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軍総司令官解任の衝撃/石川一洋・nhk
http://www.asyura2.com/24/kokusai34/msg/236.html
投稿者 仁王像 日時 2024 年 2 月 14 日 06:58:12: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 

軍総司令官解任の衝撃/石川一洋・nhk
2024.02月09日 (金)
石川 一洋 専門解説委員
https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/491648.html

ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ザルジニー総司令官を解任し、新たな総司令官にシルスキー陸軍司令官を任命しました。ロシアの軍事侵攻が始まってから2年となるのを前に、政治と軍の立場からロシアへの徹底抗戦を支えていた2人の間に何があったのか。そして解任がどんな影響を及ぼすのか考えてみます。

解説のポイントです
◆総司令官解任の衝撃
◆解任の理由とリスク
◆アメリカとロシアは

◆総司令官解任の衝撃
「きょう私はウクライナ軍の指導部を刷新することを決定した。これは個人の名前ではなく、あるいは政治でもなく、ウクライナ軍のマネージメントの問題であり、現場の指揮官の戦闘経験を活用することである」
ゼレンスキー大統領は軍の最高指揮官であり、ザルジニー総司令官を含めて軍指導部を交代させる権限を一元的に持っています。

今回の人事です。ザルジニー総司令官は解任され、後任には陸軍のシルスキー司令官が任命されました。軍の序列を重視した穏当な人事で、総司令官解任の衝撃を抑えようという意図があるようにも見られます。
ただウクライナにとって、ゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官は、強大な敵ロシアへの徹底抗戦と反転攻勢を支えた政治と軍の二本柱だけにその衝撃は大きいものがあります。

ザルジニー司令官は、ソビエト連邦崩壊後の独立ウクライナの軍で育った新世代の軍人の代表で、2014年以後東部での親ロシア派との紛争の現場で指揮官として頭角を表し、ゼレンスキー大統領によってロシアの軍事侵攻の前の2021年7月に48歳の若さで軍総司令官に抜擢されました。国民の支持も厚く、去年12月の世論調査では、ゼレンスキー大統領の支持率が62%だったのに対してザルジニー総司令官の支持率は88%と大きく上回っていました。ザルジニー総司令官の解任は今後の戦況だけでなく、政治と軍の関係全体、そして欧米との関係に大きな影響を与える可能性があります。

◆なぜ今解任か その理由とリスク
それではなぜゼレンスキー大統領は、ザルジニー総司令官を解任したのでしょうか。

やはり2023年半ばから始めた南部での反転攻勢が挫折し、戦線は膠着しているという事実があります。
ゼレンスキー大統領としては欧米の支援を受けて反転攻勢を始めたのに失敗したのは、軍指導部の責任だとの思いがあったのでしょう。またザルジニー氏がイギリスの雑誌のインタビューで戦線は膠着していると認めるなど大統領とは異なる評価を発表したことへの不満も両者の亀裂のきっかけとなりました。
一方ザルジニー総司令官の側には、東部のバフムトなどでゼレンスキー大統領によって無理な防衛戦を強いられ、そもそも欧米からの支援が遅れ、軍備、兵員が不足しているのは政治の責任だという不満が強まっていました。
ゼレンスキー大統領とザルジニー総司令官の間で一致していた点もあります。戦線の膠着を打開するためには、ドローンなど新たな技術を活用して、ロシアに打撃を与えなければならないという点です。ゼレンスキー大統領は、新たにドローン専門部隊の創設を発表しています。それではなぜ総司令官を解任したのでしょうか
ゼレンスキー大統領としては、軍指導部を一新することで、2024年こそ戦線の膠着を打破して、反転攻勢を成功させたいとの強い気持ちがあるのでしょう。しかし総司令官交代には大きなリスクがあると指摘せざるを得ません。
今回の人事刷新には、政治と軍の一体性を回復し、大統領の求心力を強めたいという狙いがあるでしょう。ここに落とし穴があります。別にウクライナに限ったことではありませんが、民主的な国家においては、最高指導者による人事の刷新は、求心力の回復ではなく、むしろ内部の不満を強めて遠心力を加速する恐れがあるのです。軍内部でも信頼の厚かったザルジニー氏の解任は、軍の政治への不満を表面化させる可能性があるでしょう。
ゼレンスキー大統領自身もそのリスクに気が付いていると思います。軍指導部刷新の国民への声明でも何人かの軍の司令官の名前をあげて彼らと対話をし、そのうえで陸軍司令官のシルスキー司令官を総司令官に任命したことを明らかにしています。
ただ新たな軍指導部に与えた課題からは、ゼレンスキー大統領のザルジニー総司令官の下で軍への強い不満も明らかになっています。

▼現在および将来の戦況を考慮したうえでの現実的な詳細な2024年行動計画の作成
▼前線への効果的な欧米の兵器の提供
▼兵士の効率的な交代システムの確立や訓練システムの改善
シルスキー新総司令官など新たな指導部への要求をみれば、ザルジニー総司令官は事実上更迭されたということはいえるでしょう。ゼレンスキー大統領の要求はそれぞれもっともなもので、新たな総司令官の下で改善が求められているのも事実でしょう。しかしシルスキー新総司令官も陸軍司令官として南部での反転攻勢の挫折や東部のバフムトなどでの戦いでの大きな損失については、同等の責任を負っています。またシルスキー新総司令官は、旧ソビエト軍のもとで軍歴を始めた旧世代に属する司令官であり、果たして軍の改革を実行して、より強いウクライナ軍を創れるのかどうか。その力は未知数と言わざるをえません。
兵員や武器の不足は、軍の問題ではなく政治が主体となって軍を支えるべき問題といえます。

またあえて厳しい戦況の中で人望厚いザルジニー氏を解任したことで、今後戦況が好転しない場合、不満が直接ゼレンスキー大統領に向かう恐れもあるでしょう。さらに解任したことで、国民の人気の高いザルジニー氏が逆にゼレンスキー大統領の政治的なライバルとして浮上する可能性も出てきたでしょう。

◆アメリカとロシアはどう見ているのか

では今回の解任についてウクライナを支援する欧米、特にアメリカがどのように見ていたのでしょうか。アメリカとしては、ゼレンスキー大統領には総司令官を含めて軍の人事を行う権限があり、新しい軍指導部とも密接な協力と支援を継続するというのが公式な立場でしょう。
今回の総司令官の解任については、先月末からCNNやワシントンポストなどアメリカのメディアがゼレンスキー政権内部の情報だけでなくアメリカ政府内部の情報などから伝えてきました。アメリカが重大な関心を持って大統領と軍総司令官の亀裂を懸念していたことがわかります。支援する立場のアメリカとしては、この亀裂を何とかしてほしいとは思っていたでしょうが、今ウクライナ軍が苦境に陥っている中で、アメリカも信頼してきたザルジニー総司令官の更迭までは望んでいなかったように思います。アメリカでは議会の混乱の中でウクライナへの支援を含めた予算案が決まらず、ウクライナへの軍事支援の実施が遅れています。今回の解任でゼレンスキー政権が混乱しないのかバイデン大統領は懸念を深めているでしょう。

一方、この状況を政治と軍の亀裂として利用しようとしているのはロシアのプーチン大統領です。プーチン大統領は侵攻直後にウクライナ軍に対して自ら権力を握れとクーデターを呼びかけるような発言をしています。8日にはアメリカのトランプ大統領に近い保守系のジャーナリスト・カールソン氏のインタビューを受けて、自説を延々と述べた上で停戦に向けた交渉の再開を呼びかけて見ました。トランプ前大統領が有力候補となろうとしているアメリカ、そして揺らぎの見えるウクライナに対して、さらに情報戦を強めてくるでしょう。

ゼレンスキー大統領は「南部の戦線が膠着し、ウクライナ国民が勝利について語ることが少なくなった」と述べています。大統領は総司令官の解任という思い切った政治決断をしました。戦線の膠着打開に全責任を負ったとも言えます。今後は50万人とも言われる新たな動員の強化など国民に不人気な政策も実行も迫られるでしょう。ゼレンスキー大統領の政治家としての力が問われています。  

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コメント
1. 盟神探湯[13] lr@QX5JUk5I 2024年2月14日 17:58:21 : jg7TevK1GQ : WDVCSkpEMElXUkE=[2] 報告
>一方、この状況を政治と軍の亀裂として利用しようとしているのはロシアのプーチン大統領です。プーチン大統領は侵攻直後にウクライナ軍に対して自ら権力を握れとクーデターを呼びかけるような発言をしています。

デタラメな論理だな。どうして、この状況を利用しようとして、侵攻直後の発言が出てくるわけ?しかも、「クーデターを呼びかけるような」とあいまいな記述で。

>トランプ大統領に近い保守系のジャーナリスト・カールソン氏のインタビューを受けて、自説を延々と述べた上で停戦に向けた交渉の再開を呼びかけて見ました。

これも、ディスりを目的とした反感煽り作文。インタビューを受けて自説をしゃべらなかったらどうするの?まさか、記者の自説でも聞きたいと思っているの?

とにかく、この石川記者の記事はサイテーだね。こんな奴が強制徴収の受信料でぬくぬくしてるのか。

2. アヒムサ[17] g0GDcYOAg1Q 2024年2月15日 06:29:31 : lBcPPA0ILU : WFNSMHhpQkZTMVU=[2] 報告
民主的な国家においては、ってどこの国もこと?ウクライナも何が民主的だと?冗談もいい加減にしたら。

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