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「プーチン独裁」はもはや新次元の領域へ突入…ロシア政府にもあきらめムードが漂う「クレイジーな男」の実態/現代ビジネス
豊島 晋作(テレビ東京WBSメインキャスター) によるストーリ
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3%E7%8B%AC%E8%A3%81-%E3%81%AF%E3%82%82%E3%81%AF%E3%82%84%E6%96%B0%E6%AC%A1%E5%85%83%E3%81%AE%E9%A0%98%E5%9F%9F%E3%81%B8%E7%AA%81%E5%85%A5-%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%81%AB%E3%82%82%E3%81%82%E3%81%8D%E3%82%89%E3%82%81%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%8C%E6%BC%82%E3%81%86-%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%81%AA%E7%94%B7-%E3%81%AE%E5%AE%9F%E6%85%8B/ar-AA1tLpZ7?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=7c5c15e98726426bb3f9a864e74baeee&ei=10
ますますエスカレートしている、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻。テレビ東京「WBS(ワールドビジネスサテライト)」のメインキャスターで、著書『日本人にどうしても伝えたい 教養としての国際政治』を上梓した豊島晋作氏によれば、プーチン大統領は今、かつてないほどの独裁体制を確立しているという。いったいロシアで何が起こっているのか、豊島氏がくわしく解説する。
かつてないほど進んでいる「プーチン独裁」
プーチン大統領はかつてないほどの強権的支配を確立し、独裁体制はもはや“新次元”の領域に入っています。
ウクライナ戦争に反対したり、プーチン体制に抵抗したりする人々の多くはロシア国外に逃げていきました。国内の反体制派は互いに存在感が小さい上に仲が悪く、まとまれていません。
大統領として五期目を獲得したプーチンは、二〇三〇年にも大統領に立候補が可能です。もし当選すれば八三歳になる二〇三六年までロシアを統治することになります。
二〇二四年二月に反体制活動家のアレクセイ・ナワリヌイが刑務所で突然死した後は、大規模な反体制デモを開催したり政権への抵抗運動を組織したりできるリーダーはロシア国内には一人もいない状況になりました。つまり、プーチンの邪魔者は、ほぼ全て消えたのです。
ナワリヌイの死の真相は明らかではありません。ウクライナの情報当局は「血栓」が原因で、他殺ではないとしています。ただ、彼が不当に拘束され、刑務所で非人道的な取り扱いを受けていたことは明らかなので、彼の突然で不可解な死はプーチン政権による事実上の殺害と見なされました。
当初は遺体を霊柩車で運ぶことも妨害され、大規模な葬儀も許されず、追悼する支持者らが逮捕されるなど、プーチン政権の弾圧は徹底的でした。
二〇一五年にプーチン大統領の政敵だったボリス・ネムツォフ元第一副首相がクレムリン宮殿近くの橋の上で銃殺されたときは、約五万人の市民がモスクワの街頭を行進して追悼しました。
しかし、今回はそうした大規模な“反プーチン的な行動”は許されませんでした。三月のナワリヌイの葬儀に集まったのは数千人規模で、戦争反対やプーチン批判も確かに聞かれましたが、治安部隊が取り囲む中、比較的抑制された静かな抗議行動になりました。
ナワリヌイが死亡した直後、私がモスクワに住むロシア人の友人に電話すると、盗聴を恐れてか「政治の話は一切できない」と言われました。
友人は「毎日の暮らしは問題ない。確かにモノの値段は上がったが何とかなっている。今のロシアではウクライナ戦争と政治の話さえしなければ生活に全く問題はない」と語りました。国際電話でも自由に発言できない状態です。
私がモスクワで取材していた五、六年前に比べ、政治的意見の表明は遥かに危険な行為になっています。プーチンの独裁は今までとは異なるレベルで完成しているのです。
プーチンが頼りにする「3人の助言者」
では、プーチン大統領は何を考えているのでしょうか。あるいは誰の影響を受けているのでしょうか。彼がNATOの拡大に対抗するため、国家を防衛する意思で戦争を始めたのか、それとも「偉大なロシアを復活させる」という個人的な野望に基づいて戦争を始めたのか、究極的な真実は分かりません。
プーチンと数十年来の知り合いで、メディア企業のトップで大富豪のユーリー・コバルチェクが「かつての偉大なロシアを復活させ、ピョートル大帝のようになるべきだ」とプーチンを煽り立てたとも言われています。
コバルチェクはメディアを通じた世論誘導などで大きな役割を果たしたと見られていますが、決して表には出てきません。
もっとも、プーチンに影響を与える人物は、今後も決して表に出てくることはないようです。なぜなら、彼らは既に死んでいるからです。
プーチン政権の中枢にいるはずのセルゲイ・ラブロフ外相も、ウクライナ戦争の具体的な計画は、直前まで知らされませんでした。つまり彼は大統領の本当の助言者ではありません。
一方で、彼はウクライナ戦争の開戦直後、ある財閥トップから「なぜ大統領はこんな戦争を始めたんだ?」と聞かれたようです。するとラブロフは「プーチン大統領には三人の助言者がいる。イヴァン雷帝と、ピョートル大帝と、エカテリーナ女王だ」と答えたと報じられています。三人とも既に死んでいる歴史上の人物です。
これはプーチンが、ロシアの偉大な歴史を築いた歴代の皇帝と自分を重ねていることを示すエピソードですが、彼はますますこうした少数の“助言者”に頼り、クレムリン宮殿の中で自分のからにこもる状態だという指摘もあります。
ある元ロシア政府高官は、こんな戦争は終わらせるべきだという意見に対し「クレイジーな男を説得できるとでもいうのか?」と言い放ったとされ、ロシア政府内にある諦めムードも漏れ聞こえてきます。もちろんクレイジーな男とはプーチン大統領を指します。
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元ロシア政府高官が「クレイジーな男」と呼んだプーチン大統領は侵略戦争を遂行し、今のところ権力の維持に成功しています。なぜ大多数のロシア国民はプーチンを支持するのでしょうか。詳しくは後編記事〈ロシア国民がいまだにプーチンを支持する「本当の理由」…「クレイジーな男」が熟知する《大衆の不安》とは?〉で解説します。
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