を訴えてきた。 日本の危機に直結する台湾海峡有事を防ぐ国際世論の形成のためにも、日伊の関係強化は重要な要素となる。 岸田首相「平和国家の理念に反しない」 次期戦闘機の第三国輸出で説明 2024/2/5 12:52 https://www.sankei.com/article/20240205-VJCMPIPGWRJYNKZZR62DGZZ2YU/ 岸田文雄首相は2024年2月5日の衆院予算委員会で、日英伊3カ国で共同開発する次期戦闘機を日本から共同開発国以外の第3国に直接輸出できるようにすることについて 「個別案件ごとに移転先を厳格に審査し、移転後の適正管理を確保する」 「平和国家としての基本理念に反するものではない」 と説明した。 自民党の長島昭久氏の質問に答えた。 首相は、調達コスト低下の観点から 「第3国移転を推進することが共同開発を主導し、円滑かつ効率的に進めていく上で重要だ」 との認識を示した。 その上で 「政府としても与党の合意を得るべく丁寧な説明を尽くしていかなければならない」 と強調した。 国際共同開発品の第3国輸出解禁を巡って政府は、3カ国による次期戦闘機開発の協議が2024年3月以降本格化するのを踏まえ、与党に対し2024年2月末までに結論を出すよう要請しているが、公明党が慎重な立場を崩さず、与党協議は停滞している。 一方、サイバー攻撃を未然に防ぐため相手システムへ侵入する 「能動的サイバー防御」 を可能とする法案に関しては 「可能な限り早期に提出できるよう検討を加速している」 と述べるにとどめ、今国会に提出するかどうかは言及を避けた。 美しき勁き国へ 櫻井よしこ 派閥解散より連立解消 2024/2/5 8:00 https://www.sankei.com/article/20240205-RWYOM7OFDJJX3A66MF6HQI7ETQ/ 岸田自民党は、なぜここまで世論に阿るのか。 検察庁が100人態勢で捜査し区切りをつけた政治資金不記載問題を自民党幹部が独自に調べた。 この週末を含め、安倍派や二階派などの主たる政治家への聴取を小渕優子氏らが行ったそうだが、悪い冗談であろう。 法と証拠に基づく検察官による捜査以上の何が、政治家にできると考えたのか。 正気を疑う。 宰相たる者は正気を疑われても、動揺する姿も見せてはなるまい。 ワイドショーや朝日新聞が政治資金不記載問題を裏金問題としてはやし立てる中、岸田首相は2024年1月18日午後7時過ぎ、官邸で 「派閥解散を検討」 と語った。 2024年1月18日の朝日朝刊1面トップ記事が岸田派元会計責任者を 「立件へ」 と報じたことに反応したのは明らかだった。 決定の遅さで知られる岸田首相が電光石火、派閥解消を言明し、流れを作った。 2024年1月26日の 「言論テレビ」 で政治ジャーナリストの石橋文登氏が安倍晋三元首相の鋭い解説を披露した。 「岸田さんは決断できない人に見えるが、何かの拍子で素早く動く」 「それは恐怖を感じた時だ」 「彼の決断力の源泉は恐怖心なんだ」 急転直下の派閥解消論は党や日本の国益を考えた結果というより、岸田首相の自己保身から生まれたと見てよいのだろう。 派閥なき政治勢力としての自民党の行く手には紆余曲折が予想される。 それでも党が複数の政策立案集団を擁し、政策実現で汗をかくのは大いに結構だ。 悪習は破られ、政策集団として成長すれば自民党は間違いなく再生するだろう。 その結果、日本本来の勁さが発揮され、我が国は国際社会の秩序作りに貢献する国となり存在感も増すだろう。 その時、日本国の行くべき道を指し示す知的、戦略的リーダーシップを発揮することが岸田首相には期待される。 周囲を固める官僚の助言に従うだけでは、その役割は到底果たせない。 政治家だからこそ、宰相だからこそ出来ることの最たるものが国の形の根本を成す憲法の改正である。 岸田首相は2024年の年頭所感と2024年1月30日の施政方針演説で、憲法改正言及した。 改憲にかける思いが本物であっても信じ切れない気持ちが残る。 「自分の(自民党総裁としての)任期中に」 と言うが、それは2024年9月いっぱいだ。 現時点では具体的条文案を国会に提出済みでなければ日程上、難しく、目標達成に必要な段取りが欠落している。 皇位継承の安定化に関しても同様である。 岸田首相の言葉が上滑りし、信頼に欠けるのは実に残念だ。 大目標を語ってもそこに至る道筋が示されないために、空虚に響く岸田文雄首相の言葉に真実性を持たせ、疑念を晴らす道がある。 公明党との関係を見直すことだ。 安倍晋三元首相が如何にして政策を実現していたかを改めて見てみたい。 安倍氏は決して派閥人間ではなく、政策の人だった。 安倍派の枠を突き抜けた派閥横断の政策集団は、新たな国家安全保障戦略、デフレ脱却のためのアベノミクスを生み出し、日本の活力を増強。 世界における日本の地位を引き上げた。 そんな安倍氏の前に立ち塞がったのが連立相手の公明党だった。 安倍氏はある意味、世論の高い支持と選挙に連勝した力を示して公明党との協力を得た。 自民党は政策集団として生まれ変わると宣言した岸田首相にとって、公明党は安倍氏にとってよりずっと深刻な存在となるはずだ。 公明党は時に反自民と言ってよい体質を見せる。 現在も岸田政権の政策推進を妨げている。 岸田首相が2024年に入って2度、憲法改正に言及したことは既に述べた。 それに対して公明党の山口那津男代表が、即、反論した。 能登半島地震などを念頭に先送りできない課題を差し置いて憲法改正に力を注ぐべきではないとして、岸田首相の国会演説を事実上否定した。 日本周辺で高まる一方の中国、ロシア、北朝鮮の脅威を見れば、我が国が1日も早く憲法を改正して自衛隊を 「普通の国の軍隊」 にしなければならないのは自明の理だ。 ウクライナ侵略戦争が示すように、国と国民を守る最後の手段は力である。 自衛隊を正規軍に位置付け、侵略を受けた場合、その力を最大限に発揮して防衛できるようにしなければならない。 憲法改正はそのための第一歩だが、公明党代表は後でよいと言う。 ロシアの侵略を見過ごさないために、軍事を含めてウクライナに出来る限りの支援をすることは、覇権主義的な中国への牽制にもなり、我が国の国益に資する。 しかし、今の日本は憲法の制約により武器装備面でウクライナを支援できない。 また、日英伊3カ国の共同開発による次期戦闘機の輸出も壁にぶつかっている。 公明党の反対が主たる理由だ。 国家の在り方、教育や国防に関して自公間に関して深い溝がある。 自民党が派閥解消で政策をこれまで以上に重視していくのならば公明党との連立解消が重要な鍵となる。 派閥解消宣言を岸田首相の保身の域を遥かに超えて日本全体の活性化に繋げるには、自公連立を解消した上で、政策を軸にした新たな両党の協力関係を築いていくべきだろう。 政治情勢が流動的な今こそ、議論開始の好機である。 派閥解消の先頭に立った岸田首相には、政策集団としての自民党の立て直しを確実にする責任がある。 繰り返しなるが、自公連立を解消し、政策毎の協力関係の構築を目指すことは、何よりも両党の支持者にとって心の晴れる道ともなろう。 <正論>自民党は国家再生の原点に返れ 同志社大学特別客員教授 笹川平和財団常務理事・兼原信克 2024/2/5 8:00 https://www.sankei.com/article/20240205-L7BFIRJZPROPVKHSJ2LIXOG2WA/ 岸田文雄政権が国家安保戦略を策定して1年が経った。 岸田首相は戦後安全保障政策の大転換を成し遂げた。 防衛力をGDP1%枠に縛り付け 「それで負けたら仕方がない」 という、三木武夫政権以来の無責任な基盤的防衛力構想が完全に葬り去られた。 ■安保戦略に停滞許されず 巨大化した国力を背景に、アジアの現状を一方的に変更し、尖閣奪取を窺い台湾の武力併合と共産化を狙う中国に対して、防衛費を倍増し日米同盟を活性化し、インド太平洋地域の友邦を募り、日米豪印(クアッド)や日米韓の連携を強化し、地域の平和と安定のためにリーダーシップを取ろうと呼び掛けた。 岸田政権の戦略は、内外から高い評価を受けた。 その肉付けが進んでいる。 国家と国民の安全は、政府の1丁目1番地の仕事である。 国家安保戦略の実現に停滞は許されない。 厳しい安全保障環境を考えれば、一刻の猶予も許されない。 鳴り物入りで始まった反撃力の整備は着実に進んでいる。 「専守防衛」 と言えば聞こえはよいが、自国を焦土とし、国民の命を盾として戦う戦法は、愚かな戦法である。 ウクライナをみれば、核戦争へのエスカレーションを危惧するバイデン米大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領にロシア本土への反撃を許さない。 プーチン露大統領は、聖域化されたロシア領土を利用してウクライナを思う存分に蹂躙している。 敵の策源地を叩かなければ、こちらが降伏するまで国民の殺戮と国土の破壊が繰り返されるのである。 反撃力とは、自衛権行使そのものに他ならない。 政府は、国産の12式地対艦誘導弾能力向上型が登場するまでの次善策として、米国製トマホーク400発の導入を決定した。 最新型の 「ブロック5」 は生産が追い付かないために、 「ブロック4」 を交ぜて購入することで取得開始時期を1年前倒しした。 2025年度から部隊に配備が始まる。 本格的な反撃力がようやく形を整えつつある。 ■能動的サイバー防御の課題 しかし、もう1つの目玉だった能動的サイバー防衛には全く進捗がない。 政府の意志が感じられない。 有事の際のサイバー攻撃は言うに及ばず、平時からの情報窃取、ランサムウエアを用いた身代金要求、AIを駆使した認知戦(宣伝戦)と、サイバー空間を悪用する例は枚挙に暇がない。 20世紀末に人間が作り出したサイバー空間は地球的規模で広がり、3次元の物理空間を吞み込んだ。 サイバー空間は、人類に大きな飛躍の可能性を与えると同時に、底知れない闇をも開いた。 距離と時間がない闇空間を、外国の軍諜報部や情報機関、あるいは犯罪者が我が物顔で歩き回る。 各国政府は、サイバー空間の安全を守るために厳しい監視体制を敷き始めた。 日本もまた自衛隊、政府、重要インフラ、更には国民を守るために首相官邸にサイバー局を置き、サイバー空間全体を監視するデータセンターを設置することが必須である。 またホワイトハッカーを大勢雇用して大規模なサイバー軍を立ち上げ、敵のサイバー空間に逆に侵入できるようにせねばならない。 それが能動的サイバー防衛である。 この議論をすると、必ず出てくるのが通信の自由を規定した憲法21条である。 55年体制下では、憲法21条は、憲法9条と並ぶイデオロギー問題であった。 東側に軸足を差し込んだ左派陣営が、東側スパイの摘発に繫がるスパイ防止法に反対し、特定秘密法に反対し、同時に、政府による通信の管理を極度に警戒したからである。 しかし、冷戦が終わって既に30年である。 個人の通信の自由を守りつつサイバー空間の安全を守ることは当然である。 それが現実に世界中で実行されていることである。 ■岸田首相の英断を期待する 冷戦下のように左派の反発を恐れていては、国家の安寧は実現できない。 保守本流の生みの親である吉田茂元首相は、左派陣営の猛反対を押し切ってサンフランシスコ講和条約を締結した。 そしてたった1人で日米同盟に署名した。 軽武装を目指したのは、敗戦で破壊され尽くした日本の復活のためであった。 日本という国家の再生こそが吉田の本意であり、保守本流の原点であるはずである。 それがいつの間にか、社会党と国会対策で慣れあい、安全保障を米国に委ね、経済成長の果実をばら撒くだけが保守であるかのような歪んだ意識が生まれた。 何よりも政局の安定を優先するようになった。 特に憲法が絡む安全保障問題ではその傾向が強かった。 安倍晋三元首相は、新しい時代を開くため、正面から憲法9条の解釈変更に挑んだ。 集団的自衛権を巡る憲法解釈を大胆に変更し、幾度も選挙に打って出て国民の支持を勝ち得た。 憲法21条問題で逃げ回っていては、とても保守本流の看板は掲げられまい。 長期政権化した内閣の支持率は低迷しているが、政治と金を巡る混乱と派閥の解消で、むしろ岸田首相の党内権力は大きくなった。 保守本流の嫡子である岸田氏の英断を期待したい。
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