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※紙面抜粋
※2024年1月31日 日刊ゲンダイ2面
※文字起こし
何から何まで後ろ向きの口先ばかり(施政方針演説を行う岸田首相)/(C)日刊ゲンダイ
「首相は信頼回復のために『火の玉になる』と言ったが、きょうの姿勢はほど遠い。火のないただの玉だ」
共産党の小池書記局長が呆れた様子で、こう皮肉っていたのも無理はない。
自民党の派閥の政治資金パーティーの裏金事件を受け、29日の衆参両院予算委員会で行われた「政治とカネ」の問題に関する集中審議。事件の真相解明と再発防止策を求めた野党議員の質問に対する岸田首相の答弁はてんでヤル気なしで、「ゼロ回答」を連発していたからだ。
「『信なくば立たず』だ。いま一度かみしめ、生まれ変わる覚悟で努力しなければならない」
「今回の問題はコンプライアンス(法令順守)の欠如が最も大きな原因だ。実態把握に努め、整理をした形で国民に示していかなければならない」
威勢のいい発言は衆院委の冒頭だけで、あとはノラリクラリ。立憲の大西議員が現時点で「誰がいくら裏金をもらい、何に使ったのか。何人が関わったのか」という根本を聞いても分からないのか、トボけているのか、真正面から答えない。
「党が聞き取り調査し、全容把握を急ぐ」と格好つけていたクセに、いつまでに調査をまとめるのかを問われると、「聞き取りすべく準備している」「不確定な要素があるのでいつまでとは言えない」とはぐらかし、全容解明に向けた具体的な説明は結局、何一つなかった。
裏金事件を党内抗争に利用している岸田
立憲の山井議員が、自民党が旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の問題で関係した議員の点検結果を公表したことを例に挙げ、裏金づくりに関わった自民議員のリスト提出を要求しても、岸田は「旧統一教会とは事案の性質が異なる」として、取り合おうとせず。政党が所属議員に渡し、使途を明らかにする必要がない「政策活動費」について取り上げられた際も、「不正行為の温床」「買収の原資になっていないか」と見直しを迫った立憲の階議員に対し、岸田は「政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中で結論を出す」と繰り返すばかりだった。
政治倫理審査会の開催を求められると、「国会で相談して決めたい」、会計責任者だけでなく議員本人の責任も問う「連座制」の導入についても、「党として考え方をまとめ、各党と議論したい」などと、まるで他人事だったから何をかいわんや。
一事が万事この調子で、要するに「不断の改革に取り組む」「生まれ変わる覚悟で努力」なんて口先だけ。野党から「ごまかしの改革」と批判が出るのも当たり前。やっぱりというのか、案の定というのか、裏金事件の実態解明はもちろん、再発防止に向けた制度改革に至るまで、何から何まで岸田は後ろ向きだった。
ジャーナリストの横田一氏がこう言う。
「岸田首相には裏金事件に真剣に向き合う姿勢が感じられません。真相解明するよりも、むしろ、この事件を党内抗争に利用しているかのよう。安倍派、二階派、茂木派という派閥を弱化させ、総理、総裁の地盤固めをしたいと。重視しているのは国民のための政治ではなく、自分のための政局。これほど酷い政治家はいないのではないか」
「ヤルヤル詐欺」よりも酷い「政治改革詐欺」だ
立憲の小西議員は参院予算委で、派閥から議員個人に対してキックバックされていたという今回の裏金事件について、そもそも「派閥から所属国会議員への寄付は違法」として、問題が政治団体への寄付にすり替えられていると主張していたが、全くその通りだろう。
最大派閥「安倍派」(清和政策研究会)では、収支報告書に記載しなくても構わないカネとして議員に渡されていたというのだから、その時点で派閥側と受け取った議員側の双方において政治資金という認識はなかったと考えるのが自然だ。
なぜなら、仮に議員側が政治資金として認識していたのであれば政治資金規正法で収支報告書に記載する義務が生じるからだ。それを記載してこなかったというのは、派閥からのキックバックは政治資金ではなく、自由に使える「雑所得」のカネとして扱われてきたのは明らか。
それを複数の自民党国会議員が長年ため込んできたのであり、すでに法曹界などで指摘する声も出ている通り、今回の事件は、雑所得で得た多額の裏金を適正に税務申告していなかった所得税法違反(脱税)のほか、選挙に使われていたとすれば公選法違反(買収)の疑いもあるわけだ。
ところが岸田はそれを認めず、記載ミスに矮小化。安倍派の所属議員や秘書ら数人が政治資金規正法違反で逮捕、起訴されたのを受け、「ハイオシマイ」のごとく早期幕引きを狙うシナリオのようだが、トカゲの尻尾切りで許されるはずがないだろう。
フリに何度も騙されるほど国民はバカじゃない
産経、FNNの合同世論調査で内閣支持率が前月比5ポイント上昇。読売の世論調査の結果も下げ止まる状況がみられたため、岸田は裏金事件でぶち上げた「派閥解散」の動きが評価されている、このまま国会審議も逃げ切れると思っているのかもしれないが、とんでもない。岸田の「やっているフリ」に何度も騙されるほど国民はバカじゃないのだ。
衆参両院の集中審議でやりとりされた質疑だって、「火の玉発言」が飛び出した昨年12月初旬の会見時から少しも進んじゃいない。この時の会見で、記者は裏金事件の実態解明のために期限を決めて調査することを求めていたが、岸田は「一律にいつまでに、すべての結果を明らかにすることは現状なかなか難しい」「実際に事実がどういったものであるかをまず確認」「事実を確認する中で党として真剣に取り組まなければいけない」などと答えていたはず。
それでいて、あれから1カ月以上経つのに、いまだに「誰がいくら裏金をもらい、何に使ったのか。何人が関わったのか」さえ分からず、事実確認もしていない。
声高に叫んだ「派閥解散」だって「全廃」ではなく、「真の政策集団に移行する」なんて抜け道が用意されているのだから「偽装解散」に等しい。
与党国会議員が複数年にわたって違法、脱法の裏金づくりに励んでいたという前代未聞の事件。そのコトの重大さに気付かず、この期に及んでも、全容解明から逃げ続け、なんちゃって派閥解散と形だけの“政治刷新”でごまかそうとする岸田の卑劣さはどうしようもない。
過去に政治資金規正法改正に関わった元参院議員の平野貞夫氏はこう言う。
「今年は自由民権運動150年の年ですが、今、最も自由民権の精神を破壊する動きをしているのが岸田首相です。政治的な問題が起きると、やる、やる、と改革するようなそぶりを見せながら、実際は何もしない。何が政治刷新なのか。政治家が嘘をつくのは言語道断であり、しかも総理大臣です。私は『政治改革詐欺師』と呼んでいます」
国民はすべてお見通し。次の選挙が見ものだ。
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