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大統領職に居座るゼレンスキー
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2024年6月17日 植草一秀の『知られざる真実』
スイスで開催されたウクライナ「平和サミット」が6月16日に2日間の日程を終了して閉幕した。
ウクライナとロシアの戦乱を終結させるためのサミットだが肝心のロシアが招かれていない。
これで解決策を見出すことは不可能である。
ウクライナのゼレンスキー大統領は本年4月に大統領任期が終了している。
本来は大統領選挙を実施して新しい大統領を選出しなければならないが、ゼレンスキー氏に対する支持が急落しており、大統領選を実施すればゼレンスキー氏は落選すると見られる。
そこで、大統領権限を使って大統領選挙を回避している。
ウクライナではゼレンスキー氏の独裁体制が敷かれており、国内に民主主義は存在しない。
成年男子には国外退去の自由もない。
国家総動員体制が敷かれており、兵役を拒否すれば国家に処罰される。
このゼレンスキーが和平を呼び掛けても成立するわけがない。
ウクライナ戦乱はNATOとロシアの代理戦争。
NATOを牽引しているのは米国と英国である。
2022年3月に和平交渉が成立しかけた。
しかし、早期の戦争終結を忌避したのは米国である。
そもそもウクライナ戦乱は米国の軍産複合体が自分たちの利益を獲得するために人為的に創作したもの。
早期に戦争が終結すれば米国軍産複合体は巨大な利益を掴み損なう。
このことから、米国が「ブチャの虐殺」などを創作して戦争終結を阻止したと見られている。
平和主義を掲げる日本は、米国が主導する戦争の長期化と拡大に反対して、早期の戦争終結を呼び掛けるべきである。
ところが、日本は米国の命令に服従するだけ。
ウクライナ復興費用の肩代わりを約束させられている。
平和サミットにはロシアが招かれておらず、中国も参加しなかった。
同会議の共同声明には不参加のロシア、中国は無論、インド、インドネシア、サウジアラビア、メキシコ、南アフリカ、ブラジルのG20メンバー国が署名しなかった。
G20会合でこれまで対ロシア経済制裁決議が採択されてきたが、経済制裁に賛成国が10(EUを1としてカウント)、非賛成国が10という構成だった。
人口比では賛成国が20に対し、非賛成国が80である。
今回の共同声明にはトルコとアルゼンチンが賛成に回ったが、その理由は採択された声明にロシア軍の撤退やウクライナ領土の回復が盛り込まれていなかったことにある。
ゼレンスキーが主張する領土回復、ロシア軍撤退という条件は意味を有していない。
ゼレンスキーは戦争の継続、拡大を求めているが、このことによって生じるのはウクライナ国民の犠牲拡大と米国軍産複合体の利益拡大だけである。
ウクライナ和平を本気で考えるなら、ウクライナとロシアと調停国による会議を開催する必要がある。
大国の中国が調停に加わることが必要不可欠だ。
そもそも、ウクライナ戦乱は米国が工作して創作したものである。
ウクライナでは2004年と2014年に政権転覆が生じているが、いずれも米国が地下工作して実現させたもの。
2014年の政権転覆は米国が主導した暴力革命による非合法政府樹立という基本性格を有している。
この非合法政府を真っ先に国家承認したのが米国である。
樹立された新政府はネオナチ政府と呼ぶべき存在だった。
ネオナチ政党が政権中枢に位置する新体制で、この新体制の構成を米国のビクトリア・ヌーランド国務次官補と米国のパイアット駐ウクライナ大使が電話で密議した内容はyoutubeで暴露された。
樹立されたネオナチ政権は東部のロシア系住民支配地域に対する弾圧と武力攻撃を展開した。
これにロシア系住民支配地域が抵抗してウクライナ内戦が勃発した。
このウクライナ内戦を収束させるために制定されたのがミンスク合意。
2015年のミンスク2ではウクライナ東部2地域に高度の自治権を付与することが明記された。
これによって内戦を終結させることが決定された。
合意は国連安保理で決議され、国際法の地位を獲得した。
しかし、ゼレンスキーはこのミンスク合意を一方的に破棄した。
その結果として生じたのが2022年2月24日以降のウクライナ戦乱である。
国際社会は米国主導の戦乱長期化・拡大を阻止するために協調するべきだ。
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