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米国政府に操られてきた韓国大統領が戒厳令を宣言したが、議会の決議で撤回(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/24/kokusai35/msg/209.html
投稿者 赤かぶ 日時 2024 年 12 月 05 日 02:50:50: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

米国政府に操られてきた韓国大統領が戒厳令を宣言したが、議会の決議で撤回
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202412050000/
2024.12.05 櫻井ジャーナル

 ​韓国の尹錫悦大統領は12月3日にソウルの大統領室庁舎で緊急談話を発表、朝鮮に追従する「従北勢力を撲滅し、自由憲政秩序を守るため非常戒厳を宣布する」と宣言​、朴安洙陸軍参謀総長を戒厳司令官に任命。その戒厳司令官は国会、地方議会、政党の活動、そして政治的結社、集会、デモなど一切の政治活動を禁じ、すべてのメディアと出版は戒厳司令部によって統制されると発表している。

 しかし、この戒厳令宣言に反対する人びとが抗議活動を開始、宣言から数時間後に議会は議員300人のうち190名が出席して戒厳令を撤回させる動議を全会一致で可決した。その際、体当たりで議場へ入ろうとした兵士を阻止した人もいたという。

 その議決を受けて議会の禹元植議長は戒厳令宣言の無効を宣言、与党「国民の力」の韓東勲代表も「戒厳令に基づき軍と警察が公権力を行使することは違法」と発言している。禹議長が撤退を要請した後、軍と警察のメンバーが議会の敷地から立ち去る様子が見られた。

 尹錫悦大統領は検事時代の2016年、大統領だった朴槿恵を巻き込む崔順実スキャンダルの捜査を指揮、朴大統領弾劾につながったが、アメリカは朴槿恵を嫌っていた。彼女は中国との関係を重要視、弾道ミサイル迎撃システムのTHAAD(終末高高度防衛)を配備することに難色を示していたからだ。THAADはPatriotと同じで有効性に問題があるのだが、そうしたシステムの配備は戦争の準備と理解される。

 アメリカはTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムの機器を強引に韓国へ持ち込んだのは、尹錫悦が朴槿恵政権を麻痺させていた最中の2017年4月。その功績のためなのか、尹錫悦は2017年5月から19年7月までソウル中央地方検察庁検事長に選ばれる。

 ソウル中央地検の検事正になった尹錫悦は李明博元大統領や梁承泰元最高裁長官を含む保守派の主要人物を逮捕、文大統領の信頼を得て検事総長に就任する。その後、尹はアメリカから嫌われていた文在寅政権を攻撃し、文大統領に近く、次期大統領候補と目されていだ国法務部長官を起訴、゙を辞任に追い込んだ。

 この過程で「正義の人」というイメージができた尹錫悦は2022年5月に大統領となり、彼の指揮で検察は民主党の李在明党首を収賄容疑で捜査しはじめた。

 アメリカ政府の好戦的な政策に従って彼は中国やロシアとの関係を悪化させていくのだが、必然的に韓国経済は悪化。その結果、国民の支持率は20%を切ったと言われている。戒厳令が宣言される前の週に韓国では10万人の市民が街頭で抗議活動を展開、尹大統領の辞任を要求していた。

 それだけでなく、尹錫悦は妻の金建希が引き起こしたスキャンダルでも苦しんでいる。税金を払わず賄賂を受け取ったと言われ、輸入車販売会社ドイッチェ・モーターズの株価を操作した疑惑で捜査対象だ。さらに論文の盗作も指摘されている。

 国民から見放された尹錫悦を支えてきたのはアメリカの好戦派にほかならない。彼らはすでに日本で対中国戦争の準備を進めているが、その一環として自衛隊は2016年に与那国島でミサイル発射施設を建設、19年には奄美大島と宮古島、そして23年には石垣島でも施設を完成させている。その間、韓国へTHAADを持ち込んだわけだ。

 南西諸島にミサイル発射基地が建設されつつあった2017年11月、アメリカはオーストラリア、インド、日本とクワドの復活を協議、18年5月にはアメリカ太平洋軍をインド太平洋軍へ名称変更した。インド洋と太平洋を一体のものとして扱うということだろう。

 2020年6月にNATO(北大西洋条約機構)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長はオーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本をメンバーにするプロジェクト「NATO2030」を開始すると宣言。2021年9月にはアメリカ、イギリス、オーストラリアのアングロ・サクソン3カ国が太平洋でAUKUSなる軍事同盟を創設したとする発表があった。

 アメリカとイギリスはオーストラリアに原子力潜水艦の艦隊を建造させるために必要な技術を提供するとも伝えられたが、そうした潜水艦を動かすためにはアメリカの軍人が乗り込む必要があり、事実上、アメリカ海軍の潜水艦になる。その原子力潜水艦を受け入れる可能性があると山上信吾オーストラリア駐在大使はキャンベラのナショナル・プレス・クラブで2022年11月14日に表明した。

 ジョー・バイデンが大統領に就任した翌年、​2022年の4月にアメリカ国防総省系シンクタンク「RANDコーポレーション」は南西諸島におけるミサイル基地建設について説明​している。

 RANDによると、計画はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲するというもの。その年の9月にはオーストラリア、イギリス、アメリカがなる軍事同盟を発足させると発表され、2022年12月にアメリカではNDAA2023(2023年度国防権限法)が成立、​アメリカの軍事顧問団が金門諸島と澎湖諸島に駐留し、台湾の特殊部隊を訓練している​と伝えられている。

 当初、アメリカ側は日本の立場を配慮していた。専守防衛の建前と憲法第9条の制約があるため、ASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力することにし、ASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成されたのだ。が、その後、そうした日本の憲法に対する配慮はなくなった。

 与那国島にミサイル発射施設を建設する前年、​2015年の6月、総理大臣だった故安倍晋三は赤坂の「赤坂飯店」で開かれた官邸記者クラブのキャップによる懇親会で、「安保法制は、南シナ海の中国が相手なの」と口にしたと報道されている​。安倍首相は南シナ海における中国との軍事衝突を見通していた。

 岸田文雄政権は2022年12月16日に「国家安全保障戦略(NSS)」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」の軍事関連3文書を閣議決定、2023年度から5年間の軍事費を現行計画の1.5倍以上にあたる43兆円に増額して「敵基地攻撃能力」を保有することを明らかにしている。

​ 2022年10月には、「日本政府が、米国製の巡航ミサイル「トマホーク」の購入を米政府に打診している」とする報道があった​。亜音速で飛行する巡航ミサイルを日本政府は購入する意向で、アメリカ政府も応じる姿勢を示しているというのだ。

 こうした動きに対し、ロシア国家安全保障会議の議長を務めていたニコライ・パトロシェフは2021年9月、AUKUSは中国やロシアを仮想敵とする「アジアのNATO」だと指摘、ロシアは朝鮮との関係を急ピッチで強化している。尹錫悦はアメリカの意向に沿って朝鮮半島の軍事的な緊張を高めたのだ。脅しのつもりかもしれないが、戦争が現実味を帯びてきた。

 日本から台湾にかけては米英両国にとって中国侵略の拠点であり、朝鮮半島は橋頭堡にほかならない。日本には自衛隊というアメリカ軍の補完部隊が存在、韓国には現役の軍人が50万人、そして予備役が310万人いる。その韓国を動かすためにアメリカは尹錫悦を大統領に据え、日米韓の「三国同盟」を推進しようとしたのだろう。

 その尹は徴兵忌避者であり、政治家として致命的な過去だ。それにもかかわらず彼が大統領になれたのは、強力な勢力が後ろ盾になっているからだと信じられている。その尹政権が揺らいでいる。韓国の現政権が倒れることはジョー・バイデン政権を支えてきたネオコンにとって大きなダメージであり、シリアやジョージアと同じようにクーデターを使っても不思議ではない。ただ、韓国の場合は親米(従米)体制を続けるためだ。

 ちなみに、現駐韓米大使のフィリップ・ゴールドバーグは2006年10月からボリビア駐在大使を務めていたが、ボリビアのエボ・モラレス大統領は2008年9月、クーデターを支援したとしてゴールドバーグを追放した。また2013年12月から16年10月にかけてフィリピン駐在大使を務めていた際、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領からCIAがドゥテルテの追放、あるいは暗殺を企てていると非難されている。





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コメント
1. 赤かぶ[231677] kNSCqYLU 2024年12月05日 02:54:45 : JHtlqOjp1A : SktBTC9oWXllRVk=[1] 報告

2. 赤かぶ[231678] kNSCqYLU 2024年12月05日 02:56:04 : JHtlqOjp1A : SktBTC9oWXllRVk=[2] 報告

3. 赤かぶ[231679] kNSCqYLU 2024年12月05日 02:56:50 : JHtlqOjp1A : SktBTC9oWXllRVk=[3] 報告

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5. 赤かぶ[231681] kNSCqYLU 2024年12月05日 02:58:04 : JHtlqOjp1A : SktBTC9oWXllRVk=[5] 報告

6. 赤かぶ[231682] kNSCqYLU 2024年12月05日 02:58:57 : JHtlqOjp1A : SktBTC9oWXllRVk=[6] 報告

7. 赤かぶ[231683] kNSCqYLU 2024年12月05日 03:04:55 : JHtlqOjp1A : SktBTC9oWXllRVk=[7] 報告
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韓国の尹大統領が戒厳令発令 先ほど解除(2024年12月4日)

2024/12/04 ANNnewsCH

 3日夜、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が緊急談話で政党の活動などを禁止する戒厳令を発令しました。ソウルから最新情報です。

 (河村聡記者報告)
 ある韓国メディアは「大統領によるクーデターだ」と伝えました。戒厳令は4日午前に解除されましたが、今も国会前には多くの市民が集まり、尹大統領を弾劾(だんがい)せよと声を上げ続けています。

 尹大統領は4日夜、緊急の談話を発表し、野党が「司法や行政をまひさせている」とし、非常戒厳令を発令しました。

 集会やデモだけでなく国会や政党を含めた政治活動を禁止したり、すべてのメディアや出版社は検閲を受けるとする内容です。

 発令自体45年ぶりとあって、国民からはまず、「何が起きたか分からない」という困惑が広がりました。

 その後、国会前には大量の警察と軍の特殊部隊まで投入され、国会内への侵入を阻もうとする議員側の関係者や集まった市民らと衝突し、一触即発の状態が続きました。

 その後、国会に過半数の議員が集まることができ、戒厳の解除に向けた決議が可決されました。

 その後、大統領は軍の撤収は指示し、4日午前5時ごろ、閣議で戒厳は正式に解除となりました。

 夫人を巡る問題などで20%前後の支持率が続くなか、八方ふさがりの政権がとったこの奇策はほとんど理解を得られていません。

 与党代表すらも早々に「違憲、違法だ」と反発していて、「弾劾が現実味を帯びてきた」とする見方も少なくありません。

[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

8. 赤かぶ[231684] kNSCqYLU 2024年12月05日 03:09:22 : JHtlqOjp1A : SktBTC9oWXllRVk=[8] 報告
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発令も6時間で解除… 韓国「非常戒厳」何が起きた? 専門家「3つの想定外」【Nスタ解説】

2024/12/04 TBS NEWS DIG

韓国の尹錫悦大統領がきのう、政治活動などを制限する「非常戒厳」を宣言しました。わずか6時間後に解除されましたが、さきほど野党側が弾劾手続きに入るなど、韓国国内には大きな混乱が広がっています。

■韓国「非常戒厳」何が起きた?

小笠原亘 キャスター:
韓国で何が起きたのか。まず尹錫悦大統領が発令した「非常戒厳」とは一体何なのかということから見ていきましょう。これは韓国憲法で定められた大統領の権限の一つで、戦争が勃発したり、国内の内乱が起きたり、天変地異などで略奪が起きたなど、かなりの有事の際に大統領が宣言するものなんです。いわゆる今回のような平時で出されるというものではないということで、非常に混乱も広まったということになっています。

この「非常戒厳」が宣言されると韓国内は、政治活動の禁止や、国民にいたってはストライキや集会の禁止、あるいは言論・メディア統制というものも行われるということなんです。

3日午後10時すぎ、尹錫悦大統領は44年ぶりになる「非常戒厳」を宣言しました。現在、韓国の国会は野党が3分の2近くを占めていて、ねじれの現象が起きてるという中で、来年度予算の大幅削減などを求められていたということです。ですから、尹大統領の肝いりの政策がことごとく否定されているという状況、それを受けて尹大統領は国政が麻痺しているということで、44年ぶりの「非常戒厳」を宣言。

どうなったかというと、国会議員は政治活動を禁止されていますが、これを何とか打破しようということで動きました。軍の兵士と国会で衝突ということも起きましたし、デモなども国民は禁止されていましたが、全く関係なく国会議事堂前でデモ活動も行われていたという状況になっていました。

結果、6時間後に、国会に集まった国会議員たちが全会一致で解除を求める決議案が可決されたということでした。4日午前4時半ごろに、尹大統領が自ら「非常戒厳の解除」を表明するということになりました。

■専門家「3つの想定外」

龍谷大学の李相哲教授は、尹大統領にとっては「すべてが“想定外”だった」ということです。想定外だったのは以下の3つです。

●政治活動を禁止(国会の解散を狙った)
→反発した議員190人が国会に集結。野党だけでなく与党も加わって全会一致で解除を求められた

●メディアを統制(事態の深刻さを伝えるため)
→戒厳司令部がメディアの統制もできなかった

●国民の言論・集会を制限(国論の統一を図るため)
→多くの国民が集結しデモ活動が起きた

これら全てが想定外だったというように分析しています。

ホラン千秋 キャスター:
大変な混乱だったと思うんですけれども、ここに至るまでの予兆というか、どれくらい不満などがくすぶってこういった事態になったのか、現地にいて感じることありますか?

渡辺秀雄 JNNソウル支局長:
尹大統領の支持率は直近でも10%後半とかなり低迷していました。しかし、今回の「非常戒厳」を出すということに関しては全く予想していませんでした。私は昨日の晩は街中で会食をしていたのですが、突然のことでびっくりして、慌てて出社したという状況でした。

井上貴博 キャスター: 
ここ数年韓流ドラマも相当流行っていますので、今回のニュースを特に身近に感じてらっしゃる視聴者の皆さんも多いと思うんです。

よくわからないのが、政権としてにっちもさっちもいかなかった、もう打つ手がないということで、まさかと言われていた、無謀だと言われていた最後のカード「非常戒厳」を切ったわけですけど、尹大統領の頭の中でどんなシナリオを描いてたのか、そしてスタンドプレーなのか、そのあたりについてどんなことを想像しますか?

渡辺 ソウル支局長:
難しいのですが、先ほどの李相哲先生のお話にもあったように、国会を軍で掌握してコントロールをしていこうというのが頭の中にあったという見方もあります。一方で、元々うまくいかない計画というふうに割り切って、こういった大きな騒ぎを起こすことによって、いかに野党側がひどいことをしてきたのかというのをアピールする場にしたかったのではないかという見方をするメディアもあります。

ホランキャスター:
「非常戒厳」という44年ぶりの、ある意味切り札的な手法だと思うんですけれども、それが逆に役に立たなかったとなると、その持つ重さのようなものも結局、効力を失ってしまうのかなという気がしますね。

荻谷 麻衣子 弁護士:
尹大統領はある意味頑固で、自分の正義感を曲げない人です。だからこそ日本に対する関係も世論を気にせず、友好関係を築いてきたんだと思うんです。 今回、国内の中で相当に追い詰められて、それが極端な形で出てしまったのかなと。

もしかしたら尹大統領自らの正義感では「国政を正常化するためにはここまでやらなきゃ仕方がないんだ、ここまでやれば国民世論も自分の味方してくれるかな」と思っていたかもしれない。でも結果的にその読みを誤って、自分の状況を最悪の状況にしてしまったというところなのかなと見ていました。

井上キャスター:
韓国にはまだ民主主義が根…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/articl...


▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://newsdig.tbs.co.jp/

9. 赤かぶ[231685] kNSCqYLU 2024年12月05日 03:23:21 : JHtlqOjp1A : SktBTC9oWXllRVk=[9] 報告
<■278行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>

「追い詰められて発令か」尹氏 なぜ“強硬手段”に…44年ぶり戒厳令の余波【報道ステーション】(2024年12月4日)

2024/12/05 ANNnewsCH

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日夜、44年ぶりに“戒厳令”を発令しました。

尹錫悦大統領
「破廉恥な親北朝鮮反国家勢力を一斉に根絶し、自由憲法秩序を守るために非常戒厳を宣言します。そのため、私はこれまで非道な行為を行ってきた亡国の元凶である反国家勢力を必ず撲滅します」

野党によって予算を削られたとの主張も理由に挙げています。

この発表の直後、夜中にもかかわらず、国会前には数千人の市民が押し寄せました。

大統領だけに許される権限“戒厳令”。国会や政党の機能停止、市民集会の禁止、報道の検閲など、6項目に渡ります。大統領に権力を集中し、反対するものの声を抑え込む、独裁国家のような規制が、突然、発出されました。

市民と警察の間で小競り合いが起きていた時間帯、ある2つの動きが同時に進行していました。

1つは、国会議員たちの集結です。

野党『共に民主党』 イ・ジェミョン代表
「速やかに国会に来てください。民主主義の最後の砦である国会を守ってください。私も、いま国会に向かっています。時間は切迫しています。国の運命が風前のともしびです」

こう呼びかけ、自らも議事堂内へ向かいます。

これと並行して起きていたのが、軍の出動です。目的は、議員を国会に入れないことと、国会内からの議員の排除。戒厳令を止める唯一の手段が、国会の決議だからです。国会議員300人のうち、過半数が賛成すれば、戒厳令の解除が可能になります。

国会前には、軍の特殊部隊などが投入され、国会内への侵入を阻もうとする議員側の関係者や集まった市民らと衝突。ただ、精鋭部隊とは思えないほど、ゆっくり部隊を展開しているような場面もあります。

文化日報(4日付)
「軍の指揮官たちは、正当性を欠いた『戒厳令』の布告は、事実上、不可能であり、それに従えば、反発を招くしかないという点を、十分、認識していた」

結果、議場に集まったのは、300人中190人の議員。全員が戒厳令解除に賛成票を投じました。

ウ・ウォンシク議長
「国会の議決に従い、大統領は直ちに戒厳令を解除しなければならない。戒厳令の宣言は無効となりました。国民の皆さんはご安心ください。国会は、国民とともに民主主義を守ります」

賛成票190のうち、18票は与党からです。

与党『国民の力』 ハン・ドンフン代表
「きょうの悲惨な状況について、政権与党として国民の皆さまに対し、非常に申し訳なく思います。責任あるすべての関係者たちに、厳しく責任を問う必要がある」

議決から3時間余り、尹大統領は敗北を認めました。

尹錫悦大統領
「先ほど、国会の戒厳解除の要求があり、投入された軍を撤収させました。すぐに国会の要求を受け入れ、戒厳を解除します」

尹大統領の戒厳令は、あえなく終わりを告げました。

世界のメディアも大きく取り上げました。

CNN
「韓国の民主主義がしっかり機能しているといえます。『大事な自由や民主主義を渡さない』と韓国民は意思表示したのです。この問題は、いずれ是正されると東アジアの同盟国にも伝わるでしょう」

ニューヨーク・タイムズ
「アメリカの同盟国の一つである韓国で、政治的混乱が生じ、独裁政権時代の記憶を呼び起こされた」

なぜ、尹大統領は、このような強硬手段に出たのでしょうか。

指摘されているのは、政権の行き詰まりです。

今年4月の総選挙で、与党が喫した大惨敗。それ以降、政府として法案を通すことはできず、逆に、野党が出してくる法案には、大統領権限である拒否権を連発して凌ぐことしかできませんでした。さらに、野党は、尹政権を骨抜きにするため、何人もの閣僚や官僚を排除しようと画策。これにも拒否権を発動して対処してきました。

その間、キム・ゴンヒ大統領夫人にも、さまざまな疑惑が降っては沸いてを繰り返す日々。最近は、過去に株価操作をしていた疑惑がかけられ、一度は不起訴になったものの、再捜査を求める法案が、議会を通過しようというタイミングでした。

いまのところ、尹大統領からの説明は、まだありません。

今回の戒厳令は、韓国が40年近くかけて推し進めた民主化の道に暗い影を落としています。

韓国で、最後に全土に戒厳令が出されたのは44年前。
軍事政権から民主化への転換を望む市民運動が、当時の全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領によって弾圧された光州事件です。

民間人166人の命が自国の政府に奪われるという凄惨な事件は、国内に衝撃を与え、その後の民主的選挙の実現に結び付ついたのが、この事件です。以来、歴代の大統領がどんなに窮地に陥っても、戒厳令を出す人は一人もいませんでした。

市民からは、厳しい声が向けられています。

大学生(20代)
「2024年にあり得ないこと。国民を欺く行為です」

不動産業(60代)
「国民はバカではありません。今回のことで、政権の政策がよくなかったことに気づくでしょう」

農家(40代)
「これは違うと思って遠くから来ましたが、現実を見ると、もっとひどい。一日も早く、この政権は終わるべきです」

戒厳令解除に1票を投じたキム議員もこう話します。

野党『共に民主党』 キム・ミンソク最高委員
「大統領は、本人と妻が犯した不法なことを隠して、“捜査・弾劾から逃れたい”との執着心から行動したと思います。正常に国の政治を行う能力がありません。早く辞任した方が、国も本人も不幸にならない」

野党6党は4日、尹大統領に対し、弾劾訴追案を共同で提出しました。早ければ、6日にも採決されることになります。

ソウルの国会前では、久しぶりに大規模なろうそく集会が行われました。ろうそく集会は、光州事件をきっかけにした民主化運動から生まれたといわれています。


現代韓国・朝鮮政治が専門の慶応義塾大学・西野純也教授に話を聞きます。

(Q.突然の『非常戒厳』の発令でした。どう受け止めましたか)

西野純也教授
「大変、驚きました。今の韓国でまさか起こるとは、皆思っていなかったと思います。今年の夏に、野党議員から『尹政権が戒厳令を考えているのではないか』という問題提起がありましたが、今の民主主義の韓国で起こるとは思っていませんでした。非常戒厳は軍人出身政権の時代に行われてきたもので、民主化からもう40年近く経とうとしている今起きたことに、韓国の方々は大きなショックを受けていると思います」

改めて、韓国の『非常戒厳』とは、憲法第77条で定められていて、緊急時や公共秩序を維持が必要な場合、大統領は戒厳令を発令できます。

この戒厳令の中には『非常戒厳』と『警備戒厳』の2種類があり、非常戒厳の方が、軍の統制がより広範囲になり、国会と地方議会・集会・デモなどの政治活動や、社会混乱を助長するストライキなどが禁止され、全ての報道と出版が統制されます。

尹大統領は非常戒厳を発令した理由として「国会が自由民主主義体制を崩壊させる怪物になった。北朝鮮に従う勢力を精算し、憲法の秩序を守る」などを挙げています。


(Q.戒厳令の中でもより厳しい『非常戒厳』の発令になぜ踏み切ったのでしょうか)

西野純也教授
「昨日の記者会見をみると、尹大統領が精神的に追い込まれていることが分かりました。少数与党で発足した政権で、4月の総選挙の敗北で、野党が圧倒的多数の状態が任期中ずっと続くことになりました。予算や法律が通りにくい状況で、さらに、政権の閣僚たちが次々と弾劾されています。大統領は拒否権で凌いでいますが、厳しい状況です。それに加えて、大統領夫人の問題もあります。大統領のこれまでの言動をみると、夫人を守りたい気持ちが強いようですので、どんどん攻めてくる野党に対して今回の措置をとったのではないかと思います」

(Q.非常戒厳を発令した理由のなかで『北朝鮮に従う勢力を精算する』としていますが、“北朝鮮に従う勢力”は本当にいますか)

西野純也教授
「韓国の保守勢力の方々は、いわゆる進歩勢力が北朝鮮と何らかの形で結びついているという認識を強く持っています。とりわけ、尹大統領や側近は、その認識がかなり強いのではないかと思います。実態はともかくとして、国会における野党の攻勢が、北朝鮮と裏で結びついていると、大統領やその周りが強く認識していると。しかし、国民の多くは恐らくそう思っていないので、今回の非常戒厳はかなり無理があった措置ではないかと思います」

(Q.そこには尹大統領のキャラクターや流儀は反映されていますか)

「韓国ではよく“検察スタイル”と否定的な意味で語られています。一度、犯人が黒と決めると、それに向かって追い込んでいくスタイルのことで、まさに尹大統領のスタイルは、一度決めたら猪突猛進で進んでいきます。そういった尹大統領の個人的なスタイルが、今回の決定にも反映されたと思います」

(Q.非常戒厳は夜遅くに発令されました。このタイミングは重要になりますか)

西野純也教授
「夜遅くに発令することで、野党側の動きを封じることができると考えたのではないでしょうか。皆が寝静まっている時間で、野党議員もなかなか集まりにくいと考えたのだと思います。ただ、野党議員が極めて迅速に国会に終結して、解除を求める決議を行いました。恐らく尹大統領が考えていた、奇襲によって相手側の動きを封じようという思惑は、見事に的が外れたと言わざるを得ません」

戒厳令の解除要求には、国会議員の定数300人のうち、190人が賛成しました。現在の議席数は…与党・国民の力は108人、最大野党・共に民主党は170人となっていて、現地メディアでは、賛成した議員のうち、18人は与党・国民の力の議員だと報じられています。

(Q.野党6党は尹大統領への弾劾訴追案を国会に提出しました。今後はどうなりそうですか)

西野純也教授
「国会で議員の3分の2にあたる200人が賛成すれば弾劾が可決されます。それには与党議員の立場が重要で、とりわけ大統領と面会したと言われる、与党代表の韓東勲(ハン・ドンフン)氏がどういう立場を取るかが重要だと思います」

(Q.野党全員と与党議員8人が賛成すれば200人になり、弾劾訴追案が通ることになりますね)

西野純也教授
「非常戒厳の解除要求では、与党議員の18人が賛成したということなので、この議員たちがそのまま立場を維持すれば、弾劾訴追案が可決することになります。ただ、保守系議員のなかには、尹大統領はともかくとして『韓国の将来を考えると、保守系の大統領が2人続けて弾劾されるのはよろしくない』という考えを持つ方もかなりいると思います。そういった方々がどういう判断をするのかがポイントになると思います」

(Q.尹大統領は日本と友好的な関係を築いてきました。辞任に追い詰められた場合、今後の日韓関係や、対北朝鮮への安全保障はどうなると思いますか)

西野純也教授
「尹大統領が弾劾罷免されて、新しい政権が革新勢力になると、日韓関係は厳しくなるという見方が多いです。ただ、必ずしもすぐそうなるとは思っていません。かつてとは、いくつか違う要素があります。一つは国際情勢が厳しくなっていて、日韓が協力する必要性が高まっていること。また、文在寅政権の時、日本は安倍政権で関係が良くありませんでしたが、今の石破政権は日韓関係を重視する姿勢を示しています。さらに言えば、大統領選挙で革新勢力が楽勝で行けるかという点についても、大統領選挙に出てくる人物や構図がどうなるかにも依存するので、予断することは禁物ではないかと思います」

[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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