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https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240124-OYT1T50227/
自民党としても、
「・・・安倍派幹部らは東京地検特捜部から立件を見送られた・・・」
という認識なのだろう。
検察は「この言葉」をどう受け止めているだろうか。
政府、自民党からの「お褒めの言葉」を頂いたと、ひそかにほくそ笑んで、後々の論功行賞を期待し、胸躍らせているのか・・・。
或いは、国民に対して、己の不徳を恥じているのか・・・。
どちらにしても、「逃がし屋」という検察の裏稼業が国民の面前で公然と実行されたことには違いない。
しかも、立件を見送られたのは安倍派幹部だけではなく、その他大勢の国会議員がいることを忘れてはならないのではないか。
まさか、監獄関係の経費の軽減のためということでもないだろうが。
ここでも、「起訴便宜主義」が悪用されていると言えよう。
自民党の認識ですら、そこには
「・・・安倍派では、政治資金パーティー収入の販売ノルマ超過分を所属議員側にキックバック(還流)することが慣習化し、議員らは政治資金収支報告書に記載せずに裏金化していたとされる。・・・」
とする、国会議員による「犯罪」があり、国会議員がその本分を忘れて、私腹を肥やしていたという事実認識に立っている。
目の前にあるのは、
見逃さざるべき「国会議員の犯罪」。
その犯罪を見逃し、立件を見送る「検察」。
「起訴便宜主義」・・・そのまま読めば、「起訴にあたって便宜を図る慣わし」。
当たらずとも、遠からずか・・・。
以下に記事の全文を転載する。
自民党執行部が、派閥による政治資金規正法違反事件を巡り、立件対象とならなかった安倍派幹部について、自発的な離党や議員辞職を求めたことがわかった。自ら身を処さない場合、党として厳重な処分を科すことを検討している。
事件に関して十分な説明をせず、政治的な責任も取っていないとして、世論や自民党内で批判が高まっていることから、厳しく対応せざるを得ないと判断した。
安倍派幹部としては、同派座長の塩谷立・元文部科学相や、派閥の事務を取り仕切る事務総長を務める高木毅・前国会対策委員長、松野博一・前官房長官など同派中枢の「5人衆」らを念頭に置いている。党則に基づく処分には、党の役職停止、離党勧告、除名などがある。
安倍派幹部らは東京地検特捜部から立件を見送られたが、自民が事件を受け、政治改革を検討している「政治刷新本部」(本部長・岸田首相)の中間とりまとめ案では、「関係者による明確な説明責任に加え、あるべき政治責任についても結論を得る」と明記した。
安倍派では、政治資金パーティー収入の販売ノルマ超過分を所属議員側にキックバック(還流)することが慣習化し、議員らは政治資金収支報告書に記載せずに裏金化していたとされる。
塩谷氏が記者会見で「全く知らなかった」と述べるなど、安倍派幹部は自らの関与などに関し、詳しい説明を避けている。党内では、「進退をもってけじめをつけるべきだ」との意見が多く出ている。
記事の転載はここまで。
日本は、起訴する権限を検察官に独占させるという「起訴独占主義」を採っている。
そして、もう一つ、「起訴便宜主義」を採用してもいる。
しかも、わが国の、不起訴処分すなわち起訴猶予処分を認める制度、「起訴便宜主義」は、諸外国に例をみない独自の運用がなされている。
日本で「起訴便宜主義」が法文上で明記されたのは、大正13年から施行された旧刑事訴訟法、それが現在の刑事訴訟法に引き継がれ、現在に至っている。
日本において、「起訴便宜主義」が採用されるに至った経過をみると、監獄関係の経費の軽減という国家財政上の理由、さらには、公益上処罰の必要の乏しい軽微事件までが裁判に付されていたことなど、刑事政策的な効率化への配慮もあったといわれている。
検察官に不起訴処分すなわち起訴猶予処分を認める制度を「起訴便宜主義」と呼び、これに対して,犯罪の嫌疑が認められるときは、必ず起訴しなければならないとする制度を「起訴法定主義」と呼ぶ。
諸外国ではどうなのか。
多くの国々は、「起訴法定主義」を採用しているが、「起訴便宜主義」を採用している国でも、起訴猶予処分の許される範囲は、ごく一部に限られている。
日本ほど大幅に起訴猶予処分を認めている法制は少ない。
日本の場合、起訴猶予は、検察官が刑事政策上の立場から、諸般の事情を考慮し、必要でない刑罰をできるだけ避け、犯罪者の更生を図ろうとするものであるということなのだが、「その資料は公開されず」、外国の例のように、罪種や対象者に制限を付したり、裁判官等の同意を要件としたりはしておらず、すべてが検察官の判断にゆだねられている。
その上、日本では、「国家訴追主義」と「検察官の起訴独占主義」とをほとんど全面的に採用しているので、検察官の権限は絶大なものとなっている。
検察官が「その権限」の適用を誤り、起訴猶予に値しない者にこれを濫用する結果となれば、国民の規範的意識を低下させ、「法の下の平等」という憲法すら空文化し、被害者の不満や国民の不安、不信を招くことは必定だろう。
そのことは、裁判の機能を著しく害し,「司法」の権威を失墜させることにも繋がる。
今や日本の検察行政は、そんな危険な状況にあると言えよう。
国会議員が自ら犯罪を犯して立法府たる国会を冒涜し、検察はその犯罪を見逃して検察行政を歪め、同時に、裁判の機能を害し,「司法」の権威を失墜させる。
一行政官としての検察官の権限は絶大なものとなり過ぎているのではないか。
今の制度は見直し、その弊害を取り除くべく「起訴法定主義」を基本とし、もって「司法への信頼」と「司法の権威」を取り戻す必要がある。
そうなれば、少なくとも今回の事件に関係した国会議員は全てが、公開された裁判となる公判の場で、公正な裁定が下されるだろう。
「勧善懲悪」を旨とする「司法」が、検察行政や司法行政の経済性や効率化を優先することで歪められてしまうとすれば、本末転倒と言わざるを得ない。
今や、国民の不信、不満は「検察」にも向かっている。
当然ではないか。
検察官が、「起訴にあたって便宜を図る」など、以ての外の所業である。
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