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2024年02月18日 12時00分
ttps://gigazine.net/news/20240218-nones-usa/
日本では特定の宗教を強く信仰していない「無宗教」であると答える人が多くいますが、アメリカでは主にキリスト教が信仰されています。2023年に実施された研究では、アメリカで「特に宗教を信仰していない」と回答した無宗教者の割合は約10年で大幅に増加しており、そのような無宗教者の思想について調査結果が示されています。
ワシントンD.C.を拠点としてアメリカや世界における人々の問題意識や意見などについて調査するピュー・リサーチは、アメリカ人の宗教観についての調査結果を2024年1月に公開しました。調査は2023年7月31日から8月31日までアンケート形式で実施され、1万1201人が回答しました。
結果として、約28%となる3317人が「信仰している宗教はない」と回答しています。以下はピュー・リサーチが示したアメリカの成人における無宗教者の割合の変化を示したグラフ。2007年に無宗教者だと回答した参加者は16%でしたが、その割合は年々増加傾向にあることがわかります。
続けて、ピュー・リサーチは「無宗教者」に関してよく寄せられる8つの質問について回答しています。
・1:「無宗教」というのはどのように定義されているのか?
2023年の調査で「信仰している宗教はない」と回答した人のうち、神は存在しないと考える無神論者が約17%の658人、神がいるともいないとも人知では知り得ないとする不可知論者が約20%の678人、残りの約63%が宗教について「特に何もない」と回答した無関心者となっています。
ピュー・リサーチによると、無神論者や不可知論者は高度な教育を受けた人に多く、一方で特に何もないと回答した人はアメリカの平均的な成人よりも学歴が低い傾向にあるとのこと。また、無宗教者全体の69%が50歳未満で、特定の宗教を信仰している55%以上が50歳以上であることと比較すると、全体的に若い人は無宗教者の割合が高くなりました。
その他、無神論者と不可知論者は政治思想的にリベラルである割合が高く、特に何もないと回答した人は中道派が最も多いことが示されています。
・2:「無宗教」である理由は?
無宗教者であると回答した人にピュー・リサーチが理由を尋ねたところ、3分の2が「宗教の教えに疑問を持っている」もしくは「神を信じていない」と答えました。また、宗教団体や人々への批判を指摘する人も一定数おり、47%が「宗教団体が嫌いだから」、30%は「宗教心を持つ人々に関して嫌な経験がある」と回答しています。
・3:無宗教者は市民生活に関与していない?
宗教を重んじる人は人助けやボランティア、投票といった市民生活への関与を積極的に行いますが、無宗教者はそうではないと考えられています。実際に、以下に示したグラフでは2022年にボランティアに参加した割合、投票率、選挙で選ばれた役人に連絡したり政府の会議に出席したりといった社会参加の割合が示されています。グラフの黒い点が無宗教者、青い点が何らかの宗教を信仰している人で、いずれの項目でも無宗教者の割合の方が低くなっています。
しかし、ボランティアの参加率や投票率では10%程度の開きがありますが、その他いくつかの社会参加に関連した項目ではそれほど大きな違いはないとピュー・リサーチは指摘しています。また、市民生活への参加レベルが低いのは無神論者の中でも無関心者に見られる傾向で、無神論者や不可知論者は宗教を信仰する人とほとんど変わらないそうです。
・4:無宗教者は全員神を信じていないのか?
無宗教者は、宗教に熱心な人に比べて「聖書に書かれているとおり」神を信じている可能性は低いものの、ある程度神やその他高次の力を信じている人は多いとピュー・リサーチは回答しています。2023年の調査において、「宇宙には高次の力や霊的な力が存在する」という考えを否定しているのは無宗教者でも29%と少ない割合です。
・5:無宗教者は宗教以外の霊性や精神性は重んじていないのか?
人間の尊厳や存在意義など霊魂や精神世界を重んじるスピリチュアリティは、宗教思想と切り離して考える人も多くいます。2023年の調査で無宗教者と回答した内の49%は、スピリチュアルもしくはスピリチュアリティを重要だと考えていると回答しました。
・6:無宗教者は宗教に対して敵対的か?
無宗教者の43%は、宗教は社会において全よりも害をもたらすと回答。宗教が害よりも善をもたらすと答えたのは14%で、良い面も悪い面もあると答えた無宗教者は41%いました。傾向として、全体的に無宗教者は宗教に敵意を持っているわけではありませんが、一部の無宗教者は非常に否定的な見方をしています。
・7:無宗教者は科学を信仰しているのか?
無宗教者は宗教や神を否定して「すべてのことには科学的な説明がある」と考える人もいますが、その割合は35%。宗教を信仰する人で同じ回答をしたのは9%だったため、科学を重要視する割合は無宗教者で多くなっていますが、無宗教者でも63%が「自然界を超えたスピリチュアルな現象がある」と考えています。
・8:無宗教者は道徳についてどのように考えているのか?
「正しく生きる」という思想の基準や他人を重んじる精神など、宗教に基づいた道徳意識を持っている人は多くいます。それでは無宗教者は道徳観を持っていないかというとそういうわけではなく、無宗教者の大多数は「神を信じなくても道徳的で良い価値観を持つことは可能」と主張しています。
ピュー・リサーチのグレゴリー・スミス氏は今回の調査結果を受けて、「無宗教者の増加が、アメリカの国民生活に影響を与える可能性があります」と述べています。
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