<■65行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可> ウクライナ戦争で停戦交渉に舵切る米国、日本のロシア外交はどうあるべきか 「即時停戦」訴える鈴木宗男氏に聞く 2025/02/06 共同通信https://www.47news.jp/12132973.html ロシアのウクライナ侵攻から2月で丸3年。ウクライナの最大の軍事支援国、米国で早期停戦を主張するトランプ政権が誕生し2025年のウクライナ情勢は大きく動きそうだ。侵攻開始直後から即時停戦を訴え、時にロシア寄りすぎるとの批判も受けてきた異色の政治家、鈴木宗男参院議員は現状をどうとらえているのか。対ロ外交に長年携わってきた同氏に話を聞いた。(共同通信=太田清) ―日本政府は欧米と共同歩調をとり対ロシア制裁とウクライナ支援を実施、ロシア軍の完全かつ無条件の撤退を求めてきた。それとは一線を画し、当初から即時停戦を唱えてきたが、背景は。 「私はかねて一にも二にも停戦と言い続けてきた。資源が豊富で大国であるロシアと、ウクライナには大きな国力の差があり、戦争を続けることで何より子供や女性、老人など弱者が犠牲になることになる。こうしたことは避けたいとの思いがあった」 「バイデン米大統領(当時)は制裁などによりロシアは戦争開始から3カ月でギブアップすると主張していたが実際どうなったか。制裁対象となったロシアの石油や天然ガスは中国やインドが購入、ロシア経済はプラス成長を続け、今なお戦争は続いている」 「トランプ氏は大統領当選前、24時間で停戦を実現すると言ってきたが今は6カ月以内としている。後退したようだが、候補者である際の発言と結果を出さないといけない現職の立場は違う。トランプ氏の手腕に期待している」 ―日米欧ではロシアの侵攻を批判する声が強いが、ウクライナは領土などで譲歩すべきと言うことか。 「外交・政治は相手があることだ。自分だけがこうしたいと思ってもできない。これ以上の犠牲をなくすためにも現実を受け入れることも必要だ」 ―日本は欧米の制裁に同調、対ロ関係は最悪レベルにまで冷却化したと言われる。一方で、液化天然ガス(LNG)輸入量の約9%をロシア極東サハリンでの石油・天然ガス開発事業「サハリン2」から得るなど、日本はなおロシアのエネルギーに依存。欧州連合(EU)の中でも、こうした依存が大きいハンガリーやスロバキアは首脳外交を行っている。エネルギー安全保障の面からも日本はロシアとの一定の関係を維持すべきではないか。 「中東からの石油供給が逼迫し、大きな危機となった1970年代の『オイルショック』を忘れてはいけない。政治家には国民生活を守る覚悟が必要だ」 「どのような状況にあっても、国益を守るためにも隣国ロシアとの対話のチャンネルは残すべきだと考える。私はそうした思いから、一昨年、昨年と、批判を浴びながらもロシアを訪問してきた」 ―トランプ政権下での日本の対ロ外交はどうあるべきか。 「2014年のロシアによるクリミア半島併合後、オバマ米大統領(当時)は安倍晋三首相(同)に対ロ制裁参加を求めてきたが、安倍氏は日本には平和条約・領土交渉がある、米国の価値観には完全には乗れないと主張。反発したオバマ氏が16年の伊勢志摩サミットをボイコットするとの懸念もあったが、国益を考えたオバマ氏はサミットに出席した。岸田政権では対米追従一辺倒で、そうした姿勢が失われたのは残念だ」 「石破茂首相が2月前半にも訪米し、トランプ氏と初の首脳会談を行うとの話もある。その際に、トランプ氏の停戦仲介に賛同し協力の意思を伝えること、世界にそうした姿勢をアピールすることが日本にとっての大きなカードになる。1月15日には、訪米前の石破首相と会い、私の考えを伝えた。両首脳とも新しいリーダーであり、これまでのしがらみにとらわれず新しい政策を打ち出せるはずだ」 ―平和条約交渉をライフワークとして、対ロ外交に長年携わりロシア要人にも多くの知己がある。そうしたことを背景とした発言が時に『ロシア寄り』との誤解を招いた反省はないか。 「全くない。日本の23年10月には、所属する日本維新の会が訪ロ中の鈴木氏の発言を問題視し除名処分を決めたが、同氏は離党。国益を第一とする政治家としての信念から出た行動、発言だ」 ― * ― * ― すずき・むねお 1983年衆院当選。外務政務次官、北海道・沖縄開発庁長官、内閣官房副長官、政治団体「新党大地」代表などを歴任。23年10月には、所属する日本維新の会が訪ロ中の鈴木氏の発言などを問題視し除名処分を決めたが、同氏は離党。現在無所属。
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